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バーンスタインの「キャンディード」ロンドン公演

2008年6月23日、ENOにて。

2年前の暮れにパリで初演されたカーセンのプロダクションがミラノのスカラ座を回ってやっとロンドンにやってきましたので、初日を見てきました。
パリからのTV放送を見ていたとは言え、やはり生で見ると楽しいです。最初はアメリカの50-60年代の映像が序曲をバックに流されますが、その音楽の何と活き活きしていることか。指揮者とオケに拍手です。また、主役のキャンディードにはちゃんとしたオペラ歌手であるトビー・スペンスが起用されましたがパリで主演したウイリアム・バーデンより歌がずっと上手かったので全体としてもいい出来だったと思います。相手役のクネゴンデはパリと同じです。ヴォルテールは当然のことながらここではすべて英語で話します。
5人の政治家が水着姿で出てくるところは現在の状況に応じて変えられていて、最初に舞台に出てくるのはシラクではなくブレアです。やはりロンドンでも受けていました。そして台詞も「僕ちゃん首相を辞めちゃったもんね」、シラクが「ワシもだよ」、ブッシュ「俺ももうすぐ引退さ」、プーチン「同じく辞めちゃったけど、ベルルスコーニ君、君は復活したね」など。ヴィデオを見ればもっと違いがいろいろ見つかるでしょうけれど。
この初日は満席でしたが、他の公演日は早くもディスカウントチケットが出回っているようです。
下の最初の写真はクネゴンデを歌ったAnna Christyとエールを送るToby Spence。右端はヴォルテール役のAlex Jennings。
バーンスタインの「キャンディード」ロンドン公演_c0057725_914021.jpg

次の写真は、盛大な拍手で成功裏に終わって上機嫌のRobert Carsenです。
バーンスタインの「キャンディード」ロンドン公演_c0057725_9143897.jpg

Candide
Comic operetta in two acts
Music by Leonard Bernstein
Lyrics by Richard Wilbur, additional lyrics by Stephen Sondheim, John Latouche, Lillian Hellman, Dorothy Parker and Leonard Bernstein
Book adapted from Voltaire by Hugh Wheeler, freely adapted by Robert Carsen and Ian Burton
Orchestrations by Leonard Bernstein and Hershy Kay, with additional orchestrations by John Mauceri

Conductor Rumon Gamba
Director Robert Carsen
Set designer Michael Levine
Costume designer Buki Shiff
Lighting designers Robert Carsen and Peter Van Praet
Dramaturg lan Burton
Sound designer Nick Lidster
Choreographer Rob Ashford

Cast
Voltaire, Pangloss, Martin:Alex Jennings
Candide:Toby Spence
Cunegonde:Anna Christy
Old Lady:Beverley Klein
The Grand Inquisitor, Captain, Governor, Vanderdendur, Ragotski:Bonaventura Bottone
Paquette:Mairéad Buicke
Maximilian:Mark Stone
Cacambo:Ferlyn Brass
Baron:James Glenister
Sailor:Simon Butteriss
Officer 1:Adrian Brand
Officer 2:Graeme Danby
Immigration Officer Aide:Philip Sheffield
Jazz Band Musician:Claire Mitcher
The Beggar:Thierry Laurion
by dognorah | 2008-06-27 09:25 | オペラ | Comments(7)
Commented by claudiacardinal at 2008-06-27 22:21 x
はじめまして。色々ごらんになっていらっしゃるんですねぇ。このバーンスタイン、ロンドンに来ていたとは知りませんでした。早速チケット購入しました!楽しみです。
私NYからロンドンに約3年前に移住してきたのですが、それにしてもロンドンはオペラが高いです・・・Metのように気軽に行けないのがちょっと悲しいです。
Commented by Sardanapalus at 2008-06-27 22:50 x
ああー羨ましい。既にディスカウントチケットですかぁ。私がロンドンにいたら毎回通うのに…。日本語公演と半コンサート形式のものしか見たこと無いので、このカーセンの演出でトビー君なら飛んで行きたいんですけどね~。クネゴンデは歌上手かったですか?

>上機嫌のRobert Carsen
あはは、本当だ。以前の仏頂面とは大違いですね(^^)これはカーセンの良いところがでている演出のようなので、このENOでの公演を映像化して欲しかったです。
Commented by dognorah at 2008-06-28 02:48
claudiacardinal さん、初めまして。映画通でいらっしゃるんですね。私はいろいろ見てはいますが時間がなくて映画はほとんど見ません。
そうなんです、ロンドンのオペラは欧米では一番高いでしょうね。昨日までドレスデンに行っていましたが、ゼンパーオーパーではダフ屋から切符を買ったにも拘わらずコヴェントガーデンの同様の席の半額程度でした。
Commented by dognorah at 2008-06-28 02:54
Sardanapalusさんだったら毎回通うだろうとは思っていました。残念ですね。7月5日の公演が BBC Radio3によって録音され、放送は何とこの秋ですって。トビー君の声だけ聴けますね。クネゴンデは上手かったですよ。パリでも上手かったからロンドンでも採用されたのかしら。
Commented by Sardanapalus at 2008-06-29 00:32 x
>BBC Radio3によって録音され、放送は何とこの秋
え、本当ですか!?例え音声だけでも放送されるならとても嬉しいです!!キャンディードは難しい役なので、歌の上手い人じゃないと駄目ですからね(^^)忘れないようにチェックします♪
Commented by claudiacardinal at 2008-07-10 17:57 x
こんにちわ。またまたお邪魔させて頂きます。見ました、カンディード。なかなかエンターテイメント的によくて大いに楽しみました。カンディードの話をアメリカの歴史にマッチさせるとはいいアイディアです。プロダクションも大いに楽しめました。特にハンギングシーンでKKKが踊っている処!
私の友人がNYCのリンカーンフェスティバルで「Die Soldaten」を見たそうですが、それはすごいプロダクションだったそうです。
Commented by dognorah at 2008-07-10 23:19
claudiacardinal さんも楽しまれたようですね!あのハンギングシーンはちょっと戦慄ものでした。最近見たThe Rake's Progressでも感じましたが、演出というのは特に現代物では大切ですね。Die SoldatenはDVDは持っていますが未だ見ていません(^^; こういうのも演出家が力を発揮しやすい作品かもしれませんね。
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