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ネトレプコ/ビヤソンのオペラアリアの夕べ

(ようやく電話回線が復旧したので記事のアップ再開です。)

10月31日、バービカンホールにて。ネトレプコを聴くのは昨年のジルダ以来です。

出演
Anna Netrebko (soprano)
Rolando Villazón (tenor)
Royal Philharmonic Orchestra
Emmanuel Villaume (conductor)

Gounod, Massenet, Tchaikovsky, Rachmaninov, Delibes, Sorozábal, Torroba, Mascagni, Catalani, Pucciniのオペラから12シーンをソロとデュエットおよび管弦楽曲4曲を織り交ぜた構成です。

まずネトレプコがグノーの「ロメオとジュリエット」から”Je veux vivre”を歌って景気付け。最初からあのネトレプコの声が思いっきり聞けて幸せ(^^) 調子よさそうです。しかし最前列で聞いていたstmargaretsさんたちによると、所々声が掠れて絶好調とはいえなかったようです。彼女は最後までほぼ同じ調子でした。

次いで登場したビヤソンはマスネーの最も知られていないオペラLe Mageから1曲。ネトレプコより声が小さい。今年の3月にROHの「エフゲニー・オネーギン」に出演しましたが、そのときも声量が物足りない印象でしたのでやっぱりそういう人かとがっかり。しかし、その後だんだん調子を上げて行って、休憩後の第2部ではもう絶好調。歌はもともとうまい人なので、声が戻れば言うことなし。非常に好きな声質というわけじゃないですが、これだけ調子を上げてくれると楽しくなります。

二人はとても仲がよく、デュエットで退場するときは手をつないだり抱き合ったり。二人とも聴衆の反応がいいと素直に喜びを顔に出すのでとてもかわいい。サーヴィス精神も旺盛でとてもお客さんを大事にしているのがわかって好感が持てます。ネトレプコは前半は黒のドレスで後半は白地に黒の模様と、カラフルなドレスが似合う人だと思っているのでちょっと地味なのが残念でした。
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アンコールは3曲。最初のオペラデュエットは知らない曲ですがアンコールにふさわしい盛り上がり方。2曲目はミュージカル、ウエストサイドストーリーから「マリア」、3曲目はザルツブルグの「椿姫」でおなじみのあの乾杯の歌を再現。その曲では二人とも海賊と魔女に仮装して登場し、さらに客を喜ばせます。
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管弦楽は音があまり良くないもののオペラをよく指揮しているというヴィローム(上の2枚目の写真に写っている人)のもとで歌手にとっては歌いやすい伴奏だったでしょう。
とにかく気持ちのいいエンターテイナー振りでとても楽しませてもらいました。普通のコンサートの2倍くらいの入場料でしたが価値はあったと思います。
by dognorah | 2006-11-07 19:15 | コンサート | Comments(8)
Commented by stmargarets at 2006-11-07 20:34 x
回線ふっかつおめでとうございます!
本当に素晴らしいコンサートでしたね。
ネトレプコ、近くで聞いていると絶好調ではなかったとはいうのも数回喉に声が入った感じになったのと、弱い声を出す時にすごくかすれた声になっていた事があっただけで、(でもそれも後半は大分よくなっていました)本当に素晴らしい歌声だったと思います。

本当に細くて綺麗なので、どこからあんな声が出るのかとマジマジと眺めてしまいました(笑)
Commented by Yoshi at 2006-11-07 22:23 x
電話回線の切断は初めてでしたか?
家は12年この家に住んで6,7回はありました、最後のが今年の8月、
そのつど二、三日は不通になるのですからたまったものではありませんね。
エンジニアに言わせると雨が降りすぎたとか、古ーい回線だからとか
何が本当のことかわかりません。
リーキング テムズウォーター パイプのようにそっくり取り替えないとだめかもしれませんね。
Commented by dognorah at 2006-11-08 08:51
ネトレプコは来年夏までロンドンに来ませんが、ドン・ジョヴァンニが待ち遠しいですね。
Commented by dognorah at 2006-11-08 08:54
Yoshiさんのところはそんなに頻繁に切れるんですか!私は家を何回も変わっていますが15年間で多分これが初めての経験です。
Commented by ガラちゃん at 2006-11-08 09:10 x
ネトレプコは私の目には明らかに声を遠くに飛ばそうとしていて、オペラハウスの歌い手だな、という印象でした。この点が、コジェナーとの大きな相違点と言えるのではないでしょうか。

実際、高音域では硬質の声がピンと張って、遠くまで通っていたのではないかと思います(サークル席で聞いておられた方、感想を教えてください)。ただし、テンションが落ちてしまう部分もあって、地声というよりはコントロールによって維持しているのでは?との印象です。

ネトレプコは前半が、ヴィラソンは後半が良かったように思います。ネトレプコはラフマニノフが印象に残りました。

ネトレプコ&ヴィラソンは、陰影深くというよりは「直情径行」で、強さのあるストレートな表現には、「アンドロイド&サンダーバード」みたいな感じもありましたが、とても楽しいコンサートでした。
Commented by dognorah at 2006-11-08 10:11
ネトレプコの歌い方は昨年のザルツブルグ「椿姫」とほぼ同じでしたね。ああいう歌い方をジルダの時にしたかどうか記憶が定かじゃありませんが。

>陰影深くというよりは「直情径行」・・・
同感です。
Commented by ロンドンの椿姫 at 2006-11-09 06:24 x
やっと記事が書けましたので、TBさせて頂きました。いつものように忘れた頃にアップするアホです。もっと手早く且つ短くしなくちゃとは思ってるんですけどね。
でも、期待通りのコンサートでよかったですよね~
Commented by dognorah at 2006-11-09 08:27
そういえばボエームの記事もアップされていませんね(^^;
椿姫さんの記事は一ひねりがあるので楽しみにしていますからぜひよろしくお願いします。
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