Queen Elizabeth Hallでの演奏会です。
指揮:Jukka-Pekka Saraste ピアノ:Simon Trpčeski 管弦楽:Philharmonia Orchestra プログラム チャイコフスキー:The Voyevoda, symphonic ballard op.78 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調 op.18 シベリウス:交響曲第4番イ短調 op.63 指揮のサラステ、演奏家には珍しく赤いカマーベルトをつけて登場、おしゃれであることを印象付けます。左の写真ではちょっと色がわかりにくいですが、おなかの辺りを見てください。 指揮ぶりは同じフィンランド人のサローネンとは全く違うスタイルで、しなやかな棒捌きながら音楽は切れがよく、美しくもスケールの大きい音を出させます。1曲目はあまり聴いたことのない曲ですが、チャイコフスキーらしいメリハリの効いたいい音をオケから引っ張り出しながらも構成のしっかりした説得力ある演奏で、尋常ならざる指揮者であることがわかります。 ラフマニノフを弾いたトゥルプチェスキは1979年マケドニア生まれの若手です。マイナーなコンクールで数回優勝した経歴がありますが、既に大活躍でEMIが売り出しています。ロンドンでも人気があるのか、演奏後聴衆の数人(すべて女性)が花束やプレゼントを進呈していました。前から見ると髪はふさふさですが、後頭部はこの年齢にして早や薄禿。 ピアノはすごいダイナミックな演奏というわけではありませんが、叙情的な部分の音と演奏は非常に美しい。オケはダイナミックな演奏ながら弦がことのほか美しく(今日の演奏会はずっとそうだった)端麗なラフマニノフが表現されていました。まあいい演奏だったと思います。最後の低音部を叩き終ると同時にぴょんと立ち上がったら指揮者の横にいて直ちに握手なんて振る舞いで興奮を煽り立てるパフォーマンスも心得たもの。アンコールは短い叙情的な曲を1曲。どこかで聞いたことがあるようなメロディながら曲名はわかりません。 シベリウスはさすがにフィンランド人の手にかかると納得するだけという非の打ち所のない演奏だったといえます。私は最近CDでもほとんどシベリウスを聴くことはありませんが、交響曲を聴くとすれば4番とか5番あたりとは思っています。それにしても彼はほんとにいい音を引き出していました。第1楽章冒頭の低弦部による力強くも暗いメロディでぐっと心を掴んだ後、遅いテンポでの金管の咆哮でワーグナーやブルックナーを思わせる大きな世界を広げて見せてくれます。そのあとの楽章も集中力は途切れることなく、暗い部分を浮き彫りにしてこの時期のシベリウスが抱えていた精神的肉体的な苦悩を十分に解釈したものであったと思います。
by dognorah
| 2006-03-18 09:46
| コンサート
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Comments(9)
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supikametti
at 2006-03-20 08:27
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初めてコメントします。私もロンドンのオケのコンサートはしょっちゅういっているのですが、このコンサートは仕事でいかれませんでした...シベリウスの4番はいいですね、なかなか演奏されないので、ききたかったなあ。うらやましいです。
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dognorah at 2006-03-21 03:25
supikametti さん、始めまして。シベリウスがお好きなんですね。今年はどうかわかりませんが、来年はシベリウスの没後50年なので特集がいろいろ組まれるでしょう。
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YOKO
at 2006-03-21 21:17
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dognorahさん、お久しぶり。。。コノ、迫力ある、アイスランドに、changeして、当分、慣れなくって。。。前の、色、ワタシのダイスキな、色で、ホント、愛着がありました。でも、dognorah様の、ご心境の、変化に、敬意をヒョウシテ、ワタシ、ハヤク、慣れる努力を、イタシマス!(笑
さて、本題、Saraste、こんなところに、キテタンダ!!ホント、嬉しくなっちゃいました!彼、コンサ-トにおいて、若手NO.1と、ワタシ、ミテオリマス!、モチ、ティ-レマンより、コンサ-トだったら、彼のほうを、聞きたいぐらい!!3月、彼、どこ、演奏するのか、ワカッテタラ、ご一緒できたのに。。そして、昨日は、スカラで、プレ-トル聴けたのに!!あ----、3月は、彼、ここだったんですね!そう、それほど、ワタシの、ゴヒイキナンデス!!!赤い帯?NHKホ-ルで 観ました。彼、ブルックナ-も、いいですよ!独自なもの、持っております!ちなみに、ティ-レマンは、白の帯です。(笑)ワタシハ、4番より、2番がスキです。ともあれ、つい、先日も、Saraste---、キキタイ!と、ココロの中で、叫んでおりました!THANKーYOU!!!
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dognorah at 2006-03-22 18:52
YOKOさん、お久しぶりです。スキンを変えたのは心境の変化などではなく、以前から字が小さくて読みにくいといわれていたことを気にしていたからです。白抜きだと余計に読みにくいのかもしれません。それで字の大きいスキンを捜すとexciteではこの図柄しかなかったというわけです。滝の代わりに海というのもあるのですが、既に私のブログ仲間が使っていたので遠慮しました。
サラステは以前YOKOさんから推薦されましたので今度来たら聴いてみようと思っていたのです。記事に書きましたように確かに優れた指揮者ですね。今年からオスロフィルの音楽監督に就任する予定ですので今度はそれを引き連れてやってくるでしょう。
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dognorah at 2006-03-25 01:12
YOKOさん、サラステの次回コンサートは5月12日(金)のバービカンホールです。メインの演目はBBC SOを振ってショスタコーヴィッチの8番です。
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YOKO
at 2006-03-27 19:08
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ちょうど、昨夜、衛星で、ウイ-ンの、ティ-レマンの、定期、聴いたばかりだったのを、ドウシテカ、ロンドン行かないティ-レマンなので。
プログラムは、k&kの、ブログのとうり、彼にしては、珍しいものですが、CDでは、最初の頃に、べ-ト-ベン、シュ-マンも、出していますので、彼としては、よく、お勉強してます。でも、ワタシハ、未聴 ですが、べ-ト-ベン、評判悪かったんですよ。シューマンは、特に、3番は、やっと、日本の、オうるさい方々も、認め始めたもので、私の、アイチョウ盤でございます。でも、東京フィルの、主が、明らかに、上でした。感動って、イウ面で。。。まあ、ティ-レマンは、まだ、若いから。。。 問題の、運命!いや-、いいと思いましたね!以前の、9番よりも。時折、テンポトカ、彼独自なのがあるのですが、ソレが、嫌味にならず、解説者も言ってましたが、劇場型の、もう、ナンテいったらいんだろう、説得力、ありましたね。でも、プレ-トルだったら、追っかけたい、と、感じましたが、以前の、中継で。今回は、この程度だったら、行く必要なし、とも、感じました。やはり、ティ-レマンは、オペラ!コンサ-トだったら、ブルックナ-でしょう。。。
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YOKO
at 2006-03-27 19:29
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dognorahさん、アリガトウゴザイマス!5月か-------------、4月は、ドコカ、ワカッテイマスが。。。それにしても、3月、悔やまれます!プレ-トルの方は、スカラ座で、あの、ドレスデンと、幻想即興曲
だったんです!!実は、家族の都合で、この、1年、動けないんですよ!息子の、お受験で。。。はあ。。。でも、サラステの、オカオ、見たいな-----ああ、チト、考えてみます。。。。。
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YOKO
at 2006-03-27 20:55
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ゴメンナサイ!!幻想交響曲の、アヤマリでした!
最近、ワタシ、ポカが、多いです、春のせいでしょうか。。。
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dognorah at 2006-03-28 03:38
YOKOさん、4月から外遊が難しいわけですね。それだとほんとに3月は惜しかったですね。早くサラステの情報をお伝えすればよかった。
ティーレマンは良し悪しが激しいのですね。ロンドンに来てくれたらいいのですが、欧州で仕事がいっぱい入るのでわざわざロンドンには来ないのでしょう。
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