2006年 11月 30日 ( 1 )

ベラスケス展

Diego Rodríguez de Silva y Velázquez (1599 - 1660)展は先月からナショナル・ギャラリーで始まっていたのですが、先日パリへ行ったときに知り合った日本人画家がぜひ見たいからロンドンに来るというので付き合って見てきました。ビッグネームのせいか大変混雑しており、3人分の入場券は5日前に手配したのですが午前中はたった一つのタイムスロット(30分間)しか空いていませんでした。
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The Toilet of Venus,1647-51, The National Gallery, London

展示されている作品数は油彩ばかり46枚なので余り規模は大きくありませんが力作揃いです。ただし、有名なLas Meninasは来ていません。上の絵はベラスケス唯一のヌードですが、大きなポスターに刷ってロンドン中に張られているとちょっとドッキリします。艶かしいのはわけがあって、モデルは彼がイタリアで作った愛人だからでしょう(子供まで生んだこの女性を捨ててスペインに戻ってしまったそうです)。当時は女性のヌードは異例のことで物議を醸したそうですが、ベラスケスはあくまで神話上の話、と逃げました。お陰で後世のゴヤはこだわりなく「裸のマヤ」を発表できたそうです。

c0057725_2151745.jpg今までマドリードを始めあちこちでずいぶん見ているのでほとんど見たことのある作品ですが、幼児から老人までいろいろの対象人物の表情の表現や構図などやはりうまいなぁと思います。法王インノセント10世像は有名な肖像画ですが、詩人ゴンゴラの肖像画(Luis de Gongora y Argote, 1622, Museum of Fine Arts, Boston, 左の写真は部分)がわずか23歳の時に描かれたなど驚嘆します。

宮廷内の作品ではヴィーンにあるマルガリータ王女の肖像が今回一番惹かれました(次の写真)。
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Infanta Margarita in a Blue Dress, 1659, Kunsthistorisches Museum, Vienna

宮廷画家としての公的仕事で生み出された作品は力作ぞろいですが、トップに掲げたヌードをはじめ画家として自由に表現した作品の数々もとても魅力的です。次の写真は今回初めて見たものですが、何かに熱中している若い女性の魅力が画面に漂っている感じがして好きになりました。
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Sibyl with Tabula Rasa, c1648, Meadows Museum, Southern Methodist University, Dallas


Velázquez
The National Gallery
18 October 2006 – 21 January 2007
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by dognorah | 2006-11-30 22:12 | 美術