2009年5月5日、ROHにて。
終了直後の舞台。歩いているのはクヮングチュール・ヨーン ![]() Lohengrin: Romantische Oper in three acts Words and music: Richard Wagner Director: Elijah Moshinsky Designs: John Napier Conductor: Semyon Bychkov The Royal Opera Chorus The Orchestra of the Royal Opera House CAST Lohengrin: Simon O'Neill Elsa von Brabant: Edith Haller Ortrud: Petra Lang Friedrich von Telramund: Gerd Grochowski Heinrich I: Kwangchul Youn Herald: Boaz Daniel First Noble: Haoyin Xue Second Noble: Ji-Min Park Third Noble: Kostas Smoriginas Fourth Noble: Vuyani Mlinde 感動しました。すばらしい公演です。ビシュコフの指揮が凄くてオケもそれによく応えた演奏でした。舞台裏やボックス席を使って大編成の金管を鳴らした効果もよく出ていました。第3幕開始時の拍手と歓声に応えてビシュコフがオケを立たせようとするとオケメンバーが指揮者を讃える仕草をするだけで立とうとしなかったぐらい(ROHでは初めて見るシーンです)オケも指揮者にぞっこんだったのです。それぐらい今夜のビシュコフは憑かれたような指揮振りで、これまた好調の歌手陣と共に類い希な舞台を見せてくれました。 Semyon Bychkov ![]() 演出はモシンスキーですからかなり古いものだと思いますが、彼特有のこてこての伝統的舞台ではなく、背景は現代舞台のようにすっきりした壁のようなものながら、小道具と衣装が美しくまた厳かなもので充分ローエングリンらしい神秘性と厳粛さを表現していました。これならまだまだ使い続ける価値のある演出だと思います。ただ、第1幕で延々と紗幕の向こう側で演じさせるのは不愉快です。ローエングリン登場を効果的にする狙いは分かりますが、ただそれだけのためにはあまりにも犠牲が大きすぎます。果たしてモシンスキーのオリジナル演出がそうなっているのかどうか不明ですが。ROHではよく別のディレクターが演出をいじることが多いので。 歌手ですが、何といってもタイトルロールのサイモン・オニールが特段にすばらしい。この人は2007年に公演されたROHの「ヴァルキューレ」でジークムントに出演して絶賛を博したニュージーランドの若いテノールで、今回はヨハン・ボータとダブルキャストになっているので敢えて彼の出演する日を選んだのでした。ジークムントの時よりやや太めになっていますが、まだまだボータほどではありません。このローエングリンで要求される高音を本当にスムーズに美しく出し続けてくれて、ビシュコフの音楽作りに大きな寄与をしたと思います。第1幕で登場したときの衝撃的美声は昨年5月にヴィーンで聴いたクラウス・フローリアン・フォークトにはかないませんが。 Simon O'Neill & Edith Haller ![]() エルザを歌ったエディット・ハラーは昨年のバイロイトの「指輪」で何役にも登場していたもののそれほど強い印象は受けなかった人ですが、今回のエルザ役としては充分及第点で、この人も高音は美しく出ていました。 ハインリッヒ1世を歌ったヨーンは上記のフォークトの時も出ていたし、昨年のバイロイトでもいくつかの役で聴いていますが、それらに比べると今日の出来はちょっとよくなかった。声に艶が無く低音の迫力もいまいち。特段悪いというわけではないですが調子が悪かったのでしょう。これが本日唯一の瑕。 Kwangchul Youn & Petra Lang ![]() テルラムントを歌ったゲルト・グロチョフスキーは今年2月にミラノでクルヴェナール役で聴いた人です。そのときもいい声と思いましたが、今日はそのときにも勝るすばらしい印象を与えてくれました。美しく張りのある声が魅力的だし声量もあります。 Gerd Grochowski ![]() オルトルート役のペトラ・ラングもいつにも増して高音がスムーズでいい歌唱でした。意地悪女の表現が大変上手い。 私がROHでこの舞台を見るのは2003年6月以来6年ぶりですが、そのときはロバート・ディーン・スミス、ルネ・パーペ、ヴァルトラウト・マイヤーなど錚々たる歌手が出ていたにも拘わらず、よかったなー程度の印象しか無く、モシンスキーの舞台もほとんど憶えていないので恐らく私は居眠りでもしていたのでしょう(^^; でも、今回はしっかり印象に刻まれました。また見たい舞台です。
by dognorah
| 2009-05-06 22:25
| オペラ
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Comments(2)
おはようございます。いつもあやふやな情報で申し訳ないですが、ビシュコフ指揮による、「ローエングリン」のCDが発売になったそうです。コンサート形式での上演を録音したものだそうですが、今回のロイヤルのファースト・キャストのうち、エルザを除く主要キャストが同じとのことでした。紹介していたテレグラフでは五つ星でした。
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今回と同じということは、私の見たサイモン・オニールではなくヨハン・ボータのタイトルロールによるものですね。
ビシュコフのヴァーグナーは最近好調のようです。
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ロンドンに在住です。オペラ、バレー、コンサート、美術展などで体験した感動の記憶を記事にし、同好の方と意見を交わしたいと思っています。最新の記事はもちろん、過去の記事でもコメントは大歓迎です。メールはここにお願いします。
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