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アカデミー・オヴ・セントマーティン・イン・ザ・フィールズ演奏会

2011年3月4日、カドガンホールにて。

Academy of St Martin in the Fields
Joshua Bell: violin
Steven Isserlis: cello
Ian Brown: conductor

Haydn: Symphony No.13 in D major
Mendelssohn: Symphony No.4 'Italian'
Brahms: Double Concerto for violin and cello

この室内管弦楽団を聴くのはとても久しぶりですが、やはり上手いものです。とても楽しめたコンサートでした。弦の構成は6-6-6-4-2でした。
まず1曲目のハイドンは、指揮台にチェロを持ったスティーヴン・イッサーリスが座り、弾き振りをやりました。第2楽章になると彼はやおら椅子を反対向きにして聴衆の方を向いて弾きます。この楽章ではチェロが協奏曲のように活躍する場面があり、彼はこれをやりたかったから弾き振りにしたのね、と納得。第3楽章以降は元通りオケの方を向いて弾き振りです。演奏はそれはもう生き生きとしたハイドンですばらしいものでした。

2曲目のメンデルスゾーンは、今度はジョシュア・ベルが弾き振りをやりました。といっても指揮者の位置ではなく、コンサートマスターの隣に座って第1ヴァイオリンのパートを一緒に弾くのです。時折演奏をしないで弓で指揮をします。この人はひょっとして指揮者志向なのでしょうか。もう今年44歳になるので可能性はありますね。演奏はこれまたすばらしく、壇上の奏者がすべて音楽を楽しんでいるのがわかるくらい音楽をしている感じです。そしてベルは類い希な音楽性を持った人なんだなということも実感しました。彼の煽りでオケはそれはもう力強い「イタリア」を演奏したのでした。この曲でこんなに満足したのは初めてです。ブラヴォー!
彼はロンドンでの露出度が高いので調べたらRoyal Academy of Musicの教授をしているのでした。それで定期的にロンドンに来なくてはならないわけです。

最後の曲になってようやく専任の指揮者が登場します。イッサーリスのチェロはガット弦なので音が小さく、ベルのヴァイオリンの方が音量があってちょっとアンバランスと思えるところはありますが音楽する心は人一倍のイッサーリスは演奏でそれを補うかのように情熱的にチェロを響かせます。ここでもオケのアンサンブルはすばらしく、よくまとまった音楽となりました。

Joshua Bell & Steven Isserlis
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右端手前が指揮者Ian Brown
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by dognorah | 2011-03-06 03:03 | コンサート | Comments(2)
Commented by ご~けん at 2011-03-06 08:52 x
素晴らしい取り合わせと曲目ですね。ベルとオルフェウス室内楽団で、彼の弾き振りを経験しました(http://gohken.exblog.jp/9310573/)。彼はカデンツァを作ったりしますし、演奏以外の才能も豊富みたいですね。
Commented by dognorah at 2011-03-06 19:25
ご~けんさん、この日はほかにも行きたいコンサートがあったので非常に楽しめて納得でした。あまり満足できていなかったら後悔していますからね。
ベルのベートーヴェン協奏曲は昨年3月にムーティの指揮で聴きましたがそのときも自作のカデンツァでした。才能豊かな人ですね。
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