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ドビュッシーの「ペレアスとメリザンド」コンサート形式

2011年4月18日、バービカンホールにて。

Debussy: Pelléas et Mélisande

Orchestre de Paris
Louis Langrée: conductor
Natalie Dessay: Mélisande
Simon Keenlyside: Pelléas
Marie-Nicole Lemieux: Geneviève
Laurent Naouri: Golaud
Alain Vernhes: Arkel
Khatouna Gadelia: Yniold
Nahuel Di Pierro: Doctor

すばらしい公演でした。
まず、ルイ・ラングレー指揮するパリ管弦楽団の演奏にブラヴォーです。2007年に見たROHの舞台でもサイモン・ラトルの演奏は大変よかったのですが、今回はパリ管の音が格段によく、指揮もよりドビュッシーの本質を突いている印象で劇的緊張も背中がぞくぞくする状態が続き、大いに感銘しました。
歌手ではゴロー役のロラン・ナウリが声、表現とも完璧な印象で大変感心しました。
メリザンド役のナタリー・ドゥセは元々そういう傾向のあるやや乾いた声が今回は強く感じられ、更に中音域でしわがれることもたびたびあって好調ではなかったです。
サイモン・キンリーサイドは大略いつも通り明るいバリトンがよく響き、好調でした。左腕を骨折したのか腕にサポーター様のものを巻き付け、更に右肩からバンドで手首を吊っていました。
他の歌手も申し分なく、レヴェルの高い公演でした。こういう格調の高い演奏に対して終演直後にブーを発した男声がいて私も周りもびっくりしました。直ちに私や他の大勢の客がブラヴォーで返しましたが、いろいろな人がいるものです。
なお、今日はナタリーの誕生日だったらしく、2回目に全員が舞台に呼び戻されて拍手を受けているときに、突然夫君のロラン・ナウリが大きな花束を用意して彼女の前に跪き、それを手渡しました。管弦楽は当然例の誕生祝いの音楽を奏でます。本人は満面に笑みを浮かべて大喜び。

Louis Langrée & Orchestre de Paris
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Simon Keenlyside & Natalie Dessay
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Alain Vernhes & Marie-Nicole Lemieux
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Laurent Naouriから花束を受け取って大喜びのNatalie Dessay
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by dognorah | 2011-04-28 08:01 | オペラ

リムスキーコルサコフのオペラ「皇帝の花嫁」

リムスキーコルサコフのオペラ「皇帝の花嫁」
2011年4月18日、ROHにて。

The Tsar's Bride (Царская невеста): Opera in Four Acts
Music: Nikolay Rimsky-Korsakov
Libretto: Il'ya Fyodorovich Tyumenev based on a scenario by the composer, after the drama by Lev Alexandrovich Mey

Director: Paul Curran
Conductor: Mark Elder

Marfa Sobakina: Marina Poplavskaya
Grigory Gryaznoy: Johan Reuter
Lyubasha: Ekaterina Gubanova
Ivan Sergeyevich Lïkov: Dmytro Popov
Yelisey Bomelius: Vasily Gorshkov
Vasily Sobakin: Paata Burchuladze
Dunyasha Saburova: Jurgita Adamonyte
Domna Saburova: Elizabeth Woollett
Malyuta-Skuratov: Alexander Vinogradov
Petrovna: Anne-Marie Owens

ROHでは初めて上演するオペラです。音楽はまあ楽しめるものの正直言ってあまり面白くないオペラです。

大方の歌手はよい出来で歌唱は楽しめました。特に、ヨハン・ロイター、アレクサンダー・ヴィノグラードフ、エカテリーナ・グバノワ、ユルギータ・アダモニテは印象的です。マーク・エルダーの指揮も序曲は退屈な出来だったものの、幕が上がった後は躍動感溢れるものでさすがでした。

演出は現代的で、それに徹しているのは大変よく、舞台装置はなかなかのもので、特に第3幕のプールのある屋上のシーンは観客がどよめいたぐらいよくできたものでした。ただ、登場人物の処理でいえば秘密警察の面々の扱いがいまいち理解不能で、劇進行上特に必要とは思えないものでした。リブレットもよくないのでしょうが。

左からEkaterina Gubanova, Mark Elder, Marina Poplavskaya, Johan Reuter, Dmytro Popov & Vasily Gorshkov
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Paata Burchuladze & Ekaterina Gubanova
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Jurgita Adamonyte & Alexander Vinogradov
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by dognorah | 2011-04-27 07:51 | オペラ

マゼール指揮マーラー第2番

2011年4月17日、RFHにて。

Mahler: Symphony No.2, Resurrection
Lorin Maazel: conductor
Sally Matthews: soprano
Michelle DeYoung: mezzo-soprano
BBC Symphony Chorus
Philharmonia Orchestra

長らくご無沙汰しました。東北大震災以来各種チャリティコンサートを中心にいろいろコンサートには行っていましたが、泣いてばかりいたせいか少々脱力感に見舞われ、ブログは書けずにいました。ようやく精神的に落ち着いてきましたので、また再開したいと思います。

マゼールのマーラーは確か90年代前半にロンドンで5番を聴いただけで、そのときはあまりいい印象ではありませんでした。随分時間も経ったし、この御大がマーラー記念年の特別イヴェントとしてフィルハーモニア管と全曲演奏をするという意気込みに呼応して聴いてみようという気になりました。聴きに来てよかったです。すばらしい指揮振りで、マーラーの2番というのはこういう風に演奏するんだよ、と言わんばかりの格調の高いものでした。81歳という高齢ながら頭脳明晰なのでしょう、この長い曲を暗譜で指揮しました。オケのコントロールも緻密で丁寧、思うままにフィルハーモニア管から美しい音を引き出していました。普通はこの曲は歌の入る第4楽章ぐらいから盛り上がってくるのですが、もう最初からエネルギーが存分に発散する感じで金縛りにあったように聴き入ってしまいました。途中では、ひょっとしてこれは希代の名演かと思ったぐらい。独唱と合唱は特段すばらしいというわけではありませんが十分な水準でした。

Sally Matthewsとその後ろはLorin Maazel
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Michelle DeYoung
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by dognorah | 2011-04-20 23:41 | コンサート

日本人古楽演奏家によるチャリティコンサート

2011年3月31日、St Pancras Parish Churchにて。

B. Marcello: Sonata in d minor
J.J.Froberger: Toccata in A minor, FbWV112
H. Purcell: If music be the food for love
G.H.Stölzel: 'Bist du bei mir" from the Notebook for Anna Magdalena Bach
Improvisation on Ciaconne
G.F.Handel: Passacaille from Suite in g minor, HWV432
H. Purcell: 'Fairest Isle' from King Arthur

Masami Yamamoto / Harpsichode
Naomi Okuda / recorder
Taro Takeuchi / lute & boroque guitar
Kyoko Murai / soprano

ロンドンの教会ではよく昼休み時間に短いコンサートをやり、終了後になにがしかのお金を任意で寄付してもらう基金集めが盛んですが、今日はいつものコンサートと違って日本の大災害への義援金集めが目的でした。元々はハープシコードの山本さんのコンサートだったのを仲間も参加して急遽チャリティコンサートになったのでした。
日本人の古楽演奏家がこんなに居るというのは初めて知りました。皆さんなかなか長いキャリアを積んでいらっしゃるようです。
曲はパーセル以外は聴いたことがないものばかり。最初のマルチェッロの作品はリコーダー、リュート、ハープシコードで演奏されましたが、しっかりと音楽している印象です。2曲目はハープシコード独奏、3曲目はリュートとハープシコードをバックにソプラノが歌います。4曲目もソプラノが歌いますが、バックははてどの楽器たちだったか、もう記憶が曖昧。
5曲目はギターの独奏で、この曲は元々メキシコで15世紀頃発生したものが欧州に伝わったものという。足でリズムを取りたくなるかなり情熱的な音楽です。義援金のお願いスピーチの後はハープシコード独奏。そして最後は全員で演奏。すばらしい一時でした。
そして帰り際、我々日本人はもちろん大半を占めるイギリス人もたくさん寄付していました。いつもはコインで済ますところ今日はほとんどの人がお札を出していましたね。
これからもまだまだ在ロンドンの日本人音楽家によるチャリティコンサートが企画されていて、暫くあちこちの会場を訪ねて文字通り東奔西走します。
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by dognorah | 2011-04-01 09:11 | コンサート

Yllka Istrefiのピアノリサイタル

2011年3月30日、St Mary Magdalene教会にて。

Prokofiev: Piano Sonata No.3 in A minor, Op.28
Haydn: Piano Sonata in E minor
Rudi: Arbereshe Bells
Grieg: Improvisation on two Norwegian Folksongs, Op.29
Liszt: Annees de Pelerinage
Liszt: Deuxieme Annee, Apres une lecture de Dante

Yllka Istrefi(今回のコンサートでは眼鏡をかけていたが)
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イルカ・イストレフィはコソヴォ出身で、コソヴォとマケドニアで教育を受けた後奨学金を得てGSMDに留学、学位を取った後はRCMに移ってマスターを終了、そのままロンドンに在住している。
最初のプロコフィエフで大変腕の立つ人という印象を受けた。非凡なテクニックを駆使して力強くがんがん鳴らすタイプ。2曲目のハイドンもそのノリで演奏している風ながら第3楽章になってやっとハイドンらしいしっとりさが出てきた。その後の曲もダイナミックな曲想のものが多く、どうやらそういう曲が好みらしい(本人談)。音はぴしっと決まる硬質のものですばらしいのだが、もう少し叙情的なものも聴いてみたかった。アンコールに演奏されたショパンのワルツはなかなか雰囲気が出ていて、もう少し続けてほしいなと思った次第。

終了後のワインレセプションの時に本人と話したが、私が日本人と知ると簡単な日本語が出てきてちょっとびっくり。日本へ演奏旅行に行ったときにかなり日本に惹かれてその後ちょっと勉強したらしい。住みたい国の一つだとも言い、今回の災害で私の家族や友人のことを気遣ってもくれた。ということで結構親しみを覚えてしまった。今後のコンサートに注目することになろう。

追記
本人の希望により、彼女の名前はイルカとカタカナ表記にしてくださいということです。

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by dognorah | 2011-04-01 08:23 | コンサート