ソプラノ:Barbara Frittoli ピアノ:James Vaughhan プログラム Ludwich van Beethoven Ah! Perfido Franz Schubert Guarda, che Bianca luna Da quell sembiante appresi Mio ben ricordati Nel boschetto Felice arrivo e congedo Vincenzo Bellini Vaga luna, che inargenti Giuseppe Verdi In solitaria stanza Stornello Gioacchino Rossini La promessa L’invito: Bolero Henri Duparc L’invitation au voyage Chanson triste Phidylé Sérénade florentin Soupir Le manoir de Rosemonde Extase Au Pays où se fait la guerre 写真のように大柄な美人です。年齢のほどは知りませんが30代後半でしょうか。 豊かな声量で、小さなホールが飽和するような感じを受けました。中音域は瑞々しい美声で気持ちがいい。しかし最高音域はいかにも苦しそう。絞り出す声は乾いていてあまり愉快ではありません。絶叫するようなパートではそういう感じはなくスムーズに高音まで伸びているように思えましたが。わざわざ弱点を晒すような曲を選ぶわけはないので今日はちょっと調子が悪かっただけかもしれません。私はちょっとそれが気になって完全には楽しめませんでした。もしこの耳障りな点がなかったら相当な感動が得られただろうと思います。 ベートーヴェンはとても変化に富んだ魅力的な曲です。冒頭に持ってくるだけあって深みのある表現がなかなか印象的な歌唱でした。 次のシューベルトはやや一本調子で、豊かな声量でがんがん飛ばすという印象です。 イタリアものはさすがに上手い。 休憩後のデュパルクは多彩で細やかなニュアンスが美しく表現されていて非常によい感じです。しかし上に述べた高音が出にくいために生じる掠れが前半よりますます増えて、やや興醒めな部分もあったのは残念です。アンコールは2曲。歌い慣れたくだけたものを選んだせいかかなり乗っていましたが。 来月は管弦楽をバックにオペラアリア集を歌いますが、そのときは調子がいいことを祈ります。 ピアノ伴奏のジェームズ・ヴォーンはアイルランド生れの方ですが、非常に上手い。音のつぶら立ちがくっきりと気持ちがいいです。
by dognorah
| 2006-10-07 19:37
| コンサート
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Comments(21)
直前でも切符が買えたなんて驚きです。あの小さなwigmore Hallのことだから、とっくに売れ切れてると思ってました。私も行けばよかった~、と言っても、私は昨日は「ムツェンスク郡のマクベス夫人」に行ってたのですが。
フリットリはちょっと太りましたね。
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守屋
at 2006-10-08 07:31
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ウィグモア・ホール、最近久しく行っていないです。今週のThe Independentの彼女のインタヴューがありました。最高音域が苦しそうだったとのことですが、インタヴューによると、最初についた教師が彼女をアルトとして指導したそうで、彼女の本来の声質を見極めた教師に出会うまでの数年間で高音域を失ってしまったそうです。最良の教師の元、高音域を取り戻すのに更に数年掛かったそうです。
ロイヤルで「ルイザ・ミラー」を歌ったときはかなりよかったので、来月のアリアはかなり良いのではないでしょうか。
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助六
at 2006-10-08 09:32
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図星です!お若いからお教えしてもよろしいでしょう。67年ミラノ生まれだそうです。
彼女はリサイタルもやるんですね。ムーティが連れてきてマルトゥッチのオケ伴歌曲なんか歌ったのは聴いたことがありますが。美しい歌でした。シューベルトのイタリア語歌曲なんか中々やられないから貴重ですね。 パリで聴いたオペラ類を検索してみたら、リュー(97年)、フィオルディリージ(00)、「ミトリダーテ」のシファーレ(00)、「シモン」のアメリア(02)、ヴェルディ「レクイエム」(メータ指揮03)、デズデモーナ(04)でした。リリックな役から初めて、02年辺りからスピントな役に移ってきた感じですね。思い起こしてみると完全なハズレはゼロ、いつも上から下まで均一でナチュラルな発声で美しい歌を聞かせてくれました。特にアメリアとデズデモーナは舞台姿共々楽しませて頂きましたね。まあテバルディ・タイプと言いますか、もう少し個性と表現性があったら最高でしょうが、現状では最良のスピントなヴェルディ歌いになるんでしょうね。
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助六
at 2006-10-08 09:33
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声の疲労を感じたことはなかったのでちょっと心配です。スカラでレオノーラまで歌ってますしね。オペラのフォルテでは気にならなくても、歌曲歌うと荒さが露わというのは、ジョーンズなんかもそうでしたから、そうした事情もあるかも知れませんが。
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Bowles
at 2006-10-08 11:06
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フリットリは9月20日ごろまでフィレンツェのテアトロ・コムナーレとともに今年二度目の来日でした。私はでかけなかったのですが、一日だけリュウを歌うはずだったのが、当日喉の具合が悪くなったとかでキャンセル。ひょっとしたら、この具合の悪さをそのままひきずってのリサイタルだったのかもしれません。そういえば4月のムーティとのヴェルレクも万全ではありませんでした。でも彼女が歌うと、音の磁場が変わるんですよね、やはり。そこまで好きな歌手ではありませんが、去年のルイーザなどを聴くと、やはり今この役をこれだけ歌える歌手はいないと思ってしまいます。
アッバードがベルリン・フィルでランスをセミ・ステージ形式で演奏したときの映像が残っていますが、あのときピチピチの小間使いを歌っていたのが彼女。まだデ・カロリスとの結構前だったかもしれません。
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Bowles
at 2006-10-08 11:10
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「結構前」はもちろん正しくは「結婚前」です。
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dognorah at 2006-10-08 21:03
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dognorah at 2006-10-08 21:08
助六さん、正確なデータをお持ちですね。過去にそれだけ多くの機会を経験されてはずれがゼロだったということは、やはり今回は調子が悪かったのでしょう。
シューベルトのイタリア語歌曲は私も存在を初めて知りましたが確かに貴重な経験でした。
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dognorah at 2006-10-08 21:14
Bowlesさん、フリットリは今年既に2回も日本で歌っているのですか。ロンドンより多いですね。音の磁場が変わるというのはなんとなく理解できます。声も体も存在感がありますからねぇ。
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dognorah at 2006-10-08 21:22
守屋さん、面白いインタヴュー記事のご紹介ありがとうございます。アルトとして訓練を受けるとそこまで影響があるとは驚きました。もっともそのままで行ってもすばらしいアルトになったでしょうけれど。
守屋さんもルイザ・ミラーで彼女を体験されているのですね。私のときはBlancasというあまり馴染のない歌手が歌っていました(ロドルフォはアルヴァレスが歌いましたが)。
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ガラちゃん
at 2006-10-09 04:25
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この写真の角度だと、dognorahさんはバルコニー席にいらっしゃったのでしょうか? 私は、前から3列目で聞いていましたが、最初のベートーヴェンで打ちのめされ、ひらすら聞き惚れていました。
高音が苦しかった、と言われると確かにそうかも、という気もしてきましたが、フォルテでもうるさくならず、ピアノで痩せず、よく響いていたと思います。パッションも濃いですねー。 歌でも楽器でも、ホールの奥まで音が通るのが名手というもので、近くで聞いても本当の良さはわからないのかもしれません。私も距離を取って聞く方が好きです。ただし、贔屓の歌手が出るときは視覚的な楽しみも求めて、前の席で聞きたくなります。バーバラとも5回くらい目が合って、向こうは見ているつもりはないとわかっていても、それだけで点が甘くなっているのは確かではあります。(ああ、邪道ですね、私は) 至近距離で見るバーバラは相当にふくよかになっていて、思わず「フトットリ」とつぶやいてしまいました。。。
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dognorah at 2006-10-09 08:34
そうですバルコニーの最前列でした。今日は別の歌手を聴きましたが前から3列目でしたよ。ほんとに表情がよく見えて面白いですよね。
アーティストのパフォーマンスについてどう受け止めるかは人それぞれですから私のコメントは気になさらないでくださいね。ガラちゃんさんは十分楽しまれたのですからそれを大事にしてください。 >思わず「フトットリ」とつぶやいて・・・ キャハハハハ。大笑いしましたよー。 でも若いときの写真より艶があってよろしいかと。私も双眼鏡で確認しました。 来月のアリア集が楽しみです。
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stmargarets
at 2006-10-09 18:54
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私は今年のPromsで2曲(とは言え1曲はコーラス曲でしたが)聴きました。1曲目のオペラアリアはビブラートの鬼になっていてあまり好きでなくて、コーラス曲の方はとてもよかったので、自分でも好きか嫌いか決めかねていましたが、記事&皆さんのコメントを読んでやっぱり来月のコンサート、まだチケット取れたら行こうかな。という気になってきました^^。
私が観たときも確かに「フトットリ」でしたね(笑)
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dognorah at 2006-10-09 20:21
予定表を見るとアリアはモーツァルトのようですね。ビブラートの鬼ですか(^^;
先日買いに行ったときはまだ結構切符は残っていましたよ。
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hikari-kozuki at 2006-10-11 12:03
フィレンツェ来日公演のリューのキャンセルといい、最近の彼女の不調の噂は心配です。
2000年12月7日スカラ座オープニングの「トロヴァトーレ」のレオノーラ、2001年12月7日スカラ座オープニングの「オテロ」のデズデモナ、今後10年以上は彼女の時代、と確信していたのですが。 上の2演目は共に、ムーティがスカラ座の威信をかけて作り上げたステージなので、数ヶ月のプローヴァを費やして、万全の準備をしたはずです。もしかしたら彼女は、綿密な準備をして、プローヴァを十分に積まないとダメなタイプなのかも知れません。
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dognorah at 2006-10-11 18:36
上月さん、コメントありがとうございます。心配な彼女ではありますが今後見守って行きたいと思います。とりあえず来月は再びロンドンでオペラアリア集を歌いますので、またここで報告します。
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YOKO
at 2006-10-14 19:05
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どうして、太ったんでしょうネ--------、痩せるのが、今、主流なのに。。。
太った方が、歌いやすいのに。。。スカラ座の女王、陥落の、尾が、引いているんでは。。。知り合いが、絶賛してました、スカラ座の、オテロでは。。。 こんな、コメント、書いてしまったのも 昨年の、来日したときの、音楽の友の、彼女の表紙、ホント、気の毒なくらい、ヒドカッタデス。。。なんで、もっと、キレイニ、撮ってあげないんだろう と。。。歌ったアトかもワカリマセンガ。。。まるで、場末の、ホステス。。。失礼!ほんと、そんな感じでした。。。綺麗な時、一度ですが、知ってますので、ビックリ仰天。。。 dognorahさん、今、デッシ-が、輝いていますよ!特に、トスカ!!お相手の、テノ-ルとも、正式に結婚したみたいですね。。。ちょっと、コレ、自信ない情報ですが。。。日本のマスコミは、正式な結婚と、パ-トナ-関係を、ゴッチャニしますので。。。ワタシ、大ソプラノになるんじゃないかと、チョット、期待しております。 テレビで、感動したぐらいですから。。。しかも、ワタシの、苦手な、トスカで。。。ちなみに、彼女、前サバティ-ニ夫人です。
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dognorah at 2006-10-14 19:53
体型も現在の状態を維持できるなら女性らしさもよく出ていていいかなと思いますが、今後どうなりますか。
>今、デッシ-が、輝いていますよ! つい先日パリで歌ったルチアも評判がよかったようですね。パリでは今期はこれしか出ませんが、来年早々にコヴェントガーデンで「連隊の娘」を歌うので楽しみにしています。彼女は同役をそのあと引き続いてスカラ座とヴィーン国立で歌うことになっています。
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ガラちゃん
at 2006-10-15 02:51
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ダニエラ・デッシもナタリー・デッセイ(ドゥセ)も素晴らしいですね。ドゥセのルチアは、ガランチャのティートとどちらを聞くか迷った末、ガランチャを取ったので、聞けませんでしたが、連隊の娘は1月11・18日の2回行く予定です。
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ガラちゃん
at 2006-10-15 02:54
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唐突ですが、明日は、カドガンホールに「キリ・テ・カナワ&フレデリカ・フォン・シュターデ」を聞きに行きます。どちらも、「昔聞いた名前」ですが、まだ現役だったんですね。怖いもの聞きたさで、聞いてきます。
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dognorah at 2006-10-15 06:04
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ロンドンに在住です。オペラ、バレー、コンサート、美術展などで体験した感動の記憶を記事にし、同好の方と意見を交わしたいと思っています。最新の記事はもちろん、過去の記事でもコメントは大歓迎です。メールはここにお願いします。
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