12月17日、ヴィーン国立歌劇場にて。
Roméo et Juliette Music: Charles Gounod Diligent: Bertrand de Billy Inszenielung: Jürgen Flimm Lichtarchitektur: Patrick Woodroffe Kostüme: Birgit Hutter Chorleitung: Ernst Dunshirn Bewegungsregie: Renato Zanella Juliette: Annick Massis Stéphano: Michaela Selinger Gertrude: Margareta Hintermeier Roméo: Giuseppe Sabbatini Tybalt: Marian Talaba Benvolio: Martin Müller Mercutio: Eijiro Kai Paris: Hans Peter Kammerer Grégorio: Clemens Unterreiner Capulet: In-Sung Sim Frère Laurent: Dan Paul Dumitrescu Le Duc: Janusz Monarcha 舞台はとてもシンプルで装置はほとんどないに等しく、光線を多用してその場の雰囲気をイメージさせるやり方です。ほとんどミュージカル的という印象。花火が好きな演出家でもあります。ジュリエットのバルコニーシーンも舞台中央にしつらえた半円形の板が少し持ち上がって、その上に乗った彼女で表現している。最後にその板が垂直に立って回りの照明が全て消える中で発光し、瀕死のロメオとジュリエットが影絵になって手を取り合うシーンは効果的で美しい。 歌手では、ロメオを歌ったジュゼッペ・サバティーニがすばらしい声でした。ジュリエット役がいまいちの声だっただけに聴いている方は救われた感じです。そのジュリエットを歌ったアニック・マシスは一枚ヴェールがかかったような不透明な声が好きになれません。 他の歌手は概ねよい出来で、日本人バリトンの甲斐栄次郎はよく声が出ていて目立ちました。 管弦楽は全体的にはほぼ満足ですが、ヴィーン国立歌劇場管でもこんな音を出すのかというようなときがあり、ベルトラン・ドゥ・ビリーの指揮にやや疑問が生じました。 写真はちょっと暗いのですが、左からサバティーニ、マシス、甲斐、シム、ビリーです。
by dognorah
| 2006-12-21 23:02
| オペラ
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Comments(13)
まあ今度はウィーンに行ってらしたんですね。
すごい行動力、羨ましい限りです。 そう言えば、去年、サドラーズのロメジュリをご一緒しましたよね。dognorahさんに初めてお目に掛かったときです。あのときは若い人のオペラグループなので、かなり役柄の年齢に近い歌手でしたが、今回はサバティーニのロミオですか・・・ サバティーニ、そういえばロンドンに長い間来ないですね。ROHで観たのは随分前でした(椿姫)。
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dognorah at 2006-12-22 08:46
そうなんです、ヴィーン初見参です。今回はジュリエット役も30代後半でロメオと共に中年コンビでした。ジュリエットはあのときに見たアナ・リースの方がはるかにいいと思います。ロメオはサバティーニが圧倒的にすばらしいです。名前は知っていたのですが私はどうやら今回初めて聴いた人のようです。
dognorahさん、こんにちは。
ヴィーンでオペラ鑑賞いいですね。サバティーニさんの声って、艶もあるけど品があって、とても魅力的ですよね。彼のロメオ、聴いてみたいなぁ。想像しただけでワクワクします。 そういえば、私も初めてサバティーニさんの歌を聴いたのがヴィーン国立歌劇場での《ホフマン物語》でした。ミューズはキルヒシュラーガー。ああ、ヴィーン、また行ってみたいです。
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dognorah at 2006-12-22 10:09
snow_dropさんはとっくにサバティーニをヴィーンで見られていましたか。いいテノールですよね。ロンドンだけではなかなかいろいろな歌手に出会えなくてこちらからあちこち出かけざるを得ないです。
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Sardanapalus
at 2006-12-22 12:02
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今度はウィーンですか!良いなぁ~。やっぱり住むならヨーロッパが良いですね。
ジュリエットがあまり良くなかったのですか?それは残念。でも、サバティーニのロミオで救われましたね。私もいつか生で聴きたい歌手です。
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Bowles
at 2006-12-22 12:29
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サッバティーニはコントラバス奏者としてキャリアをスタートさせた人なので、歌手に転向したのは意外に遅く、80年代後半のことだったと思います。その歌手としてのキャリアのはじめから来日しており、本人もどうやら日本が気に入っているようなので、ほぼ毎年オペラやコンサートで彼の歌を最低年に一度は聴いてきました。時々その技巧が鼻につく感なきにしもあらずですが、いいリリコであったことはたしかです。マスネのデ・グリュもウェルテルも、もっと別の歌が聴きたいとは思いながら、ついつい聴かせてしまったところはさすがでした。ロメオもしばらく前に日本でも歌いましたが、その時は声が濁っていて、まったく良くはありませんでした。今年の春のムーティとのヴェルディのレクイエムもあまりいいコンディションとは思わなかったのですが、少しは復調したようですね。もうそろそろ「指揮者になるため」に引退するのではなかったでしょうか。
マシスは好きな歌手ですが、ジュリエットは合わないでしょうね。
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dognorah at 2006-12-22 22:56
Sardanapalusさん、そう、住むならヨーロッパです。英国ではありません(^^; 今回ほど飛行機での移動に苦痛を感じたことはないです。ミュンヘン辺りにいたら全部車で移動出来ちゃいますね。
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dognorah at 2006-12-22 23:30
サバティーニはそんなに調子の悪いこともあったのですね。でもこの公演を聴いた限りでは声といい歌唱といい絶好調のように思えました。
指揮者になるために引退ですか?まだまだ歌って欲しい人だと思います。
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助六
at 2006-12-23 08:01
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クリスマス前のヴィーン!いいですね~。行ける時に行っておかないと一生後悔することになると思います。昔「音楽より勉強」と言って下さった方の助言は、今にして誤りであったと思ってます(笑)。
マシスは、ニコライ、ラモー、ボイエルディウ、ロッシーニ、ヘンデル、リサイタルとか色々聴きまして捨てがたい美質のある歌い手さんと思いますが、本当に感心したこともない感じなんですよね。中々美人さんだし、ドゥセがいなかったら仏ではスターになっていたと思うのですが。歌やる前は小学校の先生やってたそうで、気さくな感じの歌い手さんですけど。 サッバティーニは93-06年に「ファウスト」「ファウストの劫罰」「ミトリダーテ」なんかで聴きました。スタイリッシュな歌唱は素晴らしいけど、音色は私も「濁った」と言うか黒ずんでしまったような印象を持ってます。
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助六
at 2006-12-23 08:02
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>ヴィーン国立歌劇場管でもこんな音を
ドゥ・ビリーは仏で振らない仏人指揮者の一人で、私もアラーニャのリサイタル伴奏で一度聴いただけですが、劇場感覚に溢れ、オケをきちんと鳴らす力もある堅固な職人仕事でした。 ヴィーンのレパートリー上演では、どうにもならんフヌケ・オケ演奏に何度がぶつかってます。恐らくオケ練習はゼロ、指揮者はぶっつけ本番ではないでしょうか。
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dognorah at 2006-12-23 09:26
行ける時に行っておく、本当にそうですね。幸いにして行きは霧も大したことはなく無事に行けました。帰りはちょっと大変でしたが。
マシスは皆さん褒めていらっしゃるので当日ちょっと調子が悪かったのか、あるいは本質的に私の嫌いな声なのか。美人ですが初々しさを表現しないのでジュリエットらしさは微塵もありませんでした。逆にサバティーニは「濁った」という印象はなく、引き締まった心地よい響きでした。 そう言えば今回の「ロメオとジュリエット」はこの日が初日でした。それもあってまだ指揮とオケがしっくり行っていなかった可能性はあります。
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さくら
at 2006-12-27 18:44
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こんにちは。いつも楽しく拝見しております。オペラの造詣の深さには感服しており、勉強になります。以前にパリ・バスチーユ「トロイ人」で書き込みをさせていただた者です。あの時の私は、パリで「ルチア」「サロメ」「トロイ人」そしてキーシンのPf協奏曲2曲おめあてでした。
ウイーン行かれたんですね。観光客であふれているウイーン・オペラ座の中でも、ものすごくすてきな3演目を選ばれたのは、さすが~。ところで、チケットをとる際に、下記のサイトから予約すると、国立オペラ座でなくて某エージェンシーにつながって、結局手数料をとられるというのは、本当ですか? http://www.wiener-staatsoper.at/Content.Node2/intro.php dognorahさんは、どのような方法でチケットを調達されましたか?
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dognorah at 2006-12-27 21:37
さくらさん、以前はannというHNでコメントされたんですよね?そうですか10月に3演目ご覧になったのですね。ドゥセのルチアはかなりそそられたのですが、日程が合いませんでした。羨ましい!
ヴィーンのチケットはご指摘のサイトから飛ばされるhttp://www.culturall.comというところから取っています。今まではそのときに買える切符を取っていたせいか手数料はありませんでした。安い切符で1ヶ月前でないと買えないものを事前予約したことはないので、それに関しては不明です。でも、それしか方法がないので仕方ないと思っています。現地で当日券も買える可能性もありますが不安ですよね。どの演目か忘れましたが、当日券が手に入らず、切符求むという看板を掲げている人たちがいる様も見ました。ダフ屋も見ましたが。
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ロンドンに在住です。オペラ、バレー、コンサート、美術展などで体験した感動の記憶を記事にし、同好の方と意見を交わしたいと思っています。最新の記事はもちろん、過去の記事でもコメントは大歓迎です。メールはここにお願いします。
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