2007年10月4日、カドガンホールにて。
Juan Diego Flórez: tenor Christopher Franklin: conductor Royal Philharmonic Orchestra Programme Gioacchino Rossini: Sinfonia from ‘Cenerentola’ Gioacchino Rossini: Deh troncate from ‘Elisabetta, Regina d’Inghilterra’ Gioacchino Rossini: Oh muto asil del pianto from ‘Guglielmo Tell’ Gioacchino Rossini: Sinfonia from ‘Barbiere di Siviglia’ Gioacchino Rossini: Cessa di più resistere from ‘Barbiere di Siviglia’ Vincenzo Bellini: All’udir del padre afflitto from ‘Bianca e Fernando’ Vincenzo Bellini: Sinfonia from ‘Norma’ Giuseppe Verdi: Questa o quella from ‘Rigoletto’ Giuseppe Verdi: Parmi veder le lagrime from ‘Rigoletto’ Gaetano Donizetti: Sinfonia from ‘La Favorita’ Gaetano Donizetti: Linda si ritirò from ‘Linda di Chamounix’ アンコール Gaetano Donizetti:Una furtiva lagrima from ‘L’elisir D’amore’ Juseppe Verdi:La donna è mobile from ‘Rigoletto’ Lara:Granada Gioacchino Rossini: Cessa di più resistere の後半 カドガンホールは約800人の聴衆で満員。巨大ホールであるバービカンと違って一人の歌手の歌唱を聴くには理想的な空間です。 フローレスは前回のバービカンでのリサイタルでは風邪を引いていて絶好調とは言えなかったようですが今日は全くの絶好調。最初の歌” Deh truncate”の出だしからして声の魅力の虜になります。どこまで伸びるのかと思わせる輝かしい高音。前半はロッシーニを3曲、後半はベッリーニ、ヴェルディ、ドニゼッティで4曲。そしてアンコールは3曲やったところでもう終わりだろうと思っていたら指揮者が出てきてオケのメンバーと打ち合わせをしている。用意したアンコールはすべてやってしまったので前半歌ったセヴィリアの理髪師のアリアの後半部分だけ繰り返して歌ってくれたのでした。 彼の声は前半は3曲目でちょっと荒れた部分がありましたが、後半はすべてスムーズでした。今が彼の旬でしょうか、全く心地よい歌唱で大満足。 写真は歓声に応えるJuan Diego Flórez #
by dognorah
| 2007-10-05 23:29
| コンサート
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2007年10月3日、St Jone’s, Smith Squareにて。
指揮:Yoel Gamzou オーボエ:Hernando Escobar ヴァイオリン:Célia Shann Barber: Canzonetta for Oboe and Strings Mozart: Violin Concerto No.5 Mahler: Adajietto from Symphony No.5 Beethoven: String Quartet Op.95 ‘Serioso’, arranged for string orchestra by Gustav Mahler このIMOというオケを聴くのは今年6月の演奏会に次いで2度目である。今日はシーズンはじめということでメンバーが揃えられなかったのか前回より小編成で、独奏者も身内から調達という省エネコンサート。でも音楽は十分楽しめた。 この中で最後の曲は珍しいものと思うが、マーラーがベートーヴェンの弦楽四重奏曲をオケ用にアレンジしているなんてことは初めて知った。低音部はコントラバスも加えている。ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の中期から後期の作品はは若い頃レコードで集中的に聴いたのでこの曲もよく知っているが、オケの合奏で聴くのも悪くないなと思った次第。 このオケは国際的メンバーで構成され欧州中で演奏会をするものの知名度もないので入場料収入はあまり期待できないと思われるが、財政的には寄付金だけで成り立っているのだろう。サポーターの名前が8名ほど印刷されているが筆頭にMarina Mahlerという名前がある。この人はあのマーラーの孫娘で今年63歳のはず。ロンドン在住である。だからこのオケも本部がロンドンなのだろう。話はそれるが、ググっていたらこの人がムンクの絵を巡って去年から今年に欠けて結構新聞を賑わしていたらしいことがわかった。 この人の祖母Alma(マーラーの妻)は魅力的な女性だったらしく、自身の浮気がばれてマーラーをショック死させたのみならず、その後2回も再婚している。2回目の相手の子供を産んだとき夫が喜んでムンクの「Summer Night on the Beach」という題名の絵をアルマに贈った。 #
by dognorah
| 2007-10-04 23:58
| コンサート
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2007年10月1日、ROHにて。
Götterdämmerung Third day of Der Ring des Nibelungen, in a prologue and three acts Music and libretto: Richard Wagner First Norn: Catherine Wyn-Rogers Second Norn: Yvonne Howard Third Norn: Marina Poplavskaya Siegfried: John Treleavan Brünnhilde: Lisa Gasteen Gunter: Peter Coleman-Wright Hagen: Kurt Rydl Gutrune: Emily Magee Waltraute: Mihoko Fujimura Alberich: Peter Sidhom Woglinde: Sarah Fox Wellgunde: Heather Shipp Flosshilde: Sarah Castle ジョン・トレリーヴァンはは金曜のジークフリートとほぼ同様の調子で、昨年のブーを浴びせられた公演に比べたらはるかによい出来でした。リサ・ガスティーンも彼女の持てる力をすべて発揮した歌唱だったと思います。しかし、二人ともそこそこ上手かったという程度で感動を与えるほどではなく、世界的なレヴェルからすればもっといい歌手はいるでしょう。 ハーゲンを歌ったクルト・リドルはジョン・トムリンソンに比べると硬い声質ですが迫力ある立派な歌唱でしたし、ハーゲンの冷たい性格がよく表現されていました。グンター役は最初は調子の乗らない歌唱でしたが後半はしっかりした声でした。しかし前回の方がよかった。 グートルーネは前回とほぼ同じで美声が印象的です。藤村実穂子も前回と同様立派な歌唱でした。小さい体でよくあれだけの声が出ること。 パッパーノの指揮する管弦楽は今日もいい演奏でしたが、ホルンが時折外しそうになってちょっとひやひやする場面もありました。でも4夜通して立派なヴァーグナーであったことは確かです。 こうしてこの演出によるプロダクションを3年前から始まったプレミエを含めて2サイクル聴いてみると、特に優れた演出とも思えず、再演してももう見にいくことはないだろうと思いました。ちょっと食傷気味です。 それにしても8日間でリングサイクルを通して見るというのは疲れました。上演する側はもっと大変でしょうが。これが4日連続となると更なるエネルギーが必要です。昨年だったか今年だったかケルンでは2日間で全部上演したらしいですが、ちょっと見に行く気力はないです。 ヴァーグナーの音楽はすばらしいけれど、劇としてはヴァルキューレが一番よくできていると思いました。今回は記事にも書きましたようにその一番よくできた劇で歌手も管弦楽も非常にレヴェルが高かったので大きな感動が得られました。このプロダクションの華ですね。 写真は左からLisa Gasteen、John Treleavan、Peter Coleman-Wright、Mihoko Fujimura、Catherine Wyn-Rogersです。 #
by dognorah
| 2007-10-02 22:03
| オペラ
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2007年9月28日、ROHにて。
Second day of Der Ring des Nibelungen, in three acts Music and libretto: Richard Wagner Mime: Gerhard Siegel Siegfried: John Treleavan Wanderer (Wotan): John Tomlinson Alberich: Peter Sidhom Fafner: Phillip Ens Woodbird: Ailish Tynan Erda: Jane Henschel Brünnhilde: Lisa Gasteen 前回の公演は2005年10月でした。 今回も歌手はすべてしっかりした歌唱でした。ただ、カーテンコールではリサ・ガスティーンに対して一部ブーも出ていましたが私には不満の原因がよく分かりません。 ジョン・トレリーヴァンはちょっとお太りになったようです。2年前でもジークフリートではよい出来でしたが、今回もとてもいい歌唱でした。それに加えて演技力が前より向上しているのがいいです。その調子で「神々の黄昏」でも頑張って欲しい。前回はさんざんでしたからね。 森の鳥役のアイリシュ・タイナンは美声のソプラノでなかなかよかった。前回のSarah Foxよりも上手い。 今回は2年ぶりにしても見るのが2回目ということもあり余裕を持って舞台を見ることが出来ましたが、最後にジークフリートがブリュンヒルデを覚醒させるというクライマックスがあるものの「指輪」の4夜の中では一番地味な楽劇だと思いました。主に筋の進行を説明するためにあるようなもので冗長さが感じられます。今回も演出は細かいところで変えていますが基本的にStory Tellerに徹した姿勢は変わっていません。 第1幕でWandererがミーメの住居に出現するところでは墜落した飛行機のコックピットにいつの間にか座っている設定になっているのですが、機械装置が上手く動作せずWandererの声はしても姿が現れない事故があり、ヘッドホンをつけた舞台マネージメントの女性がいきなり出てきて劇の進行を止めました。コックピットを覗き込んだり舞台下と連絡したりしていましたが解決せず、約5分であきらめてWandererの声がし始めるところから再スタート。結局Wandererは舞台袖から出現しました。ちょっと興をそがれましたがリハーサルも兼ねている公演なのでやむを得ません。 写真は左からJane Henschel、John Tomlinson、John Treleavan、Lisa Gasteenです。 #
by dognorah
| 2007-09-30 09:54
| オペラ
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2007年9月27日、バービカンにて。
Evgeny Kissin: piano Colin Davis: conductor London Symphony Orchestra プログラム ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ベートーヴェン:交響曲第3番 指揮者コリン・デイヴィスは今年80歳だそうですが、とても元気で両曲とも立派な演奏を披露してくれました。LSOは久し振りに聴きましたが音色といいアンサンブルといい今日は絶好調。 ピアノ協奏曲はキーシンも期待に違わぬヴィルトゥオーゾの演奏でしたが、私は今日は特に右手の弱音の美しさに感心しました。協奏曲なのでアンコールは1曲だけのはず、何かしっかりした曲をと期待しましたがこれははずれ。ベートーヴェンの何か小曲を弾いておしまいでした。 英雄交響曲は実演で聴くのは久し振りですが、実に堂々としたちょっと非の打ち所のない立派な演奏でした。私の全く個人的な好みに基づいて欲を言えば第1楽章でもう少しカンタービレを利かしたリリシズムがあればと言うところです。 写真はColin DavisとEvgeny Kissinです。 今日はこのコンサートのスポンサーである東芝さんのご厚意で招待いただき感謝です。もう20年もLSOをサポートしてきているとのことでしたが好不況に関わりなく芸術をサポートする姿勢に頭が下がります。演奏会後のパーティにはキーシンが両親やピアノの先生と共に出席し大勢のファンを喜ばせていました。 #
by dognorah
| 2007-09-30 07:27
| コンサート
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ロンドンに在住です。オペラ、バレー、コンサート、美術展などで体験した感動の記憶を記事にし、同好の方と意見を交わしたいと思っています。最新の記事はもちろん、過去の記事でもコメントは大歓迎です。メールはここにお願いします。
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