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ドミンゴの「シモン・ボッカネグラ」リハーサル

2010年6月26日、ROHにて。

Simon Boccanegra by Giuseppe Verdi (General Rehearsal)

Director: Elijah Moshinsky
Conductor: Antonio Pappano

Simon Boccanegra: Plácido Domingo
Amelia: Marina Poplavskaya
Fiesco: Ferruccio Furlanetto
Gabriele Adorno: Joseph Calleja
Paolo: Jonathan Summers
Pietro: Lukas Jakobski

バリトンとしてのドミンゴの声は輝かしい半面低音のパンチがやや不足というのが印象でした。たとえば第1幕第2場で、この中に卑劣漢がいてその名前を自分は知っている、というせりふでパオロを震えさせる場面は迫力不足で、ここなどレオ・ヌッチにはかなわない。
フルラネットの声は相変わらずすばらしい低音が堪能できました。
ジョセフ・カレイヤは絶好調の歌唱でとてもよかった。この人、調べたら1978年生まれで先日聴いたグリゴーロよりひとつ年下なんですね。
マリーナ・ポプラフスカヤは悪くないけれど、どうしてもこの人の声は好きになれません。

カーテンコールの写真。
左から、Jonathan Summers、Joseph Calleja、Plácido Domingo、Marina Poplavskaya、Ferruccio Furlanetto
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Joseph Calleja
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Ferruccio Furlanetto
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Marina Poplavskaya
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by dognorah | 2010-06-27 23:15 | オペラ

オペラ「カルメン」公演

2010年6月24日、ROHにて。

Carmen by Georges Bizet (Performance for 3D filming)

Conductor: Constantinos Carydis
Director: Francesca Zambello

Carmen: Cristine Rice
Don José: Bryan Hymel
Micaëla: Maija Kovalevska
Zuniga: Nicolas Courjal
Frasquita; Elena Xanthoudakis
Mercédés: Paula Murrihy
Escamillio: Aris Argiris
Le dancaïre: Adrian Clarke

3D映画を撮るために客席に大きなクレーン付のカメラ2台と舞台上でカメラマンが動き回るという特別イヴェントのため主要な席は全席37.5ポンドという値段でした。実は当方の誤解ですでに作った3D映画を見せてくれると思っていたらこれから作るところだった。で、結果は最低。カメラは邪魔になるし前の席には大男が座るしで、舞台はろくに見えなかったので我慢できずにインターヴァルで退出してしまいました。
歌手ではカルメンを歌ったクリスティーヌ・ライスは柔らかい美声で予想以上に健闘していました。しかしやや単調でガランチャには比べることが出来ません。ドン・ジョゼ役のブライアン・ハイメルはきれいな声ながらファルセットで歌っているのでは、という印象で、時に声もこもりがちでかなり不満です。ミカエラを歌ったマイヤ・コワレフスカはいい声で歌唱もよかった。エスカミーリョ役のアリス・アルギリスもまあ上手くて楽しめる歌唱でした。
今回は映画だと思って出かけたのでカメラも持参せず、写真はありません。
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by dognorah | 2010-06-25 06:36 | オペラ

ROHのオペラ「マノン」初日

2010年6月22日。
Manon by Jules Massenet
キャストはリハーサル記事を参照してください。
今回が公式のロンドンデビューとなったヴィットリオ・グリゴーロはカーテンコールで足踏みも交えたすさまじい拍手とブラヴォーで迎えられ、大成功のデビューとなりました。リハーサルもよかったのですが、今日は一段と熱のこもった歌唱でしたので本人も張り切っていたのでしょう。圧倒的な拍手に対して彼は長い時間うずくまるようにしゃがみこんで謝意を表していました。
ネトレプコはリハーサル時とほとんど変わらない歌唱でした。今日はオケピット横の席だったので間近で聴く二人の歌唱は本当にすばらしく、幸せなひと時でした。
脇を固める出演者も皆さん上出来で、舞台に没頭できました。グイヨー役は演技で笑いを取れる人だし、レスコー役は立派な歌唱、デ・グリューのお父さん役も演技歌唱とも大変立派でした。また3人の婦人を演じた若い歌手たちも声がよく出ていて気持ちがよかった。
間近で見る舞台装置は少々チャチでしたが出演者に対する演技付けはとてもこなれています。ローラン・ペリーの演出は「愛の妙薬」「連隊の娘」などで経験していますがいい演出家だと思います。
オケの演奏は今日も熱演でした。ただ、ピット横の席はパッパーノが発するノイズがちょっと耳障りな時もありますが。

以下、カーテンコールの写真。クリックで拡大します。
Anna Netrebko、後ろはLescault役のRussel Braun
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花束を持って。後ろはDe Bretigny役のWilliam Shimell
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Vittorio Grigolo
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二人揃って。
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Christof Fischesser & Christophe Mortagne
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スタッフ達。右端がLaurent Pelly
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by dognorah | 2010-06-24 01:21 | オペラ

パリオペラの「ヴァルキューレ」

2010年6月20日、パリオペラ座バスティーユにて。
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Richard Wagner: Die Walküre

Philippe Jordan: Conductor
Günter Krämer: Stage Director

Robert Dean Smith: Siegmund
Günther Groissböck: Hunding
Thomas Johannes Mayer: Wotan
Ricarda Merbeth: Sieglinde
Katarina Dalayman: Brünnhilde
Yvonne Naef: Fricka
Marjorie Owens: Gerhilde
Gertrud Wittinger: Ortlinde
Silvia Hablowetz: Waltraute
Wiebke Lehmkuhl: Schwertleite
Barbara Morihien: Helmwige
Helene Ranada: Siegrune
Nicole Piccolomini: Grimgerde
Atala Schöck: Rossweisse
Gertrud: Wittinger Ortlinde
Paris Opera Orchestra

この一週間はかなり寒い夏でしたが本日(20日)は曇り空で特に寒く、ロンドンもパリもコート姿が目立ちます。6月も下旬になろうというのに。
さて、3月の「ラインの黄金」に続いて新演出のヴァルキューレを見てきました。演出はなかなかユニークで面白いものでした。

第1幕では幕が上がると舞台中央に10人ぐらいの男女(女性は一人だけ)が固まって突っ立っています。舞台の左側にはジークリンデと思しき女性がブラインドの後ろにいます。そこへどやどやと、フンディングに率いられた武装集団が踏み込み、舞台中央の集団を皆殺しにしてしまいます。特に女性はめったつきの虐殺。ここまでは序奏が鳴っている間に演技され、すぐにジークムントが舞台下から現れて通常のストーリーが始まるというわけで、おそらくジークムントとジークリンデ兄妹の母親が殺されるシーンを下敷きとして見せたのだろうと思います。殺された人たちは第1幕終了までそのまま舞台上に転がっていて、殺した側は舞台右側に観客に背を向けて並び、フンディング帰宅の時まで沈黙しています。
帰宅したフンディングがジークムントを見てすぐに武器を隠していないかセキュリティチェックをしたり、ジークムントが部下たちと揉み合ったりあるいはジークムントが隙を見て部下の持っていたナイフを取ってフンディングを人質にして部下たちを威嚇したりと、二人の心のうちのもやもやしたものをわかりやすく直接表現しているように感じました。ジークリンデがジークムントに剣のありかを指で示唆するのを見咎めたフンディングが彼女の頬を張り飛ばしたりする場面もその一環でしょう。私はジークムントの正体が明らかになる前までのフンディングの心中のわだかまりが重苦しく表現されるほうが好きですが。

第2幕は第1幕よりはコストを掛けて大きな鏡と階段がこしらえられていて、ラインの黄金でも最後に登場したGERMANIAという大きな文字列も並べられますがこの意味はよくわかりませんでした。ヴォータンは三つ揃いの背広姿、ブリュンヒルデは最初から最後まで白い作業服のようないでたち、フリッカは派手な赤いドレス。他のヴァルキューレたちは看護婦のような白い衣装で大きなテーブル上にたくさん転がされたりんごでキャッチボールしたりお手玉で遊んだり。ヴォータンがフリッカに押し切られて鬱憤を晴らすためにテーブルをひっくり返すので、この幕は最後まで床にたくさんのりんごが転がったままです。第3場ではジークムントの剣はヴォータンではなくフンディング一味との戦いで折れてしまう設定ですが、ヴォータンがすでにその剣の魔力を抜いているということでしょう。

第3幕冒頭がまたユニークで、例の「ヴァルキューレの騎行」の音楽に合わせてヴァルキューレたちが戦死した勇敢な戦士たちを次々と運び込んでは蘇生させてヴァルハラの軍団に加えるわけです。その戦士たちが血だらけの全裸姿で5人ずつ台に仰向けに横たわり、ヴァルキューレたちが布で全身を拭いてきれいにし、最後に息を吹きかけて蘇生させ、戦士たちは台から降りて下手に引っ込むのですが、それが次々と3-4回繰り返されます。大勢の全裸男性が舞台を歩くので一部女性客から歓声が上がり、それを聞いた他の客たちが笑っていました。この場面は単にヴァルキューレたちがあの音楽を歌うだけという退屈な場面(特にROHのキース・ウォーナーのもの)しか見たことがないので今回は大変楽しめました。この作業中は紗幕の裏でダンサーたちが機械的な動作ながら踊っていますし。第3場の炎上場面は光を使って十分効果的でした。
演出として結構饒舌なので、音楽に集中するという面では希薄にならざるを得ず、その分感動も薄れてしまいました。演劇を重視しすぎると音楽的高揚感が減ってしまうということでしょう。

歌手は大方上出来で大きな不満はなかったです。ジークムントとジークリンデはいい声がよく出ていましたが、私としてはROHで体験したサイモン・オニールとエファ=マリア・ウェストブルックの凝縮したような迫力ある歌唱が強く記憶にあり、それに比べると今回はロバート・ディーン・スミスの声量がやや小さいこともあって生ぬるいもので迫力不足でした。
フンディングも悪くないですがもう少しドスの効く声でないと。
ヴォータンもブリュンヒルデもフリッカも高水準の歌唱で大変楽しめました。第2幕も第3幕もヴォータンとブリュンヒルデの対話部分はとてもよかったです。ところでヴォータンは当初ファルク・シュトルックマンが大部分の日程を歌う予定だったのに29日だけと逆転していますね。
オケですが、「ラインの黄金」ではあまり感心しなかったフィリップ・ジョルダンの指揮、今回は非常にこなれた響きで叙情性も迫力も十分で大変楽しめました。指揮者に対するブラヴォーも大変なものでした。

カーテンコールの写真はクリックで拡大します。
第1幕終了後。向かって左から Günther Groissböck、Ricarda Merbeth、Robert Dean Smith
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第2幕で姿を消す人たち。赤いドレスは Yvonne Naef: Fricka
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Thomas Johannes Mayer: Wotan
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Katarina Dalayman: Brünnhilde
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Philippe Jordanと共に。
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by dognorah | 2010-06-22 02:33 | オペラ

ロイヤルオペラの新演出「マノン」リハーサル速報

2010年6月19日、ROHにて。
Manon : Opéra comique in five acts (General Rehearsal)
Music: Jules Massenet
Libretto: Henri Milhac and Philippe Gille

Director: Laurent Pelly
Conductor: Antonio Pappano
Manon: Anna Netrebko
Chevalier des Grieux: Vittorio Grigolo
Lescaut: Russell Braun
Comte des Grieux: Christof Fischesser
Guillot de Morfontaine: Christophe Mortagne
Brétigny: William Shimell
Poussette: Simona Mihai
Javotte: Louise Innes
Rosette: Kai Rüütel§
Innkeeper: Lynton Black
Two guardsmen: Elliot Goldie, Donaldson Bell

MET、スカラ、トゥールーズとの共同制作で、どこが最初に公演するのか知りませんがロイヤルオペラでは今回が初めての公演です(初日は6月22日)。

ワールドカップの日本対オランダ戦とちょうど重なる時間帯でしたが、舞台も歌手も演奏もとにかくすばらしい出来で、大いに楽しみました。
ネトレプコを聴くのは昨年7月のイオランタ以来ですがやや細くなったという印象を受けました。相変わらずの私好みの声で歌も演技も絶好調です。

デ・グリューを歌ったヴィットリオ・グリゴーロは初めて聴く人ですが、とてもすばらしいテノールでこれも私好みです。マノンというオペラは過去に2回しか聴いていませんが(ナタリー・ドゥセ+ロランド・ビリャソンインヴァ・ムーラ+ステファーノ・セッコ)今回の組み合わせがヴィジュアルも含めて最高だと思います。

他の脇役たちも皆さん十分満足すべき歌唱でまったく不満はありませんでした。
合唱もいつもよりコントロールがよく効いて美しいアンサンブルでした。

パッパーノの指揮がまた凄くて感心しました。叙情的な部分は本当に美しいし、劇的な部分は迫力十分で淀みなく劇が進行して行きます。

演出ですが、よくできたものです。各幕とも舞台装置は工夫が凝らされていて、かつ美しい。衣装も古典的で優雅なデザインです。第3幕のマノンの衣装が特に美しく、それを着たネトレプコの妖艶な姿には参りました。群集処理が極めて上手で、舞台のあちこちで色々な所作があるので見るほうはとても忙しいです。その中で笑いを取る動作が色々あるのも楽しいですし。第3幕のバレーも本格的な振り付けで、それ自体が楽しめます(ロイヤルバレー団員が出演しているわけではないですが)。空が表現されている場面では最初から最後までどんより曇った感じですが、悲劇を暗示しているような印象を受けました。照明が全体に暗いのがやや不満です(カーテンコールもそのままの明るさなので写真は出来が悪いです)。

今日はリハーサルでバルコニー席というやや遠いところから見ましたが、本番初日はいつものストール・サークルに座りますので近くで見るネトレプコとグリゴーロが楽しみです。
このプロダクションは出演者もそのまま秋に日本で公演されますが、日本の皆様もとても楽しめるものと思います。

写真はクリックで拡大します。
Russell Braun, Antonio Pappano, Anna Netrebko and Vittorio Grigolo
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Anna Netrebko and Vittorio Grigolo
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by dognorah | 2010-06-20 03:15 | オペラ

市川海老蔵(11代目)2010年ロンドン公演

2010年6月7日、Sadler's Wellsにて。
欧州で歌舞伎を見るのは2002-3年ごろに公演された中村雁次郎と中村扇雀などに始まって、2006年の市川海老蔵と市川亀治朗2007年のパリ公演(市川團十郎、市川海老蔵、市川亀治朗など)、 2009年の蜷川歌舞伎(尾上菊五郎、尾上菊之助など)に次いでこれが5回目なので平均して2-3年に一回は見ていることになります。毎回違った面が見えて本当に楽しい。これからもどんどん欧州公演を続けてほしいと思います。

さて、今回は義経千本桜から「鳥居前」「吉野山」「川連法眼館(かわつらほうげんやかた)」の三つのエピソードが上演されました。それぞれ見ごたえのある演目ですが、最後のもので海老蔵のこれまでに見たことの無い演技力を見て感嘆しました。歌舞伎役者というのは運動能力も大いに要求されるんだということもわかりました。忠信の姿から狐への早変わりの妙技も凄かったし、狐として這い回ったりぴょんぴょん飛び回ったりする身のこなしの軽さは大いに客受けしていました。私の席の両脇はスペイン人とイギリス人が座っていましたが二人とも声を上げて感嘆していました。歌舞伎というのは様式美だけじゃなくてこういう娯楽性も大変重要なんだなぁと改めて思った次第です。

出演者
市川海老蔵(源九郎狐と佐藤忠信)
大谷友右衛門(源義経)
中村芝雀(静)


カーテンコールの写真(クリックで拡大)
市川海老蔵
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大谷友右衛門
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中村芝雀
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舞台
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by dognorah | 2010-06-10 23:39 | 観劇

フィガロの結婚-今年のROH公演

2010年6月4日。

Le nozze di Figaro by Wolfgang Amadeus Mozart
Director: David McVicar
Conductor: Colin Davis (1st Act only), David Syrus

Figaro: Erwin Schrott
Susanna: Eri Nakamura
Count Almaviva: Mariusz Kwiecien
Countess Almaviva: Annette Dasch
Cherubino: Jurgita Adamonyte
Bartolo: Robert Lloyd
Basilio: Peter Hoare
Don Curzio: Christopher Gillett
Marcellina: Marie McLaughlin
Barbarina: Amanda Forsythe
Antonio: Nicholas Folwell

2006年2月にプレミエだったこのプロダクションはこれまで何度も再演されていますが私が見るのは2008年7月についでこれが3度目です。
フィガロ役のエルウィン・シュロットはプレミエ時以来の出演ですが、長髪だったのを極端に短くしていたのでびっくりしました。声は相変わらずすばらしい。
スザンナを演じた中村恵理さんも相変わらずの美声が心地よい。第4幕のアリアはまさに優等生的な歌唱でした。しかしここではもう少し個性的な味付けがほしい気もしました。それにしてもこの大役を見事にこなしていましたね。カーテンコールでは大きな拍手をもらっていました。同役をミュンヘンでも歌う予定になっていますがあちらでも拍手喝采となってほしいです。
マーリューシュ・クヴィーチェン(本人のサイトによるとこう発音するんだそうです)の演じるアルマヴィ-ヴァ伯爵も、おやと思うぐらいすばらしい歌唱であり演技でした。実はこの人が演じるこの役は2002年にグラインドボーンで聴いているのですが、どういう状態だったかは記憶のかなたです。
伯爵夫人(ロジーナ)を演じたアンネッテ・ダッシュはおそらく初めて聴いたと思いますが長身の美人で見栄えがすることもあって伯爵夫人らしい気品が満ちた歌唱でした。第2幕のアリアはやや表現が浅い感じでしたが第3幕のアリアはすばらしかった。
ケルビーノを演じたアダモニテもすばらしい声でしたが演技的にはややおとなしすぎる印象です。
他の歌手も概ねよかったので全体としては相変わらず楽しめる公演でした。
コリン・デイヴィスの指揮はさすがにすばらしく、序曲からして音が違うなぁと感心していたのですが、なんと第1幕終了後にデイヴィッド・サイラスに交代してしまいました。本人は第2幕を振る構えであったところを楽員が耳打ちして退場させてしまったので第1幕進行中にピット外で何か特殊事情が勃発したのでしょう。サイラスは2008年の公演で聴いていますが、そのときに比べると今回はオケのコントロールもかなりうまくなっていました。

演出ですが、初日のカーテンコールの写真を見るとマクヴィカーが舞台に出ているのでちょっと手直ししたのでしょう。具体的にはどう直したのか上手く説明できませんが、フィガロの伯爵に対する態度がより大きくなっているように感じました。細かいところでは中村さんが小さいせいだと思いますが第4幕で踏み台を持ってきて伯爵夫人らしい背丈にして笑いを取っていたりしていました。
マクヴィカーの責任では無いでしょうが、不満なのは第4幕で歌われるはずのマルチェリーナ、ドン・バジリオおよびバルバリーナのアリアがすべてカットされたことです。プレミエ時にはちゃんと歌われたのはさてはDVD製作のためだったか。

カーテンコールの写真。クリックで拡大します。
Erwin Schrott
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Eri Nakamura 右端の顔半分は Jurgita Adamonyte
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Mariusz Kwiecien & Annette Dasch
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by dognorah | 2010-06-06 09:25 | オペラ

ヨルダンの21歳のピアニスト、Karim Said

2010年6月3日、ルーマニア文化協会にて。
定例のエネスコ協会主催コンサート。
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Piano: Karim Said
Programme
J. S. Bach: French Suite No.5 in G Major
L. van Beethoven: Sonata op.110 in A-flat Major
G. Enescu: Piano Suite No.1 op.3 in G minor Dans le style Ancien
F. Liszt: Funerailles

カリム・サイードは若いころからダニエル・バレンボイムの目を引き、彼に師事する。その様子を綴ったドキュメンタリーフィルムが製作され、2008年に上映されたそう。要するにバレンボイムの秘蔵っ子というわけだ。昨年はPromsでバレンボイム指揮のWest-Eastern Divan Orchestraと協演もしている。

彼の演奏は本当にすばらしい。このプログラムのどれを取っても彼の奏でる音は詩人のように聴衆に語りかける豊かな内容がある。私の頭の中はそれに刺激されてさまざまな映像が飛び交う。ベートーベンの曲など大家の演奏でいくつかCDを持っているがこの人の演奏はそのどれよりも心に直接入って来る。この曲がこのように魅力的に聞こえたことはこれまでなかった。エネスコの曲もあまりなじみが無いにもかかわらず、手に取るようにわかりやすい解釈を提示してくれる。リストも深みがあって余韻を感じさせる演奏だった。
この場に呼ばれたのは彼がエネスコ協会が選ぶ最初のエネスコ奨学金を得た人だから。
写真はネットから借用したもの。
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by dognorah | 2010-06-04 21:58 | コンサート