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London Philharmonic Orchestra Concert

2010年2月24日、RFHにて。

Shostakovich Suite from The Nose
Shostakovich Symphony 1
Shostakovich The Gamblers

Vladimir Jurowski conductor
Director Irina Brown
Designer Louis Price
Lighting Designer Tim Mascall

Mikhail Urusov: Ikharev, a gambler (tenor)
Vladimir Ognev: Gavryushka, Ikharev's servant (bass baritone)
Sergei Leiferkus: Uteshitelny, a gambler (baritone)
Sergei Aleksashkin: Shvokhnev, a gambler (bass)
Viacheslav Voynarovskiy: Krugel, a gambler (tenor)
Mikhail Petrenko: Alexey, Krugel's servant (bass)

3曲目のオペラがディレクター付きのコンサート形式でメインイヴェントながら、最初の2曲の方が音楽としては楽しめました。
「鼻」組曲は特に素晴らしい音楽で、作曲が1928年、ショスタコーヴィッチは若干22歳であることを考えると、彼はやはりかなりの才能に恵まれた人だと言えるでしょう。諧謔に満ちた才気煥発型の音楽で、多くの打楽器の扱いなど舌を巻く出来です。聴いていてぐっと惹きつけられます。今回は二人の歌手が歌っただけで、オペラ全編を聴いたわけではありませんが非常に興味が出てきました。

次の交響曲第1番は1925年の作曲ですが「鼻」組曲と同類の音楽という印象で4楽章とも良く書けた面白い音楽です。インターヴァル前のこれら2曲はユーロフスキーの指揮も素晴らしく、LPOのアンサンブルも上手かった。

オペラ「賭博師」は先日プロコフィエフのオペラを見たばかりですが、あれはドストエフスキーの原作で、今回のはゴーゴリー原作のもので筋も全く異なります。ある賭博好きが旅先で賭博の相手を探して金を稼ごうとするのですが逆に金を巻き上げられてしまうという話だそうです。しかしショスタコーヴィッチは25場中の8場を作曲したところで挫折してしまったので、今日はその8場だけを演奏です。演奏時間は50分程度。開演前にオペラ用に用意されたテーブルでトランプに熱中していたコンサートマスターとユーロフスキーがバスのペトレンコに促されてそれぞれの持場に戻るというくだけた開始がコメディであることを表しています。歌手ではバスの二人とバリトンのセルゲイ・レイフェルクスが良かったと思います。特にレイフェルクスは長丁場を魅力的に歌っていました。テノールのミハイル・ウルソフは声も良くて声量もあるのですがちょっと荒い歌唱なのが気になります。
管弦楽はやはり初期の音楽に比べてスタイルはかなり違っておとなしいものです。諧謔性はもちろんありますがそれほど強調されません。バラライカが前面に出てくるのも味があります。この楽器を近くで見たのは初めてですが、随分大きいのにびっくりしました。バスのセルゲイ・アレクサシュキンはこれを演奏しながら歌うのですがギターとは全く違った雰囲気です。
オペラとしては当然中途半端な終わり方ですが、特に続きを見たいとも思いませんでした。

写真は終演後のものです。
Vladimir Jurowski and Sergei Aleksashkin
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Mikhail Urusov
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Sergei Leiferkus and Vladimir Ognev
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by dognorah | 2010-02-28 09:39 | コンサート

The Moscow Soloistsのコンサート

2010年2月23日、バービカンホールにて。

Grieg: Holberg Suite for strings
Haydn: Cello concerto No 1 in C
Bach: Brandenburg Concerto No 3 in G
Paganini: Concertino for violin and orchestra in A minor
Tchaikovsky: Serenade for Strings in C

The Moscow Soloists
Yuri Bashmet conductor and viola
Steven Isserlis cello

素晴らしいアンサンブルです。とにかく上手い!こんな上質の音楽を聴ける喜びに心が満たされました。

ハイドンのチェロ協奏曲を独奏したスティーヴン・イッサーリスはイギリスの有名な演奏家らしいですが私は聴くのは初めてです。日本音楽財団から貸与されているストラディバリウスにガット弦を張って独特の繊細な音色を出す人でファンも多いと聞きました。確かに繊細で、その分ダイナミックスが弱い印象です。でも音楽性豊かな演奏で満員の聴衆を魅了しました。

Steven Isserlis
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指揮のユーリ・バシュメットはヴィオラ奏者として有名な人ですが(以前、シュニトケの協奏曲を聴いたことがあります)、パガニーニのヴァイオリン協奏曲では指揮をしながらヴィオラを弾きました。恐らくヴィオラ用に編曲したのでしょう。2曲のアンコールのうちひとつでも同じスタイルで演奏してくれました。その曲はなにか知りませんがロシアの民族音楽の要素などが入った楽しいもので、最後は楽員の掛け声で締めくくり、お客さんは大喜びでした。

Yuri Bashmet
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by dognorah | 2010-02-27 23:24 | コンサート

再び中村恵理さんのリサイタル

2010年2月22日、ROH Crash Roomにて。

soprano: Eri Nakamura
piano: David Gowland

(1) Japanese and Italian songs
Yamada: Bitter Orange Blossom (からたちの花)
Nobutoki: Omen
Respighi: Nebbie
Tirindelli: O Primavera

(2) Canteloube: Chants d’Auvergne
Lo fiolairé
Lou boussu
Jou l’pount d’Mirabel
Lou coucüt
Chut, chut

(3) Wolf: Italienisches Liederbuch
2. Mir ward gesagt, du reisest in die Ferne
11. Wie lange shon war immer mein Verlangen
20. Mein Liebster singt am Haus
39. Gesegnet sei das Grün
45. Verschling der Abgrund meines Liebsten Hütte
46. Ich hab in Penna einen Liebsten wohnen

1曲目の「からたちの花」のなんとオペラティックな歌唱でしょう。すごい迫力です。また、音程や声の抑揚のなんとしっかりしていることか、これ1曲で惚れ惚れしてしまいます。この後の土の歌をとっても表現力の素晴らしさには感心するばかり。以前聴いたときにはまだフランス語のディクションに不満が残っていましたが、今回はかなりの改善が感じられました。イタリア語やドイツ語はずっと前から相当なレヴェルだったので、研修の成果ははっきりと出ている印象です。

研修生として2年目の後半に入った中村さんの単独リサイタルは恐らくこれが最後かもしれません。この間、オペラ劇場から破格の扱いを受けてきた彼女は12月から1月に上演された「ラ・ボエーム」ではムゼッタ役を歌い、この5月から6月にかけて公演される「フィガロの結婚」ではなんとスザンナ役に抜擢されているのです。全10回の公演すべてでこの役を歌います。私の知る限りこのような扱いを受けた研修生は過去にいなかったと思います。それだけ彼女の実力が認められているということでしょう。このままロンドンを根城に世界中で活躍して欲しいと思っていましたが、私の友人が彼女から直接聞いた情報によると、研修終了後はミュンヘンのバイエルン州立劇場の座付き歌手になることが決まっているそうです。来シーズン以降はそこで主に活躍することになるでしょうからミュンヘン在住の方々には是非応援して頂きたいと思います。
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by dognorah | 2010-02-26 23:55 | コンサート

BBC交響楽団演奏会

2010年2月19日、バービカンホールにて。

Janacek Katya Kabanova Suite (world premiere )
Korngold Violin Concerto in D major
Martinu Symphony No 4

Jiri Belohlavek conductor
Andrew Haveron violin
BBC Symphony Orchestra

マルティヌー交響曲の連続演奏会、これが3回目ですが第3番でなく第4番を先に演奏です。先回は遅刻したので第2番は聴いていないのですが、この第4番は第1番に比べるとなかなか好もしい曲で大変楽しめました。楽器編成に入っているピアノが結構活躍して効果的です。
全4楽章の中では陽気な中に気持ちのいい涼風を吹かせるような第1楽章もいいけれど、第3楽章がこちらの想像力を掻き立てるような魅力的なメロディと音が豊富で好きです。

コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲は抒情的な第1楽章、物思いに沈むような第2楽章は共に美しい表情が見て取れるものの一聴しただけではなかなか分からない面もある感じですが、第3楽章は一転して陽気で賑やかな曲想が一杯で文句なしに楽しめました。ヴァイオリン独奏はコンサートマスターの一人によって演奏されましたが、丁寧な表現で好もしい音です。この人はコンサートマスターの傍らあちこちのオケと共演したり室内楽活動も積極的にこなしているようです。
写真は演奏後のビエロフラーヴェクとヴァイオリン独奏のアンドリュー・ハヴァロンです。
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最初の演目カーチャ・カバノヴァ組曲はあまり元のオペラを彷彿とさせるような出来ではなく、それほど楽しめるものではありませんでした。
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by dognorah | 2010-02-25 23:09 | コンサート

Haruko Seki (関治子) piano recital

2010年2月18日、SJSS(ST. JOHN'S, SMITH SQUARE)にて。

Schumann Kinderszenen (Opus 15)
Chopin Nocturne in C minor (Opus 48, No. 1)
Chopin Scherzo No. 2 in B flat minor (Opus 31)
Debussy Clair de Lune
Joplin The Entertainer
Joplin Maple Leaf Rag
Gershwin Rhapsody in Blue

Haruko Sekiさんという方は初めて聞く名前ですが、Royal Academy of Arts出身のコンサートピアニストです。1997年にSt Charles Illinois International Piano Competitionで1等賞を取っています。関治子
今回のプログラムはどれも素晴らしい演奏でしたが、中でもショパンのスケルツォ第2番には感動しました。全く正統的な演奏ですが一音一音が極めて美しく、小気味よいテンポと相俟って心の琴線に響く演奏でした。
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by dognorah | 2010-02-22 05:25 | コンサート

プロコフィエフのオペラ「賭博師」公演

2010年2月15日、ROHにて。
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The Gambler: Opera in four acts
Music: Sergey Prokofiev
Libretto: Sergey Prokofiev after Dostoevsky’s novella ‘The Gambler’
English translation: David Pountney

Director: Richard Jones
Conductor: Antonio Pappano
Royal Opera Chorus
Orchestra of the Royal Opera House

Alexei: Roberto Saccà
Paulina: Angela Denoke
General: John Tomlinson
Blanche: Jurgita Adamonyte
Marquis: Kurt Streit
Mr Astley: Mark Stone
Babulenka: Susan Bickley
Prince Nilsky: John Easterlin
Potapytch: Dawid Kimberg
Baron: Jeremy White
Baroness: Emma Bernard


(あらすじ)
場所はドイツの架空の温泉町Roulettenburgでの出来事で登場人物の大半はロシア人。寡夫Generalは義理の娘Paulinaの後見人で、家庭教師として貧しいロシア青年Alexeyを雇っている。彼の叔母でPaulinaの祖母にあたるBabulenkaはモスクワに住む大富豪であるが、病床にあり、今日明日にも死ぬかも知れず、その場合は莫大な遺産がPaulinaと彼の手に入る事になっている。その金を見込んでMarquisはGeneralとPaulinaに金を貸しており、遺産が入った段階でPaulinaとの結婚を目論んでいる。一方Generalはやはり金を目当てに近づいた若い高級娼婦Blancheとの再婚を考えている。AlexeyはPaulinaに恋をしているがPaulinaの態度は曖昧。
遺産がいつ手に入るか噂話をGeneralとMarquisをしているところに当のBabulenkaが現れる。病気が治って元気になったのでルーレットをしに来たのだという。みんなが驚く中を彼女は延々とルーレットに負け続け、ついに全財産を擦ってしまう。これがGeneralとMarquisを大パニックに陥れ、MarquisはPaulinaに貸した金を返すようにメモを残してホテルを去ってしまう。一方、BlancheはGeneralに見切りをつけPrince Nilskyの誘いに乗って彼と一緒に去る。PaulinaはAlexeyに助けを求める。Alexeyはわずかに持っていた金を持ってルーレット場に行き、幸運にも勝ち続けて大金をせしめる。それを持ってPaulinaのもとに行き、Marquisに借金を返済して二人で暮らそうと考えるが、二人の感情は折りあわず、彼女は金を彼に投げつけて去る。彼は彼女を失ったにも拘わらず賭博に勝った興奮が冷めやらないまま幕。
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さる2月11日にROHで初めて上演されたオペラですが、残念なことに原語上演ではなく英語に翻訳したリブレットを使用しています。ROHでは年に何度か英語翻訳のオペラが上演されますが、いい加減やめて欲しいものです。私は英語翻訳の場合は原則的に見に行きませんが、このオペラは初めて上演するものなので敢えて行きました。

演出のリチャード・ジョーンズは今まで「ムツェンスク郡のマクベス夫人」と「スペインの時」で経験していますが、いずれも感心する出来でした。今回もとてもよくできた舞台だし、筋の運びも淀みなく、登場人物の動作もよく笑いを取れるように色々工夫されています。ただ、第4幕の最後でのアレクセイとポリーナの精神状態の変化の表現がいまいち不明瞭でちょっと不満が残ります。

プロコフィエフの音楽はいかにも彼らしいもので、洒落ていて躍動感に溢れ、大変楽しめるものです。パッパーノの指揮も良かったと思います。

歌手ですが、全員素晴らしい歌唱で文句なしです。特にデノーケ、トムリンソンは声のコントロールが良くて状況に応じたニュアンスの表現はさすがです。デノーケは音程的にも全く破綻はなく、声に深みもありました。次いでサッカとビックリーも良かった。特にビックリーは適役ですね。矍鑠とした老婦人のいい味が出ていました。シュトライトもまあまあ。出番は少ないもののPrince Nilskyを歌ったジョン・イースターリンも魅力的なテノールでした。

カーテンコールの写真
Roberto Saccà as Alexey
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Angela Denoke as Paulina and Susan Bickley as Babulenka
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Kurt Streit as Marquis and John Tomlinson as General
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by dognorah | 2010-02-17 02:58 | オペラ

ファン・ゴッホ展

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現在Royal Academy of Artsで、
“The Real Van Gogh, The Artist and his Letters”
という展覧会をやっているので見てきました。会期は2010年1月23日から4月18日まで。展示品は彼の書いたオリジナルの手紙が35通、絵画が65枚、素描が30枚です。

ここで知って驚いた事実は、彼が絵の修行に出てから発信した手紙の数の多さ。2000通以上だそうです。そのうち現存しているのは819通で、その90%がアムステルダムのヴァン・ゴッホ美術館にあります。恐らく書いたのと同程度の手紙を受け取っていたはずですが、引越しの度に処分してしまったらしく、現存するものは83通です。
彼が書いた手紙の大部分は弟のテオに宛てたもので、その手紙の多くには彼が仕上げた作品のスケッチも描かれており、大変ユニークです。自分の生活を支えてくれるパトロンにはこまめに日常活動の詳細をレポートするという細やかな神経の持ち主であったことが伺えます。まるで現在のサラリーマンが上司に送る仕事上のレポートのようなものだろうと、長いサラリーマン生活の経験者は感じてしまいました。
そのテオはフィンセントに遅れることたった1年でユトレヒトの精神病院で他界してしまったというのも驚きです。梅毒から来る精神病だったらしい。後年彼の墓はフィンセントと同じフランスのオーヴェル・シュル・オワーズに移されました。並んで立っている墓標の写真を見ていると言いようのない戦慄を覚えます。
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この人の同名の曾孫が映画監督で、最近イスラム教徒による暗殺に遇った(2004年)のは記憶に新しい事件ですね。

絵画や素描の展示品はその手紙に説明されている作品を併置しているので、大変わかり易いです。今まで何回もゴッホ展は見てきましたので結構重複する作品もありましたが、初めて見るんじゃないかと思える作品も多く、いつものように彼の作品をたっぷり楽しむことが出来ました。何でもこの規模のゴッホ展はロンドンでは40数年振りだそうです。そうでなくてもゴッホは人気作家なので会場内はかなり混雑しています。すべての前売り券は完売だそうですが、当日窓口に並べばそれほど待たずに入場出来ます。私は2月3日に行きましたが待ち時間は20分程度でした。

写真はゴッホが友人の画家エミール・ベルナールに送った手紙と、そこに言及されている油絵です。

Letter from Vincent van Gogh to Emile Bernard. Arle 1888.
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Summer Evening, 1888
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by dognorah | 2010-02-15 02:09 | 美術

インバル指揮マーラー2番公演

2010年2月11日、RFHにて。

Mahler: Symphony No.2 Resurrection, 11 Feb 2010 at Royal Festival Hall

Eliahu Inbal: conductor
Philharmonia Orchestra
Caroline Stein: soprano
Ekaterina Semenchuk: mezzo-soprano
Philharmonia Voices / Philharmonia Chorus

昔から名前だけ聞いていた指揮者エリアフ・インバルの実演に初めて接しました。1936年生まれなのでまだまだ活躍しそうですね。
冒頭の低音による激しいユニゾンのフレーズの繰り返しはちょっと長めの間をとって新鮮さを感じさせられました。指揮を追っているとかなり細かいところまで意思を貫徹するような明瞭な指示振りで、しっかり計算された指揮であることが感じられます。受ける感じはあくまで冷静。しかし第3楽章あたりまではその冷静でそっけない演奏がやや退屈感を生じさせていました。このまま行くとこちらも熱くならない覚めたままの印象になるなと思っていたら、流石に第4楽章からは指揮者も燃え始めどんどん曲に引き込まれて行きました。結局終わってみれば大きな感動が残っていましたが、前半は端正過ぎで、もう少しハメを外して実演ならではの音楽を楽しませてもらいたかったというのが正直な所感です。
歌手と合唱は全く文句のない出来です。ドイツのソプラノ、カロリーネ・シュタインは初めて聴く人ですが、ロシアのメゾ、エカテリーナ・セメンチュクは以前エフゲニー・オネーギンのオルガ役で素晴らしい歌唱を聴いたことがあります。

なお、今日は久しぶりにバルコニー席最前列で聴きましたが音響はやはり平土間の方がいいと実感しました。

(追記)
ところで、ふとトロンボーンのトップ奏者を見ると、BBC交響楽団でおなじみのトップ奏者Helen Ballamで、あれっと思いました。本日の出演者リストを見ると「ゲスト・プリンシパル」と記載されています。帰宅してからBBCのサイトで確認したら彼女はちゃんとプリンシパルと表記されていましたので、これはフィルハーモニアに「貸し出された」のだということがわかりました。ロンドンのオケではコンサートマスターもよくGuest Leaderと記載されていることがありますが、これは他のオケからゲストで来て演奏しているんだということがこれでわかりました。本人やオケにとっても勉強になるいいシステムですね。

終演後の写真(クリックで拡大)
Eliahu Inbal
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Eliahu Inbal and Caroline Stein
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Ekaterina Semenchuk
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by dognorah | 2010-02-14 08:08 | コンサート

モーツァルトのオペラ「イドメネオ」公演

モーツァルトのオペラ「イドメネオ」公演
2010年2月7日、パリオペラ座ガルニエにて。
Opera National de Paris, Palais Garnier

Idomeneo, re di Creta ossia Ilia e Idamante: Dramma per musica in tre atti
Music: Wolfgang Amadeus Mozart
Libretto: Giambattista Varesco after Antoine Danchet

Philippe Hui: Conductor
Luc Bondy: Stage Director

Charles Workman: Idomeneo
Vesselina Kasarova: Idamante
Isabel Bayrakdarian: Ilia
Tamar Iveri: Elettra
Lothar Odinius: Arbace
Xavier Mas: Gran Sacerdote di Nettuno
Nahuel Di Pierro: La Voce
Claudia Galli, Anna Wall: Due Cretesi
Vladimir Kapshuk, Manuel Nunez Camelino: Due Troiani

Paris Opera Orchestra and Chorus
Coproduction with the Teatro Alla Scala, Milan and the Teatro Real, Madrid

このプロダクション、当初ネトレプコ(エレットラ役?)が予定されていたのに切符を買ったらすぐ彼女はキャンセル、しかもこれは面白そうと思った指揮者エマニュエル・アイムがオペラ座オケと喧嘩して、全然知らない指揮者に変更と踏んだり蹴ったりの有様。
それにも拘わらず、歌手もオケもそこそこ良くてオペラは楽しめました。

イドメネオ役のチャールズ・ワークマンは時折声が濁ることがあるもののまずまずの歌唱。彼は過去に何度か聴いていますが、いつも凄いという訳ではないにしろ無難に役をこなす人ですね。

イリア役のイザベル・バイラクダリアンは歌唱的にはともかく声はあまり好みじゃありません。フランスのパトリツィア・チョーフィにちょっと似た声です。

イダマンテ役のヴェッセリーナ・カサロヴァは好調だったようでよく声が出ていました。でも、どうしてもエリーナ・ガランチャと比べてしまうのですが、メチャ好きな声ではありません。

本日の最良の歌手はエレットラ役のタマル・イヴェリです。ROHやヴィーンで聴いたことがありますが、ヴィーンでの素晴らしいタチアナが印象的でした。今日も声質といい歌唱といい私の好みにぴったりです。第3幕の”D’Oreste, d’Ajace”というアリアは大迫力で惚れ惚れする歌唱でした。

アルバーチェ役のロタール・オディニウスもマアマアのテノールですが、残念なことに第2幕の”Se il tuo duol”カットされたため、主に第3幕でしか彼の声は聴けません。アリア一曲ぐらいなぜカットしたのか理解に苦しみますが、私が気づかないだけで他にもカットがあったかもしれません。

管弦楽を指揮したフィリップ・ユイという人は全く知らない人です。ゆっくり目のテンポで最初はやや退屈な音楽でしたが次第に調子を上げ、終わってみればまともな演奏でモーツァルトの音楽は十分楽しめました。音響もとても良かったです。

リュック・ボンディの演出はわかりやすいもので、第1幕ではトロイの人たちは足にロープをくくりつけて囚われ人であることを明示したりしています。ただ、照明が全編青白くて暗いもので衣装も黒と白が多く、まるでモノクロの世界です。ストーリーに沿ったものと言えるかもしれませんが、もう少し色が欲しい感じがします。

ガルニエはこれで3回目の経験ですが、今日の席は奮発しただけのことはあってBalconの前から2列目のど真ん中、しかもラッキーなことに前席の二人が来なかったので最高の状況でした。その空席の右側になんと音楽監督のフィリップ・ジョルダンが座りました。年配のカップルを連れてきていましたのでひょっとしてご両親?インターヴァルで彼は姿を消してしまったので話しかけるチャンスが無くて残念でした。
ガルニエは何度見ても内部装飾は素晴らしいの一言ですが、男子トイレに行くと排水が詰まっているらしく定期的にフラッシュされる水が出る度に床までびしょびしょになる有様。これぐらい何で直せないのでしょう。ロンドンから来るときのユーロスターではトイレを流す水が枯渇していて流せない状態。そういえばトイレが完璧だったことはあまり記憶にない気が・・・今回は往復とも列車はまともに運行されていたのでよしとしましょう。

カーテンコールの写真(最初の二つはクリックすると拡大します)
Charles Workman and Philippe Hui
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Tamar Iveri, Philippe Hui, Vesselina Kasarova and Isabel Bayrakdarian
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Tamar Iveri
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Isabel Bayrakdarian
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by dognorah | 2010-02-13 02:43 | オペラ

エネスコ協会定例コンサート

2010年2月4日、ルーマニア文化協会にて。

Enescu Society Concert Season 2010-2011
At Romanian Cultural Institute

R. Schumann: Sonata in D minor
M. Ravel: Sonata in G major
M. Ravel: Tzigane
G. Enescu: Impressions d'Enfance Op 20
F. Schubert: Fantaisie in C D934

Violin: Philippe Graffin
Piano: Claire Désert

Philippe Graffin
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Claire Désert
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今日の演奏者は何故か共にフランス人でルーマニアとはあまり縁がなさそうな気がします。
それはともかく、演奏は凄いとしか言えないような迫力で圧倒されました。最初のシューマンのヴァイオリンソナタこそ割とおとなしめの演奏でしたが、その後のラヴェルは2曲とも入魂の熱演で、さすがフランス人と唸らせるもの。テクニックも目を見張るもので、間近で見ていてわかることですが弓の先端を信じられない細かさで動かして奏でられるトレモロには感心します。チガーヌも迫力ある演奏で、この曲でこんなに感銘を受けたのは初めてです。
インターヴァル後に演奏されたエネスコは題名つきの10曲の小品から構成される作品ですが、音による情景描写が面白い曲です。大変楽しめます。
最後の曲はピアノとヴァイオリンのための作品と記されたものですが、シューベルトがこんな作品を作曲していたとは初めて知りました。大変聴きごたえのある曲で、なんでもっとポピュラーにならないんだろうと思ったほどです。

ヴァイオリニストのPhilippe Graffinは1964年生まれの中堅どころ。Wikiにも掲載されているほどの実績がある人です。

ピアニストのClaire Désertは彼とほほ同年代の方で、伴奏はヴァイオリンとぴったり息の合った完璧なものでした。

年に何回か開催されるここのコンサートはいつも凄い演奏者を揃えてレヴェルの高い音楽を聞かせてくれるので極力聴きに来たいのですがあまり先のスケジュールが発表されないので他の用事と重なることも多く残念な思いをすることがよくあります。
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by dognorah | 2010-02-09 00:24 | コンサート