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オペラ「リゴレット」

2012年4月7日、ROHにて。

Giuseppe Verdi: Rigoletto

Director: David McVicar
Conductor: John Eliot Gardiner

Rigoletto: Dimitri Platanias
Gilda: Lucy Crowe
Duke of Mantua: Vittorio Grigolo
Count Monterone: Gianfranco Montresor
Maddalena: Christine Rice
Sparafucile: Matthew Rose
Giovanna: Elizabeth Sikora
Marullo: ZhengZhong Zhou
Matteo Borsa: Pablo Bemsch
Count Ceprano: Jihoon Kim
Countess Ceprano: Susana Gaspar
Usher: Nigel Cliffe
Page: Andrea Hazell
Royal Opera Chorus
Orchestra of the Royal Opera House

このマクヴィカーのプロダクションは2001年プレミエだったのでもう11年前のものになります。随分再演されていますが過去に私が見たのは3回だけでこれが4回目です。今回のお目当てはヴィットリオ・グリゴーロですが、期待通りのすばらしい歌唱で大満足です。ピアノからフォルテまですべての音域で惚れ惚れする声は相変わらずで、今まで何度か舞台で聴いたものよりも一段と歌のうまさが感じられました。
タイトルロールの初めて聴くギリシャ人バリトン、ディミートリ・プラタニアスもいい声をしていて迫力もあり、これはまた注目すべきバリトンです。外見はハンサムとは言えないので女性支持者は少ないかも知れませんが。
ジルダを歌ったルーシー・クロウは個人的事情で降板したEkaterina Siurinaの代役で、この日がこの役のデビューでした。そのせいでやはり緊張していたのでしょう、第1幕で登場したときは高音部が乾いた音色で伸びもなくおやおやという印象でした。暫くすると高音も潤いが出てきて全体としてはまあまあの歌唱でしたが、最高音部は終始苦しく、ちょっと聴きづらくなります。
殺し屋役初登場のマシュー・ローズは上手い歌唱でしたが低音部はもう少しドスのきいた声が欲しいところです。
マッダレーナ役のクリスティーン・ライスは演技も含めてかなり上手く、第2幕の有名な4重奏もしっかり。
指揮のジョン・エリオット・ガーディナーのヴェルディはROHで聴くのは「シモン・ボッカネグラ」に次いで2回目ですが前回と同じくさすがと言える音楽を聴かせてくれました。ROHのオケがこんなに美しい音を出すのか!と驚く場面もしばしばでしたし、劇的表現も凄いものがあります。狭いオケピットの中にコントラバスが8本ちゃんと入っていましたが普通のことなんでしょうか。なんか低音を増強している風に思えたのですが。

Dimitri Platanias
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Lucy Crowe, Vittorio Grigolo and Christine Rice
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Vittorio Grigolo
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John Eliot Gardiner
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by dognorah | 2012-04-09 09:02 | オペラ | Comments(4)
Commented by keyaki at 2012-04-09 17:04 x
dognorahさん
今回は再演ですしパスされたのかと思っていました。

>期待通りのすばらしい歌唱で大満足です
それは嬉しい...よかったです。
LiveCinemaも日本では上映されないので残念ですが、この演出は、DVDとNHKの放送で見ていて、知っていますが、グリゴーロの公爵は、演技も歌もやり過ぎという方もいるようなので、どんなのかますます見たくなります。

舞台写真とか、カーテンコールの写真を見て楽しんでいますが、モデル並の体形のグリゴーロが着ると同じ衣裳でもずいぶん違うものですね...

リゴレットのプラタニアスは、あの体形、容貌ですから、若いのにリゴレット専門になっているようです。普通バリトンにとって、リゴレットってキャリアを積んでからの役ですよね。
6月にはラジオ放送があるようですから、楽しみです。

こちらの記事をリンクさせていただきましたので、よろしくお願いします。
http://colleghi.blog.so-net.ne.jp/2012-04-04
Commented by dognorah at 2012-04-10 01:41
keyakiさん、さすがに初日以来のレヴューをすべて集められていますね。グリゴーロの声は確かに大きいですが好きな声なので私はいくら大きくても何ら不満はありません。弱音でジルダとハーモニーする部分なんかデリケートな歌唱で心底感嘆しましたよ。本当に歌は上手いです。演技だって突っ立っているだけのような印象のアルバレスより遙かにいいですし。
Commented by Primrose at 2012-04-11 07:09 x
今回のリゴレットはグリゴーロの伯爵はカリスマ性があってハンサムで素敵でしたし。そしてプラタニアスはハンサムではないけど、私は彼の声に惚れました!新しく好みの声のバリトンを発見できて嬉しかったです。来シーズンのSimon Boccanegraでまたロイヤルオペラに戻って来てくれるみたいで楽しみです。
Commented by dognorah at 2012-04-11 22:04
Primroseさんもプラタニアスの声が好みなんですね。来期のシモン・ボッカネグラですか。チェックしていませんでした。楽しみですね。
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