2009年2月4日、ロイヤルフェスティヴァルホールにて。
演奏 バリトン:Matthias Goerne(マーラー亡き子を偲ぶ歌) ソプラノ:Lisa Milne メゾソプラノ:Karen Cargill テノール:Peter Auty バス:Peter Rose London Philharmonic Choir London Philharmonic Orchestra 指揮:Neeme Järvi プログラム マーラー:Kindertotenlieder ベートーヴェン:交響曲第9番(arranged by Mahler、ロンドン初演) 最初の曲は管弦楽がすばらしく美しい演奏でした。独唱はちょっと抜けきらない音という感じで悪くはない歌唱ですが好みではありませんでした。 メインの第9は、珍しいものをやるので好奇心から聴いてみたのですが、極めてまっとうな演奏でレヴェルの高い出来でした。マーラー版ということを意識せずに聴けばかなり豊かな音だったなぁという感じでしょうか。 マーラーはベートーヴェンの稚拙なオーケストレーションが気に食わなくてオリジナルに手を加えたそうですが、見た目には楽器の大幅な増強が目立ちます。木管が全て4管編成でホルンは8本もあります。第1楽章ではティンパニーがもう一組追加されて中間部での盛り上がりが迫力あるものになっています。第4楽章では最後の独唱4人による重唱部分の演奏時間が普通より長く感じましたがこれは気のせいかもしれません。 独唱者は女声はいいのですが男声はいまいちです。バスは緊張のせいか息継ぎが変だったし声に魅力がありません。テノールも印象が薄い。合唱も女声部の方がアンサンブルがよかったと思います。全体としての出来は悪くないです。 こういういわばゲテモノ的プログラムにも拘わらず客の入りはかなりのもので、演奏後も歓声で随分盛り上がっていました。指揮のヤルヴィはいつものようにほとんど表情を変えることなく無愛想な感じですが、オケの統率力はなかなかのものです。
by dognorah
| 2009-02-07 03:53
| コンサート
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Comments(4)
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助六
at 2009-02-20 10:07
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マーラー版第9って、私もラジオで一部聴いた憶えがあります。全曲実演は大変貴重ですね。ベートーヴェンの交響曲は大編成のモダン・オケではバランス良く鳴らないから色々な加筆の試みがあるけれど、マーラー編曲版は仰るとおりかなり「ゲテもの」と言うか、単なる実用的修正以上のもので、倍管の上2楽章なんか本来無いところにホルンやトロンボーンが入ってジャンジャカやかましかったような。
マーラー本見返したら、1900年のヴィーン・フィルのニコライ記念演奏会でやられたもので、ヴァーグナー編曲第9にマーラーがさらに手を入れた由、マーラーは既にハンブルク時代から編曲を試みていたらしい。繰り返し部分の数小節カットなんかもあるそうです。当時も、オペレッタ「オペラ座舞踏会」で知られる作曲家でヴィーンの有力批評家だったホイベルガー初めマーラーに好意的だった批評家達からもかなり「うるさい」とか酷評が出てるそうです。ヤルヴィがやったのも多分そのヴァージョンですよね?
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dognorah at 2009-02-21 06:38
今回やった第9のヴァージョンはプログラムを買わなかったのでよく分かりませんが、厚みは相当感じられたものの金管がうるさいという印象はあまりなかったです。よくできた編曲で私は肯定的です。
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しゃんぱーにゅ
at 2013-01-02 03:52
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はじめまして。突然の書き込み失礼します。
多少のクラシック好き、ベートーヴェン 第九、マーラー版で検索してたどりつきました。 昨日(2012年12月31日)、東京は文化会館で、「コバケン ベートーヴェン全交響曲連続演奏会」でマーラー版を聴きました。 感想は同じように、ものすごい人数を駆り出している割に、大きな改編というほどではなかったかと。 ヤルヴィはスロヴァキア・フィルでCDも出しているようですね。よほど好きなのでしょうか。 ではまた訪れさせていただきます。 よい一年をお過ごしくださいませ。
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dognorah at 2013-01-09 01:41
しゃんぱーにゅさん、はじめまして。コメント有難うございます。
東京文化会館のベートーベンサイクルは全てマーラー版だったのでしょうか。本質が変わらなければマーラー版が饒舌で面白そうですね。
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ロンドンに在住です。オペラ、バレー、コンサート、美術展などで体験した感動の記憶を記事にし、同好の方と意見を交わしたいと思っています。最新の記事はもちろん、過去の記事でもコメントは大歓迎です。メールはここにお願いします。
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