40年前の映画をDVDで観た感想を。チャイコフスキーのバレー「白鳥の湖」 オデット/オディール:マーゴ・フォンテーン(Margot Fonteyn) ジークフリート王子:ルドルフ・ヌレエフ(Rudolf Nureyev) ヴィーン国立歌劇場バレー団 管弦楽:ヴィーン交響楽団 振付:ルドルフ・ヌレエフ 指揮:ジョン・ランチベリー(John Lanchbery) 撮影年:1966年 美しい映像で音も想像以上によい。舞台での演技をそのまま撮ったものであるが観客はいない。ヌレエフの演出はプティパなどとはかなり変わっていて、宮廷の友人とか道化役とかがいない。また悪魔はあまり踊らない。要するに男性ダンサーでまともに踊るのは王子だけ。主役の自分が振付けるとこうなるのだろう。見ているほうは他のダンサーの妙技も見たいのだが。最後も王子だけが溺れ死ぬ筋にしてある。 まあとにかく絶頂期のヌレエフはたっぷり堪能できる。セクシーで美しい人だ。フォンテーンだってまだまだすばらしい踊りである。両腕の動き一つ取ってみても完成された技を感じる。これの7年ぐらい前に撮影された「火の鳥」を映画館で見たときは漲る若々しい生気に圧倒された記憶があるが、さすがに年はとっている。 第3幕の有名なオディールの32回転は数えてみたら28回転ぐらいではあるが見事。しかしそのすぐ後に王子が20回転以上やる。これがすごくてぞくぞくする。回転スピードが恐ろしく速いのにピシッと決まっているのだ。こういうのはあまり観たことがない。二人のすばらしいバレーに感銘するが晩年の悲惨さに至る過程を思い出しもし、つい涙ぐんでしまう。 1961年にソ連から西側に亡命したヌレエフは62年にフォンテーンとジゼルで初の共演をしてお互いに魅かれ、63年からロイヤルバレーを中心にペアを組むようになる。1919年生れの彼女はもう引退を考えていたが19歳年下のの天才ダンサーに出会って啓示を受け、さらに数年間ペアを組んでバレーを続けることを決意。引退したのは70年代になって、パナマの外交官である夫に従ってパナマに行ったとき。政敵に撃たれて体の自由の利かなくなった夫の世話で財産を使い果たし、心身とも疲れ果てた彼女は癌にかかって1991年に死亡。一方のヌレエフは男色にふけったのか、AIDSにかかって93年に死亡。ペアを組んで活躍中の二人は公私とも親密になって彼女は妊娠もするが流産してしまう。もし流産しなければ二人のその後はかなり違った人生になっただろう。
by dognorah
| 2006-10-17 19:11
| DVD
|
Comments(0)
|
最新の記事
以前の記事
2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 カテゴリ
プロフィール
ロンドンに在住です。オペラ、バレー、コンサート、美術展などで体験した感動の記憶を記事にし、同好の方と意見を交わしたいと思っています。最新の記事はもちろん、過去の記事でもコメントは大歓迎です。メールはここにお願いします。
検索
その他のジャンル
ブログパーツ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||