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アウグスト・ストリンドベリ(August Strindberg)展

テームズ川南岸にあるTate Modernで開催中の展覧会に行ってみた。
ここは昔の発電所を美術館にコンバートしたもので、オープンは2000年5月である。高い塔は恐らく煙突だったのだろう。写真はミレニアムブリッジから撮ったもの。
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美術館の北向きのバルコニーからは川を挟んでセントポール寺院が目の前に見える(次の写真)。
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ストリンドベリ(1849-1912)という人はこれまで劇作家として有名で、絵画の世界ではあまり評価されて来なかったが、最近モダンアートの先駆として再評価されつつあるようで、欧州各地で開催された展覧会でも好評だったという。それを受けてイギリスでも初の回顧展が開催されることになったらしい。しかしあまり人気は無く、土曜日だというのに閑散としていた。常設展示の方にはいっぱい人がいたが。

展示は油絵が大部分で約60点あり彫刻数点と写真家としての作品も30点ぐらいある。大部分は生地のスエーデンから来ているが、オルセー美術館などからも数点来ている。

油絵をぱっと見た感じでは、画風がターナーに似ている。それもそのはずで、彼は新婚旅行でロンドンに来てターナーの絵がえらく気に入ったらしい。いくつかの複製画を持っていたようで、それも今回展示してある。海の風景画などを見れば彼の画風にはっきりと影響を読み取ることが出来る(次の写真、Wave VII)。
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ただし、ターナーのものより荒々しく激しい。筆とナイフを使って暗い色調で絵の具を塗りたくって海も空もダイナミックに仕上げられている。彼が戯曲や小説でなしに絵を描くときというのは文筆の方がうまくいかなくて心が荒れているときだったという。それがこの荒々しさに正直に表現されている。結果としてシュールレアリズムや表現主義のはしりと言われることになるようだが。

ただ、いつも荒れているわけではなく非常におとなしい絵もある。次の写真などほのぼのとして見ていて気持ちがよい。海岸に咲く花という題名だ。
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私が最も気に入った灯台という題名の絵の写真は入手できなかったが、それは構図もナイフのタッチも色調(暗めではあるが)もしっかりとした存在感のある地面の表現も魅力的であった。
次の写真の絵はストックホルムをベニス風に描いたもので、これも佳作と思う。
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自分にとってまた新しい画家に接することが出来てよかった。
by dognorah | 2005-04-03 03:55 | 美術
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