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ロイヤルオペラの來シーズンへの期待(1)

アル・カイダによるロンドンテロの余韻で少しの間外出を控える気分になりましたので生の音楽情報がアップできません。ということで、まだ今シーズンが終わったわけではありませんが、2005年9月から始まる来シーズンのコヴェントガーデンの演目で直近のものから順番に私の勝手なコメントなどを述べてみようと思います。最初は9月から11月にかけて上演されるものです。

・ プッチーニ作曲「西部の娘」
あまりポピュラーではない演目で、前回の上演は10年以上前だそうです。今回は、パッパーノ指揮で人気のホセ・クーラ(Jose Cura)と相手役はアンドレア・グルーバー(Andrea Gruber)で上演する。手持ちのCDを聴いてもあまり面白くない作品だけど、ホセ・クーラに敬意を表して見に行きます。

・ ニールセン作曲「マスカラーデ(Maskarade)」
これも珍しい20世紀コミックオペラ。なぜかデンマーク語ではなく英語での上演らしい。ロイヤルオペラは原語での上演がほとんどであるが時々翻訳英語が使われる。主演は、ジョン・デル・カルロ(John Del Carlo)とエンマ・ベル(Emma Bell)。£10の安い切符(抽選)が入手できれば行くつもり。あまり期待していません。

・ ワーグナー作曲「ジークフリート」
先シーズンから続いている「ニーベルンクの指輪」の第3部であるが、不思議なことにWanderer(Wotan)役が第2部までのヴォータン役のブリン・ターフェル(Bryn Terfel)ではなく、ジョン・トムリンソン(John Tomlinson)が歌う。他の劇場の上演のDVD(例えばブーレーズ指揮のバイロイト盤)を見ると、同じ歌手が通して出演しているし、それが自然と思うのだが一体どうしたことだろう。DVDの販売はしないのだろうか。ブリュンヒルデ役はこれまでと同じリサ・ガスティーン(Lisa Gasteen)が歌う。ジークフリートはジョン・トゥレリーヴェン(John Treleaven)です。まあ一番の楽しみなので行くつもりですが、希望した席が入手できず、かなり高いところを買う羽目になってしまったのは痛い。

・ ティペット作曲「真夏の結婚」
イギリスの作曲家Michael Tippett(1905-1998)の生誕100年記念ということで今年は多くの作品があちこちで演奏されていますが、これもその一環です。言葉は当然英語。主役はアマンダ・ルークロフト(Amanda Roocroft)とウイル・ハートマン(Will Hartmann)です。ティペットは初めてなので行くつもりです。希望の席も取れたことだし。
by dognorah | 2005-07-09 00:51 | オペラ | Comments(8)
Commented by hummel_hummel at 2005-07-09 06:19
すでに来シーズンを見据えてますね!といってもすぐに9月になってしまうんですよね、私も急ごうかな。すでに夏が終ることを考えるのは淋しいですが。。

上の4つのオペラの中では、ジークフリート以外は観たことないです。ヴォータン役が代わるのはターフェル側の問題なんでしょうかね?それほど長期に渡る指環ではないですよね?(1,2年?)個人的には、さすらい人って結構好きな役なんですけど。。ジークフリートは Treleavenですか。ハンブルクでローエングリーンやワルター(マイスタージンガー)を聴きました。何故か若い役ばかりですが、ちょっと無理を感じてしまいます。(悪くない歌手なんですけど)

テロひどかったですね。十分お気をつけ下さい。といっても世界中どこが安全という訳ではないですが。今開催中のF1英国GPで、シューマッハーが「テロはおこった国にいるのが、警備が厳重だから、一番安全だ。」と語ってましたが、その通りかもしれません。
Commented by dognorah at 2005-07-09 08:12
ご存知の通りオペラでもコンサートでもいいものは半年前に手当てしないとリーゾナブルな席は入手できませんものね。ヴォータン役についてはオペラハウスにメールで質問してみようと思っています。
しかしシーズン開幕を飾るにはちょっと地味な演目が並びましたよね。

テロに関しては平常通り行動するのがテロリストに対決する姿勢を表す最もよい方法といわれていますが、私も来週から通常通りの行動をするつもりです。
Commented by 助六 at 2005-07-10 09:31 x
コヴェント・ガーデンは、スター歌手による有名作に加え、珍しい作品も舞台に架けるのが立派ですね。パリは前・現監督共にそういう面では物足りないプログラミングでしたので、私のような「際物好き」は少々不満です。シャトレとかシャンゼリゼ劇場といった第2・第3の劇場がある程度補ってはくれていますが。「西部の娘」は観たことがありますが、ニールセンとティペットはさすがに知りませんので、羨ましいです。
「西部の娘」は難役の主役を歌えるソプラノが中々いないのが難点でしょうね。私が見たのはマゼール/スカラでしたが、西部劇仕立ての「軽薄さ」を容認すれば、オケ部は結構面白い部分も少なくないと思いました。ニールセンは面白い作曲家だと思いますので、「Maskarade」は、コペンハーゲンやブレゲンツが上演した時も興味を引かれました。無論行けませんでしたが。ティペットは器楽曲さえ聞いたことがありません。仏でも重要さを強調する文章は良く見るのですが。
Commented by 助六 at 2005-07-10 09:32 x
ターフェルはヴォータンを歌ったのは多分今回が初めて(?)でしょうから、何か難点に遭遇したのでしょうか。カラヤンの60年代終わりのザルツ復活祭上演は、「ラインの黄金」だけF.=ディースカウが歌ったようですが、これは彼は元々ヴォータンは自分の声には限界と考えていたのに加え、直後に交通事故に遭ったためのようです。近年のシュトゥトガルトの「指環」は、4作集中上演時にもヴォータンやブリュンヒルデは1作毎に違う歌手が歌った(?)ような気がしますが、これは4作別の演出家によるための故意の選択でしょう。



Commented by dognorah at 2005-07-10 23:06
採算を度外視して新しいものをやるという姿勢はロンドンの場合オペラだけでなくオーケストラにもありますね。最近ではマゼールの新作オペラ「1984」がありましたが、助六さんなら行かれたかもしれませんね。
Bryn Terfelは確かに今回が初めてのWotanでした。しかし、昨年、この役はバス-バリトンにとってはエヴェレスト山みたいなもので、自分はいよいよそこを登るのだ、と抱負を語っていますので、今回の降板はほんとに不可解です。
Commented by dognorah at 2005-07-12 03:23
フンメルさん、助六さん、ヴォータン役のターフェルについてオペラハウスに質問を出していましたが、今日返事が来ました。それによると、ジークフリートのヴォータンはもっと経験を積まないと自分は歌えない、と自ら降板したそうです。ちょっと寂しいなぁと思いましたが、将来を考えてここで無理はしないというところでしょうか。
Commented by 助六 at 2005-07-12 06:49 x
貴重な情報有難うございました。
もうきちんとした返事が来たとは、さすがにコヴェント・ガーデンですね。英米の広報サービスの優秀さは、仏の感覚からすると驚異です。
F.=ディースカウもヴォータン、ザックス、ファルスタッフは自分の声には重すぎて限界と言っていましたから、似たような事情かなとも想像していました。この辺の選択は、キャリアの分かれ目になりかねないので、上昇中の歌手には、ハムレット的悩みになるようです。
Commented by hummel_hummel at 2005-07-12 21:02
dognorahさん、ありがとうございます!
>・・・と自ら降板したそうです。
きっと本人も悩んだんでしょうが、潔い決断だったと言えますね。こちらのレポート読んでいても、口ぱく事件などもあったようですし、ヴォ-タン役はやはり大変なんですね。

>英米の広報サービスの優秀さは、・・・
これは仏だけでなく、独からみても驚異かも。。特にオペラ座などはカフカ的世界な気がします。。
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