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プッチーニのオペラ「マノン・レスコー」

2010年11月27日、ヴィーン国立歌劇場にて。

Manon Lescaut
|Giacomo Puccini
•Philippe Auguin | Dirigent
•Robert Carsen | Regie
•Antony McDonald | Ausstattung
•Ian Burton | Dramaturgie
•Philippe Giraudeau | Choreographie

•Olga Guryakova | Manon Lescaut
•Eijiro Kai | Lescaut,ihr Bruder,Sergeant
•José Cura | Chevalier René Des Grieux
•Sorin Coliban | Geronte de Ravoir
•Ho-yoon Chung | Edmondo
•Marcus Pelz | Wirt
•Dan Paul Dumitrescu | Sergeant

前日に続いてこれも面白い演出で、改めてロバート・カーセンの才能に感心しました。 現代読替で、最初の場面はショッピングモールです。 円弧状の通路になっているので奥は見えません。
両側にはショーウインドウが並び、マネキンに着せた婦人服が展示されています。 右側手前はホテルの入り口になっていて、到着した旅行客が入っていきます。 ショッピングモールでウインドーショッピングをしている婦人達は見栄えのする服装をした美人達で見るものを楽しませてくれます。このセットは基本的に第4幕まで変わらず、ショーウインドーのガラスの向こうの風景が変わるだけで、第2幕と第3幕はパリにあるジェロンテの高層アパートで大きなガラス窓の外にパリの現代風景が広がります。第1幕と第4幕はほぼ同じという経費節約型ですが、説得力はあります。
舞台装置はさておき、登場人物はかなり手を加えていてストーリーの辻褄合わせをしていますが全く違和感はありません。 ジェロンテとエドモンドは全幕に登場し、第4幕ではジェロンテがレスコーに買収された係員を射殺するというのも論理的です。 第2幕最後にジェロンテがマノンをソファーに押し倒してレイプするかのようなシーンも彼の憎しみとrevengeの思いを強烈に表現していて新鮮です。 アメリカ送りにされる女囚達はファッションモデルで第1幕のショーウインドーに飾ってあったドレスを着てキャットウォークをしたりという遊びも入っていて、第3幕の暗い場面があまり暗くなく楽しめるものになっています。 全体としてはとてもよく練れたお膳立てになっていて、こういう演出だと読替も全く気になりませんね。

歌手達ですがとても水準が高いものでした。 オルガ・グリャコワは昨年「チェレヴィチキ」で聴いて以来ですがまあ好調です。 ただ時折高音が金属的な響きになることがあり、それがちょっと気になりました。 顔も少し細くなったようですが、育児のせいかややお疲れという顔で、器量に少し翳りが見られたのは残念。
ホセ・クーラはやや顔の肉付きが増えた印象ですが声は絶好調で好ましい歌唱です。
甲斐栄次郎も立派なバリトンで、歌唱はすべてすばらしいものでした。 座付き歌手なので頻繁に登場するし、西洋人に比べると見栄えがあまりしないのが響いているのかカーテンコールでは拍手だけなのが残念。
ジェロンテ役のソリン・コリバンも文句なしのバスでした。

フィリップ・オーギンの指揮は大変劇的なもので、叙情的な部分との対比でグッと来るものです。 第3幕への間奏曲も大変美しい。

カーテンコールの写真
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Ho-yoon Chung and Eijiro Kai
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Sorin Coliban, Philippe Auguin and Olga Guryakova
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by dognorah | 2010-11-30 00:54 | オペラ

ヘンデルのオペラ「アルチーナ」

2010年11月26日、ヴィーン国立歌劇場にて。
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Alcina: eine Oper in drei Akten
Musik: Georg Friedrich Händel
Wiener Staatsoper on 26.11.10

* Marc Minkowski | Dirigent
* Adrian Noble | Inszenierung
* Anthony Ward | Ausstattung
* Jean Kalman | Licht
* Sue Lefton | Choreographie
*
* Anja Harteros | Alcina
* Veronica Cangemi | Morgana
* Vesselina Kasarova | Ruggiero
* Kristina Hammarström | Bradamante
* Shintaro Nakajima (Wiener Sängerknabe) | Oberto
* Benjamin Bruns | Oronte
* Adam Plachetka | Melisso

Les Musiciens du Louvre - Grenoble

何の気なしに予約したこのオペラですが、いやーエライものを見ちゃいました。 実にすばらしいプロダクションです。
なんといってもイギリス人でロイヤル・シェークスピア・カンパニーの演出家エイドリアン・ノーブルの演出が凄い! 歌手達や俳優達の立ち居振る舞いからセットまですべて美しいのです。 各シーンとも心憎いまでに細部にわたって丁寧に作られ溜息が出るくらいです。 このオペラは間奏曲のようなものが挿入されている箇所が多く、そこにダンスを投入しているのですがこれがまた雰囲気に合って楽しい。 そして多くのアリアのシーンでは舞台上に奏者が数人上がってその演奏をバックに歌います。 これは演出家のアイデアかミンコフスキーのアイデアか知りませんが。 奏者はもちろん舞台上にいる出演者達にマッチするような服装をしていますが、とにかくアリアがより心に迫ってくる印象です。 こういうのを見るとオペラが成功するかどうかということに関して演出がいかに大切かを再認識させられます。 こうなったら歌手は2の次という感じがしないでもないけれど、今夜の歌手も十分すばらしくて感動は倍増しました。 

タイトルロールのアンヤ・ハルテロスは歌唱は絶好調というわけじゃなかったと思いますが、ファッションモデルを思わせる端正な容姿が女王らしい威厳と華やかさを発散させているので少々の疵は気になりません。 
ヴェッセリーナ・カサロヴァは絶好調でハルテロスよりアリアが多いしアリアの変化にも富んでいるのでいつもやんやの喝采です。
ヴェロニカ・カンジェミは今まで何回か聴いていますがその中では今回は一番出来が悪いです。といってもまあまあというレヴェルですが、声の出方がスムーズじゃなかった。
クリスティーナ・ハンマーストロームはカサロヴァほどではありませんが十分すばらしいメゾでした。
メリッソ役のアダム・プラチェッカは素敵な低音で立派。
特筆すべきはオベルト役の日本人ボーイソプラノ、シンタロー・ナカジマで、今回のプロダクションはヘンデルの指定通りボーイソプラノを採用したので登場する機会があったわけですが、逆に言えば、彼が存在したから女性歌手でなしにちゃんとボーイソプラノで公演できたのじゃないでしょうか。 そう言えるくらい彼の歌唱はすばらしいものでした。 彼のアリアは各幕に一回ずつありますが、すべて結構長いアリアでしかもかなりのアクション付きですが、演技も見事にこなしながら感動させるような歌唱が出来るなんて凄いことです。 まだ14歳だそうですよ。 ヴィーン少年合唱団の一員だそうです。 第1幕では観衆は、結構やるなぁという程度の拍手でしたが、第2幕ではちらほらブラヴォーが出、第3幕では騒然とブラヴォーが飛び交う大拍手喝采でした。 私なんか感動したのと日本人としてうれしいのとで涙が出てきちゃいました。 子供役なのでオネンネの用意をしているんだというわけでしょう、いつも寝間着姿でしたが、なかなかの美少年ですね。 カーテンコールの写真とヴィデオを貼り付けましたのでご覧ください。 年齢からしてもう声変わりしていてもおかしくないので、ボーイソプラノとしてはこれが最後の活躍かもしれません。 大人の声になっても歌手の道を歩んでほしいですね。

ミンコフスキーの指揮する古楽器オケ、最上とは言えないけれどかなりのレヴェルです。 出だしはギスギスした音でしたがだんだんよくなり、いいアンサンブルを聴かせてくれました。 私の席の隣のオーストリア人によると、ここでバロックオペラをやるのはひょっとして50年ぶりぐらいかもとか、外部のオケが演奏するなんて今まで聞いたことがないなどの話をしてくれました。 それがどの程度本当か知りませんが今回はそれぐらいまれな上演だったようです。
ミンコフスキーはいつの間にかひげ面スタイルになっていたんですね。
プレミエ公演なのでDVDになるそうですが入手が待ち遠しいです。 尤も、演出はDVDでは別物という印象になるでしょうけれど。

公演が終わってホテルに帰ろうと外に出たら雪がちらついていましたが、心の中はぽかぽか。

国立歌劇場のサイトからの写真
BradamanteとMelissoは気球でAlcinaの島に到着
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ラヴシーンを演じるAlcinaとRuggiero
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以下はカーテンコールの写真(クリックで拡大)とヴィデオ
Anja Harteros
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Vesselina Kasarova
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Shintaro Nakajima, Veronica Cangemi and Anja Harteros
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Adam Plachetka and Shintaro Nakajima
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Shintaro Nakajima
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Veronica Cangemi
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Kristina Hammarström and Benjamin Bruns
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Marc Minkowski
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by dognorah | 2010-11-29 10:03 | オペラ

Westminster Abbeyでの礼拝

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私はキリスト教徒ではないけれどVIP席の入場券をもらったのでWestminster AbbeyのSpecial Serviceなるものに出席してみた。 音楽が聴けるからとのふれこみだったが、オルガンと聖歌のみであった。 席は祭壇とChoirの間で偉い人たちの行進もよく見えるし、説教壇もすぐそば。 The Lord of Mayor of Londonも出席していたらしいけど顔は見えなかった。
Serviceの名前はFestival of Saint Ceciliaというもので、主目的は「音楽家のための共催基金」集めだった。 St Ceciliaは音楽に関係ある聖人とのこと。 道理で音楽愛好家の私にも券が回ってきたわけだ。 また、この基金の役員をしていて最近亡くなった人へのメモリアルサーヴィスも兼ねていた。 3人の名前が印刷されていたが、その中には先般亡くなったサー・チャールズ・マッケラスも含まれている。
面白いのはWestminster Abbey(英国教会)のイヴェントながらSt Paul Cathedral(英国教会)とWestminster Cathedral(カソリック)の関係者も参加してそれぞれ代表者が聖書の一節を朗読していることで、聖歌隊は3者の集合体であった。 同行した英国人友人によるとメソジスト協会関係者も出席していたとのこと。 音楽がテーマだから宗派は関係ないということだろう。 
パイプオルガンの伴奏で少年達の歌う聖歌は非常に美しいものであった。 普段から練習に練習を重ねているのだろう。
礼拝は予定通り11時きっかりに始まり、12時ちょうどに終わった。 久しぶりにきちんとした時間管理を経験したがイギリス人もやろうと思えばば出来るんだ。
写真は当日もらったパンフレットをスキャンしたもので、本日の模様はほぼこの写真通り。 私の席は右側の祭壇に近い部分の前から4列目ぐらい。
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by dognorah | 2010-11-26 02:52 | 音楽

モーツァルトのオペラ「後宮からの誘拐」コンサート形式

2010年11月24日、QEHにて。

Wolfgang Amadeus Mozart: Die Entführung aus dem Serail
(concert performance, sung in German with an English narration and surtitles)

Bernard Labadie conductor
Susan Gritton (soprano), Konstanze
Malin Christensson (soprano), Blonde
Frédéric Antoun (tenor), Belmonte
Tilman Lichdi (tenor), Pedrillo
Alastair Miles (bass), Osmin
Simon Butteriss (narrator)
Joyful Company of Singers (Chorus)
Orchestra of the Age of Enlightenment

このオペラは2001年にROHで見て以来ご無沙汰でしたのでコンサート形式ながら聴いてみたくて行きました。 2001年の時はコンスタンツェ役がクリスティーネ・シェーファーで、舞台袖で聴いた彼女の歌唱が印象的だったのを今でも覚えています。
ところで、ジングシュピーレ形式のオペラをどうやってコンサート形式にするのかと思っていたら、台詞の部分はナレーターが英語で解説する方法でした。 従ってセリム役は省略、歌手はアリアだけ歌うものです。 このナレーターが冗談も交えてユーモアたっぷりだったので会場は結構笑い声が絶えません。

音楽演奏の方はなかなかすばらしいもので、コンスタンツェ役を歌ったスーザン・グリットンはさすがの名唱で感嘆しました。 特に第2幕でブロンデ相手に心情を吐露する長いアリアは感動的でブラヴォーを含む大喝采でした。 ブロンデ役を歌ったスエーデン人ソプラノ、マーリン・クリステンソンも悪くないのですが声質は私の好みではありません。
ベルモンテ役のフランス系カナダ人テノール、フレデリック・アントンは初めて聴く人だと思いますが、柔らかくて艶のあるすばらしい声で歌唱を堪能しました。 もう一人、ペドリロ役のドイツ人テノール、ティルマン・リヒディもよい声をしていますが、役柄かインパクトのある歌じゃないので印象は浅いです。
オスミンを歌ったアラステア・マイルズはTim Murfinという人の代役ですが水準以上の出来でしょう。 ただ、極低音の声量がもう少しあれば言うことなしだったと思います。

カナダ人指揮者のバーナード・ラバディという人も初めて名前を聞きましたが、OAEからすばらしい響きを引き出す優れた人です。 カナダではケベックとモントリオールのオペラ座の音楽監督をしているので、オペラ経験も豊富なようで、歌手やオケへのキューの出し方も堂に入ったものです。 おかげで全体を通して満足できる演奏でした。

カーテンコールの写真
Susan Gritton and Frédéric Antoun
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Bernard Labadie (conductor) and Malin Christensson
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Tilman Lichdi and Malin Christensson
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Alastair Miles
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by dognorah | 2010-11-25 21:49 | オペラ

アドリアナ・ルクヴルール初日

2010年11月18日、ROHにて。

Adriana Lecourvreur: Opera in four acts
Music: Francesco Cilea
Libretto: Arturo Colautti

Director: David McVicar
Conductor: Mark Elder
Royal Opera Chorus
Orchestra of the Royal Opera House

Adriana Lecouvreur: Angela Gheorghiu
Maurizio: Jonas Kaufmann
Prince de Bouillon: Maurizio Muraro
Princesse de Bouillon: Michaela Schuster
Michonnet: Alessandro Corbelli
Abbé de Chazeuil: Bonaventura Bottone
Poisson: Iain Paton
Quinault: David Soar
Madame Jouvenot: Janis Kelly
Madame Dangeville: Sarah Castle
Mademoiselle Duclos: Barbara Rhodes

15日のリハーサルでは字幕を読んで会話の内容を把握するようにしましたが、今日は舞台と音楽に集中して聴きました。 その結果、このプロダクションは非常に完成度の高い内容の濃いものであることがわかりました。
まず、デイヴィッド・マクヴィカーの演出が凄い! 音楽なしの演劇として見ても耐えられるくらいよくできています。 5劇場相乗りで通常より予算が豊富だったのか、舞台装置にも結構お金がかかっている風に見えます。 第3幕のPrince de Bouillonの私邸内の小劇場も非常に美しく作られているのでリハーサルの時には拍手が湧き起こったくらいです。 特に感銘したのは第4幕最後にアドリアナが息を引き取るシーンで、それまで斜めになっていたコメディ・フランセーズの舞台が静かに正面を向き、アドリアナの同僚達が奥から横一列で登場し、帽子を取って死者への弔いを表現するとともにこのオペラの幕切れを表現するやり方です。 心にジーンと来ました。
このマクヴィカーの演出に加えてアンジェラ・ゲオルギューの演技がすばらしく見応えのあるものになっています。 特に第3幕でラシーヌの『フェードル』の一節を朗詠することで恋敵をやっつけるところなどど迫力で、マーク・エルダーのこれまたすばらしい管弦楽で増幅されてどきどきするような緊張感が醸し出されました。 カーテンコールで出てきたマクヴィカーは真っ先にゲオルギューのところに駆け寄って彼女をひしと抱きしめていましたが、それだけ彼の演技付けを忠実にこなして演劇としての完成度を高めてくれたということでしょう。 ちなみに今日のマクヴィカーは過去に見たことのないほどの上機嫌で、手をつないで観客に挨拶しているときもしつこくゲオルギューの手にキスをしていました。

歌唱の方はアドリアナの恋敵役Princesse de Bouillonを歌ったミヒャエラ・シュスターがリハーサル時に比べてややスムーズさに欠ける部分があるほかはすべての人がリハーサルとほぼ同じ万全の歌唱でした。 特にゲオルギューは声量こそ控えめながら微妙な心の綾を表現する歌唱が絶品で感動ものです。 恋人Maurizio役のヨナス・カウフマンも歌唱はうまく、各アリアともブラヴォー続出でしたが、この人の声がどんどんバリトン的になっていくのが気になります。 6年前に初めてコヴェントガーデンでゲオルギューと共演したプッチーニのLa Rondineではイタリアオペラにふさわしい輝かしいテノールでしたが、年を経るに従い声質はどんどん暗くなっていって最近の「カルメン」、「椿姫」、「トスカ」あるいは「ドン・カルロ」でも私はいまいちその声自体には魅力を感じなくなりました。 今回も同じで往年の片鱗は感じられるものの、かすれ声の多い様には少々がっかりします。 先日もウイグモアホールでやったリサイタル(超人気のため切符は入手できませんでしたが)の放送を聴いた限り、「美しき水車屋の娘」はユニークな歌い回しで感動的名唱ではありましたがバリトンによる歌唱といっても大げさではないでしょう。 インタビューでヴァーグナーをどんどんやっていきたいと言っていることからそっちの方向に向かって声質を変えていっているのかもしれません。
それはともかく第1幕や第4幕のゲオルギューとの二重唱もすばらしく歌唱的には堪能しました。

今日のマーク・エルダーの指揮ですが全般にリハーサル時より遙かによく、空気の襞を表現するがごとく美しいアンサンブルと精緻な表現で各場面の情景を心憎いばかりに描出するすばらしい演奏でした。 劇的なインパクトも凄い迫力です。 このように、オペラ自体はあまり上演されないことからわかるように非常に魅力的とはいえないにしても、今回のプロダクションは管弦楽、歌唱、演出、演技が高いレヴェルで噛み合った類い希な出来となりました。 DVDを作るのかどうか気になるところです。

カーテンコールの写真
Angela Gheorghiu、後ろはBonaventura Bottone
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Jonas Kaufmann
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Michaela Schusterとは同じドイツ人同士で話が弾むようです
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Maurizio Muraro
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Michaela Schuster
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Alessandro Corbelli
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Angela Gheorghiu, David McVicar and Mark Elder
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by dognorah | 2010-11-20 09:48 | オペラ

大野和士指揮ロンドンフィル演奏会

2010年11月17日、RFHにて。

Richard Strauss: Tod und Verklärung
Gustav Mahler: Rückert-Lieder
Maurice Ravel: Daphnis et Chloé - Suite No.1
Maurice Ravel: Daphnis et Chloé - Suite No.2

Kazushi Ono: conductor
Nathalie Stutzmann: contralto
London Philharmonic Orchestra

前回キャンセルした大野和士、今回はちゃんと指揮をしました。彼を見るのはこれが初めてです。
指揮ぶりは非常に丁寧で、自分の要求する音をきっちり出している印象です。シュトラウス、マーラー、ラヴェルという全く異なる3人の作曲家の音楽がそれぞれ表情豊かに演奏されました。密度の高い表現で聴くものを引きつけます。オケも緊張して弾いている様子がうかがえます。
「死と変容」ではいつものロンドンフィルと違って低音が思いっきり豊にならされてびっくりしました。こういう風に低音が強調される演奏は大好きです。
リュッケルトの詩による歌曲を歌ったナタリー・シュトゥッツマンは豊かな美声で味わい深い歌唱でしたが、このときの大野はオケよりも彼女を主に指揮していたようで、おそらくこの歌手を選んだのは彼自身でしょう。管弦楽は歌にぴったり寄り添うように演奏されました。
ダフニスとクローエの第1組曲を実演で聴くのは初めてですが、短い曲です。名前は知りませんが円筒を回転させて紙か布との擦れ合う音が使われるのが特徴ですね。この楽器は第2組曲では使われません。全曲を通してラヴェルの精緻で華やかな音が十分に鳴らされました。
ロンドンでの演奏会にしてはプログラムは通常より短い演奏時間ですが、中身で勝負というところでしょうか。オペラもロンドンで振ってほしいものです。

Nathalie Stutzmann
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Kazushi Ono
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by dognorah | 2010-11-20 04:06 | コンサート

チレアのオペラ「アドリアナ・ルクヴルール」ドレスリハーサル

2010年11月15日、ROHにて。

Adriana Lecourvreur
Music: Francesco Cilea
Libretto: Arturo Colautti

Director: David McVicar
Conductor: Mark Elder
Royal Opera Chorus
Orchestra of the Royal Opera House

Adriana Lecouvreur: Angela Gheorghiu
Maurizio: Jonas Kaufmann
Prince de Bouillon: Maurizio Muraro
Princesse de Bouillon: Michaela Schuster
Michonnet: Alessandro Corbelli
Abbé de Chazeuil: Bonaventura Bottone
Poisson: Iain Paton
Quinault: David Soar
Madame Jouvenot: Janis Kelly
Madame Dangeville: Sarah Castle

昨年2月にコンサート形式でこのオペラを初体験し、そのときになかなか上演されないオペラといっていましたが、早速ROHでも取り上げられました。新演出で、バルセロナ、ヴィーン、パリ、サンフランシスコが相乗りしたプロダクションです。今日はそのドレスリハーサルでした。

歌手はすべてよいできです。管弦楽もよい響きでしたが、エルダー節というか彼特有のねちっこさ(表現ではなく純粋に音)がちょっと感じられる演奏でした。
演出は古典的で衣装も美しく、マクヴィカーらしい丁寧さが感じられました。ゲオルギューの演技もすばらしく、心理劇的なところのあるストーリーが見事に描出されています。

Jonas Kaufmann and Angela Gheorghiu
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Michaela Schuster
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Alessandro CorbelliとMark Elder
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by dognorah | 2010-11-18 02:54 | オペラ

ハムステッド・ガーデン・オペラの「魔笛」

2010年11月12日、Upstairs at the Gatehouseにて。

同じ場所で以前「蝶々夫人」と「椿姫」を見ましたが、友人が出るので久しぶりに行ってきました。
入場料は15ポンドから20ポンドに値上がりしていましたが、今回の歌手達は粒ぞろいで見事でした。タミーノ、パミーナ、パパゲーノ、夜の女王、スピーカー、ツァラストロ、パパゲーナ、3人の侍女などどの人をとっても穴がなく、英語ながら歌を満喫しました。ちなみに地の台詞部分は英語の方がわかりやすくていいですね。
タミーノは最初はあまりよくないなぁと思いましたがどんどん調子を上げていって中頃からは高音もきれいに出ていました。パミーナは最初から絶好調で声量があり、音程もしっかり。パパゲーノはプロはだしで、たとえROHの舞台でもこれだけ歌えれば拍手喝采間違いなしの質の高い声であり歌唱でした。夜の女王も例のアリアの高音は苦もなく出る感じでブラヴォー。スピーカーがこれまた実に堂々としたノーブルな歌唱で感銘を受けました。ROHの研修生でもこれに匹敵する人は少ないでしょう。ツァラストロもきれいに豊かな低音が出て惚れ惚れします。
演出も結構凝っていて、夜の女王が飲みかけのウォッカ瓶片手にふらふら出てきたり、人形を手に持って動かすと舞台上でタミーノなどがぎくしゃく動くなど。人形やドールハウスにこだわっている風に見えます。序曲が鳴っている最中に観客にはまだ誰が何の役をやっているのかわからないうちに、かわいい金髪の人形を女性が愛でているときに後ろから忍び寄った男が彼女をたぶらかしてその人形を奪うシーンがあって、後から思えばそれはツァラストロが夜の女王から娘を奪うシーンだったのでした。
不満があるとすれば、照明でしょうか。もう少し的確な光がほしい場面が多かった。
オケは例によって各パート一人ながら、同じ平面なので今回も音量的にはちょっと大きすぎですが、立派な演奏でした。パパゲーノの笛は本人が鳴らしていましたがオルゴールの音は指揮者が出していました。

ということで今回もとても楽しめたのですが、ここはロンドンの北の果てで地下鉄駅からバスに乗らなくてはならないので南ロンドンの我が家からえらく遠いのが難点です。どうしても友人が出演している状況じゃないと行きにくいです。
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by dognorah | 2010-11-14 04:37 | オペラ

ヴァイオリンソナタの夕べ

2010年11月11日、Bolivar Hallにて。

Violin: Geoffrey Silver
Piano: Alberto Portugheis

Franz Schubert: Sonatina in G minor Op.137 No.3
Ludvich van Beethoven: Sonata in E flat Op.12 No.3
Alberto Ginastera: Pampeana No.1
Cesar Franck: Sonata

ベネズエラ大使館付属のこのホールに来るのは久しぶりです。200人程度のこぢんまりした空間で室内楽にはぴったり。
ヴァイオリニストは40歳ぐらいのイギリス人で、17歳の時にThe National Youth Orchestra of Great Britainのコンサートマスターに指名されて2年間務める。その後Imperial Collegeで数学の学位を取るとともにRAMに通ってヴァイオリンに磨きをかけたとのこと。
ピアニストは60歳ぐらいでしょうか、アルゼンティン生まれでヴィルトゥオーゾタイプの人です。

最初の曲はどうも二人の演奏がちぐはぐな感じで、聴いていてもあまり乗れない。
しかしベートーヴェンになると調子に乗ってきて、スリルに満ちた演奏で大変感銘を受けた。曲自体がとても素敵だし。細かいことをいえば音がはずれたり両者のタイミングがずれたりといろいろ問題もあるが大きな曲の流れにはあまり影響はなく、演奏自体に大変魅力を感じた。
3曲目のアルベルト・ジナステラは名前は聞いたことがあるがこの曲自体は初めて聴くと思う。大変ダイナミックで変化に富んだ曲であり、二人の丁々発止が大変おもしろい。なんといっても魅力的な曲であり、本日一番感心した演奏だった。これには聴衆も大満足でブラヴォーが飛び交った。
最後の曲はこの二人にしては大変端正な演奏できわめてまともだった。すばらしい。

演奏後はワインが振る舞われ、イギリス人、ビルマ人、ドイツ人、インド人など多くの人たちと談笑。やはりインターヴァルでのワインより終了後のワインの方が遙かに楽しい。
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by dognorah | 2010-11-14 04:30 | コンサート

弦楽四重奏演奏会

2010年11月4日、ルーマニア文化協会にて。
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Schubert: Quartettsatz in C minor D703
Ravel: String Quartet in F Major
Enescu: String Quartet in E-flat Major, Op.22 no.1

by Ad Libitum String Quartet

今年4月以来久しぶりに来ました。
どうも私は弦楽四重奏はかなり好きなようです。大きなホールでなしに本当に室内楽といえる場所で聴くのが特に。
今回の演奏団体はルーマニア人によって構成されている四重奏団で昨日ロンドンに着いたばかりとのこと。1988年に結成されて以来20年以上にわたって欧州各国で演奏をしてきたヴェテラン四重奏団です。

演奏は、シューベルトもよかったけれど、ラヴェルが圧巻でした。軽快なところも重厚で深みのあるところも大いに共感できるラヴェルがそこにあるという感じで大満足。
最後に演奏されたエネスコの曲は私には難解で、あまり共感できませんでした。演奏はお国ものなんだから悪かろうはずはないだろうし、これは何度か聴かないと歯が立ちません。
この曲の途中でヴィオラの弦がパンッという音とともに切れるというハプニングがありました。当然演奏は弦を張り替えるまで中断。オケの場合は一人休んでも影響は少ないのでさりげなく舞台上で張り替えていますが、この場合はどうしようもないですね。
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by dognorah | 2010-11-14 04:27 | コンサート