「ほっ」と。キャンペーン

<   2010年 08月 ( 8 )   > この月の画像一覧

ベートーヴェンの第9(Proms 57)

2010年8月28日、RAHにて。

* Berg: Violin Concerto
* Beethoven: Symphony No. 9 in D minor, 'Choral'

* Gil Shaham: violin
* Helena Juntunen: soprano
* Charlotte Hellekant: mezzo-soprano
* Eric Cutler: tenor
* Neal Davies: bass

* BBC Symphony Chorus
* Minnesota Orchestra
* Osmo Vänskä: conductor

プロムス恒例の第9は今年はオスモ・ヴァンスカ指揮ミネソタ管弦楽団の演奏です。
それに先立って、ベルクのヴァイオリン協奏曲が演奏されました。ヴァイオリン独奏はもともとLisa Batiashviliが予定されていましたが病気のため一昨日バーバーの協奏曲を弾いたばかりのギル・シャハムが代役出演しました。まるで予定していたかのように苦もなく弾き切りましたが相変わらず透明で美しい音色、それに今日は曲のせいか温かみも感じられてすばらしい演奏でした。さすがにバーバーの時と違ってニコニコ顔は少なくてかなり真剣な表情でしたが。バックのオケはカチッと揺るぎないものでこれまた立派な演奏でした。実演でこれを聴くのは初めてですが、名曲ですね。第2楽章の後半は実に美しいし。
アンコールは今回もバッハから、今日はパルティータ第1番サラバンドのダブルです。何かベルクの雰囲気をそのまま補足するかのような印象でした。

Gil Shaham with Osmo Vänskä
c0057725_7464952.jpg


ベートーヴェンの第9はきわめて中庸のテンポで奇をてらうことのないまっとうな演奏、かといって決して退屈ではない聴き応えのあるものでした。聴いていてこのオケは特に特徴がないものの先日聴いたロッテルダム・フィルよりは実力は上でがっしりした音は安心して任せられる感じです。第4楽章の独唱合唱ともすばらしく全く瑕がありません。バスはやや高めの明るい声ですが堂々とした第一声で好印象でした。METでよく歌っているので名前を知っているエリック・カトラーもいい声でしたし、合唱団と共に管弦楽も盛り上がって満足すべき結末でした。聴衆は大歓声で大喜びです。
[PR]
by dognorah | 2010-08-31 07:48 | コンサート

BBC交響楽団演奏会(Prom54)

2010年8月26日、RAHにて。

* Mark-Anthony Turnage: Hammered Out
(BBC co-commission with LA Philharmonic: world premiere) (c15 mins)
* Barber: Violin Concerto (25 mins)
* Sibelius: Symphony No. 2 in D major (40 mins)

* Gil Shaham: violin
* BBC Symphony Orchestra
* David Robertson: conductor

来年2月にROHで新作オペラ「Anna Nicole」が世界初演されることになっているマーク=アンソニー・ターネイジのBBC委嘱作品が1曲目に演奏されました。
金管と打楽器を多用した押し出しの強い音楽で、メロディはややジャズ的な印象です。終始陽気で楽しめる音楽ではありましたが感動的とかさすがと唸るほどの音楽でもありません。

バーバーのヴァイオリン協奏曲は多分初めて聴いたんじゃないかと思いますが、時にはティンパニーと共に激情的なパッセージもあるものの全体的には控えめな美しさに満ちた作品で、心が洗われるような印象です。ギル・シャハムのヴァイオリンはほとんど自己主張しないでオケと一体となるような印象ですが美しく明るい音色がこの曲にふさわしい感じです。大変楽しめました。常にニコニコしながらオケや指揮者と接する態度にはとても親しみを覚えます。アンコールはバッハのパルティータ第3番からガボットでした。
c0057725_0523551.jpg


最後のプログラムはシベリウスのポピュラー名曲、まずまずの演奏でした。特に第4楽章の盛り上げ方は凄くて大いに高揚感を覚えたものでした。デイヴィッド・ロバートソンという指揮者は普段TVでよく見る指揮者で、何が得意なのかはよく知りませんが何を振っても水準以上の音楽を作る人という印象があります。今日もすべてそういう感じで、楽しめました。
[PR]
by dognorah | 2010-08-31 00:53 | コンサート

ロッテルダム・フィル演奏会(Prom 48)

2010年8月21日、RAHにて。

Wagner: Tannhäuser - Overture
Mahler: Rückert-Lieder
Beethoven: Symphony No.3 in E flat major "Eroica"

Simon Keenlyside, baritone
Rotterdam Philharmonic Orchestra
Yannick Nézet-Séguin, conductor

ヤニック・ネゼ=セガンという指揮者を聴くのは初めてでした。細かく指揮をする印象で彼の手の動きにオケは反応よく鳴っていました。弦は対抗配置。
ただ、このオケは音がやや薄っぺらの印象でしたが、これは大ホールのサイドで聴いたせいかとも思えます。以前バービカンで聴いた時はそんな薄っぺらという感じではなかったので。
最初の曲はその薄っぺらな音のせいもあってあまりヴァーグナーらしくなく、楽しめませんでした。
しかし2曲目のマーラーは木管が実にしっとりと鳴ってすばらしい演奏でした。何よりもキンリーサイドの歌唱が情感がこもっていて聴き応えがあり、心から楽しめました。彼は楽譜を見ながら歌っていましたがあまりそういうシーンは知らないのでちょっと意外でした。

Simon Keenlyside、右手前の後姿は指揮のネゼ=セガン
c0057725_1531767.jpg


最後の曲ではオケの薄っぺらさもあまり感じることがなく名曲を楽しめました。特に第2楽章は大変充実した演奏でした。全体を通してベートーヴェンの偉大さを感じさせる演奏です。
拍手喝采に応えてラヴェルのマザーグースの中からFairy Gardenがアンコールとして演奏されました。
[PR]
by dognorah | 2010-08-25 01:57 | コンサート

ボリショイオペラ「エフゲニー・オネーギン」

2010年8月11日、ROHにて。
ボリショイのロンドン公演はバレーを6種類も持ってきたのにオペラは一つしか持って来ませんでした。なので私にとって今回最後のボリショイ公演です。

Eugene Onegin: Lyrical Scenes in Three Acts and Seven Scenes
Composer: Pyotr Il'yich Tchaikovsky
Libretto: Pyotr Il'yich Tchaikovsky and Konstantin Shilovsky after Alexander Pushkin's novel

Director: Dmitri Tcherniakov
Conductor: Dmitri Jurowski
Orchestra of the Bolshoi Theatre
Chorus of the Bolshoi Opera

Madame Larina: Makvala Kasrashvili
Nurse: Nina Romanova
Tatiana: Tatiana Monogarova
Olga: Margarita Mamsirova
Eugene Onegin: Mariusz Kwiecien
Lensky: Alexey Dolgov
Prince Gremin: Anatoli Kotscherga
Zaretsky: Valery Gilmanov

タイトルロールのクヴィーチェンは最近「フィガロの結婚」のアルマヴィーヴァ伯爵をROHで好演しましたが、今日も大変立派な歌唱ですばらしかった。柔軟性の感じられる声は全く無理がなく、終始気持ちよく聴けました。
相手役のタチアナを歌ったモノガロワは2008年7月にミュンヘンで同役で聴いたことがあり、そのあとも9月10月2009年2月と他の役で聴いているので馴染みの歌手ですが声が私の好みじゃないことは今回も変わりません。
レンスキー役のドルゴフはバリトン的テノールであまり面白くありません。もう少し声のいい人を選んでほしかった。決闘前のアリアも貧弱で感動とは程遠いもの。
オルガを歌ったマムシロワはとてもいいメゾソプラノです。ラリーナ役とナース役もなかなかいい歌手たちです。
グレミンを歌ったコチェルガは声があまり魅力的ではなく、ちょっとがっかり。
オケは美しい響きで文句なし。いい指揮者でした。
演出はちょっとひどい。1幕から3幕まですべて部屋の中のテーブルの周りで演技されるのってどういうこと?部屋の内装はよく出来ているものの、これじゃコンサート形式でもいいでしょう。衣装はまあまあでしたが。
ということでオペラの水準としては歌手も演出もROHの比ではありませんでした。

カーテンコールの写真
Eugene Onegin: Mariusz Kwiecien
c0057725_9191074.jpg

c0057725_9194242.jpg


Tatiana: Tatiana Monogarova
c0057725_9204029.jpg

c0057725_9211172.jpg


Lensky: Alexey Dolgov
c0057725_9222148.jpg


Olga: Margarita Mamsirova
c0057725_923277.jpg


Prince Gremin: Anatoli Kotscherga
c0057725_9241671.jpg


Conductor: Dmitri Jurowski
c0057725_9364243.jpg


Director: Dmitri Tcherniakov
c0057725_9374175.jpg

[PR]
by dognorah | 2010-08-13 09:41 | オペラ

ボリショイバレー「ドン・キホーテ」

2010年8月6日、ROHにて。
Don Quixote: Ballet in three acts
Music: Ludwig Minkus
Choreography: Marius Petipa
Conductor: Pavel Klinichev
Orchestra of the Bolshoi Theatre

Performers
Kitri: Natalia Osipova
Basilio: Ivan Vasiliev
Don Quixote: Alexey Loparevich
Sancho Panza: Alexander Petukhov
Gamache: Denis Savin
Juanita, Piccilia:Olga Stebletsova , Victoria Osipova
Street Dancer: Anastasia Yatsenko
Espada:Vitaly Biktimirov
Mercedes: Anna Balukova
Lorenzo: Egor S imachev
Lorenzo's Wife: Elena Bukanova
Duke: Alexei Fadeyechev
Duchess: Nino Astiani
Tavern Owner: Roman Simachev
Queen of the Dryads: Maria Allash
Cupid: Nina Kaptsova
Three Dryads: Angelina Vlashinets, Yulia Grebenshchikova, Olga Marchenkova
Four Dryads: Svetlana Pavlova, Yulia Lunkina, Maria Prorvich, Joo Yoon Bae
Spanish Dance:Kristina Karaseva, Ludmila Ermakova, Nino Asatiani
Gypsy Dance: Anna Antropova
Bolero: Anna Antropova, Evgeny Golovin
Grand Pas 1st Variation: Anna Tikhomirova
Grand Pas 2nd Variation: Anna Nikulina
その他

いやー、ボリショイバレーは凄すぎる!その実力をまざまざと見せてくれました。もう、舞台に釘付けです。今日の主役オシポワとワシリーエフの組み合わせは今回の公演でスパルタクス、海賊に次いで3回目ですが、このドン・キホーテの振り付けが彼らの持てる力を最高に発揮させるものと思いました。ワシリーエフが舞台狭しと飛び跳ねるダンスは全くミスのない完璧なもので1幕から3幕まで歓声を挙げながら見惚れるしかなかったです。それに対抗するようにオシポワまで高いジャンプを繰り返していましたがバレリーナでもこんなにジャンプするんだとびっくりしました。彼女はカーテンコールでもジャンプしながら出てきて観客を湧かせていましたよ。第3幕での二人のフェッテの競演も凄いもので、二人とも今夜は絶好調だったのでしょう。その他の出演者の踊りもすばらしくて本当に堪能しました。音楽は「海賊」を担当したのと同じ指揮者ですが、流麗な演奏で今日も文句なし。

カーテンコールの写真
第1幕終了後
Vitaly Biktimirov and Anna Balukova
c0057725_059047.jpg


Natalia Osipova and Ivan Vasiliev
c0057725_0593517.jpg


第2幕終了後
c0057725_101853.jpg


Nina Kaptsova as Cupid and three Dryads
c0057725_105914.jpg


公演終了後
c0057725_11304.jpg

c0057725_1218100.jpg

c0057725_12468.jpg

c0057725_131346.jpg

[PR]
by dognorah | 2010-08-08 01:11 | バレー

マーラーの交響曲第3番 (PROMS)

2010年8月4日、RAHにて。

Gustav Mahler: Symphony No.3 in D minor
Caren Cargill (mezzo-soprano)
Edinburgh Festival Chorus
Royal Scottish National Orchestra Junior Chorus
BBC Scottish Symphony Orchestra
Donald Runnicles: conductor

ドナルド・ラニクルズの指揮はすばらしくオケの音はよくコントロールされていた。このオケは金管がかなり充実していて終始立派な音だった。弦も美しいがもう少し厚みとパワーがほしいところである。
独唱のカレン・カーギルは深みのある美しい声が胸にぐっと来る感じでとても素敵だった。少年合唱も女性コーラスも美しいアンサンブルで言うことなし。
全体としては水準の高い演奏で、第6楽章など感動的だったが、過去にアバドやヴェルザーメストの凄い演奏を同じこの場所で聴いているので、管弦楽の実力的にラニクルズにとって少々不利と言える。まあでもマーラーを大いに楽しめた夕べだった。
[PR]
by dognorah | 2010-08-06 21:39 | コンサート

ボリショイバレー公演「海賊」

2010年8月2日、ROHにて。
Le Corsaire: Ballet in three acts with epilogue
Music: Adolphe Adam
Choreography: Alexei Ratmansky and Yuri Burlaka (based on Marius Petipa)
Conductor: Pavel Klinichev
Orchestra of the Bolshoi Theatre

Medora: Maria Alexandrova
Conrad: Nikolai Tsiskaridze
Gulnare: Marianna Ryzhkina
Birbanto: Vitaly Biktimirov
Pas d’esclaves: Nina Kaptsova and Ivan Vasiliev
その他大勢

今回の公演は事前に調べて行ったストーリーとはかなり違っていてちょっと戸惑いましたが、要するにダンスを沢山お見せすればよろしいでしょうというスタンスか。とにかく登場人物が多くてダンスがこれでもかこれでもかと言うくらい盛りだくさんで、7時半開始の公演は2回のインターヴァルを挟んで終了は11時。ちょっと飽和気味でした。そのくせ一番人気の海賊首領コンラッド役のNikolai Triskaridzeが踊るのは第1幕と第2幕のほんのわずかで第3幕は全くなし。しかしそのわずかでも第2幕のメドラ役Maria Alexandrovaともども回転技には舌を巻きました。この部分が一番の見所でしょう。これ以外では第1幕で披露されるPas des esclavesで、先日スパルタクスで凄い踊りを見せてくれたIvan Vasilievが同じパートナー Nina Kaptsovaを相手に舞台狭しと飛び跳ねるダンスかな。
その他では第2幕で大勢のコールドの隙間を縫って踊られるMaria AlexandrovaとMarianna Ryzhkinaのダンスでしょうか。足技の見事さに感嘆しました。私はMarianna Ryzhkinaの方が好みかな。
管弦楽は特に不満のない出来。この作品はアダンの作ということになっていますが、音楽的にはドリーブはじめ合計6人の他の作曲家のスコアも付け加えられていてその分だけでも盛りだくさんです。
Nikolai Tsiskaridzeはロンドン公演では出演が今日で最後ということなので終演後はフラワーシャワーが浴びせられました。

カーテンコールの写真
Nina Kaptsova and Ivan Vasiliev
c0057725_19224026.jpg

c0057725_19231383.jpg


第1幕終了後のNikolai Tsiskaridze and Maria Alexandrova
c0057725_19235048.jpg


第2幕終了後のMarianna Ryzhkina and Maria Alexandrova
c0057725_19244255.jpg


終演後のMarianna Ryzhkina
c0057725_1926278.jpg


終演後のMaria Alexandrova and Nikolai Tsiskaridze
c0057725_19264130.jpg

c0057725_19272643.jpg


Maria Alexandrova, Nikolai Tsiskaridze and Marianna Ryzhkina
c0057725_1928146.jpg


指揮者Pavel Klinichevと共に
c0057725_19284593.jpg

[PR]
by dognorah | 2010-08-04 19:44 | バレー

ザンドナーイのオペラ「フランチェスカ・ダ・リミニ」

2010年7月30日、Opera Holland Parkにて。

Francesca da Rimini (1914)
Music by Riccardo Zandonai (1883 –1944)
Libretto by Tito Ricordi after the play by Gabriele D'Annunzio

Conductor: Phillip Thomas
Director: Martin Lloyd-Evans
City of London Sinfonia

Francesca: Cheryl Barker
Paolo Il Bello: Julian Gavin
Samaritana: Kirstin Sharpin
Giovanni Malatesta de Verrucchio (Gianciotto): Jeffrey Black
Maletestino dall'Occhio: Jeffrey Lloyd Roberts
Ostasio: George von Bergen
Il giullare: Stephen Richardson
Adonella: Madeleine Shaw
Altichiara: Emma Carrington
Biancofiore: Anna Leese
Garsenda: Gail Pearson
Ser Toldo Berardengo: Aled Hall
Smaragdi: Clare Shearer
La voce del prigioniero: Aled Hall
Il torrigiano: William Robert Allenby

リッカルド・ザンドナーイって誰?と最初は思ったものですが、1924年にプッチーニが亡くなった時、未完オペラ「トゥーランドット」の最終幕を誰が引き継いで完成させるかという議論の時に出版社のリコルディ社が推薦した作曲家だったんですね。結局はプッチーニの息子がその案を却下してフランコ・アルファーノが選ばれたのですが、生前のプッチーニも当時イタリア楽壇を牛耳っていたアルトゥーロ・トスカニーニもザンドナーイがいいと思っていたと伝えられています。
ザンドナーイは当時は結構演奏されたオペラ作家ですが、今日ではこの「フランチェスカ・ダ・リミニ」が時たま演奏される程度のようです。DVDでは1984年に製作されたレナータ・スコットとプラシド・ドミンゴ主演のMETのものがあります。他の作品も含めてあまり演奏されないのは作曲家の死後70年に当たる2014年に著作権が切れるのを待っているせいだという説もあります。
私は当然今回初めて実演に接したわけですが、オペラとしては結構楽しめました。音楽は美しいメロディや劇的な要素に満ちているし、アリアもかなり聴かせる内容です。ストーリー的にはやや単純だし、今回の演出は結構血なまぐさいものなのであまり感心しませんでしたが。
歌手ではタイトル・ロールを歌ったチェリル・バーカー(1960年オーストラリア生まれ)は歌は上手いものの華がなく声もあまり好みではありませんが全体としてはまあまあの出来です。脇役の女性歌手陣はお付きの女官たち、小間使い、妹役もすべて上手で大変楽しめました。
男声陣では恋人パオロ役のジュリアン・ガヴィン(1965年オーストラリア生まれ)はちょっと作り過ぎで籠るところもある声ですがこの人も全体としてはまあまあ。1996年にロベルト・アラーニャの代役でドン・カルロ役をROHで歌ったことがあるようですがその後は出演していないようで、私は今回初めて聴きました。
彼の兄のジョヴァンニ役を歌ったバリトンも弟のマレステスティーノ役を歌ったテノールも揃って不満のない歌唱でした。
また、合唱は上手でとてもよかったと思います。
指揮とオーケストラは十分楽しめる音であり演奏でした。
演出ですが、狭い舞台ながら上手くセットをデザインして場面転換を上手くマネージしていたのには感心。ただ、この演出家は他のイギリス人と同様に血が大好きらしく、凄惨な状況を作っているのがちょっと私には違和感がありました。また、最後の場面はネットで調べたあらすじではジョヴァンニは最初にパオロを刺し殺そうとするのを止めに入ったフランチェスカが刺され、倒れかかってきた彼女を抱いて嘆くパオロも刺されることになっていますが(METのDVDでもそうなっています)、ここではなぜか最初にパオロが喉をかき切られて死に、次いでドアの鍵を壊すために使った棍棒でフランチェスカを滅多打ちにして殺すと言う風にしています。

今年は昨年と違ってロンドンは暖かくて、寒い思いをすることなく夕べのひと時を過ごせました。昨年のようなうるさい孔雀の鳴き声はなく、小鳥のさえずりが時たま聞こえる程度で環境もよし。

カーテンコールの写真(クリックで拡大)
Conductor: Phillip Thomas, Cheryl Barker and Jeffrey Black
c0057725_23283932.jpg


Julian Gavin with one of staffs
c0057725_23302870.jpg


Far left: Jeffrey Lloyd Roberts Far right:Anna Leese
c0057725_23313236.jpg


Director: Martin Lloyd-Evans with the conductor
c0057725_23352396.jpg


あらすじ
(第1幕)イタリアのラヴェンナの領主Guido da Polentaは長年の戦争相手であるリミニの領主Malatesta de Verrucchioと和平を結ぶため、娘のフランチェスカをマラテスタ家の長男ジョヴァンニに嫁がせることにした。ところがジョヴァンニはびっこの上顔が醜く、恐らく娘が嫌がるだろうと考えた父はマラテスタ家と相談して美貌の次男パオロを代理人として花嫁を迎えに来させる策略を思いつく。すっかり騙されたフランチェスカは代理人を本当の結婚相手と思ってすぐ惚れこみ、いそいそとリミニに嫁ぐ。
(第2幕)後年、マラテスタ家が他の領主と戦争をしている時に城砦の塔でパオロに再会したフランチェスカは結婚式の時のうらみつらみを言いながらもパオロへの愛が不変であることを自覚し、一方、パオロも実はフランチェスカを愛していることを告白する。そこへ戦いをほぼ勝利で終わらせたジョヴァンニが帰還し、戦功を挙げたパオロを労うと共にフィレンツェへの赴任を申し渡す。
(第3幕)更に後年、フランチェスカが女官たちと春の到来を喜びあっている日の夜にパオロがフィレンツェから帰ってくる。彼は恋しさから直ちにフランチェスカの部屋を訪れ、二人で詩を朗読する。感情が高ぶった二人はその夜抱き合う。
(第4幕)戦争で片目を失ったマラテスタ家の三男マレテスティーノも義姉のフランチェスカに思いを寄せ、ある日彼女に愛を告白して迫る。彼はパオロと彼女の関係を偶然知ってしまい、それもあって彼女に迫ったのだが彼女に冷たくあしらわれてしまい、復讐のためにジョヴァンニに告げ口する。激怒したジョヴァンニは明確な証拠をつかむため彼女の部屋の入り口近くに身を隠す。フランチェスカは女官たちに囲まれて転寝をしていたが悪夢で目を覚ます。女官たちが退室したあと、ランプで信号を送り、パオロを呼び寄せる。そしてベッドで抱きあっている最中にジョヴァンニが激しくドアをたたき、鍵を壊して乱入し二人を殺して幕。
[PR]
by dognorah | 2010-08-03 23:47 | オペラ