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ルネ・フレミング+シャルル・デュトワ

2009年11月3日、RFHにて。

プログラム
Sergey Prokofiev: Romeo and Juliet - Montagues and Capulets
Sergey Prokofiev: Romeo and Juliet - The Young Juliet
Sergey Prokofiev: Romeo and Juliet - Madrigal
Sergey Prokofiev: Romeo and Juliet - Minuet (The Arrival of the Guests)
Sergey Prokofiev: Romeo and Juliet - Masks (Romeo and Mercutio masked)
Sergey Prokofiev: Romeo and Juliet - The Balcony scene
Sergey Prokofiev: Romeo and Juliet - The Death of Tybalt
Sergey Prokofiev: Romeo and Juliet - Romeo at Juliet's Tomb
Interval
Peter Ilyich Tchaikovsky: Tatiana's Letter Scene (Eugene Onegin)
Peter Ilyich Tchaikovsky: Fantasy Overture, Romeo & Juliet (vers. standard, 1880)
Ruggiero Leoncavallo: Musetta svaria sulla bocca viva (La Boheme)
Ruggiero Leoncavallo: Mimi Pinson la biondinetta (La Boheme)
Umberto Giordano: Nel suo amore (Siberia)
Giacomo Puccini: Sola, perduta, abbandonata (Manon's aria) (Manon Lescaut)

Royal Philharmonic Orchestra
Renée Fleming: soprano
Charles Dutoit: conductor

フレミングがデュトワの棒で歌うという珍しい組み合わせのコンサートです。あるいはアメリカあたりでは既に共演したことがあるのかも。10月31日にアムステルダムで同じ伴奏で同内容の歌を演奏した後ロンドンにやってきたようです。ただし管弦楽曲は一部違っていますが。恐らく欧州各地で公演してきたのでしょう。今夜のガウンは凝ったデザインでちょっとややこしいものです。ベージュ系のおとなしい色ですがもう少し派手でもいいのに。多くの微小ダイヤによる細かい細工のネックレスが素敵でした。つい数ヶ月前の「椿姫」以来の彼女ですがそのときよりちょっと太めになったかなと思いました。

前半はプロコフィエフの「ロメオとジュリエット」組曲抜粋。1年前にゲルギエフ指揮で全曲を聴いており、/それは名演でしたが、デュトワが振るとまるで違う雰囲気です。しかしこういうスタイルもありで、充分音楽を楽しめました。とにかく上手いです。
後半になってようやくお目当てのフレミングが登場。いきなりエフゲニー・オネーギンの手紙のシーンという大曲です。出だしはちょっと声のコントロールがうまくいかない部分がありましたが歌うにつれてどんどんよくなり、結果としてはすばらしいシーンでした。彼女は2007年にゲルギエフ指揮でMETでこれを演じているんですね。

次のチャイコフスキーの「幻想序曲」は前半とこの直前のプログラムからの連想で持ってきたものでしょうけれど、曲が悪いのか演奏が悪いのか退屈で、早く終わってくれないかなぁ状態。こんな演奏で20分以上も時間が費やさせるのは納得がいかない。

この後の3曲はレオンカヴァルロの「ラ・ボエーム」にしろジョルダーノの「シベリア」にしろ存在さえ知らなかったオペラからのアリア。レオンカヴァルロのものは両曲とも諧謔性がありとても楽しめる音楽です。美しい声が際立ちます。ジョルダーノは愛を歌ったものなのでしょう、しっとりした静かな音楽です。これも素敵な歌唱でした。「マノン・レスコー」からの音楽はプッチーニらしい劇的な音楽です。こういう美声で全編聴いてみたいと思わせるもので、表現力も凄い。
アンコールは「ジャンニ・スキッキ」から例のアリア「私のパパ」。先日ROHの舞台で見たばっかりですが、あのときと違って豊かな感情表現が感じられてさすがに風格があります。こんな風に娘に歌われたら父親もたじたじでしょう。翌日の朝起きてもこのメロディが頭の中をぐるぐる回っていました。

出来れば前半も歌って欲しいコンサートでした。しかしこのホールは彼女の声にはやや大きすぎる気がします。せいぜいバービカンホールくらいがいいでしょう。オケはちょっと鳴らし過ぎなところもありました。控え目に願いたいものです。

Renée FlemingとCharles Dutoit。左端は今夜のコンサートマスター。
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Renée Fleming
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by dognorah | 2009-11-05 10:00 | コンサート | Comments(6)
Commented by 守屋 at 2009-11-05 17:35 x
おはようございます。バービカンでのリサイタルでは、ヴィヴィアン・ウェストウッドのクチュールドレスとのクレジットが記載されたこともあるので、欧州系のクチュール・ブランドのものではないでしょうか。
Commented by dognorah at 2009-11-05 22:17
そうですね、私もバービカンの時の記述を憶えています。今回もプログラムを買えばそういうことが書いてあったのかも知れませんが、こういう手の込んだデザインは仰る通りでしょうね。
Commented by レイネ at 2009-11-06 02:02 x
おお、このドレス、凄くかっこいいデザインだし、ネックレスもアートしてていいなあ、と思っていたところでした。誰のデザインでしょう、とっても気になります。髪型も若々しくてモードっぽいし。特に、一番下の写真は、美しく撮れてますね。

しかし、この人のハスキーな声が基本的に好みでないので、アムステルダム公演には行きませんでした。プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」(特にピアノ版)は好きなので、もしも前半がピアノ独奏で、後半がピアノ伴奏だったら、行ってたかもしれません。
Commented by dognorah at 2009-11-06 08:22
レイネさん、この人の声がハスキーですかぁ。私には透明なビロードのように思えますけど。何にしろ好みじゃないのですね。私にも人様がいいと仰る歌手の声が全く好みじゃなくて聴く気がしないということはよくあります。
RFHは照明が悪く、いつもろくな写真が撮れないです。その点バービカンはかなりいいです。
今回は正面前方に座りたかったのですが、私がアプローチしたときはろくな席が残っていなかったので上方に座らざるを得ず、余計にカメラアングル的には不満でした。
Commented by ロンドンの椿姫 at 2009-11-08 08:25 x
私は発売開始時にいの一番に乗り込んだので、最前列の彼女の真正面という抜群の席が買えました。それでも28ポンドと安かったのは、前半は彼女が出ないからなんでしょうね。
たしかにここは彼女の声には大き過ぎるホールで、私は2メートル以内だったのでもちろん問題なかったですが、後ろの席の人は果たして聴こえるのかしらと心配でした。
来週のゲオルギューにはいらっしゃいますか? これだけ日にちが近いとどうしても比較されるでしょうね?
Commented by dognorah at 2009-11-08 20:57
私がアプローチしたときは既にそういった類の席はなかったので遠くに座ってしまいました。ゲオルギューは中止になったという話しか聞いていなかったので再アレンジは知りませんでした。なので切符は買っていません。
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