10月18日に逝去されました。心からお悔やみ申し上げます。専門の西洋史では特にフランスに詳しく、先日パリに行ったときも著書の「パリ」(1992年文芸春秋社)を携えていったものです。その他、含蓄深いエッセーをいくつか読んだことがあり、私の敬愛する方でした。
また、TV番組で接した人格にも感銘を受けた記憶があります。1980年代であったか、NHKの番組(多分N響アワー)で作曲家の芥川也寸志氏、作詞家のなかにし礼氏と組んだ対談番組があって、この3人のキャラクターが醸しだす雰囲気がすばらしく、毎週この番組を楽しみにしていたのを思い出します。N響の演奏を放送する前のイントロダクションとしてこの対談があったように記憶しますが、演奏はいいから対談をもっと長くしてくれ、と当時思ったものです。 この番組は惜しくも芥川さんが亡くなって事実上消えましたが(芥川さんの後任に岩城宏之さんが参加されたもののあまり3人は噛み合わなかった印象があります)、お三方のエスプリに富んだ会話は稀有のものでした。芥川さんが64歳という若さで亡くなられたときもショックでしたが、木村さんの76歳も現代ではまだまだ活躍できるお年と思っていただけに残念です。先日も著書の内容でお訊きしたいことがあって手紙を書こうかと家内と話していたところでした。まことに残念です。
by dognorah
| 2006-10-19 09:25
| 悲しい出来事
|
Comments(11)
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stmargarets
at 2006-10-21 01:30
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今年は西洋史専門の方の訃報が多いですね・・・。ほんとに残念です。
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dognorah at 2006-10-21 06:31
おや、他にもいらっしゃるんですね。TBでオペラキャストさんも書かれているように、少しでも著書とかでいい印象を受けた人が亡くなるのはほんとに寂しく残念なことです。
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助六
at 2006-10-21 07:08
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私も学生時代、氏の一連の比較文明史エッセイにお世話になりました。でも著書より印象に残っているのが、ラジオ座談会での冴えで、言いよどむことなど全くない記憶力の確かさと博識、議論の明快さとエスプリの豊かさで、文字通り才気煥発、独壇場の体でした。
と言うか、ラジオつけたらエライ冴えてる人が早口で喋っているので、つい聞き続けてしまったら、それが木村氏だったという次第でした。
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stmargarets
at 2006-10-21 08:25
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ドイツ史の阿部謹也さんが9月に亡くなられたニュースを読んだ時はとても寂しく思いました。
それと私は知らなかったのですが、フランス史の二宮宏之さんも3月に亡くなられたそうです。 お二人とも木村さんより若い70代前半だったのですが・・・。
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dognorah at 2006-10-21 08:37
助六さんも氏に感銘されたのですね。放送では私はTVしか知りませんが内容の詰まった話でした。仰るとおり言いよどむことがなかったです。
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dognorah at 2006-10-21 08:39
stmargaretsさんはそのお方たちとは著書での接点だったのですか?私は残念ながら存じ上げないです。
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Bowles
at 2006-10-21 09:55
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オペラがお好きな方は木村さんがお好きなのか(笑)、追悼記事を書かれている方が多いようですね。私にとっては、stmargaretsさんがお書きになっているように、二宮さん、阿部謹也さんの突然の死で驚いているところへ木村さんの訃報、という感じです。そして年齢的にはちょっと上ですがローマ史の弓削達氏も亡くなってしまいました。大物たちが急にバタバタと、という感じです。
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dognorah at 2006-10-21 20:28
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stmargarets
at 2006-10-22 06:08
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もちろん著作での接点しかありませぬ。阿部謹也さんの本には大学時代にとても影響を受け、エッセー書きにとてもお世話になりました^^。
え?弓削さんもですか?知りませんでした・・・。
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Bowles
at 2006-10-22 11:38
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stmargaretsさん、はじめまして。
>え?弓削さんもですか? そんなんです。弓削さんは世代的にもう一世代前ですが、阿部さん、そして阿部さんとともに、西洋・日本の違いはあっても日本で新しい史学の地平を開かれた網野さんなど、この1,2年残念な訃報が続いています。皆さんまだまだこれからでしたのに。
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stmargarets at 2006-10-23 20:23
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ロンドンに在住です。オペラ、バレー、コンサート、美術展などで体験した感動の記憶を記事にし、同好の方と意見を交わしたいと思っています。最新の記事はもちろん、過去の記事でもコメントは大歓迎です。メールはここにお願いします。
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