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ロイヤルバレーの「オネーギン」

3月31日、ROHにて。

ONEGIN:Ballet in three acts
Music: Pyotr Il'yich T chaikovsky Arranged and orchestrated by Kurt-Heinz Stolze
Choreography and libretto: John Cranko (after a verse-novel by Alexander Sergeyevich Pushkin)
Staging: Jane Bourne
Set and costumes: Jiirgen Rose (Munich, 1972)
Lighting: Steen Bjarke
Conductor: Valeriy Ovsyanikov
The Orchestra of the Royal Opera House

ダンサー
Eugine Onegin: Johan Kobborg
Tatiana: Alina Cojocaru
Olga: Caroline Duprot
Lensky: Ivan Putrov
Prince Gremin: Bennet Gartside
Madam Larina: Genesia Rosato
Nurse: Gillian Revie

第1幕第2場でのタチアナがラブレターを書くシーンでのコボーグとコジョカルのPDDは息を飲むすばらしさで、感動の涙を流してしまいました。最初にオネーギンが背後からタチアナの腰を抱えてリフトするところでのコジョカルのまるで天女のように自然に空を飛ぶような姿形でまず完全に彼らのダンスに惹き込まれ、その後は至福の時間でした。私生活上でもパートナー同士である彼らならではのぴったり合ったダンスです。第3幕で言い寄るオネーギンを拒否するタチアナのシチュエーションで踊られるPDDもなかなか見応えのあるものでしたが、やはり恋心に想像を膨らませている第1幕の方が数段訴えるものが多く優れた出来になっています。コジョカルは読書が唯一の楽しみであるタチアナがオネーギンを見て心をときめかせる乙女になる過程や、決闘でオルガの婚約者レンスキーを射殺したオネーギンへの決別の意思表示、グレミン夫人という立場で成熟した女性、オネーギンの求愛を断固拒否した後の複雑な心境など見事に表情や演技を使い分けて表現していて、可憐な容姿と華麗なバレーと相俟ってほんとに惚れ惚れするダンサーです。
今日のオケは第1幕がやや堅い音だったものの第2幕以降はとても美しい演奏で、チャイコフスキーを堪能しました。指揮者はちょっと頑ななところがあって、観客の拍手は完全に無視し、間をおかず次の音楽を演奏する人です。ちょっとぐらいダンサーに挨拶させる時間を与えてもいいだろうにとは思いましたが、彼のポリシーなのでしょう。

下の最初の写真はCojocaruとKobborg、次の写真はDuprotとPutrovです。
ロイヤルバレーの「オネーギン」_c0057725_2254037.jpg

ロイヤルバレーの「オネーギン」_c0057725_22544167.jpg

by dognorah | 2007-04-01 22:55 | バレー | Comments(8)
Commented by ご~けん at 2007-04-02 01:07 x
コジョカルは本当に可愛いですね。こちらでもルグリと共演したジゼルが放送されました。小柄な体からは想像できないような存在感を示していると思いました。レニングラードバレエなどで来日するようですが、本当はロイヤル所属なのですね。実演を見たくなりました。
Commented by dognorah at 2007-04-02 01:42
ご~けんさん、東京ででも是非実演をごらんになってください。ただ、表情など細かいところはかなり近くの席でないとわからないと思いますが。
Commented by ザウ at 2007-04-02 03:10 x
キャー、イワンの写真有難うございまっす!見れば見るほど素敵だわ~。ぽよよ~ん。(目がはあと)
メールでも送っていただいて感謝感激雨霰です。

一幕最後のパドゥトゥ、本当に美しかったですねー。思い出しただけでも涙がこぼれちゃいそうです。

また是非とも、ご一緒してくださいね。楽しみにしています!
Commented by Matthew at 2007-04-02 07:02 x
コジョカルのオネゲン大変評判いいようですね。見たかったなぁ。
イワンも無事に復活してよかった。
Commented by dognorah at 2007-04-02 20:47
ザウさん、泣いたのが私だけじゃなくて安心しました(笑)。また機会があればよろしくお願いします。
Commented by dognorah at 2007-04-02 20:48
Matthewさん、コジョカルのSleeping Beautyビデオも入手されたようでよかったですね。今度は彼女の白鳥を見に行きますよ。
Commented by ゆうこ at 2007-04-14 20:51 x
偶然31日の券がもらえたので、初日に加えてこの日の公演も見ていました。本当にコジョカルはタチアナそのものでしたね。DVDを発売してほしいところです。
Commented by dognorah at 2007-04-14 23:14
ゆうこさん、2回目の鑑賞は同じ日でしたか。彼らのオネーギンはYouTubeでもいくつか見れますが、第1幕のPDDは今回の実演の方がはるかによく、やはり二人で演技を改善していっているようです。第3幕の映像は今回とほとんど同じでしたが。
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