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エトヴェシュ指揮LSO演奏会

2012年4月29日、バービカンホールにて。

Debussy Three Nocturnes
Szymanowski Violin Concerto No 1
Scriabin Symphony No 4 (‘Poem of Ecstasy’)

Peter Eötvös conductor (Pierre Boulezの代役)
Christian Tetzlaff violin
Ladies of the London Symphony Chorus
London Symphony Orchestra

ピエール・ブーレーズは目を患っているので降板らしい。もう恐らく聴くチャンスはないかもと思ってしまいました。
代役のペーテル・エトヴェシュは彼の作曲したオペラ「アメリカの天使達」のUK初演の際に舞台に顔見せしたのを見たことがありますが指揮を聴くのはこれが初めてです。指揮棒を持たずにしなやかな音楽を作る人で腕はなかなかのものです。オケのアンサンブルという観点からするといつものLSOとはちょっと違って緻密さがあまり感じられませんでしたが音楽的には3曲とも大変楽しめました。
ドビュッシーの夜想曲は実演では多分初めて聴いたと思いますが聴き応えのあるすばらしい曲で、音の強弱、音色の変化がいかにも彼らしい作品です。割と短めの曲なのに第3部に女声合唱を使うところから演奏回数は多くなさそうですがもっと聴きたい音楽です。
シマノフスキーのヴァイオリン協奏曲はこれが2度目の体験で最初に聴いたのは2006年のプロムスで独奏者はツィンマーマンでした。そのときと同様今回も曲の神髄を聴き取ったという状態ではありませんでしたが、テツラフのヴァイオリンがとにかく美しく、非常に楽しめました。純粋で品のある音色には本当に魅せられます。大きな拍手に応えてアンコールを演奏しましたがその曲は彼の特徴を思う存分発揮できる曲を選んだに違いなく、曲名も知らないのに(恐らく同じシマノフスキーか他の東欧の作曲家の作品と思われます)音楽を堪能しました。なおテツラフを経験するのもこれが2度目で、前回はベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲でした。演奏スタイルはそのときとほとんど同じです。

Christian Tetzlaff
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3曲目はスクリャービンの「法悦の詩」。2008年に初めて聴いて以来これが2回目の経験です。ヴォリュームたっぷりの芳醇な音が楽しめるのは実演ならではで、あまりCDなどで聴く気はしません。この曲はオーガズムを表現したものだという説があり、それを連想しながら聴いてみましたがなるほどという感じでした(^^;)

Peter Eötvös
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# by dognorah | 2012-05-01 01:12 | コンサート | Comments(3)

ベートーヴェン「荘厳ミサ曲」

2012年4月22日、バービカンホールにて。

Beethoven: Missa Solemnis

Nikolaus Harnoncourt conductor
Marlis Petersen soprano
Elisabeth Kulman mezzo-soprano
Werner Güra tenor
Gerald Finley baritone
Groot Omroepkoor (Dutch Radio Chorus)
Royal Concertgebouw Orchestra of Amsterdam

この曲は確か90年代にジョン・エリオット・ガーディナー指揮の手兵で聴いたことがあり、これで2回目の経験です。ガーディナーの時は余りよくわからなかった音楽も今日は大変楽しめました。管弦楽は言うに及ばず、4人の独唱陣も合唱団も美しくもすばらしく、恐らくこれ以上は望めないほどの水準の高い演奏でした。さすがにアーノンクールが選んだだけのことはあるなぁと感心しきり。合唱は特筆に値する水準の高いものでした。そのアーノンクール、今回初めて指揮を見ましたが指揮台も指揮棒も使わないで見事な音楽を作ってくれました。
この曲、前半は相変わらず私にはあまり理解できない音楽でしたが後半はとにかく美しく、貴重な体験でした。

演奏終了後に、イギリスの伝統的音楽ソサイエティであるRoyal Philharmonic Societyからアーノンクールに対してGold Medalを授与するセレモニーが行われました。挨拶では、音楽というものはまず作曲家があって成り立ち、その後奏者達が重要で私のような指揮者はどうでもいいというような謙虚なコメントがあって笑わせていました。

Elisabeth Kulman (mezzo-soprano) & Marlis Petersen (soprano)
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Gerald Finley (baritone) & Werner Güra (tenor)
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Nikolaus Harnoncourt
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Nikolaus Harnoncourt received Gold Medal from John Gilhooly
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# by dognorah | 2012-04-25 00:01 | コンサート | Comments(2)

ヴェーバーのオペラ「魔弾の射手」コンサート形式

2012年4月19日、バービカンホールにて。

Weber: Der Freischütz (concert performance)

Sir Colin Davis conductor
Stephan Loges: Ottokar/Zamiel
Martin Snel:l Kuno
Christine Brewer: Agathe
Sally Matthews: Ännchen
Lars Woldt: Kaspar (Falk Struckmannの代役)
Simon O’Neil:l Max
Gidon Saks: A Hermit
Marcus Farnsworth: Kilian
Lucy Hall: Four Bridesmaids
Malcolm Sinclair: narrator
London Symphony Chorus
London Symphony Orchestra

初めて体験するオペラです。実は昨年ベルリオーズが作り替えたこれのフランス語版を聴くチャンスがPromsであったのですがブダペストに行く用事のため行けなかったのです。
本日の公演はオリジナルのドイツ語版です。しかしドイツ語による地の台詞が多いのでその部分は英語によるナレーターによってストーリーが補足される形式でした。ザミエルは姿を現さず、スピーカーを使って暗い感じを表現していました。歌手はボヘミアの公爵オットカーとの二役担当なのでオットカーの時は舞台で歌っていましたが。
コリン・デイヴィスの指揮する音楽の何とすばらしいことでしょう。序曲からわくわくしながら聴いていました。このところLSOの音は本当にすばらしいし、歌手達もまあまあなので全体として十分楽しめました。マックス役のサイモン・オニールはいつも通りの美声。ファルク・シュトルックマンの代役ラーズ・ヴォルトも文句なし。クリスティン・ブリューワーも水準の歌唱。しかしこの人はますます太った印象を受けました。協演したサリー・マシューズの3倍ぐらい太い。そのサリー・マシューズは前半ちょっと声が引っかかるような感じでしたが後半は俄然よくなって第3幕のロマンスとアリアはすばらしい歌唱でした。
しかしそれにしてもこの作品はオペラとしてはあまり魅力を感じません。ストーリーが単純でばかばかしいところもありますし。あまり舞台で見たいとは思いませんでした。

Lars Woldt & Simon O’Neil
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Sir Colin Davis talking to Christine Brewer
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# by dognorah | 2012-04-24 21:18 | オペラ | Comments(0)

バレンボイム指揮ベルリン州立歌劇場管弦楽団

2012年4月17日、RFHにて。

Daniel Barenboim conductor
Staatskapelle Berlin

Bruckner: Symphony No.8 (vers. composite, ed. Haas)

この曲の実演を聴くのは2005年のエッシェンバッハ指揮ヴィーンフィル、2007年のハイティンク指揮コンセルトヘボーに次いで3度目です。特に今回は5年ぶりということで久しぶりに大好きな曲を聴けて幸せです。しかもバレンボイムという大物の指揮で初めてロイヤルフェスティヴァルホールという通常のホールでの演奏。なお前回まではノヴァーク版だったのでハース版を聴くのは初めてですが聞き比べているわけではないので私には違いはわかりません。
バレンボイムの指揮には何の問題もなくのめり込むことが出来ました。強奏でも刺激的な音は一切出さず美しい仕上げです。ティンパニーなど凄く音量をセーヴしている風な印象を受けました。今回第2楽章のトリオ部分で目が覚めるような美しいハープの音が目立ったのが新鮮でした。管弦楽団の実力はロンドンのオケとそれほど違わない感じですが弦楽器群の音がある種の輝きがあってやはり大陸のオケかなという印象を受けました。第3楽章ではその弦が効いて本当にロマンティックな美しさを堪能できます。第1楽章ではテンポはゆったりだなと思いましたが第2楽章以降結構揺れていました。特に第4楽章がそうで、随分早いなという印象部分もあり劇的に盛り上げていきます。
演奏全体から受ける感動はやはりエッシェンバッハの方が深いとは思ったものの十分楽しむことが出来ました。

久しぶりに見たDaniel Barenboim
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# by dognorah | 2012-04-19 08:29 | コンサート | Comments(2)

日曜夜の室内楽

2012年4月15日、Conway Hallにて。

Mozart: Duo in G, K.423
Handel-Halvorsen: Passacaglia
演奏:KloudDuo
Natalie Klouda: violin
Ashok Klouda: cello

Schumann: Trio No.2 in F, Op.80
Jean Françaix: Trio
Beethoven: Trio in E flat, Op.70-2
演奏: Barbican Trio
Sophie Lockett: violin
Robert Max: cello
James Kirby: piano

二組の演奏家による室内楽です。最初のものはPre-concert recitalと名付けられた30分程度のリサイタルです。ヴァイオリンとチェロによる二重奏というのはあまり聴いた記憶が無く、珍しい作品だなと思って調べたらこのモーツァルトの作品は元々はヴァイオリンとヴィオラのための二重奏らしい。ヴィオラの代わりにチェロでやるとなると少しスコアをいじっているのでしょう。それはともかく聞こえてくる音楽はとてもすばらしく、ヴァイオリンもチェロもよく響いて聴き心地のいい音楽でした。アンサンブルもすこぶるよかったし。
二人は夫婦で、それぞれ別の人たちとトリオやカルテットの室内楽活動をしていますが二人でやるときはこの名前を使っているようです。確かな腕と音楽性豊かな演奏で大好きになりました。

メインのコンサートは結成25周年を迎えるというピアノトリオの演奏です(それにしてはヴァイオリン奏者がかなり若いので、途中メンバー変更したのかも知れませんが)。

Barbican Trio (Conway Hallのサイトから借用)
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今回のプログラムではシューマンもフランセイもそれぞれ趣が違うもののまあ楽しめましたが、最後のベートーヴェンが圧巻で本日の白眉でした。このOp.70のトリオはOp.70-1とOp.70-2の2曲が含まれていますが、最初のもの(ト長調)が「幽霊」という名前で有名なためか、本日演奏された変ホ長調のものは演奏機会が少ないようです。でも音楽はすばらしく、さすがベートーヴェンです。スケールが大きく細やかな表現もいっぱいあって本当に楽しめました。演奏前にチェロ奏者から解説がありましたが、第2楽章のコインの裏表のような二重変奏が聞き所のひとつらしい。私は特にピアノパートの美しさに惚れ込みました。

このConway Hallはクラシックの室内楽は日曜の夜しかやりませんが、入場料8ポンド(1000円程度)で気が向いたら来て好きな場所に座って聴ける気軽なコンサートです。今まで何度か来ていますが、演奏の質は高いと思います。私の好きなベーゼンドルファーのピアノが常備されています。
# by dognorah | 2012-04-17 22:36 | コンサート | Comments(0)