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ラトル指揮ベルリンフィル公演(その2)

2011年2月22日、バービカンホールにて。

Haydn: Symphony No 99
Toshio Hosokawa: Concerto for horn and orchestra – Moment of Blossoming (UK premiere)
Schubert: Symphony No 9 'Great'

Berliner Philharmoniker
Sir Simon Rattle: conductor
Stefan Dohr: horn

今日のコンサートマスターはDaniel Stabrawa 氏。樫本大進さんはお休みです。

生き生きとしたハイドンで、今日も音のすばらしさを堪能しました。

2曲目の細川俊夫のホルン協奏曲は今月10日にベルリンで世界初演された最新作で、今日はそのときと全く同じメンバーによるUK初演です。一風変わった構成で、バービカンホールの2階席の四隅にトランペット、ホルン、ホルン、トロンボーンを配置した上で独奏のホルンはハープのそばで演奏されました。なお、独奏者はこの楽団のホルンセクションのプリンシパルです。曲は音が出ているのか出ていないのかわからないような静かさで始まりますが、私のすぐそばのトランペット奏者からは楽器の音というよりその前段階のフーッとかスーとかの空気の音が聞こえ始めました。音は次第に大きくなっていき、各金管の美しい音色が現代曲らしい節度で演奏されます。そして弦も加わり幽玄の世界を表現するような雰囲気になります。このあたりは雅楽の雰囲気も感じられ我々日本人にはきわめて容易に入っていける音楽ですが、西洋人にも十分理解されるであろう普遍性も感じられます。すばらしい曲です。初めて聴いたのにすぐに大好きになりました。ラトルが聴衆の方を向いて2階の4人の金管奏者を指揮する場面もあります。終わりは始まりを逆にしたように静寂に向かって消えていきます。終了後ラトルが細川氏を舞台裏から連れてきました。ずっと前に彼の音楽を取り上げたイヴェントで司会者がインタヴューする場面を聴いたことがありますが、ドイツ人の師匠からもっと日本の音楽を勉強してきなさいと言われた、というエピソードを披露してくれました。まさに言われた通りのことをして今日の音楽があるのでしょうね。

Stefan Dohr and Sir Simon Rattle
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Toshio Hosokawa and Stefan Dohr
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最後の曲、シューベルトの第9番は昔カール・ベーム指揮ベルリンフィルのLPが発売されたときに買ってさんざん聴いた好きな曲です。そして今日この曲が始まると何と当時とそっくりの音がするではありませんか。うーん、これがベルリンフィルの音なんだよなぁ、という感じ。とても懐かしくなりました。演奏もベームとあまり違わない印象で、彼の特徴である(少なくとも録音では)中庸のテンポであわてず騒がずどっしりとオケを鳴らすスタイルです。いい演奏であり、音でした。満喫しました。
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by dognorah | 2011-02-27 02:34 | コンサート

ラトル指揮ベルリンフィル公演(その1)

2011年2月21日、バービカンホールにて。

Stravinsky: Apollon Musagète (1947 version)
Mahler: Symphony No 4

Berliner Philharmoniker
Sir Simon Rattle: conductor
Christine Schäfer: soprano

ラトル指揮ベルリンフィルの公演は今回ロンドンで4回予定されていましたが、最初のもの以外の3回の公演に行きました。

今日の最初の曲は弦楽合奏曲で、ストラヴィンスキーにもこんな古典的なおとなしい作品があるのかと思わせる美しいものでした。ベルリンフィルの弦楽はすばらしい音でこれを演奏してくれて至福の時でした。

次のマーラー第4番はこの弦楽に加えてこれまた名人芸の木管や金管が極上の音で演奏され、視覚的な楽しさもあって心を奪われる一時でした。この曲は達者な木管群があるとものすごく栄えるものであることを痛感しました。第4楽章のシェーファーも繊細な歌でそれまで続いた流れにぴったり合わせる美しさです。しかし、彼女は相変わらず声が小さくてピアノ部分では後ろの方まで聞こえるのかしらと訝るほど。以前PROMSで同じ曲を彼女の独唱で聴いたことがありますが、ロイヤル・アルバート・ホールのような大きい会場で後ろの方の席だったので本当に聞こえなかったことを思い出します。今回は席も舞台に近いので細部まで十分聞こえましたが。今日のドレスは下半身がパンタロンになったもので前後から見るとつなぎ服、横から見るとロングドレスのように見えます。ネックレスがモダンな凝ったもので、この人はいつもおしゃれをする人ですね。
今日のコンサートマスターは3人いるFirst Concertmasterの一人Daishin Kashimotoという若い日本人でした(一番下の写真)。この人は2009年にベルリンフィルに入団して、早々とトップの座に昇ってしまったんですね。

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by dognorah | 2011-02-26 01:54 | コンサート

リセウの新演出パルシファル

2011年2月20日、バルセロナ、リセウ劇場にて。
Gran Teatre del Liceu
Richard Wagner: Parsifal

Direcció musical : Michael Boder
Direcció d'escena : Claus Guth

Parsifal : Klaus Florian Vogt
Kundry : Anja Kampe
Gurnemanz : Hans-Peter König
Amfortas : Alan Held
Klingsor : JohnWegner
Titurel : Ante Jerkunica
Primera noia flor : Estefanra Perdomo
Segona noia flor / Primer escuder : Ana Puche
Tercera noia flor / Segon escuder : Ines Moraleda
Quarta noia flor : Beatriz Jimenez
Cinquena noia flor : Michelle Marie Cook
Sisena noia flor / Una veu : Nadine Weissmann
Primer cavaller : Vicenç Esteve Madrid
Segon cavaller : Kurt Gysen
Tercer escuder : Antonio Lozano
Quart escuder : Jordi Casanova
Ballarf : Paul Lorenger

パルシファルは過去3回(ROHヴィーンバイロイト)見ていますのでこれが4回目です。

今回の新演出はバイロイトのようなあまり奇をてらうものではないものの、通常とは違った解釈の部分もあってちょっとびっくりしました。例えば、ティトゥレルは通常の演出では居るのか居ないのかわからないくらいの小さな役作りのことが多いのですが、ここでは大変目立つ存在で、アンフォルタスにGrailの儀式を要請するところでは父親としての威厳が示されます。また、最後の場面では皆が新王パルシファルにひれ伏しているときにアンフォルタスが部屋の外に出ると、庭のベンチにクリングゾルが座っており、アンフォルタスを手招きして隣に座らせ、躊躇しながらもお互いに手を握り合うのです。思い起こせば、前奏曲演奏時に聴衆には誰が誰だかわからない状態で舞台の紗幕の向こうに3人の男がテーブルについて話し合っており、そのうちの二人が仲良くするともう一人の男が怒って椅子を蹴って退出する場面があり、仲良くしたのはティトゥレルとアンフォルタス、退出したのはクリングゾルだと後からわかります。まるで親族会議でティトゥレルが後継者にアンフォルタスを選んだのにクリングゾルが怒ったような設定です。幕が上がると場面設定は病院のようで、アンフォルタスや部下の軍人たちが病気やけがの治療を受けています。グルネマンツは牧師で彼らに説教したりしている風。なので、パルシファルも最後は軍服姿です。また第2幕の花の乙女たちのシーンに男性パートナーも付いているというのも変わっています。ここの場面はもっとエロティックにやってほしかった。クリングゾルは槍をパルシファルに向かって投げようとするところではパルシファルの精神力で金縛りに遭い、簡単に槍を取られてしまうのも変わっていますね。だからクリングゾルは死なないわけです。
初日なのでカーテンコールでは演出家も出てきましたが盛大なブーを浴びていました。気に入らない人には我慢ならない演出だったんでしょう。私は新鮮で面白いと思いました。舞台装置もなかなかのもので回転舞台を使って4種類の場面を素早く切り替えていました。二階建ての建物自体もしっかりと作られています。

歌手ですが、すべて大変立派な歌唱でした。特にグルネマンツを歌ったハンス=ペーター・ケーニッヒは立派でした。過去に聴いた中では最高のグルネマンツです。この人は今まで数回聴いていますが、いつもよい印象を与えてくれる実力バスですね。
題名役のクラウス・フローリアン・フォークトも彼独特の透き通るような声がよく出ていて満足です。
アンヤ・カンペのクンドリーもすばらしい歌唱と演技で、第2幕では色気もちゃんと出ていました。
アンフォルタスを歌ったアラン・ヘルトは以前Promsの「神々の黄昏」で立派なグンター役を聴いたことがありますが、今回も満足すべき歌唱で大満足です。
クリングゾル役もまあまあ、ティトゥレル役も十分な歌唱でした。
合唱はかなり少人数で、第1幕のGrailの儀式ではやや迫力不足と感じました。儀式の最中に場面転換する演出のせいもあって他の劇場では感じた感動がここでは希薄なのはちょっと残念ではあります。

指揮のミヒャエル・ボーダーはロンドンではヘンツェのオペラ「フェドラ」で聴いたことがあるだけですが、今回も不満のない出来で、オケからすばらしい音を引き出していました。テンポは中庸で完全に受け入れられるものです。前奏曲が始まってすぐにヴァーグナーの世界に入れました。

ということで一昨日の「アンナ・ボレナ」に引き続いてとても楽しめた公演でした。
なお、ここリセウでは第1幕終了後も普通に拍手していました。カーテンコールはなかったです。

ところで、「アンナ・ボレナ」は3階席に座り、今回は平戸間後方に座ったのですが、平戸間では前席の背もたれに字幕装置が取り付けられていて、カタルニア語、スペイン語、英語の3種類を切り替えて使えました。これは上の方の安い席にはなかったものです。4年前にここに来たときは舞台上方の字幕投影にカタルニア語とスペイン語だけが提供されていたのが今回はカタルニア語だけになっているところを見ると平戸間の3カ国切り替え字幕は最近つけられたのでしょう。もう少しすれば上方の席にもつけられる可能性もありそうですが、最近の経済情勢では難しいかも知れません。

第2幕終了後の舞台
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Anja Kampe & Klaus Florian Vogt
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第3幕終了後の舞台
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Klaus Florian Vogt
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Alan Held
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Hans-Peter König
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John Wegner & Anja Kampe
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Conductor, Michael Boder
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Stage Director, Claus Guth
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by dognorah | 2011-02-25 02:46 | オペラ

ドニゼッティのオペラ「アンナ・ボレナ」

2011年2月18日、バルセロナ、リセウ劇場にて。
At Gran Teatre del Liceu
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Anna Bolena by Gaetano Donizetti
Libretto: Felice Romani

Direcció musical : Andriy Yurkevych
Direcció d'escena : Rafel Duran

Enrico VIII : Simón Orfila (Calro Colombaraの代役)
Anna Bolena : Edita Gruberova
Giovanna Seymour : Elina Garanča
Lord Rochefort : Marc Pujol (Simón Orfilaの代役)
Lord Riccardo Percy : José Bros
Smeton : Sonia Prina
Sir Hervey : Jon Plazaola

今回のバルセロナ遠征は、ロンドンの椿姫さんやkametaro7さんなどオペラファンで構成されたグループ5人で行ったのでした。そのためオペラ以外の時間も楽しく過ごすことが出来、充実した旅になりました。

ドニゼッティの有名なオペラとして名前だけ知っていましたが、実際に舞台を見るのは今回が初めてです。そして噂通り、非常によくできた音楽で(ストーリーはあまりいいものではありませんが)確かにドニゼッティの最上級の傑作という印象を受けました。それはやはり歌手たちが揃ってすばらしかったことと、管弦楽も非常に優れた出来だったからでしょう。新演出も悪くはなかったですし。

歌手ですが、グルベローヴァもガランチャも絶好調でした。
グルベローヴァは昨年からの好調をしっかり維持していて、高音もとても美しいものでした。ガランチャとの二重唱Sul suo capo aggravi un Dioは非の打ち所もなく、すばらしい出来に長い拍手が続きました。あまりに長いのでグルベローヴァが舞台に再登場し、ガランチャにも手で合図して出てくるように促しましたが彼女は遠慮して出てきませんでした。第2幕の錯乱の場面で歌われるアリアChi può vederla a ciglio asciutto?とAl dolce guidami castel natìoの弱々しくも美しい襞のような表現は絶品で、涙が出てきます。こういう歌唱を聴けただけでもバルセロナまで来た甲斐があったというものです。

一方のガランチャも2006年に初めて聴いたガルニエでのセスト役以来かという位すばらしい歌唱で、姿形も美しく(同行した他の方々はちょっとふっくらしたとの感想だった)、今日はいつになく色気が感じられました。美しく深みのある彼女独特の声が朗々と響く声量の大きさにも改めて感心しました。

アンナの恋人役Lord Riccardo Percyを歌ったホセ・ブロスもいつものように素敵な声で私は大いに満足。ところが第2幕のアリアでちょっと盛り上げ方にしくじった小さな疵にブーが浴びせられてリセウの厳しい聴衆にびっくりしました。カーテンコールでもしつこくブーを飛ばす人がいて、本人も大変不機嫌でした。ブーするほどの不出来とも思えず、このバルセロナ出身のすばらしい歌手に何か恨みでもあるのかしらと訝ったぐらいです。

エンリコ8世を歌ったシモン・オルフィラはもともとLord Rochefortを歌うはずでしたが、カルロ・コロンバラが降りたために急遽エンリコ8世を歌うことになったのですが、Bキャストで最初からこの役を歌うことになっていたのでスムーズに代役をこなしていました。とてもよいバスで歌唱も堂々たるものでこの人にも満足しました。
スメトン役のソニア・プリナはロンドンで何度か聴いている人ですが、今日ももなかなかいい声が出ていて好ましいズボン役でした。アルトにしてはちょっと背丈が低いですが。

Lord Roshefortを代役で歌ったマーク・プジョルは第1幕ではあまりよくなく、一人凹んでいましたが第2幕では持ち直し、本来の実力を発揮したようです。それでも特段印象に残る声ではないですが。
ヘルヴェイ役のテノールも悪くはない声でした。

管弦楽がまたすばらしく、弦はとても美しい演奏です。指揮はアリアの部分では丁寧に歌手に合わせ、そうでない部分は緩急自在に演奏してドラマを盛り上げるツボを心得たもので、若い人ながらなかなか優れた指揮者です。

演出は一部ヴィデオを使ったりしてちょっと意味不明の部分もありましたが、全体としてはまあよくできた方でしょう。服装は現代物で、最初から最後まで舞台にはカラスの頭をかぶった男女がたくさん出てきて、合唱隊に混じったり、セットの家具を運ぶ役をやったり大活躍。友人も言っていましたがロンドン塔を暗示するものでしょうか。舞台は階段を多用するものの(時には3階建てにもなる)シンプルなもので場面転換もスムーズ、機能的なものでした。

カーテンコールではグルベローヴァ登場の時に上方から色とりどりのビラがたくさん降ってきました。最前列に座っていたkametaro7さんが拾って後で見せてくれましたが、グルベローヴァ出演の最終日に合わせて「また来てくれてありがとう、エディータ」という文章と彼女の写真が印刷されたものでした。仲間の皆さんに誘われて出待ちをしてその紙に彼女のサインをもらいました。ガランチャのサインはキャスト表にしてもらいました。大勢が取り囲むので彼らと話をすることが出来なかったのが心残りです。ガランチャには何で今夏のバーデンバーデンをキャンセルしたんだ?と問い詰めたかったのですが。

Edita Gruberova
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ビラに驚くグルベローヴァ
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ビラを掲げて
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Elina Garanča
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José Bros
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Marc Pujol, Simón Orfila and Elina Garanča
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by dognorah | 2011-02-23 23:43 | オペラ

Miah Perssonソプラノリサイタル

2011年2月16日、ウイグモアホールにて。

Miah Persson: soprano
Roger Vignoles: piano
Richard Hosford: clarinet

Programme
Schubert
* Suleika
* Ganymed
* Lied der Mignon, Rastlose Liebe
* Auf dem Wasser zu singen
* Du bist die Ruh
* Gretchen am Spinnrade
* Der Hirt auf dem Felsen

Grieg
6 Songs Op. 48

Sibelius
* Våren flyktar hastigt
* Den första kyssen
* Var det en dröm?
* Säv, säv, susa
* Flickan kom
ミア・パーソンは過去にオペラでしか聴いたことがありませんが(フィガロの結婚ドン・ジョヴァンニクレタのアリアンナ)いつも好印象を与えてくれる好みのソプラノなので今回初めてリサイタルを聴きに行きました。そして、やはり彼女の声は私の好みであることを確認しました。
リサイタルはまずシューベルトから始まり、次のグリークも聴いた限りではドイツ語の歌詞でした。休憩後のシベリウスはフィンランド語でしょうか。スェーデン人の彼女からすればすべて外国語ですね。
どの歌が特にどうのこうのという印象はないのですが、シューベルトの「岩の上の羊飼い」がそれまでの暗めの歌と違ってクラリネットとピアノの伴奏で雰囲気も明るく陽気で、割と砕けた感じのものでありました。個人的にはグリークのものが一番楽しめたかも。
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by dognorah | 2011-02-22 02:43 | コンサート

FLVファイルのダウンロードとDVDの作成

最近ウェブで魅力的な映像が配信されることが多々あり、PCに録画できればなぁということも多い。そこでそれに挑戦してうまく行ったのでやった作業を自分のメモ代わりに記しておきます。

(A) FLVのダウンロード
最近ウェブサイトで提供されているオペラ映像(ヘンデルのアルチーナ)のことを紹介したが、割りといい画質で見ることができるのでPCに録画してみることにした。
この手のStream VideoはYouTubeと同様FLV形式で放送されているので、まずこれをダウンロード(DL)できるソフトを探してみた。フリーソフトもいくつか出ているが、どれもあまりうまく行かなかった。送信側がDLできないようにいろいろ工夫しているせいだろう。YouTubeのように制限していないサイトでは大抵うまく行くが。

そこで有料ソフトも試してみた。ほとんどのものはテストする目的のために性能や期限を制限して試用できるものを提供してくれている。いくつか試した中で、まあまあ役に立つものがあったのでそれを購入することにした。Replay Media Catcher 4というソフトで、アメリカの会社の製品である。(これをイギリスで購入すると25ポンドという。ところが購入オプションというものが用意されていて、スポンサーみたいな会社の製品を買うと無料でこのソフトが使えるというもの。いくつかの会社の中から名刺を作ってくれる会社を選び、250枚の名刺を注文。料金は送料込みで7ポンドぐらい。これでこのソフトが制限無く使えるようになった)

このソフトを使っていろいろなサイトで試してみたところ、すべてうまく行った。例えば、medici .tvの映像とかBBCのiPlayerサイトの音声とか。BBCのものは今までなかなかDLできなかったけれど、これが使えるのは嬉しい。
このソフトには2種類のダウンロードの仕方があり、一つは再生している映像を逐一取り込むもの。この場合は再生時間と同じだけの時間がかかる。もう一つは再生ストリームとは別に高速で元ファイルを取り込んでしまうもので、本来これがダウンロードというものだろう。
ところがこの高速でDLする方式には何か欠陥があるらしく、上記のアルチーナの映像の場合、最後の30分くらいが録画されなかった。何度も試したが結果は同じ。仕方がないので、オペラの再生時間(3時間24分)じっと我慢して録画した次第。これはBBCのiPlayerでも同じだった。
ということでとにかく、オペラ全編を見れるFLVファイルのDLに成功。

(B) 再生について
DLしたファイルはFLV Playerで見ることができるが、このアルチーナの映像は他の映像とちょっと異なる部分があるらしく、何と16:9なのに4:3で再生されてしまい修正が出来ない。そこで他の再生ソフトを試したが、real playerとVLC media player(共に無料)はちゃんと再生できる。また、IrfanViewという画像再生ソフトのプラグインは最初4:3で再生が始まるが簡単に16:9に修正できる。

(C) DVDファイルへの変換
FLVファイルはPCでしか再生できないので汎用性を持たせるためDVDに焼くことを考えた。
上記のFLVファイルをDLできるソフトReplay media Catcher 4にはAVIやDVDファイルへの変換機能も付属している。しかし、変換されたDVDファイルはかなり大きな容量になってしまう。例えば、このアルチーナのFLVファイルの容量は2.75GBぐらいだが変換されたDVDファイルは8.5GBを越えてしまう(AVIでも同様のサイズになる)。ちょっと理不尽である。この手のソフトは結構多くて、他のソフトで13GBを越えるものもあった(Leawo FLV Converter)。AVS Video ConverterとかFreez FLV to Avi MPEG WMV Converterなども大体8GBを越えてしまう。
しかし同じフリーソフトでもDVD Flickというものは出力ファイル容量が調整でき、ターゲットサイズを通常のDVDとかダブルレイヤーのDVDとかに指定できる。またNTSCとPALも選べる。更に、イメージファイルを同時に作成するオプションもある。エンコーディング時間はややかかるが(上のファイルでは1時間半、これはPCの能力に依存する)何とか4.3GBという通常DVD 1枚分に収めることが出来た。ところが、VIDEO_TSファイルを再生してみると定期的に音がしゃくり上げるような現象が出ている。これではとても使えない。音と映像のずれも4-5秒ある(音が遅れる。これは他のソフトでも似たようなもの)。しかし同時に作成したイメージファイル(ISO形式)から再生してみるとこのしゃくり上げ現象はない。音ずれは同様にある。なので、今度はこのイメージファイルからフリーソフトのDVD DecrypterでVIDEO_TSを作成してみた。そのファイルでは音のしゃくり上げはない。残る問題は音の遅れだけだ。この音の問題は私の持っているTMPGEnc DVD Author 3(有料)というソフトで解決した。VIDEO_TSファイルをこのソフトにロードしてCut-editウインドウを開く。画面の左下付近にある"音符"ボタンを押すとAudio gap調整ウインドウが開く。音が遅れているのでGapを-4000msに設定したら、ほぼ音声と映像は同期した。OKを押して次に進むと音声の再エンコードが始まり、ずれの無くなったVIDEO_TSが入手できる。この再エンコードではファイル容量が増えることはない。

以上をまとめると、
(1)Replay Media Catcher 4でFLVファイルをPCに取り込む。
(2)DVD FlickでそれをDVDファイルに変換する。その際イメージファイルも同時に作成するオプションを選び、変換終了後イメージファイル以外はすべて捨てる。
(3)イメージファイルを再生してみて音ずれがないようならそのままDVDに焼く。ずれがあるときは、DVD DecrypterでVIDEO_TSファイルを抽出する。そのファイルをTMPG Enc DVD Author 3で開いてずれを補正する。

これでめでたくFLVファイルからDVDを作成して、居間のTVで楽しめる。
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by dognorah | 2011-02-15 08:25 | コンピュータ

Emma Bellソプラノリサイタル

2011年2月13日、ウイグモアホールにて。

Emma Bell: soprano
Andrew West: piano

Programme
Alban Berg (1885-1935): Sieben frühe Lieder (Seven early songs)
Bruno Walter (1876-1962)
* Tragödie I – III
* Waltrauts Lied I & II
Joseph Marx (1882-1964)
* Hat dich die Liebe berührt
* Traumgekrönt
* Und gestern hat er mir Rosen gebracht
Richard Wagner (1813-1883): Wesendonck Lieder

日曜の午後に開催される短いリサイタルですが、こういう歌曲のリサイタルは1時間ぐらいが丁度いいですね。入場料も£12と手頃ですし。
今日はエマ・ベルがドイツ歌曲だけを歌うものですが、大変楽しめました。
彼女は今までオペラのコンサート形式を2回ほど経験しています。今まで聴いてよかったなぁと思った声は今日もそのままで、相変わらず声量もたっぷり。
ベルクは前半はやや地味な歌ですが後半はダイナミックで聴いている方はヤンヤヤンヤというところ。完成度の高い演奏でした。
二つ目のブルーノ・ヴァルター、この指揮で有名な人はフルトヴェングラー同様作曲もしていたんですね。当初は交響曲も作っていたらしいですが、師のグスタフ・マーラーの域には到底達することが出来ないと自覚し、早々とやめてしまったそうです。今回の最初の3曲はOp.12からのもので、次の2曲はOp.11から取ったものです。俄然後のものが聴き応えがあって好きです。
次のヨーゼフ・マルクスはヴァルターとほぼ同年代の作曲家で多くの作品があるそうですが、今日演奏されるのは歌曲のみだそうです。なかなか面白い作品たちで、ベルのすばらしい表現力と相まって強い印象を受けました。
最後のヴァーグナーのものは「ニーベルンクの指輪」を作曲中に出会ったマチルデ・ヴェーゼンドンクと激しい恋に落ち、「トリスタンとイゾルデ」を作曲する傍ら彼女が贈った詩に基づいても作曲したのがこの作品。当然のことながら「トリスタンとイゾルデ」や「ヴァルキューレ」で使われたモチーフがこの歌曲にも使われています。今日これを聴いて、彼女のやや厚めの声はヴァーグナーのオペラを歌っても十分行けるのではないかと思いました。体力的にも十分だろうし。
それはともかく、各歌曲とも十分な準備に基づいたレヴェルの高い表現で、雨風の中にもかかわらず聴きに来てよかったなぁと心から思ったのでした。

Emma Bell and Andrew West
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by dognorah | 2011-02-14 09:12 | コンサート

Freiburg Percussion Ensemble演奏会

2011年2月11日、Amaryllis Fleming Concert Hallにて。

Freiburg Percussion Ensemble
Nicholas Reed(指揮と打楽器)
Julian Belli(打楽器)
Teresa Malik(打楽器)
Max Riefer(打楽器)

プログラム
Iannis Xenakis (1922-2001): Peaux from Pléïades
Karlheinz Stockhausen (1928-2007): Zyklus
Tran Kim Ngoc (b1971): Days of South Winds
Mark Applebaum (b1967): Straitjacket
Nicolaus A. Huber (b1939): Herbstfestival
Iannis Xenakis Claviers from Pléïades

打楽器だけによる珍しいコンサートです。客層はいつものクラシック音楽ファンとは少し違って、もう少し気楽に聴けるイヴェントに行きたいという層でしょうか。
メンバーは上記4人のほかに必要に応じて会場を貸しているRoyal College of Musicの学生たちが参加しています。
聴く前の印象としては各種打楽器をがんがん打ち鳴らす賑やかなものかなと思っていましたが、実際はもっと繊細なものであることがわかりました。
最初のクセナキスの曲は結構想像通りの様相でしたが、シュトックハウゼンのものは一人の奏者が周りに並べた各種音出し器を一定の周期でちょっとずついじるもので、特にがんがんという印象はないです。
3曲目のヴェトナム人作曲家のものでは更に極端で、4人の奏者がそれぞれのシンバルの上部金属を目の前にしてまず瞑想し、最初に一人が能のような動きでシンバルにアプローチ、両手で慈しむように金属板に触れ、なで回します。そのときに発せられる音はほとんど聞こえません。少しずつ指使いを交えてかすかな音を出していきますが、後のメンバーもそれに続きます。最後まで大音量になることはなく微妙な音のみを指の腹で出すものです。静寂が支配する分とても印象的で、さすがにアジア人のスピリットと思いました。
4番目のマーク・アプルバウムの作品は舞台中央の女性奏者のパントマイムに合わせてまわりに配置された4人の打楽器奏者が雑多な楽器群を奏するもので視覚的な印象が強い分面白かった。
5番目の作品は4人の奏者がそれぞれ打楽器を奏でるのですが、時々直径10センチぐらいのシンバルを両手に持って甲高い音を出すもので結構賑やかな曲です。布に浸した水をしたたらせる音なども使われます。
最後の曲は指揮者以外に6人の奏者によるシロフォンの合奏です。前列3人はペダル付きのより低音が出る楽器を、後列3人はペダルなしの高音部を受け持っています。曲はそれほど面白いものでもなく、やや退屈でした。
全体としては普段体験しない分面白かったですが、繰り返し聴くほどのジャンルとも思えなかったのが正直なところです。

なお、演奏者は団体の名前にもかかわらずイギリス在住の方々のようで、リーダーのニコラス・リードはRCMの卒業生で打楽器にかけては各種の賞をかなり取っている人です。年齢はまだ20代でしょう。
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by dognorah | 2011-02-14 07:39 | コンサート

ロンドン交響楽団演奏会

2011年2月10日、バービカンホールにて。

Strauss: Don Juan
Ravel: Piano Concerto in G
Strauss: Also sprach Zarathustra

Daniel Harding: conductor
Hélène Grimaud: piano
London Symphony Orchestra

久しぶりにLSOを聴きました。やはりこのオケは上手いです。音に華やかさがあるし、1曲目はそういうことで大変楽しめました。
そして、今日最も感心したのは2曲目のラヴェルのピアノ協奏曲です。
元々モーツァルトの23番が予定されていたのにグリモーの希望でラヴェルに変更になったのでした。ピアノも管弦楽も本当にすばらしい演奏で、特に第2楽章の叙情的で美しいことといったらもう大感激です。グリモーの感性には全面的に納得でき、この作品が名曲であることを思い知らせる出来でした。これを聴けただけでも今日来た甲斐がありました。

Daniel HardingとHélène Grimaud
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最後の曲は冒頭の部分が映画などで有名ですが、以前誰かの演奏で全曲聴いたときはあまり楽しめなかった記憶があります。さて今日はハーディングはどう料理するかなと神経を集中させましたが、私にとってやはりあまり好きな曲じゃないことが確認できただけです。演奏自体は大変力のこもったニュアンス豊かなものでしたが、シュトラウスのあまり好きじゃない交響詩分野の中でも好感度は下の方かなと思いました。最初の「ドン・ファン」の方が好ましい音楽です。
なお、この作品の演奏の冒頭でニーチェの「ツァラストラはこう語った」の短い抜粋が朗読されて、それから演奏が開始となり、そういうスタイルは初めて聴きました。
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by dognorah | 2011-02-11 23:53 | コンサート

ピアニストEduard Stanのリサイタル

2011年2月3日、ルーマニア文化協会にて。
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Eduard Stan: piano

E. Grieg: From Holberg's Time (Suite in Olden Style) op. 40
Fr. Liszt: from "Années de Pèlerinage"
Schubert / Liszt: Auf dem Wasser zu singen
Fr. Schubert: Impromptu in F Minor op. 142 (D 935) No. 1
G. Enescu: Suite No. 2 in D Major op. 10

スタンはルーマニア出身でドイツで教育を受けた人です。年の頃40代半ば。
大変腕の立つ人で、各プログラムともヴィルトゥオーゾ的感銘を受ける演奏でした。上記の中ではリストの作品が特にすばらしく、達者な指裁きによる水の表現に感嘆しました。リストには多くのピアノ曲がありますが、まだまだ知らないすばらしい曲がたくさんありそうです。
同じ曲の入ったCDを販売していたので、ご本人からサインしてもらって買い求めました。
エネスコの曲はこの前も弦楽四重奏であまり理解できませんでしたが、今日もピアノ曲として楽しんだものの、いまいち曲の中身には入っていけません。無料で聴かせてもらったのにルーマニアの方々には申し訳ない。

写真はネットで拾ったもの。
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by dognorah | 2011-02-08 03:39 | コンサート