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バレー「ロメオとジュリエット」(3月3日)

ロイヤルバレーの公演です。

音楽:Sergey Prokofiev
振付け:Kenneth MacMillan
デザイン:Nicholas Georgiadis
指揮:Mikhail Agrest

Juliet: Tamara Rojo
Romeo: Carlos Acosta
Mercutio: José Martín
Tybalt: Thiago Soares
Benvolio: Yohei Sasaki
Paris: David Pickering
他多数

遅刻をしたので第1幕を見れず。
第2幕の群舞はなかなかすばらしい。その中でもアコスタのロメオの一段と高いジャンプにしなやかな肢体がひときわ目立つ。久しぶりに見る彼は少しやせた印象を受けたが、ダンスは相変わらず見栄えがする。佐々木もマーティンもいつもの安定した踊りである。
第3幕でようやくロッホとアコスタのデュエットがあるものの振付けはあまり派手ではない。仮死状態のジュリエットをロメオが嘆き悲しんで抱えながら踊るシーンがあるが、本当の死体のように筋肉に力が入っていないかのごとくロメオに合わせて抱えられるジュリエットの演技はなかなかのもの。

舞台も衣装も古典的でとても美しい。音楽と振付けも違和感なく溶け込んでいる。オーケストラの音だけ聴いていてもいいくらいのすばらしい演奏だった。
しかしマクミランの振付けにしては退屈なバレーだ。いつごろの振付けか知らないが恐らくまだ若いころの作品だろう。今日が379回目の公演だというから。第1幕からずっと見ていた連れの言葉でも、1幕最後のバルコニーでのデュエット以外は見るべきダンスはなかったらしい。後ろの席からはいびきも聞こえたそうな。あの「マノン」で見せてくれたすばらしい振付けに匹敵するものじゃないとせっかくのプリンシパルダンサーがもったいない。私にとってはマクミランのロメオとジュリエットはこれが最初にして最後となるでしょう。
バレー「ロメオとジュリエット」(3月3日)_c0057725_21555785.jpg
写真は、カーテンコールに応えるタマラ・ロッホとカルロス・アコスタです。二人には惜しみない拍手とブラボーでした。
ところで、このPrincipalに格付けされているダンサーと、佐々木のようにそのすぐ下のFirst Soloistに格付けされている人の違いは何かという視点で見ると、ダンスの切れがかなり違うということがわかりました。専門的に見るともっといろいろあるのでしょうけれど。
by dognorah | 2006-03-04 21:56 | バレー | Comments(4)
Commented by Matthew at 2006-03-05 02:29 x
3月3日、行かれたんですね。
僕は上司の送別会でキャンセルして見れませんでした。
僕が初めて、マクミランのロミオとジュリエットを見たときの感想。。。
踊りとして見るべきものがない。。。
隣の英人に楽しんでいるかと言われて、こう答えて悲しい顔されました。

でも、今はとっても好きです、マクミランのロミオとジュリエット。
この作品はアリーナ・コジョカルか吉田都で見るのがいいと思います。

非常に演技力を要求される演目ですし、とても細かい部分で
ダンサーの能力が問われるように思います。
普通のバレエとはちょっと違う作品ですね。

そして、音楽が素晴らしい作品ですよね。
僕も音楽を聴くだけで幸せになる作品です。
3月3日をキャンセルしたら来週の公演が取れず、再来週まで
お預けです。
Commented by dognorah at 2006-03-05 06:39
Matthewさん、こんばんは。行かれなくて残念でしたね。

>普通のバレエとはちょっと違う作品ですね・・・
そこがわからないと退屈しちゃうわけですね。私はまだスピード感溢れる見栄えのするダンスに魅了されている段階なのでそういう達観の域には遠いのです。
コジョカルか吉田ですね。覚えておきましょう。
Commented by ponchikrin at 2006-03-07 06:00
こんにちは。バレエの話となると出てきます(笑)
ロメジュリ、あまりお好みではなかったようで残念です。私にとってマクミランのロメジュリは音楽とドラマと踊りが見事に一体化した名作、もし一番好きなバレエ作品は何かと聞かれたらこれだと思うので。もう音楽と場面が印象として合体してるので、例えばラジオから最終幕、ジュリエットが泣き叫ぶシーンの音楽が聞こえてくるだけでこみ上げてくるものがあります。ただ、踊る人を選ぶというところはあると思いますが。私にとってはジュリエット=アレッサンドラ・フェリで、この人はジュリエットそのもの、2度映像化されているので、ライブの迫力にはかないませんがもし機会があったらご覧になってみてください。2本の間には約20年の間隔があるので見比べても面白いです。
Commented by dognorah at 2006-03-07 07:27
ponchikrinさん、NYでもロメジュリはマクミラン振り付けなんですね。
上にコメントされているMatthewさんもponchikrinさんもバレーに関してはのめりこんでいらっしゃる方々ですから、この演目は通好みなのですね。私もその辺が理解できればもっとバレーに傾倒しているのでしょう。もっといろいろたくさん見ることが必要ですね。今のところ家内の嗜好に合わせて行動していて主体性がまだ持てないのです。我が家は私がオペラとコンサートを引っ張り、彼女がバレーなどをリードしているものですから。
アレッサンドラ・フェリ、初めて聞く名前で失礼します。知識的にもロイヤルオペラに属している人しか知らないものですから。とにかく名前は覚えておきましょう。20年間隔でビデオがあるということはもうかなりのお年なんですね。
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