ヴィーンのアルベルティーナで開催中の展覧会を見た。
まず、クレーはA Play of Formsと題したもので素描がほとんどである。子供の描くような絵が多いが、わざとそういう絵を描いてそこからインスピレーションを引き出すような試みだったらしい。幼い頃の息子の描く絵もその目的で使ったそう。従って展示されている作品の多くは完成した作品と言うよりも試行錯誤のプロセスを表していると言える。しかしこういった素描でも一旦色がつけられると俄然印象はポジティヴになる。さすがと思えるすばらしい色使いだ。たちまち画面から詩が湧いてくるような感じがする。今まで彼の作品の多くに惹かれていたのはその色のせいであったことを思い知った次第である。 Albertina 2008年8月10日まで ついでに開催されていたココシュカの1938年以降の作品から構成されているExile and New Homeというタイトルのものも見た。彼の初期の作品展については既に記事にしたが、少し間があいているものの今回は後半生の油彩がかなり大量に展示されていた。すべてを見て思ったことは、後半の50年間はほとんど変わらない画風で、それは底抜けに明るく透明な色使いである。人畜無害な絵という感じだがこれはという絵はほとんど無い。先の記事で助六さんから頂いたコメント通りであることを再確認した形である。 Albertina 2008年7月13日まで
by dognorah
| 2008-06-02 00:28
| 美術
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ロンドンに在住です。オペラ、バレー、コンサート、美術展などで体験した感動の記憶を記事にし、同好の方と意見を交わしたいと思っています。最新の記事はもちろん、過去の記事でもコメントは大歓迎です。メールはここにお願いします。
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