Saturday 2 December 2006, 7.30pm
Renée Fleming: soprano Royal Philharmonic Concert Orchestra Andreas Dells: conductor Barbican Hall Mozart Overture: Die Zauberflöte(管弦楽のみ) Mozart 'Laudamus te' from Mass in C minor Ochs (attrib. Handel) Dank sei Dir, Herr Mendelssohn Nocturne from A Midsummer Night’s Dream(管弦楽のみ) Cilea 'Poveri fiori' from Adriana Lecouvreur Puccini 'Vissi d'arte' from Tosca Verdi Overture: La forza del destino(管弦楽のみ) Verdi 'Tacea la notte placida ... Di tale amor' from Il trovatore (interval) Korngold Overture: Captain Blood(管弦楽のみ) Korngold '!ch ging zu ihm' from Das Wunder der Heliane Dvořák Slavonic Dance in E minor, Op.72 No.2(管弦楽のみ) Smetana 'Dobrá! Já mu je dám! ... Radostí nesmírnou' from Dalibor Delius 'La Calinda' from Koanga(管弦楽のみ) Strauss '!ch komme - ich komme - grünende Brüder' from Daphne アンコールは2曲。 有名なソプラノですが、昨年のROHでのオテロに行かなかったので実演を聴くのはこれが初めてです。来年6月にコンサート形式のタイスに出演することになっているので行きたいと思っていますが。ちょっと前のDVDで見る姿よりやや痩せている感じで、最近の写真通りの美人でした。1959年生まれで2ヵ月後には48歳となります。 評判に違わず美しい声です。低音から高音までよくコントロールされ気品があります。トスカなど馴染の有名曲では、かなり遅めのテンポで余り感情の起伏を表現することなくさらっと流す感じでした。しかし、Ochs、Cilea、Korngold、Smetanaでは相当気合が入った歌唱で、特にスメタナは圧巻でした。本日一番感動した作品です。 アンコールは1曲目の曲はよく知りませんが、2曲目はポピュラー名曲でジャンニ・スキッキからラウレッタのアリアで、伴奏が始まったとたんに拍手。これもトスカと同様ゆっくり目のテンポで感情を入れることなく歌われました。 指揮者のデルズは彼女がアメリカから連れてきたのでしょう。ミルウォーキー交響楽団の常任を10年勤めていますが、世界各地でオペラ指揮にも招かれているようです。指揮はかなりうまい人で、初めて指揮するこのオーケストラからいい音を引き出していました。しかし調子に乗りすぎてちょっと音を出しすぎの感があります。フレミングはネトレプコほどの声量がないので声が霞んでしまうシーンが度々あっていただけません。 このオケは1987年に設立されてクラシックでもポピュラーでも何でも求めに応じて演奏する団体です。こういうイヴェントでは兄貴分のRPOより上手いかもしれません。
by dognorah
| 2006-12-03 23:00
| コンサート
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Comments(13)
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守屋
at 2006-12-04 06:16
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スメタナは本当によかったですね。ポーランド人の同僚がよく使う「Dobra」で始まるので、勝手に陽気な曲かと思っていたら、ドラマティックで。
僕のベストは、「ダフネ」です。これ、大好きなんです。一度はきちんとしたオペラで観たいと切望しています。来年の2月、二期会が東京で上演するそうですが、これだけのために帰国するのも。
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助六
at 2006-12-04 09:48
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アングロ・サクソンの歌い手さんは、ピアノ伴リサイタルでもこうしたゴチャ混ぜプログラムを組む人が珍しくなく、個人的には(特に歌曲リサイタルでは)苦手ですが、アドリアーナ、トスカ、トロヴァトーレ、コルンゴルトと並べて意欲的大サービスでは、文句なく楽しもうという気になりますね(笑)。
オペラはヘンデル、モーツァルト、ベッリーニ、ヴェルディ(オケ伴リサイタルでアリアのみ)、ドヴォルザーク、マスネ、シュトラウスと聴きましたが、プロで何歌っても、音楽的・語学的に一定のレヴェルは絶対に確保する歌い手さんですね。個人的にはイタリアもの特にベルカントはちょっと…ですけど(レオノーラはどうでした?)、一番説得的なのはやっぱりシュトラウスかなぁと思ってます。あと再演時のマスネが仏語含め意外な好演だったと思います。
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助六
at 2006-12-04 09:49
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独リートが良いのも意外で、エッシェンバッハとのシューベルトやH・ヘルとのシューマン・ベルクなんか、伴奏者の貢献も大きいけれど、テキスト細部に踏み入った立派なもので驚きました。
コルンゴルト好きなので、彼女のヘリアーネ聴かれたのは羨ましいです。良かったようですね。ヘルとの歌曲リサイタルのアンコールで「死の都」歌ってくれましたが、絶品でした。 レパートリーの非常な多様さもあって結局私には今ひとつ分からぬ歌い手さんですが、時々思わぬレパートリーで有無を言わせぬ素晴らしい歌を聞かせてくれる人と思います。
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dognorah at 2006-12-04 20:08
守屋さんは「ダフネ」でしたか。確かにめったに上演されませんねぇ。しかし最近の日本はレアなものまでじゃんじゃん上演されるオペラ大国という感じですね。ヤナーチェックなんかも立て続けに上演されていますし。
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dognorah at 2006-12-04 20:17
助六さんはしかしずいぶん彼女を聴いていらっしゃるんですね。羨ましいことです。仰る通りイタリア物以外の方がよかったですね。レオノーラはアドリアーナに次いでよかったもののイタリアものは全般的にやや平板という感じです。
「思わぬレパートリー」が確かに聴きものではあることを今回実感しました。
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Sardanapalus
at 2006-12-04 21:37
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去年ロンドンでフレミングのリサイタルを聴いたのを思い出します。(TBするほどでもないのでコメント内にリンクを貼らせてください)私もそのときがフレミング初体験でしたが、感情表現豊かなシューマンがとても良かったです。ということで、今回のプログラムでもコルンゴルド以降が気になりますね。今回はラジオ中継などは無かったですか?
http://blog.so-net.ne.jp/sardanapalus/2005-11-03
お久しぶりです。フレミングは私の大好きなソプラノです。最近リリースされたばかりの有名なアリア集,Hommageを早速買って、車に入れて毎日楽しんでいます。充実した輝きを持つ安定した声で、細やかな感情を聴く者に伝えてくれます。いいコンサートに行かれて、お幸せでしたね。
コメントでついでに申し上げてしまいますが、1月にパリへいらっしゃいますよね。ルーブルのオーディトリウムでは昼間にもコンサートをしていますが、ご興味がおありですか?おありならプログラムをお知らせいたします。
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dognorah at 2006-12-05 08:05
Sardanapalusさん、ちょっと時間的余裕ができたようですね。残念ながらラジオ中継はなかったと思います。マイク一つ立っていませんでしたから。
昨年はヘルのピアノによるリサイタルだったんですね。今年は歌っている時間が少なく、オケの演奏でかなり薄いものになったのが残念です。
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dognorah at 2006-12-05 08:11
sottovoceさん、フレミングのファンでいらっしゃったんですね。パリではロンドンより出演頻度が高いかもしれません。ところで1月は予定変更でパリ行きはなくなりました。次回は3月を予定しています。
こんにちわ。ルネ・フレミングさんはそう言えば今年6月に兵庫県立芸術ホールにてメトオペの「椿姫」でヴィオレッタ役で来日されました。彼女の生に接するのはこれが初めてでしたが、自分のブログを見ると彼女に関するコメントを書いていませんでした???それほど印象に残らなかったのかしら。ヴィオレッタ役に合わせてでしょうか?既にほっそりされていましたよ(^^)
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dognorah at 2006-12-05 21:45
マリリンさんはヴィオレッタ役で聴かれたのですか!羨ましい。美しさに見とれて歌のことが記憶に残らなかったとか(笑)
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hummel_hummel at 2006-12-13 03:10
先週、ミュンヘンでほぼ同じリサイタルを聴きました。フレミングの曲目は同じ、オケは別で、オケ曲のみ若干違いました。
正直に言いますと、当地での公演はそれ程には楽しめませんでした。チケット代がやたら高い半面、多くの招待券を配っており、安いチケットを求めて来ていた音楽ファンたちが可哀想でした。それでいて2階席は閉鎖して、平土間だけにしても空席が目立ちました。勿体無い。 >アンコール こちらでは、サマータイム等アメリカンな曲を3つを歌って、締めにシューベルトのアヴェマリア(クリスマスだからでしょうね)。客層のせいもありますが、なんだかディナーショーを聴いた感がありました。これは歌手のせいではないですけれど。 と、色々書いてしまいましたが、やはりフレミングの声は魅力的です。記憶よりもずっと端正な声でしたけど(体も痩せてましたね!)、歌唱は完璧。イタリア物も意外と楽しめました。とはいえ、やはりオペラで聴きたいですね~!
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dognorah at 2006-12-13 09:26
フンメルさん、ミュンヘンではそういう状況なんですか。招待券を貰っても来ない人がいる状態と言うのはなんとなく悲しいですね。ロンドンでも多分招待券は配っているでしょうけれど、3階席まで満員でした。
そうですね、私もオペラで聴く方がはるかに好きです。
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ロンドンに在住です。オペラ、バレー、コンサート、美術展などで体験した感動の記憶を記事にし、同好の方と意見を交わしたいと思っています。最新の記事はもちろん、過去の記事でもコメントは大歓迎です。メールはここにお願いします。
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