(1)ロンドンからルツェルンまで
ロンドンから飛んでいる格安フライトはガトウィック空港からチューリッヒに行くイージージェットがある。ただ、この便は夕方に1便あるだけで、チューリッヒ着が午後7時35分と遅いのが難点。そこからルツェルンに電車で行くわけだが現地到着は午後10時頃となってしまう。今回はチューリッヒ空港近くのホテルに一泊して翌日の朝ルツェルンに向かった。空港からは直通電車が1時間に1本あって、そのほかにチューリッヒ駅乗り換えのものが何本もある。所要時間は1時間乃至1時間10分くらい。9時台の直通電車を目指して空港に行ったがその日はキャンセルされてしまい、やむなくチューリッヒ駅乗り換えで行った。電車賃は往復54フランだがルツェルン・フェスティヴァルの切符を持っていると半額になるのでしっかりと利用させて貰った。切符売り場のお兄さんは「これは本当に良いオファーで、あんたは得したよー。電車に乗る前には必ずスタンプするんだよ」と注意してくれた。先月行ったパリではそのスタンプを忘れてしまい、車掌に叱られた経験があるので今回はちゃんとスタンプする。しかしロンドンにはない面倒なシステムなのでつい忘れがちになる。事実二日後に空港に戻るときは忘れてしまった。びくびくしながら車掌に説明したらあっさりと「問題ないよ」とお咎めはなかったが。 (2)ルツェルン市内 ![]() ルツェルンの人口は約60,000人。ジュネーヴやチューリッヒと同様、湖とそこから流れ出る川が美しい景観を呈している綺麗な街。遠景にはアルプスの山々。見所は全て徒歩で回れる。北側に昔の街の境界である城壁が残っていて一部は塔に上ったり壁の上を歩いたり出来る。すぐ外側の牧草地にはスコットランド原産のAberdeen Angusという牛が飼われていた。こいつの肉は高級品でとても美味いのだ。 ![]() 市内のレストランはイタリアンが多い。値段は比較しやすいピザなどではロンドンの5割り増しくらい。味はなかなか良い。 次の写真のホテルは屋根がおしゃれだし、壁には絵も描いてある高級ホテルだ。この裏側が川に面したテラスがあるレストランで、雰囲気も味もよい。 ![]() 次の写真はそのレストランから川の向かい側を撮ったもの。Jesitenkirche。内部は天井装飾が美しい。 ![]() (3)インターラーケンへ コンサートの翌日は電車で2時間かかってインターラーケンに行った。トロッコのように狭い軌道の電車だった。やはり半額割引を適用して貰って往復で30フランだった。昼頃インターラーケンに着いてから、ユングフラウヨッホに行ってみようと思って駅の窓口でどうやっていくのか訊いたら直通電車で行けるという。 「じゃあ、往復切符を頂戴」 「はい、180フラン」 「何だって?冗談言うなよ」 「冗談なんか言ってない。片道90フラン、往復だと180フラン。分かる?」 ゲーッ、ロンドンとチューリッヒ間往復飛行機代より高い!因みに往復飛行機代は90ポンド(約14000円)、この登山電車は約16000円。今回はルツェルンフェスティヴァルの切符も役に立たず。空は曇っているので現地で山が見える保証はないし、片道2時間半もかかると言うし、一気に行く気を無くしてしまった。 窓口氏は「お前のような貧乏人にはこれが良かろう」とでも言うように代替案を示してくれた。駅から5分程度歩いたところにケーブルカーの乗り場があるからそれに乗ってHarder Kulmというところに行くという案。代金は往復25フランとのことでその案を受諾した。標高1322mという。インターラーケンの標高は567mということなのでケーブルカーは750m位上ることになる。乗り場に行って上を見ると頂上は雲に覆われている。しかし頂上に着く頃には雲はなくなっていた。それより高い雲が未だあるので晴れてはいないが。驚いたことに遠くの山、すなわちユンクフラウ、メンヒ、アイガーが全て見える! Jungfrau ![]() Mönch ![]() Eiger ![]() 1時間ぐらいいろいろ写真を撮っていたらどんどん雲が流れてきて視界が効かなくなり、おまけに雨まで降り出したのでレストランに入って昼食を取る。こういう山の上にありながら値段はルツェルンより安く、大変良心的だ。味も良かったし。 (4)ピラトゥス山 翌日はルツェルン最終日。今までずっと雨模様だった天気はようやく回復して朝から晴天が拡がっている。そこで定番コースであるピラトゥス山に行くことにした。回遊券が販売されていて、まず船に乗って湖を縦断し、Alpnachstadという山の麓の登山電車乗り場まで行き、電車に乗ってピラトゥス山の頂上まで行く。そこからゴンドラを乗り継いでKriensというところまで下り、路線バスに乗ってルツェルンに戻るコースで、金額は約90フラン。これはコンサート切符は割引効果がなかった。 天気が良いので船で遊覧する湖は美しく、遠くには白銀を頂いた山も見えるしなかなか快適。船の最先端に座って楽しんでいたら検札に来たお姉さんに、ここは1等だと言われ、すごすごと一段下のデッキに下りる。道理で空いていたわけだ。2等のデッキはちょっと混んでいたが暫くしたら席が空いたので、またひなたぼっこを楽しみながら遊覧を続ける。あちこちに停まって乗客の乗り降りがかなりあり、約80分後には登山電車乗り場に到着。ピラトゥス山は標高が2100mぐらいあり、麓駅は標高436mということなので電車は1600m以上上ることになる。時間は40分かかるが、ものすごい急勾配で、よくこんなものを作ったなぁとひたすら感心した。ロープは使わず、ジッパーのような構造の鉄道を噛みながら上っていく。従って各電車は単独行動が可能で、客が多いときは2台の電車が短い間隔で運行している。当然真ん中あたりで下りの電車とすれ違える構造になっている。 頂上に着いたら気温表示があり、4℃だった。日陰には雪が少し残っている。残念だったのは頂上付近だけ雲に覆われていて、視界が悪かったこと。時折下の方は見えるが、水平方向は見えず、山並みを鑑賞することは出来なかった。しかしゴンドラに乗ってちょっと下がると雲を抜け、眼下の湖と緑の美しい景色を堪能できた。大きいゴンドラから小さいゴンドラに乗り換える地点には面白そうな遊園地が展開している。ザイルを使ってスリルを楽しめる施設やTobogganと呼ばれる滑り台の親分みたいな施設で、共に大人向けのようだ。夕方のフライト時間が気になるので遊ばなかったが面白そう。 そこから小さいゴンドラに25分間揺られて麓に到着したが、この周遊コースはなかなか楽しめる。上で昼食も取ったので全部で5時間ぐらいかかったがお薦めだ。 帰りのフライトでは一波乱あった。時間を1時間間違えていたのだ。なぜ間違えたかという話はちょっとややこしいが。私の携帯電話のOSはWindows Mobileなので旅のスケジュールは全てOutlookに入力してある。携帯電話の時刻は当然ロンドン時間に設定してあるのだが、チューリッヒの携帯電話会社は自動的にその携帯の時刻をスイス時間に変えてしまうのだ。これは機種によってそうならないものもあるが私のはなるのだ。場合によってはこれは便利なサーヴィスだが、ここに落とし穴があった。スイス時間に変わると同時にOutlookのスケジュール時間も変えられてしまうのだ。従って7時50分発のはずが8時50分発と表示される。で、悠々とルツェルンで時間をつぶしてしまった。空港に到着してボードを見てミスに気付いた次第。出発時刻の30分前だった。これからパスポートコントロールとセキュリティをくぐらなければならない。大あわてでゲートに着いたら15分前だったが何とフライト自体が30分遅れていてセーフ。これからは紙のスケジュールもちゃんと持ち歩かねば。
by dognorah
| 2009-09-08 23:40
| 旅行
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Comments(12)
ルツェルンには、去年の夏、イタリアからの帰途に一泊しました。
丁度、ジャズ・フェスティヴァルかなんかで、ホテルは満杯。ノーショーの客がいたため何とか泊まれましたけど。 ルツェルン音楽祭というのは、知りませんでした。この音楽祭のチケットも、市内のレストランも値段が高いですね。そして、食べたものがぜんぜん値段につりあわない味だったので、がっくり。 スイスの登山鉄道は私鉄のは凄く高い料金設定だと聞いています。でも、ベルガーオバーランドの名峰3山が驚くほどきれいに眺められて、よかったですね。
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こんにちは。同じような写真ですが、mixiに連載(^^)しています。ヨッホはスイスパスを見せたら半額でした。
レイネさん、この音楽祭は有名なのでアバドのDVDなどで知っていました。戦前にアドルフ・ブッシュやトスカニーニがヴァーグナーの屋敷で始めたのが最初という由緒あるものらしいです。
あと二日ぐらい後ろにずれていたらずっと好天気に恵まれたはずなんですが、何とか名峰を見れて幸運でした。
ご~けんさん、マッターホルンの写真には息を飲みました。これ以上はないだろうというくらいの好天に恵まれたんですね。夜の満天の星は私も昔そこで経験しましたが星も高地の澄んだ空気の元ではすばらしい輝きですよね。
次回行くときはちゃんとスイスパスを買って準備してから行きます。今回は急に行くことになり準備不足でした。
風光明媚なスイスで音楽祭と山めぐりとは贅沢ですね。お天気がいまひとつだったのだけが残念ですが...。電車の切符のスタンプは、プラットフォームに備え付けられた四角い箱の片隅に切符を差し込むとガチャンと刻印されるあれですか。昨年、フランスの国鉄で同行者が刻印を忘れたのですが一目で旅行者とわかるせいか、お目こぼししてくれました。ヨーロッパでも国ごとに鉄道のシステムが微妙に違っていて戸惑いますよね。
今回は降って湧いた話だったので、全て準備不足でしたが、コンサートは大満足で観光もそこそこ楽しめましたのであまり不満を言うこともありません。次回は山を見ることを主眼に再挑戦したいと思っています。
切符打刻システムですが、回数券ならともかく、今すぐ窓口で買った切符にも打刻を求めるのはどうかと思います。フランスでもこういうシステムがあるということは前回の旅行時に車掌に指摘されて初めて知ったことで、それまでは何年にも渡っていつも違反をしていたわけです。日本の旅行案内書にも書いてあるのを見たことがないし、事情を理解していない旅行者にはお目こぼしして貰わないとやっていけませんよね。
写真見ていただいたようでありがとうございます。本日はリッフェルベルクのホテルを予約してあったのですが、シーズンオフになってしまったので、麓の五つ星に鞍替えとなりました。
ツェルマット・フェスティバルにベルリンフィルメンバーとジャルスキーが出ると言う看板みましたが、すでに4日に終わっていて残念しました。
まだまだ旅は続くようですね。写真を楽しみにしています。ジャルスキーに関してはbonnjourさんへのコメント返しにも書かれていましたね。ツェルマット・フェスティバルがあるということは知りませんでした。スイスも夏は結構音楽祭がありますね。それも都会ではなくリゾート地で。ヴェルビエ音楽祭も最近知りましたがアルゲリッチがいつも出演しているようで来年からあちこち目が離せません。
ヴェルビエ音楽祭はNHKで良く放映されています。ルガーノとかブレゲンツなどもやっていそうです。明日は氷河急行に乗って、8時間の列車の旅を予定しています。
コンサートだけでなく、観光も精力的にされたのですね。しかし、いくらなんでもユングフラウヨッホ180フランは高いですね!!やはりスイスに行くにはお金が必要なんだ…と実感しました。
>大あわてでゲートに着いたら15分前だったが何とフライト自体が30分遅れていてセーフ 自動的に時間が変わるのはありがたいような、迷惑なような…ですね。飛行機での失敗といえば、私なんて乗り換え空港でゲート前にいたのに読書に没頭して乗り遅れたことがありますよ(^_^;)
ご~けんさん、そういえばブレゲンツも聞いたことがあります。
8時間も列車に乗るとスイス国外に出てしまう気がしますが、山の中では時間がかかるのですね。それにしても主立った観光ポイントを全て見て回る旅はとても羨ましいです。
Sardanapalusさん、高いからこそ綿密な計画で出費を最小限にする準備が必須ですね。いつかじっくりスイスを攻めてみたいです。各地の音楽祭も組み合わせて。
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