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ヴィヴァルディのオペラ「狂気のオルランド」 - コンサート形式

2011年3月26日、バービカンホールにて。

Vivaldi: Orlando Furioso

Ensemble Matheus
Jean-Christophe Spinosi: conductor
Marie-Nicole Lemieux: Orlando
Veronica Cangemi: Angelica
Franziska Gottwald(Jennifer Larmoreの代役): Alcina
Philippe Jaroussky: Ruggiero
Daniela Pini(Romina Bassoの代役): Medoro 
Christian Senn: Astolfo
Kristina Hammarström(Christianne Stotijnの代役): Bradamante 

ヴィヴァルディのオペラを聴くのは「Tito Manlio」「Ottone in Villa」に次いで3度目です。そのほかにも昨年のPromsで今日と同じ管弦楽に、レミューとジャルスキーの出演で何曲かのアリアを聴いていますが、この人たちは仲がいいのか結構共演しているんですね。物語は今回のが過去に聴いたものよりやや複雑で、実際の舞台上演に適したものと思います。

歌手は代役も含めてすべて好調でした。特にマリー=ニコル・レミューは相変わらず元気いっぱいでコンサート形式にもかかわらず舞台を動き回って演技をしながら熱唱。しかし長いオペラでは歌も演技もやや一本調子で、最後の方は少し飽きたかも。

フィリップ・ジャルスキーもいつもの調子で快調に歌いました。第1幕のSol da te, mio dolce amoreはPromsでも聴いた美しい曲ですが、何度聴いてもフルートソロをバックに歌う繊細な表現はすばらしい。

お馴染みになったヴェロニカ・カンジェミも好調で楽しませてもらいましたが、ドレス姿も美しくて一際目立っていましたね。
他の歌手ではバスバリトンのクリスチャン・センの迫力ある歌唱に特に感心しました。

スピノジ指揮のアンサンブル・マテウスを聴くのはこれで3回目ですが、過去2回は短い曲を何曲もやるコンサートでしたので問題なく楽しめたものの、今回のようにオペラ全幕ではちょっと全体の音楽作りが弱い感じで、過去のヴィヴァルディ体験に比べると退屈感は否めませんでした。

Jean-Christophe Spinosi, Marie-Nicole Lemieux & Veronica Cangemi
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Philippe Jaroussky, Veronica Cangemi, Franziska Gottwald & Kristina Hammarström
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Daniela Pini, Philippe Jaroussky & Veronica Cangemi
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Christian Senn & Marie-Nicole Lemieux
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by dognorah | 2011-03-29 23:59 | オペラ

ピーター・ブルックの魔笛

2011年3月24日、バービカン劇場にて。

C.I.C.T. / Théâtre des Bouffes du Nord
A Magic Flute
By Wolfgang Amadeus Mozart
Freely adapted by Peter Brook, Franck Krawczyk and Marie-Hélène Estienne
Directed by Peter Brook
Lighting Design by Philippe Vialatte

Singers (alternately with): Dima Bawab, Malia Bendi-Merad, Leila Benhamza, Luc Bertin-Hugault, Patrick Bolleire, Jean-Christophe Born, Raphaël Brémard, Thomas Dolié, Antonio Figueroa, Virgile Frannais, Betsabée Haas, Matthew Morris, Agnieszka Slawinska, Adrian Strooper, Jeanne Zaeppfel
Actors William Nadylam, Abdou Ouologuem

Co-produced by C.I.C.T / Théâtre des Bouffes du Nord; Barbican, London; Festival d'Automne à Paris; Attiki Cultural Society, Athens; Musikfest, Bremen; Théâtre de Caen; MC2, Grenoble; Grand Théâtre de Luxembourg; Piccolo Teatro di Milano - Teatro d'Europa; Lincoln Center Festival, New York.
Executive Producer: C.I.C.T. / Théâtre des Bouffes du Nord

ピーター・ブルックの演出といえばずっと前に東京で「カルメンの悲劇」を見たことがありますが、今回の「魔笛」もそれと同様に原作をベースにしているものの内容を自由に変えてかなり別物にしています。題名も原作ではDie Zauberflöteと定冠詞がついていますが、今回のものは不定冠詞になっています。
公演は、台詞はフランス語で歌の部分は元通りドイツ語で、英語字幕付きです。登場人物は夜の女王の3人の侍女、3人の少年、ツァラストロの寺院の弁者(代わりにツァラストロが演じる)、多くの僧侶たちなどが省略されています。パパゲーノは鳥を捕まえるのではなく女を狩る仕事というか趣味にしていることになっています(今までのところ成果はゼロという設定ですが)。音楽はピアノだけで、パパゲーノが持たされる楽器は小さなトライアングル。序曲など当然カットですが肝心の部分は大略原作通りのものがピアノで演奏されます。アリアは例えば夜の女王のものは後半に一回歌われるだけです。
最初にタミーノを追いかけ回す大蛇役は全編を通して出演する俳優で、一種の狂言回し的な振る舞いをし、この劇ではかなり重要な役です。パミーノタミーノもパパゲーノも彼に仕切られている印象が強いです。
舞台はとてもシンプルで、多くの竹の棒に台座をつけて並べてあるだけ。役者たちが場面に応じてそれを動かしてシーンを作っていきます。出演者もまあごく普通の服装で、費用はミニマムでしょう。
出演者たちのやりとりは観客を笑わせる部分が多くて喜劇としてよくまとまっており、歌手もすべてレヴェルの高い歌唱だったし、全体としてはとても楽しめる出来だったのはさすがです。ストーリーとしては後半モノスタトスが夜の女王側に寝返った後彼女を寺院に侵入させたところ、ツァラストロが現れてばれてしまう場面で終わり。そして最後に思いつき程度と思われるオチがあるのですが、件の大蛇役が全員横一列に並んでいる前面に出てきて、腕をくねくねさせたかと思うと空中から魔笛を取り出し、暫くいじった後さっとそれを消してしまうのです。はい、マジック・フルートでござい、ということでしょう。

写真は終了後の舞台。左から、ピアニスト、パパゲーノ、各種雑用係、大蛇、モノスタトス、タミーノ、パミーナ、ツァラストロ。パパゲーナ役は画面からはみ出してしまいました。
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by dognorah | 2011-03-26 03:04 | オペラ

ロイヤルバレーのトリプルビル

2011年3月23日、ROHにて。

Rhapsody, Sensoriumおよび 'Still Life' at the Penguin Caféという短い作品を三つまとめて上演。

RHAPSODY
THE 79TH PERFORMANCE BY THE ROYAL BALLET AT THE ROYAL OPERA HOUSE
MUSIC: SERGEY RACHMANINOFF
CHOREOGRAPHY: FREDERICK ASHTON

LAURA MORERA, SERGEI POLUNIN
OLIVIA COWLEY, MELISSA HAMILTON, EMMA MAGUIRE,
PIETRA MELLO-PITTMAN, AKANE TAKADA, LARA TURK
SANDER BLOMMAERT, FERNANDO MONTANO,LlAM SCARLETT,
DAWID TRZENSIMIECH, JONATHAN WATKINS, VALENTINO ZUCCHETTI
SOLO PIANO JONATHAN HIGGINS

SENSORIUM
THE 10TH PERFORMANCE BY THE ROYAL BALLET AT THE ROYAL OPERA HOUSE
MUSIC: CLAUDE DEBUSSY WITH ORCHESTRATIONS BY COLIN MATTHEWS
CHOREOGRAPHY: ALASTAIR MARRIOTT

LEANNE BENJAMIN, MARIANELA NUNEZ
THOMAS WHITEHEAD, RUPERT PENNEFATHER
NATHALIE HARRISON, LAURA MCCULLOCH,
JACQUELINE CLARK, LEANNE COPE, EMMA MAGUIRE, KRISTEN MCNALLY,
PIETRA MELLO-PITTMAN, AKANE TAKADA, LARA TURK, SABINA WESTCOMBE
SOLO PIANO PHILIP CORNFIELD

'STILL LIFE' AT THE PENGUIN CAFE
THE 28TH PERFORMANCE BY THE ROYAL BALLET AT THE ROYAL OPERA HOUSE
MUSIC: SIMON JEFFES
CHOREOGRAPHY: DAVID BINTLEY

AIR À DANSER
THE GREAT AUK: EMMA MAGUIRE

PRELUDE AND YODEL
UTAH LONGHORN RAM: ZENAIDA YANOWSKY
GARY AVIS

LONG DISTANCE
TEXAN KANGAROO RAT: LlAM SCARLETT

THE ECSTASY OF DANCING FLEAS
HUMBOLDT'S HOG-NOSED SKUNK FLEA: IOHNA LOOTS
SANDER BLOMMAERT, ERICO MONTES,
MICHAEL STOJKO, DAWID TRZENSIMIECH,
JONATHAN WATKINS

WHITE MISCHIEF
SOUTHERN CAPE ZEBRA: EDWARD WATSON
CHRISTINA ARESTIS,
TARA-BRIGITTE BHAVNANI,
OLIVIA COWLEY, NATHALIE HARRISON,
LAURA MCCULLOCH, SIAN MURPHY,
ROMANY PAJDAK, LARA TURK

NOW NOTHING
KRISTEN MCNALLY, NEHEMIAH KISH
MINNA ALTHAUS

MUSIC BY NUMBERS
BRAZILIAN WOOLLY MONKEY: RICARDO CERVERA
LEANNE COPE, SABINA WESTCOMBE

NUMBERS ONE TO FOUR
ARTISTS OF THE ROYAL BALLET
SOPRANO: REBECCA DUGGAN

今日のバレーは以前から気になっていた若いプリンシパルダンサー、セルゲイ・ポルーニンを見るのが目的でした。彼はウクライナ人で3歳の頃からダンスをやっていたそうですが、13歳でロイヤルバレースクールに入学、17歳の時にロイヤルバレーに入団しました。入団して3年間は単なる団員だったのに、20歳の時(昨年)にいきなりプリンシパルという最高の位に抜擢されたのです。ちょっと異例な扱いを受けたこの人はどんなダンサーなのか興味津々です。
「ラプソディ」の前半はごく普通の振り付けで特に凄いシーンはなかったのですが、後半になって度肝を抜くような華麗なジャンプを披露してくれました。ちょっと類を見ない脚の使い方で回転していくもので、それも連続技で舞台を一周、さすがに若いだけに体力があります。目が釘付けになりました。ボリショイ並みのすばらしいダンサーがロイヤルバレーにも出現したというところでしょう。これから目が離せませんね。

LAURA MORERA & SERGEI POLUNIN
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次の作品「Sensorium」は振り付けが平凡でやや退屈なバレーながら、ニュネスとベンジャミンのダンスは見応えがありました。
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MARIANELA NUNEZ & RUPERT PENNEFATHER
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LEANNE BENJAMIN & THOMAS WHITEHEAD
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最後の「ペンギンカフェの'静物画'」はクラシカルを基調としながらもポップ調が幅をきかすリズミカルな音楽に乗って、舞台奥に現れる静物画が表現するテーマに沿ったダンスが踊られるという趣向のものです。最後は天変地異みたいな雰囲気になってペンギン以外は全員ノアの箱船みたいなものに避難しておしまい。久しぶりにヤノウスキーを見ました。
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ゼブラ姿のEDWARD WATSON、ZENAIDA YANOWSKY & GARY AVIS
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by dognorah | 2011-03-25 10:14 | バレー

吉田都さん主宰チャリティコンサートとバレー

2011年3月20日、ROH内リンブリー劇場にて。

JAPAN TSUNAMI APPEAL CONCERT
20 March 2011 4.00pm
LINBURY STUDIO THEATRE

第1部:器楽コンサート
Minuet (Luigi Boccherini) : Alice Ashmall-Umebara
Sonata G Minor (Geroge Frideric Handel) : Saki Uchishiba
Andantino 2nd Movement Concerto No.4 Op.65 (Georg Goltermann) : Kay Howard-Shigeno
Praeludium und Allegro (Fritz Kreisler) : Henry Ashmall-Umebara
En forme de Habanera (Maurice Ravel) : Daichi Sugimura
Double Concerto (J.S.Bach) : Saka Misa, Juri Uchishiba &May Howard-Shigeno
Cello Sonata 3rd Movement (Sergei Rachmaninov) : Natsumi Sugimura
Pianist: Yuki Negishi

第2部:バレー
Giselle Peasant pas de deux (Adolphe Adam)
Choreography Marius Petipa after Jean Coralli
Akane Takada & Kenta Kura

Swan Lake Act II pas de deux (Pyotr II'yich Tchaikowsky)
Choreography Lev Ivanov
Yuhui Choe & Ryoichi Hirano

Qualia pas de deux (Scanner)
Choreography Wayne McGregor
Mara Galeazzi & Edward Watson

La 8ayadere Act I Solo (Ludwig Minkus)
Choreography Madam Asami Maki
Hikaru Kobayashi

Cinderella Act II pas de deux (Sergey Prokofiev)
Choreography Madam Asami Maki
Miyako Yoshida & Valeri Hristov

Pianist: Kate Shipway

たまたまロンドンにいらしている元ロイヤルバレープリンシパルの吉田都さんが中心になって実現したチャリティ舞台です。急遽決まったイヴェントで、私は守屋さんのメールで前日に知り、すでに何枚かの切符を押さえていた守屋さんから切符を譲っていただきました。その日のうちに全席売り切れたようで、当日はキャンセル待ちの人たちが大勢ROHのボックスオフィスに行列していました。客は大部分が日本人ですが、地元の方々も大勢いらっしゃいました。

第1部の奏者は恐らくどこかの音楽学校に在籍している方々でしょうか10代前半が多く、チェロとヴァイオリンが中心です。短い曲ながら懸命の演奏で心が温まります。一番印象的だったのはクライスラーのヴァイオリン曲を弾いた少年で、暗譜での演奏姿も堂に入ったもの、しっかりと音楽を伝えてくれました。

第2部はロイヤルバレーに在籍している日本人ダンサーの中から高田茜さん、蔵健太さん、ユフイ・チェさん、平野亮一さん、小林光さん、それにこのイヴェントに賛同してくれたマラ・ガレアッツィ、エドワード・ワトソン、ワレリー・フリストフといったプリンシパルダンサーたちが吉田都さんと一緒に踊ってくれました。再び吉田さんのバレーを見ることは想像していなかっただけに感激でした。しかし、すべてのダンスの中ではマラ・ガレアッツィとエドワード・ワトソンによるモダンダンスが振り付けも含めて特段の印象を与えてくれました。とにかく美しい動きです。
あと、ユフイ・チェさんの白鳥の細やかな表現力にも感嘆しました。この人はきっとプリンシパルになるだろうという印象も持ちました。

最後は吉田さんのスピーチなどで締めくくられましたが、さて入場券売り上げ以外にどれくらいの寄付が集まったでしょうか。私も幾ばくかの寄付をしましたが、大勢の方が箱にお金を入れていましたのできっとかなりの額になったことでしょう。

カーテンコールの写真(クリックで拡大)
本日出演のダンサー達
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Miyako Yoshida & Valeri Hristov
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Edward Watson
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Mara Galeazzi
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Yuhui Choe
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Hikaru Kobayashi
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by dognorah | 2011-03-23 08:06 | バレー

東北大震災チャリティコンサート

2011年3月15日、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ大使館にて。

Chopin Piano Recital for the aid of the victims of the earthquake in Japan
at the Embassy of Bosnia & Herzegovina

Henri Barda: piano

6 Mazurkas
2 Nocturnes
Piano Sonata No. 2 in B flat minor (Opus 35)
24 Preludes (Opus 28)

このコンサートは東北大震災の前から企画されていたもので、私も以前から切符を買っていたのですが、急遽チャリティコンサートに切り替えられました。演奏者のアンリ・バルダ氏も今日と明日に予定されているコンサートの出演料をすべて寄付することを申し出られました。元々の企画はMarylebone Champagne SocietyとMarylebone Arts Associationの両者によってなされたもので私は前者の会員です。しかし今回は幹事役のMadam Wさんの努力で、多くの日本企業や地元企業に加えてフランス大使館とボスニア・ヘルツェゴヴィナ大使館の協力が得られました。いつもはこの手のコンサートでは演奏開始前のシャンペンは飲み放題なのですが、今日は2杯目以降は一杯5ポンドを徴収して寄付金を増やすように計らわれました。

ピアニストのアンリ・バルダは1941年エジプト生まれのフランス人で、現在パリの著名な音楽大学の教授を務めています。Madam Wさんとは数十年にわたるつきあいがあるとのことです。
                    Henri Barda
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なお、今回使用されたグランドピアノは1890年代に作られたスタインウエーだそうですが、この大使館にはピアノがないためMadam Wさんが自宅から持ち込んだものということです。彼女の説明では古さ故に完璧な状態とは言えないということですが、登場したピアニストは「いや、これはすばらしいピアノだよ」とコメントして座るやいなや演奏を始めました。
最初のマズルカからピアノソナタ第2番まで一気呵成に弾いてしまったため途中で拍手を入れることも出来ませんでした。そして休憩後は24の前奏曲。とても骨太の力強い音で、演奏スタイルは全くのスタンダードという印象で、さすがに教授らしいものです。ちょっと一本調子ではあったもののショパンを得意としているらしく、すべて大変楽しめました。

演奏終了後は再びシャンペンとカナッペで談笑。フランス人客も多くてピアニストは彼らに取り囲まれていました。
とても楽しめた集いではあったものの、やはり日本のことが気がかりで、ちょっと複雑な気持ちで帰途についたのでした。ロンドンではほぼ連日このようなチャリティコンサートが開催されていて多くの人にアピールしています。欧米人も精神的に応援してくれる姿勢が強く感じられて感謝の気持ちで一杯ですが、その一方福島原発への懸念から現地自国民へ退避の勧告を出すなどこちらも気持ち的には複雑ですね。
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by dognorah | 2011-03-17 19:21 | コンサート

再びヴィルヘルム弦楽四重奏団

2011年3月10日、St Peter's Church at Eaton Squareにて。
教会内部。後方には美しいパイプオルガンもあります。
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Mozart: String Quartet No. 21 in D major (K. 575, "Prussian 1")
Shostakovich: String Quartet No. 11 in F minor (Opus 122)
Mendelssohn: String Quartet No. 6 in F minor (Opus 80)

The Wilhelm Quartet

昨年10月にかなり感銘を受けた団体の演奏会に再び行きました。前回はヴィオラ奏者が男性だったけれど、今回はなぜか女性奏者になって、全員女性の四重奏団です。
演奏は相変わらずすばらしくて大変楽しめました。特に2曲目のショスタコーヴィッチ には本当に参りました。初めて聴く曲ですが、名曲だと思います。卓越した演奏が名曲を名曲として際だたせていました。4人の弾くそれぞれの楽器の音が特に融け合うでもなく自己主張しながらも全体としては深い感銘を与えてくれる演奏で、至福の時でした。
1曲目のモーツァルトも前回の22番と同様に全身で音楽に浸っている感じの愉楽を与えてくれました。彼らの解釈がぴたっと私のツボにはまる感じ。
尤も3曲目のメンデルスゾーンはいまいち理解できない曲で、他の2曲に比べて印象が薄いのですが。
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by dognorah | 2011-03-13 10:15 | コンサート

マクヴィカーの「アイーダ」はやっぱりすばらしい

2011年3月11日、ROHにて。

Aida: Opera in four acts
Music: Giuseppe Verdi
Libretto: Antonio Ghislanzoni

Director: David McVicar
Conductor: Fabio Luisi

Aida: Liudmyla Monastyrska
Radames: Roberto Alagna
Amneris: Olga Borodina
Amonasro: Michael Volle
Ramfis: Vitalij Kowaljow
King of Egypt: Brindley Sherratt
High Priestess: Madeleine Pierard
Messenger: Steven Ebel

昨年4月以来の再演です。出演者はすべて昨年とは違っていますが、今年の方が遙かにいいです。
まずタイトルロールですが、昨年と同じミカエラ・カローシの予定だったものが、リハーサルが済んでから妊娠を理由に降板(随分不自然ですね)して、ウクライナ人のリュドミラ・モナスティルスカに変わったのでした。この人は5月から6月にかけて再演される「マクベス」に夫人役として出演する予定の人だったのですが、一足早くROHデビューとなりました。上記の事情でリハーサルには出ていないのでこの日が観客の前で歌う初日になりました。そのせいか第1幕は緊張したのでしょうあまりよくなかったです。ごく普通のソプラノさんという感じで、声があまり出ていませんでした。アリア「勝ちて帰れ」も拍手はぱらぱら程度。ところが第2幕になると俄然声が出るようになり、そのまま最後まで好調な歌唱で、この声なら昨年のカローシよりずっといいです。アムネリスを歌ったボロディナと体格はほぼ同じで恋敵同士が太太コンビとなるのがちょっとなんですが。

そのボロディナも第1幕からいつもの通り快調に歌っていました。髪型も含めて昨年より顔のメークがまともになっているのは歓迎です。昨年はちょっとひどかったですから。

ラダメスを歌ったアラーニャもこのところの快調を維持していて、昨年のアルバレスとは大違い、すべてのアリアを気持ちよく聴けました。

国王もランフィスもなかなかしっかりした歌唱で文句なし。脇役陣で凄かったのがアモナスロを歌ったミチャエル・フォレで、こんなに完璧な歌唱は聴いたことがなく、私の経験した過去最高のアモナスロでした。

指揮のルイージはどこかで聴いたなと思ったら2008年4月にドレスデンで「リゴレット」を振った人でした。あのときと同様すばらしい指揮で、ためが十分にある指揮ぶりがこのオペラにとてもよく合っています。ただ、オケの音に関しては昨年のルイゾッティの方がよかった。昨年のAmphitheatreと違ってオケの真横の席だったからかも知れません。

今回は舞台近くで見たのですが、マクヴィカーの演出やFin WalkerのChoreographyもより細かく見えて更によく理解できました。全くゆるみのない、目をそらさせない舞台は本当にすばらしく、改めて感心しました。

カーテンコールの写真
Borodina, Alagna, Monastyrska, Volle and Sherratt
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Liudmyla Monastyrska
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Roberto Alagna
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Olga Borodina
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Fabio Luisi
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by dognorah | 2011-03-13 08:19 | オペラ

ルカ・ピサロニのリサイタル

2011年3月6日、ウイグモアホールにて。

Luca Pisaroni: baritone
Wolfram Rieger: piano

Programme
Schubert
* Il modo di prender moglie
* L’incanto degli occhi
* Il traditor deluso

Rossini
* La promessa
* L'esule
* L'orgia

Liszt
* Im Rhein, im schönen Strome
* Vergiftet sind meine Lieder
* O lieb, so lang du lieben kannst
* Die Vätergruft
* Tre sonetti di Petrarca

ルカ・ピサロニは2009年10月にマレーナ・エルンマンと共演して「ダイドーとイニーアス」を歌った人ですが、それ以来名前は覚えているもののもう一度聴く機会もないまま今日まで来てしまいました。今回は舞台から2列目という近いところで見たら、思っていたより遙かにハンサムな人だとわかりました。女性のオペラ仲間たちが来ていたのはそのせいだと気付いた次第です。ベネズエラ生まれながら幼少時にイタリアに移住したのでほぼ生粋のイタリア人なんでしょう。1975年生まれの若い人です。会場にいたオペラ仲間に教えてもらいましたが先日マーラーの「大地の歌」で聴いたばかりのトーマス・ハンプソンが聴きに来ていました。ピサロニは彼の娘婿だそうです。
このリサイタルではバリトンと記されていましたが実際に声を聴くと上記オペラの時に書いてあった通りバスバリトンですね。声は堅めの迫力あるもので声量もあり、とてもしっかりした歌唱です。
プログラムはイタリア語歌詞のシューベルトという珍しいものからロッシーニとやはりイタリア語にこだわるのかと思えば次のリストはドイツ語でした。しかしリストの歌曲というのも珍しい。最後の3曲のソネットはイタリア語ですが。アンコールはリストなのかシューベルトなのか知りませんがまたドイツ語でした。そのディクションもしっかりしているので、かなりドイツ語は得意なんでしょう。ただ歌曲の印象としては、ロッシーニを除いて暗くて重めのものを選んだせいか、イタリア語だろうとドイツ語だろうと印象的にはほぼ同じで、ちょっと一本調子なのが気になりました。
各歌とも楽しめましたが、リストのDie Vätergruftは劇的な歌い回しが特に気に入りました。
この夏に彼のレポレッロを聴く予定なので楽しみです。

Luca Pisaroni
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Luca Pisaroni & Wolfram Rieger
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by dognorah | 2011-03-07 10:31 | コンサート

アカデミー・オヴ・セントマーティン・イン・ザ・フィールズ演奏会

2011年3月4日、カドガンホールにて。

Academy of St Martin in the Fields
Joshua Bell: violin
Steven Isserlis: cello
Ian Brown: conductor

Haydn: Symphony No.13 in D major
Mendelssohn: Symphony No.4 'Italian'
Brahms: Double Concerto for violin and cello

この室内管弦楽団を聴くのはとても久しぶりですが、やはり上手いものです。とても楽しめたコンサートでした。弦の構成は6-6-6-4-2でした。
まず1曲目のハイドンは、指揮台にチェロを持ったスティーヴン・イッサーリスが座り、弾き振りをやりました。第2楽章になると彼はやおら椅子を反対向きにして聴衆の方を向いて弾きます。この楽章ではチェロが協奏曲のように活躍する場面があり、彼はこれをやりたかったから弾き振りにしたのね、と納得。第3楽章以降は元通りオケの方を向いて弾き振りです。演奏はそれはもう生き生きとしたハイドンですばらしいものでした。

2曲目のメンデルスゾーンは、今度はジョシュア・ベルが弾き振りをやりました。といっても指揮者の位置ではなく、コンサートマスターの隣に座って第1ヴァイオリンのパートを一緒に弾くのです。時折演奏をしないで弓で指揮をします。この人はひょっとして指揮者志向なのでしょうか。もう今年44歳になるので可能性はありますね。演奏はこれまたすばらしく、壇上の奏者がすべて音楽を楽しんでいるのがわかるくらい音楽をしている感じです。そしてベルは類い希な音楽性を持った人なんだなということも実感しました。彼の煽りでオケはそれはもう力強い「イタリア」を演奏したのでした。この曲でこんなに満足したのは初めてです。ブラヴォー!
彼はロンドンでの露出度が高いので調べたらRoyal Academy of Musicの教授をしているのでした。それで定期的にロンドンに来なくてはならないわけです。

最後の曲になってようやく専任の指揮者が登場します。イッサーリスのチェロはガット弦なので音が小さく、ベルのヴァイオリンの方が音量があってちょっとアンバランスと思えるところはありますが音楽する心は人一倍のイッサーリスは演奏でそれを補うかのように情熱的にチェロを響かせます。ここでもオケのアンサンブルはすばらしく、よくまとまった音楽となりました。

Joshua Bell & Steven Isserlis
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右端手前が指揮者Ian Brown
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by dognorah | 2011-03-06 03:03 | コンサート

ゲルギエフのマーラー第9

2011年3月3日、バービカンホールにて。

Mahler Symphony No 9
Mahler Symphony No 10 (Adagio)

Valery Gergiev conductor
London Symphony Orchestra

つい先日エッシェンバッハ指揮LPOで同じ曲を聴いたばかりですが、切符を買った1年ぐらい前にはそういうことに気付いていなかったので偶にこういうことが起こってしまいます。それにしても最近聴いたマーラーの交響曲は、4番、3番、9番、大地の歌に続いて今日の9番で、もうしばらくは避けたいところです(^^;
今日の演奏は特に悪くはないものの先日のエッシェンバッハの方が楽しめました。木管などゲルギエフの趣味を反映しているのでしょうけれど、もう少し柔らかく演奏してほしいです。第1楽章前半ではなかなか行ける演奏かなと思わせるもののその後あまりついて行けず。アダージョの演奏もそれほど納得できないし。
終わった後インターヴァルがあって第10番のアダージョが演奏されるプログラミングが何とも我慢できなくて聴かずに帰ってしまいました。こちらの体調にも責任があるような気がしますが今後こんなに根を詰めて聴く日程はやめようと決心しました。
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by dognorah | 2011-03-06 01:50 | コンサート