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フィリップ・ジョーダン指揮フィルハーモニア管

2009年10月29日、RFHにて。

Philippe Jordan: conductor
Piotr Anderszewski: piano
Philharmonia Orchestra

R. Strauss: Don Juan, tone poem, Op.20
Mozart: Piano Concerto No.18 in B flat, K456
Beethoven: Symphony No.7 in A, Op.92

今日の白眉はピョートル・アンデルシェフスキーが弾いたモ-ツァルトのピアノ協奏曲でしょう。実に味わい深い演奏で、特に第1楽章は大いに感嘆しました。音の美しさもさることながら各フレーズで訴えかけてくるものが感じられるのです。オケの伴奏もつかず離れずのぴったりしたもので言うことなしです。

Philippe Jordan and Piotr Anderszewski
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ベートーベンの7番という曲は9曲の中では演目として取り上げられることが多いような気がしますがなぜなんでしょうね。あまり好きな曲でもないので冷静に聴いていましたが、演奏は立派なもので、オケの音も深味のあるすばらしいものでした。最終楽章のテンポをメチャメチャに速くすることもなく盛り上げていたのは好感が持てます。第1楽章と第2楽章を切れ目無く演奏したのはちょっと奇異に感じましたが。

シュトラウスの「ドン・ファン」は普通の出来か。気張っている割には音の豊かさがあまり感じられませんでした。まあ、この作曲家の交響詩というのは私にはどれもあまりピンと来ない作品ですが。
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by dognorah | 2009-10-31 23:58 | コンサート

ガーシュインのオペラ「ポーギーとベス」

2009年10月27日、RFHにて。
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Porgy and Bess:Opera in three acts
Music:George Gershwin
Libretto:Dubose & Dorothy Heyward and Ira Gershwin
(semi-staged concert performance)

Cape Town Opera
Cape Town Opera Voice of the Nation Ensemble:Chorus
David Charles Abell:conductor
Christine Crouse:director

Xolela Sixaba:Porgy
Kearstin Piper Brown:Bess
Ntobeko Rwanqa:Crown
Victor Ryan Robertson:Sportin' Life
Arline Jaftha:Serena
Pretty Yende:Clara
Miranda Tini:Maria
Aubrey Lodewyk:Jake


ああ、何とすばらしい音楽でしょう!ストーリーは殺人が2回も起こるし、麻薬は扱われるし、漁師達は嵐で死んでしまうし、横柄な白人の警官達が乱暴に黒人達を扱ったりでまるで楽しい内容ではないのに、心躍るリズム溢れる音楽に合わせる黒人達の明るい振る舞いのせいであまり悲惨さが感じられません。かえってメロディの美しさが強調されるような感じです。歌手達はなかなかのレヴェルで、歌唱も大変楽しめました。有名なアリアで昔から大好きな「サマータイム」をオペラ歌手が歌うのを初めて聴きましたが、きちんとオリジナル通りの歌唱は気品があっていいものだと感じました。初っぱなでクララが歌うものがいいです。第2幕ではやはりクララが歌詞を変えて歌いますし、第3幕ではベスも歌いますし、オケも時々このメロディを奏でるところがあって全編このメロディがバックボーンになっているようです。この哀愁に満ちた美しい歌がまさにこのオペラを表現していると思いました。合唱もすばらしい味を出しています。管弦楽は恐らくロンドンで掻き集めたものなんでしょう、どこのオケとも表示がありませんでした。打楽器など特殊なものはケープタウンから奏者共々やってきたのでしょう。

公演はセミステージ形式ということで、舞台中央に4m四方ぐらいの小舞台を設けてその上で演技が成されました。時々は二人の男性ダンサーが出てきてモダンダンスも踊るという懲りようでしたが、私は前方中央に近い席だったので指揮者が邪魔でとても見難かったのが残念です。
ともかくこのオペラを見るのも聴くのも初めてでしたが、これほど楽しめるものとは思いませんでした。ROHでも90年代前半に公演していた記憶がありますが是非再演して貰いたいものです。

Cape Town Opera というのは今年で創立10周年を迎える南アフリカのオペラカンパニーです。数は少ないながらちゃんとしたオペラを公演している本格的な団体のようですね。最近ROHの若手研修生にもよく南アフリカ人が採用されますがこういうカンパニーが現地にあるということも大いに関係しているのでしょう。

Xolela Sixaba as Porgy and Kearstin Piper Brown as Bess
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Pretty Yende as Clara and Aubrey Lodewyk as Jake
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Conductor, David Charles Abell
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by dognorah | 2009-10-28 22:57 | オペラ

ヘンデルのオラトリオ「スザンナ」

2009年10月25日、バービカンホールにて。
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Susanna:An oratorio in three acts
Music: George Frideric Handel
Libretto after the Apocrypha

Les Arts Florissants
William Christie: conductor
Sophie Karthäuser (Kate Royalの代役): Susanna
Max Emmanuel Cencic: Joacim
Paul Gay: Chelsias
William Burden: First Elder
Alan Ewing: Second Elder
Emmanuelle De Negri: Attendant
David DQ Lee: Daniel
Ludovic Provost: A judge

またまたクリスティ指揮レザール・フロリッサンのすばらしい演奏で心が洗われるような時を過ごせました。いつものようにオケも合唱も好調だったし、歌手も全て納得の歌唱でした。出産間近のケイト・ロイヤルに代わって出演したベルギー人ソプラノ、ソフィー・カルトホイザーは出だしこそやや弱い歌唱という印象でしたがドラマの進行に伴ってどんどんよくなり、第3幕で死刑から無罪になった後歌う喜びのアリアでは美声に加えて迫力も感じさせる熱唱で感嘆させられました。スザンナの夫であるジョアキムを歌ったマックス・エマニュエル・チェンチッチは2年前に聴いた聖アレッシオ以来久し振りですが、あのときの坊主頭が記憶に焼き付いていて、今日の髪の毛にアレっと戸惑ってしまいました。声も2何前の方が印象的でしたが今日も充分美しいものでした。カウンターテノールがもう一人David DQ Leeという人が出ていますが中国系のカナダ人です。東洋人のカウンターテノールを聴くのは初めてです。第3幕しか出ませんが舞台に出てすぐの声は周波数的に分散したものでやや違和感がありましたが、すぐに周波数の拡がりは収斂し、見事な声になりました。そして歌われたアリアの何とすばらしいこと!声は気品のある美しさで高音がきちんと発声されるしニュアンスも豊かで感動ものでした。この人はバロックから現代物まで、またクラシックからジャズまでという広いレパートリーを持っているとのことです。1978年生まれで、あちこちの声楽コンクールで上位入賞している実力者のようで、今後注目したい歌手です。
損な役回りであるエロじじい役の二人ウイリアム・バーデンとアラン・ユーイングは歌唱だけでなく演技も頑張ってくれて笑いを取っていました。バーデンは今年3月のジュリエッタで聴いていますが相変わらず上手いものです。ユーイングはROHの脇役でお馴染みの人です。

William Cristieを挟んでSophie KarthäuserとAlan Ewing
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William Burden and Max Emmanuel Cencic
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David DQ Lee and Paul Gay
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by dognorah | 2009-10-26 22:15 | オペラ

ブリテンのオペラ「ネジの回転」

2009年10月24日、ENOにて。

The Turn of the Screw: Opera in a prologue and two acts
Music: Benjamin Britten
Libretto: Myfanwy Piper after the story by Henry James

Director: David McVicar
Conductor: Sir Charles Mackerras
Members of the ENO Orchestra

The Prologue: Michael Colvin
The Governess: Rebecca Evans
Miles: Hugh Beckwith
Flora: Nazan Fikret
Mrs Grose: Ann Murray
Peter Quint: Michael Colvin
Miss Jessel: Cheryl Barker

またIntermezzoさんに教えて貰って、ENOのオペラを格安で見てきました。ドレスサークル最前列で通常81ポンドのところが10ポンドでした。未だ見たことのないオペラでしたのでラッキー。

このプロダクションはマリンスキー劇場のものを借りてきたもので、初演は丁度2年前とのことです。
ヘンリー・ジェームスの原作は読んだことがありませんが、内容は心理的要素が強いものらしい。幽霊が出てきてそれらは語り手の家庭教師にしか見えない設定のようですが、リブレットでは子供達と密接に接触する幽霊になっています。ストーリーとしては、気持ちが悪いながらもどうなるのだろうかと気になるものになっていますが、かなり超現実的な内容ですね。
しかしそれは別にして、室内楽のような小編成のアンサンブルによる音楽はとにかく美しいものです。Miles役のTrebleも美しい声だし、レベッカ・エヴァンスやアン・マリーなどの歌手達も充分すばらしい歌唱です。ただ、オペラとしては何度も見たくなるものではないですが。
演出は、模様の入った透明な仕切り板が左右に何枚も動いたり、奥の部屋の照明がカーテンでコントロールされたりしながら各場面を表現するコンパクトなものですが、必要な場面転換が充分効率よく行われています。レベッカ・エヴァンスの演技も大変優れたもので、全体としてはよくできた舞台と思いました。

左から、Hugh Beckwith、Michael Colvin、Rebecca EvansおよびAnn Murray
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Rebecca Evans and Sir Charles Mackerras
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by dognorah | 2009-10-26 20:31 | オペラ

リーズ国際ピアノコンクール入賞者のリサイタル

2009年10月21日、スタインウェーホールにて。

ピアノ:Jianing Kong

プログラム
スカルラッティ:Sonata in G, K454
スカルラッティ:Sonata in G, K125
モーツァルト:Fantasia in C minor, K396
武満:Les Yeux Clos
ショパン:12 Etudes, Op.25

至近距離で聴く美しくて豪華な音にウットリしましたが、部屋が小さすぎてフォルテでは飽和してしまいます。さすがに腕の立つピアニストで、どれも大変楽しめました。特に武満はすばらしい音楽でそれを漏れなく伝えてくれる演奏と思いました。
彼は中国生まれで、現在RCMに在学中です。演奏後のレセプションで少し話しましたが、オペラが好きで最近見た「カルメン」と「トリスタンとイゾルデ」に感激したとのことで私と話が盛り上がりました。
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by dognorah | 2009-10-26 01:44 | コンサート

ラヴェルの「スペインの時」とプッチーニの「ジャンニ・スキッキ」

2009年10月20日、ROHにて

Director: Richard Jones
Conductor: Antonio Pappano

Maurice Ravel: L'Heure espagnole
出演
Torquemada: Bonaventura Bottone
Concepcion: Ruxandra Donose
Gonzalve: Yann Beuron
Ramiro: Christopher Maltman
Don Inigo Gomez: Andrew Shore

2年半振りの再演で、歌手は全て同じ布陣で臨むはずだったのにクリスティーヌ・ライスが妊娠で降板したためルクサンドラ・ドノセが代わりに入りました。彼女以外は全てほぼ前回と同じ歌唱でしたがどうも今回はちょっと退屈してしまいました。ドノセよりもライスの方が上手かったにしても、作品そのものが浅いのでしょう。クリストファー・モールトマン(今までマルトマンと書いてきましたが正しい発音に修正します)は相変わらず演技も上手いです。

相変わらず華やかな終幕
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Christopher Maltman and Andrew Shore
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Giacomo Puccini: Gianni Schicchi
出演
Gianni Schicchi: Thomas Allen
Lauretta: Maria Bengtsson
Rinuccio: Stephen Costello
Simone: Gwynne Howell
Zita: Elena Zilio
Betto di Signa: Jeremy White
Marco: Robert Poulton
La Ciesca: Marie McLaughlin
Gherardo: Alan Oke
Nella: Janis Kelly
Maestro Spinelloccio: Henry Waddington
Ser Amantio di Nicolao: Enrico Fissore
Pinellino: Nicholas Garrett
Guccio; Paul Goodwin-Groen

こちらは前回からがらりと主要出演者が変わっています。タイトルロールのトーマス・アレンは声はともかく演技は非常に上手いと思いました。ラウレッタを歌った人はやや精彩に欠けるアリアであまり楽しめず。先月のコンサート形式の「シャモニーのリンダ」で初登場したテノールのスティーヴン・コステロは今回もひときわ目立つ心地よい声で、いいテノールであることが再確認できてよかった。他の歌手は総じて上手かったので前回とは逆に今日はこのプッチーニの方が楽しめました。

Thomas Allen and Stephen Costello
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by dognorah | 2009-10-26 00:56 | オペラ

Spanish Inspiration: Duo Moreno Gistaín

2009年10月19日、Bolivar Hallにて。
二人のピアニストJuan Fernando and José Enrique Moreno Gistaínは兄弟。

プログラム
Mikhail Glinka: Cpriccio brillante on the Jota Aragonesa
Moritz Moszkowski: ‘Maurische Fantasie’ from the ballet Boabdil
Joaquín Rodrigo: Sonatina para dos muñecas
Joaquín Rodrigo: Juglares
Mayrice Ravel: Rapsodie Espagnole
Manuel de Falla: Two Spanish dances from La vida breve

繊細で豪華絢爛、透明で深遠、すばらしい音楽世界に浸れる特筆すべき演奏でした。二人ともまだ若そうでこれからの活躍が楽しみなデュオピアニスト達です。
一番気に入った曲は最初のグリンカのもので、感嘆のあまりブラヴォーを進呈。
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by dognorah | 2009-10-26 00:34 | コンサート

メンデルスゾーンのオラトリオElijah

2009年10月17日、RFHにて。

Felix Mendelssohn: Elijah

Kurt Masur conductor
Alastair Miles bass, Elijah
Melanie Diener The Widow, soprano
Renata Pokupic mezzo-soprano, An Angel
Sarah Castle mezzo-soprano, The Queen (Jezebel)
Topi Lehtipuu Obadiah, tenor
Tyler Clarke tenor, Ahab
Sarah-Jane Brandon soprano
James Oldfield bass-baritone
Jimmy Holliday bass
London Philharmonic Choir
London Philharmonic Orchestra

メンデルスゾーンのオラトリオなんて珍しいので行ってみた。全体としては悪くはないが前半はやや退屈な音楽だった。後半の方が楽しめる。
歌手はバスのJohn Relyeaがキャンセルしてがっかり。メゾソプラノのアリス・クートもキャンセルしたが代役のセイラ・カースルはなかなかよかった。

久し振りに聴いたKurt Mazur
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左からMelanie Diener、Sarah Castle、Alastair Miles
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by dognorah | 2009-10-26 00:29 | コンサート

An Evening with Korean Artists in the UK

2009年10月16日。

Charing Cross駅に近い場所にある韓国文化センターでの催し物。写真展、詩の朗読、伝統楽器Daegumの独奏、ソプラノ独唱、伝統楽器アンサンブルと投射映像に関連した歌唱、ジャズヴォーカル、禅舞踊など。この中でソプラノを歌ったHeimi LeeはRAMの学生だがとても上手い。美人でもある。現代的にアレンジした「アリラン」とベッリーニの「清教徒」からアリアを独唱。
ワインとおつまみも出たがおつまみはあっという間になくなって空腹だったので、このイヴェントに誘ってくれたドイツ人とレスタースクエア駅そばの日本レストランで食事した。さすがにけちなドイツ人が愛用しているだけあって値段はとてもリーズナブルで味もまあまあ。
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by dognorah | 2009-10-26 00:05 | コンサート

Jette Parker Young Artist Programme

2009年10月15日、Linbury Studioにて。

久し振りにROHの若手歌手のリサイタルを聴いた。
南アフリカ出身のバリトンDawid Kimberg
ポーランド出身のバスLukas Jakobski
の2名だが、二人ともすばらしい声と歌唱で最近のJPYAは皆さんとても質が高いという印象だ。因みに歌った歌曲はバリトンがパーセル、フィンジ、イベール、ブリテン。バスがシューベルト、チャイコフスキー、シュトラウス、モニウスコ。最後に二人でベッリーニの清教徒からデュエット。
バスは長身で、前半はその押し出しの強い歌唱がとても印象的だったが、後半はやや声が荒れていた。短いリサイタルといえども調子全開とは行かないようだった。バリトンはその点安定していたが、歌った量がバスよりも少なかったせいがあるかも。
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by dognorah | 2009-10-25 23:55 | コンサート