2009年9月8日、Peacock Theatreにて。
インターヴァルの後はこのオペラが上演されました。2作とも上演時間は1時間半ぐらいです。指揮と演出は同じ人です。 La Scala di Seta:1幕もの喜劇 Music by Gioachino Rossini Libretto by Giuseppe Maria Foppa 出演 Giulia: Natalya Romaniw (soprano) Lucilla: Hanna Hipp (mezzo-soprano) Dorvil: Carlos Nogueira (tenor) Dormont: Eliot Alderman (tenor) Germano: Peter Brathwaite (bass) Blansac: Aaron Alphonsus McAuley (bass) これも同じ傾向の音楽で、実に楽しいものです。前のと同様アリアも沢山ありますし。演出は最初のオペラでお金を使いすぎたのか舞台には家具は一切無く、観客の想像任せ。絹のはしごも赤い大きな布を2枚使って象徴的な動作で理解して貰おうというもの。召使いのジェルマーノが隠れるテーブルも二人の黒子が四角に持つ大きなレースの布で表現。ワードローブに隠れるシーンでは出演者が額縁を持ってそういう状況であることを表現しています。あらすじを知っていれば容易に理解できますが、そうでないとちょっとストーリーの進行がわかりにくいかも。 しかしロッシーニのオペラというのは後見人に束縛されている若い女性という設定が多いですね。「セビリアの理髪師」もそうですし。当時は実際にそういう状況が沢山あったのでしょうか。 歌手ではジュリアを歌ったソプラノがピカ一です。このNatalya Romaniwという人はウェールズ人です。声の抜けがよく潤いがあり全音域で美しい。 これに対して恋人ドルヴィル役のCarlos Nogueiraは魅力のない声でがっかり。こういう人しか選べなかったというのはやはりテノール人材不足なのでしょうか。 後の歌手はまあまあ。ジェルマーノを歌った代役バスも頑張っていましたが低音はあまり出ず。 あらすじ ジュリアは秘密裏にドルヴィルと結婚していて、逢い引きのため夜ごと窓から絹のはしごを下ろして彼を寝室に迎え入れている。結婚の事実を後見人のドルモンに言い出せないうちに彼は彼女の婿としてブランザックを指名し、家に連れてくる。いとこのルチルラとの会話でそれを知ったジュリアはあわててドルヴィルを窓から退出させる。家の前まで来たブランザックは親友であるドルヴィルとばったり会い、ジュリアと結婚するつもりなので証人として一緒に来て欲しいと依頼する。家の中でお互いを紹介するがジュリアはブランザックを冷たくあしらう。そんな中でブランザックはルチルラに興味を持ち、ジュリアはそれを発展させるべくジェルマーノに協力するよう要請する。夜になって今日もはしごを下ろさねばと独りごちたジュリアをジェルマーノが小耳に挟み、ブランザックが逢い引きに来るものと勘違いしたジェルマーノが彼をからかうとブランザックもそれを信じて、結局二人の男が部屋にやってきてしまう。そこへはしごがかかっているのを不審に思ったドルモンもやってきて全てばれてしまう。ブランザックがルチルラと結婚したいと言ったことから、このままジュリアの結婚を認めるしか無くなったドルモンが折れ、めでたしめでたし。
by dognorah
| 2009-09-11 00:05
| オペラ
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ロンドンに在住です。オペラ、バレー、コンサート、美術展などで体験した感動の記憶を記事にし、同好の方と意見を交わしたいと思っています。最新の記事はもちろん、過去の記事でもコメントは大歓迎です。メールはここにお願いします。
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