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ユーロフスキー指揮マーラー交響曲第2番演奏会

2009年9月26日、RFHにて。

いよいよ今シーズンのオーケストラコンサートもROHに続いて次々と幕開けです。今年の各オーケストラの幕開けを音楽監督またはプリンシパル指揮者が本拠地で指揮するものと捉えて列挙しますと、

ゲルギエフ指揮ロンドン響:ドビュッシーなどフランス音楽 9月20日
ユーロフスキー指揮ロンドン・フィル:マーラー2番 9月25日
サローネン指揮フィルハーモニア:ストラヴィンスキー「火の鳥全曲」他 10月1日
ビエロフラーヴェク指揮BBC響:マルティヌー他 10月3日
デュトワ指揮ロイヤル・フィル:ルネ・フレミングのオペラアリア集他 11月3日

となります。RPOが遅いのは9月から10月にかけて日本と欧州に遠征するためです。
以上挙げた中で私が行くのは1日遅れのLPOに加えてBBCとRPOです。他はいまいちプログラミングに興味が湧かず行く気になれなかったのです。

LPOは昨日が幕開けだったのですが、今日の方がマーラーに加えてクルターグも聴けるのでこっちにしました。

Kurtág: Stele op.33
Mahler: Symphony No. 2 (Resurrection)

Vladimir Jurowski: conductor
Adriana Kucerova: soprano
Christianne Stotijn: mezzo soprano
London Philharmonic Choir
London Philharmonic Orchestra

1曲目のクルターグは大編成の管弦楽で、舞台は一杯。ピアノやチェレスタまであります。曲の始まりはまるでベートーヴェンの「レオノーレ序曲第3番」のよう。その後木管や金管など各種楽器に受け継がれていきますが、大編成の割には大音量になることはなく、各楽器の持ち味を大事にしたような印象です。演奏時間は10分ぐらいですが、まあ楽しめます。

2曲目のマーラーは実演を聴くのはこれで4回目です。最初は2005年10月のキャプラン指揮RPO、次いで2006年9月のハイティンク指揮BBC響、3回目は2007年3月のMTT指揮LSOでした。
今日の演奏はというと、やはり何といってもよく書けている第5楽章が圧巻で感動しました。独唱も合唱もすばらしいです。特に男声合唱のハーモニーの凄さには感嘆しました。それまでの楽章も悪くはないのですが、大音響で吼える割には中身が空疎な印象を受けます。オケはとても良く鳴っていたので指揮の問題でしょう。従って、全体としての出来はMTT指揮LSOには及ばない印象です。

写真は独唱のChristianne StotijnとAdriana Kucerovaです。ストテインはハイティンク指揮の時もこれを歌っていましたし、昨年はマーラーの大地の歌でも聴きました。クチェロヴァは先月「フィデリオ」のマルツェリーネ役で聴いたばかりです。
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by dognorah | 2009-09-28 09:23 | コンサート

ほんの数時間のパリ

バスティーユのオペラを見るために日帰りでパリを訪れたが、関連地域は日曜ということでほとんどの店が閉まっていてオペラの前後は無聊をかこっていました。パリはまだまだ夏の気候で気持ちのいい青空が拡がっていたので散歩をしたい感じでしたが、時間が中途半端でそれもかなわず。オペラの終演時刻を過大に見積もったために帰りの列車まで随分時間を余してしまったけれど、乗り遅れると大変なので北駅からあまり遠いところへ行くのは不安だし。
ユーロスターの切符売り場に行って「早い電車に変えてくれー」と要求 したが当然ながら「お前の格安切符じゃ駄目だよん」と断られる。メシにもちょっと早いので北駅周辺をぶらぶ らしていたらイタリア人と称する男に道を訊かれる。なんで一見してフランス人と分かる人に尋ねないんだよー。最初はフランス語で訊いてきたが私が喋らない と分かるとすぐ英語に切り替えた。結構怪しげな発音ではあったが、イタリア人のくせしてフランス語と英語を話せるなんて大したものじゃない。どれどれと地図を見ていると、いきなり色の浅黒い大男が現れ、「警察だ。パスポートを見せろ!」と警察の身分証明書らしきものを提示して迫る。とっさに、最近どなたかパリで偽警官らしき人に同様の要求されたことを日記で読んだし、また近頃ロンドンで偽警官による邦人への詐欺事件が頻発していてロンドン総領事館から注意喚起のメールを受 けていたことを思い出し、相手が偽である可能性を十分に意識して対応した。最初に道を訊いたイタリア人は「いや、こいつは本物のポリスだぜ」といいながら 要求通りパスポート、更に財布の中身を見せていた。私はそれでも執拗に本物かどうか疑うそぶりを見せ、もう一度身分証の提示を求めた。提示したのでそれを 掴もうとしたら「触るなっ」と引っ込めてしまったのでよく分からず。ただ、金属製の星形をしたバッジが貼り付けてある皮ケースに収まっていたのは確認したが。まだ半分疑っている私はパスポートでなしに運転免許証を見せた。パスポートをひったくられたら困るけれど運転免許ならロンドンに 帰ってすぐに再発行して貰えるし。次いで、持っている金を見せろと言ってきた。大した金額は入っていなかったからすぐに財布を渡したが、イタリア人の時と 同様紙幣の匂いを嗅いでいる。要するに麻薬取引をしているかどうかを確認しているようだ。それで特に不審な点は見つからなかったらしくすぐ放免されたので、本物のポリスだったかな。ロンドンではクレジットカードの提示と暗証番号を求められてまんまと現金を引き出されるらしいけれど。
それにしても外人同士が話していると怪しまれる確率大なのでこれからは道を訊かれても無視しようと決意した次第。あのイタリア人だって私に話しかけた本当の目的は何だったのか怪しいものだし。
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by dognorah | 2009-09-23 01:11 | 旅行

ベルクのオペラ「ヴォツェック」公演

2009年9月20日、パリオペラ(バスティーユ)にて。

舞台
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Wozzeck: OPÉRA EN TROIS ACTES (1925)
MUSIQUE D’ALBAN BERG (1885-1935)
LIVRET DU COMPOSITEUR D’APRÈS LE DRAME WOYZECK DE GEORG BÜCHNER

Hartmut Haenchen: Direction musicale
Christoph Marthaler: Mise en scène
Orchestre et choeur de l’Opéra national de Paris
Maîtrise des hauts-de-seine ⁄ Chœur d’enfants de l’Opéra national de Paris

CAST
Vincent Le Texier: Wozzeck
Stefan Margita: Drum Major
Xavier Moreno: Andres
Andreas Conrad: Hauptmann
Kurt Rydl: Doktor
Scott Wilde: Erster Handwerksbursch
Igor Gnidii: Zweiter Handwerksbursch
François Piolino: Der Narr
Waltraud Meier: Marie
Ursula Hesse Von Den Steinen: Margret

パリオペラより日曜のマチネーを4種類組み合わせたセットを先行発売するとの情報を貰ってその営業政策に乗ったのでした。フランス周辺の外国人向けに考案したもので、新総裁Nicolas Joelのアイディアでしょうか。ロンドンからは簡単に日帰りで来れるので便利ではあります。セットはこの「ヴォツェック」の他に、2月の「イドメネオ」、3月の「ラインの黄金」、6月の「ヴァルキューレ」が含まれています。2月のイドメネオにネトレプコとカサロヴァが共演するので切符の取りにくさを考えてセット購入したのですが、購入後に何とネトレプコが早々とキャンセル!まるで詐欺に遭ったようなものです。なぜネトレプコがキャンセルしたのかは不明です。役柄が合わないなどの問題があったのか、あるいは第2子を妊娠中なのか・・・

それはともかく、今回のヴォツェックは十分に楽しめました。実演を見るのは3年半前のROH以来ですが、パフォーマンスとしてはそのときの方が感銘が深かったと思います。でも、今回も音楽的には大変すばらしいもので歌手も指揮も大いに満足しました。タイトルロールと同様キャプテン、ドクター、マリー、鼓手長もすばらしかったと思います。マリーを歌ったマイヤーは好調で抜けのよい高音がとても気持ちよく響いていました。

演出ですが、一風変わったものながら分かりやすいものです。舞台は保育園のキャンティーンみたいな場所設定で、部屋の周りは透けて見えていて子供達が遊べる遊具が一杯置いてあります。全てのシーンはここで行われますが、そのシーンに登場しない人物達も舞台上に留まっていたりします。また、次またはその次のシーンに登場する人物達も早々と座っていたりもします。ドラマ進行中も子供達と母親がしょっちゅう出入りして日常生活が描写されています。ヴォツェックはここで部屋や各テーブルをきちんと整理する役を担っているようで、甲斐甲斐しく働いています。各机の下には子供用の靴が置いてあるのですが、彼はしょっちゅうその靴をきちんと揃えています。まるで精神的安定を得ようとするみたいに。鼓手長は何度目かのマリーとの逢い引きの後その靴達を蹴散らしてヴォツェックを馬鹿にしますが、ヴォツェックもまたマリーとの口論の後靴を蹴飛ばすことでもう正常心ではいられなくなった様子を表現し、その後殺人へと進むのです。非常にありふれた日常生活の過程でドラマが起こるように設定されていますが、私はROHで見たキース・ウォーナーの演出の方がイマジネーションが豊富で好きです。

しかしこのオペラは短い。1時間35分で終了。バルトークの「青髭公の城」と組み合わせて上演してくれればいいのにと思いました。

指揮の Hartmut Haenchen とヴォツェックを歌った Vincent Le Texier
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マリーを歌った Waltraud Meier 。前から下半身デブと思っていましたが今回の衣装でははっきり分かりますね。
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ドクター役の Kurt Rydl と鼓手長の Stefan Margita
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アンドレス役の Xavier Moreno とキャプテン役の Andreas Conrad
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by dognorah | 2009-09-22 00:55 | オペラ

ヴェルディのオペラ「ドン・カルロ」ROH2009公演

2009年9月18日、ROHにて。

Don Carlo: Opera in five acts (1886 Version)

Conductor: Semyon Bychkov
Director: Nicholas Hytner

CAST
Don Carlo: Jonas Kaufmann
Elisabetta di Valois: Marina Poplavskaya
Rodrigo: Simon Keenlyside
Philip II: Ferruccio Furlanetto
Princess Eboli: Marianne Cornetti
Tebaldo: Pumeza Matshikiza
Grand Inquisito: John Tomlinson
Conte di Lerma: Robert Anthony Gardiner
Carlos V: Robert Lloyd
Voice from Heaven: Eri Nakamura

昨年7月にプレミエだった公演の再演です。今回、ドン・カルロはビリャソンからカウフマンに、大審問官はハーヴァーソンからトムリンソンに、エボリ公女がガナッシからコルネッティに変わりました。

まず、ドン・カルロですが歌唱的にはビリャソンの方がやや上です。カウフマンも特に輝かしい高音はいいのですが、弱音で声が掠れるという欠点があり(これは最近よくそういう場面に出会います)第1幕冒頭の物静かなアリアはあまり楽しめませんでした。この傾向は最後まで変わらず。

エリザベッタを歌ったポプラフスカヤは昨年はかなり失望させる歌唱でしたが、今年は普通に楽しませてくれる声で、この1年でかなり成長したようです。これならそう大きな不満はないですが、私は相変わらずあまり好きな声ではありません。

キーンリーサイドとフルラネットは昨年とほぼ同様好調さを保っていて文句なしです。
トムリンソンの大審問官は例によって大声量で低音たっぷりなのですが、歌の迫力としてには昨年のハーヴァーソンの方が上です。ただ大きい声で吼えまくればいいというものでもないでしょう。

エボリ公女を歌ったコルネッティはなかなかすばらしく、これは明らかに昨年のガナッシより上です。第4幕の例の「私の美貌を恨む」というアリアも迫力ある歌唱でよかった。

その他の歌手は昨年と同様の水準です。こうしてみると女声陣が昨年よりかなりよかった分今年の方が全体的レヴェルは高かったと言えます。

ビチコフの指揮は舞台と一体となった緻密なもので、各パートもいい音を出していましたが、先般ROHで振った「ローエングリン」ほどには上手さを感じず、昨年のパッパーノも大変よかったのでこれはどっこいどっこいというところでしょうか。
それにしても4度目に聴くこのオペラ、ヴェルディの音楽の偉大さに改めて感心しました。そう感じさせてくれた今回の公演はかなり水準の高いもので大変印象深いものがあり、もっと切符を買わなかったことをちょっと後悔しています。最高席は今でも毎回売れ残っていますが。

以下、カーテンコールの写真。
Ferruccio Furlanetto, Jonas Kaufmann and Marina Poplavskaya
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John Tomlinson
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Marianne Cornetti
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Simon Keenlyside
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by dognorah | 2009-09-20 07:18 | オペラ

City Side Sinfoniaのコンサート

2009年9月15日、St John’s, Smith Squareにて。

ブラームス:ピアノ協奏曲第2番
Gareth Peredur Churchill:Keeper’s Pond(世界初演)
チャイコフスキー:交響曲第4番

ピアノ:Anthony Hewitt
指揮:Steven Joyce

このオーケストラは10年前にGuildhall School of Music and DramaとCity Universityの学生達で構成されて出来たのが始まりで、その後発展を遂げ、現在はロンドンの全ての音楽大学の学生並びに卒業生、それにEuropean Union Youth OrchestraとGustav Mahler Jugendorchesterのメンバー並びに旧メンバーなどによって構成されているnon-professional orchestraということです。演奏会は年に5回ロンドンのあちこちで開催されますが、基金はなく出演者は全て無給だそうです。ではどうやって活動できるのか疑問ですが。ホールの借り賃だって必要だろうし。今日の入場者数から見て切符代だけでは賄いきれないでしょう。寄付を求める行為もなかったし。

指揮者のスティーヴン・ジョイスは1979年生まれでコリン・デイヴィスなどに指揮を学んだそうです。このオケの創設者で10年間やって来ただけになかなか上手いものです。オケは若さと情熱に溢れており、奏者のミスは結構あるものの音楽を作ろうという懸命な姿勢もあって大変楽しめる演奏でした。弦は8-6-5-5-4と小編成なのでチャイコフスキーでは金管とのバランスが取りにくかったでしょう。

ブラームスで独奏した人は恐らく30過ぎだろうと思われますが、マイナーながら世界中のオケとの共演経験も豊富で、堂々たるピアノでした。音の透明度が印象的です。

2番目の曲はウェールズで1980年生まれの新進作曲家の手になるもの。自分の家の近くの風景からインスピレーションを得て作曲したということです。音は古典的ながら、曲の出だしで弦がチョンという音を出した後すぐに金管群が引き継ぎ、叙情的に進んでいくものでまあ楽しめます。演奏時間は7分ぐらい。

ブラームスでは音程的にちょっと不安があった金管群もチャイコフスキーの曲では全くそういうことはなく、朗々と柔らかい音を出して美しい演奏でした。木管群は全曲を通して大変美しい。

普段聴くプロのオケとは聴く方の姿勢も違うのでしょうが、原点に返ったような音楽の楽しみが感じられ、元気を貰って帰宅しました。
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by dognorah | 2009-09-18 01:13 | コンサート

リゲティのオペラ「Le Grand Macabre」ドレスリハーサル

2009年9月15日、ENOにて。

友人に入場のアレンジをして貰って、ENOのオペラリハーサルを初めて見ました。
この「ル・グラン・マカーブル」はリゲティ唯一のオペラだそうですが、1977年に完成し、1996年にザルツブルグ音楽祭とパリのシャトレ座公演を機に改訂されたものです。
今回のENOのプロダクションはブリュッセルのモネ劇場、ローマのオペラ劇場、それにバルセロナのリセウ劇場との共同制作で、既にブリュッセルとローマは上演済みだそうです。

題名の意味は「大いなる死」なのでしょうが、ストーリーの内容は荒唐無稽に近いのであまり筋書きを気にせずに音楽と舞台を楽しめばいいかという感じです。今年2月には日本でも上演されたようなのでご存じの方も多いでしょう。

音楽は客席で聴いている限りでは打楽器がめったやたら目立って、通常のオケで用いられる楽器の存在感が薄いのですが、要所では例えば舞台上でヴァイオリンや木管楽器が演奏されたりします。まあ聴いていてスカッとする音ではあります。なお、今日の指揮者は本番のエドワード・ガードナーとは違う人です。
歌は台詞にちょっと節を付けた程度のものが多く、アリア的なものはなかったと思います。地の台詞は改訂版ではかなり音楽が付いたようですがそれでもかなり残っています。リゲティはドイツ語でこれを書いたようですが、言語に関しては各国のものを用いて一向にかまわないと言っていますので原語上演というのは当てはまらないようです。従ってENOの方針通り英語でやっても問題ないし事実歌唱的に違和感があるなんて感じは全くしませんでした。今回の歌手達は全く知らない人達ばかりですが、普段聴いている音楽との関連からはPrince Go-Goを歌ったカウンターテノールのアンドリュー・ワッツが大変好ましい声で印象的でした。他の歌手も特にいいというわけではないですがまあまあというところでしょうか。

演出は演出はバルセロナオリンピックの開会式を演出したことで有名なカタロニアのLa Fura dels Bausという会社に所属する演出家によるもので、ほぼ作曲者の意図を具現している印象です。舞台は終始ヌード女性が這い蹲った格好の特大の張りぼてが置かれていて、それは360度回転するし、首も回転し、目が光ったり、舌を出したり、口や後頭部から人が出入りできたり、乳首の部分が取り外しできて人が出入りできるし、おしりの部分も開いてバーになったりと全身装置だらけのものです。女性器もリアルに作られていて、膣から人物が出てくるなんて場面もあって出来の良さに感心しました。更にヴィデオ投射でこの女体が骸骨になったり表情をいろいろ変えたりしますが、実に天才的アイディアと思いました。見ていてまるでびっくり箱のように次は何が出てくるのかという楽しみがあります。
ということで結構楽しめる舞台です。結末は全く平凡なハッピーエンドででシュールな感じは全くありませんが。

大きな張りぼてをバックに歌手達
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次の写真は左からMescalina役のSusan Bickley、Prince Go-GoのAndrew Watts、ヴィーナスと秘密警察長官のSusanna Andersson、Pit the PotのWolfgang Ablinger-Sperrhacke
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Le Grand Macabre
Music by György Ligeti
Libretto by Ligeti and Meschke after de Ghelderode

Conductor: Baldur Brönnimann
Directors: Alex Olé and Valentina Carrasco
English National Opera Chorus and Orchestra

CAST
Piet the Pot: Wolfgang Ablinger-Sperrhacke
Amando: Frances Bourne
Amanda: Rebecca Bottone
Nekrotzar: Pavlo Hunka
Astradamors: Frode Olsen
Mescalina: Susan Bickley
Venus and Gepopo: Susanna Andersson
Prince Go-Go: Andrew Watts
White Minister: Daniel Norman
Black Minister: Simon Butteriss
Ruffiack: Michael Burke
Schobiack: Christopher Speight
Schabernack: Andrew Tinkler
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by dognorah | 2009-09-17 07:16 | オペラ

ドニゼッティのオペラ「シャモニーのリンダ」コンサート形式

2009年9月14日、ROHにて。

Linda di Chamounix: Melodramma semiserio in three acts
Music: Gaetano Donizetti
Libretto: Gaetano Rossi

Conductor: Mark Elder
The Royal Opera Chorus
The Orchestra of the Royal Opera House

CAST
Linda: Eglise Gutiérrez (soprano)
Carlo: Stephen Costello (tenor)
Pierotto: Marianna Pizzolato (mezzo-soprano)
Antonio: Ludovic Tézier (baritone)
Marquis de Boisfleury: Alessandro Corbelli (basso buffa)
Prefect: Balint Szabó (basso profondo)
Maddalena: Elizabeth Sikora (soprano)
Intendant: Luciano Botelho (tenor)

ロイヤルオペラの今シーズン幕開けはまずコンサート形式から。これは1週間前と今日の2回演奏されたのですが私は2回目の公演を聴きました。
コンサート形式にしろ、このオペラをROHで上演するのは122年振りだそうですが、それでもこれは26回目の上演なので19世紀にはもっと頻繁に上演(恐らく舞台で)していたということですね。なぜ上演されなくなったのか知りませんが、音楽的には悪くないもののやたら長い(2回の休憩を入れて3時間45分)割にストーリーがあまり面白くないせいかも。
それにしてもドニゼッティという人は「ランメルモールのルチア」にしろこれにしろ主人公を発狂させるプロットが好きですね。

題名役のソプラノ、エグリーゼ・グティエレスは高音域ではコロコロといい声がよく転がってなかなか聴き応えがあるのですが、中音域以下では一枚ヴェールをかぶったような声になり、全体としてはあまり好みではありません。
恋人役のテノール、スティーヴン・コステロは艶のあるいい声でとても満足しました。力強い歌唱です。
ピエロットを歌ったメゾソプラノはまあまあ。マッダレーナ役のヴェテラン、エリザベス・シコラは素直な美声で、容姿的にはお母さん役にぴったり。
お父さん役のルドヴィック・テジエは何も言うことのない立派な歌唱で惚れ惚れします。
ボアフレリー侯爵を歌ったアレッサンドロ・コルベッリはさすがと唸らせるすばらしさで、ちょっとした仕草や言い回しで笑いを取る技にも大いに感心しました。ブラヴォーです。
牧師役のバスも力強い歌唱で満足。

合唱も、ドニゼッティを得意としているというマーク・エルダーの指揮も大変楽しめるものでした。こうしてみるとリンダ役のみがちょっと不満で、誰か適役を連れてくれば今夜のCD録音もすばらしい出来になったでしょうに。

Eglise Gutiérrez as Linda
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Stephen Costello as Carlo and Ludovic Tézier as Antonio
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Balint Szabó as Prefect and Alessandro Corbelli as Marquis de Boisfleury
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女声陣をねぎらう Mark Elder
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あらすじ
シャモニー村の小作人アントニオとその妻マッダレーナには一人娘のリンダがいる。彼女は画家を装う女領主の息子カルロと知り合って恋に落ちる。一方女領主の兄ボアフレリー侯爵は甥のそういう事情を知らず、小作権延長の恩義を着せてリンダを狙っている。その邪な狙いを知った牧師はリンダを出稼ぎの人達に紛らせてパリへ旅立たせる。カルロは追いかけていってリンダの生活を援助する。しかしカルロの母親はそういう身分違いの恋愛を許さず、彼女の決めた女性と結婚するよう迫る。カルロはやむを得ず一旦は承知するが、その結婚の噂がリンダの耳に入り、父親との諍いもあって発狂する。友人のピエロットに連れられてシャモニーに戻ったリンダは、母親の説得に成功したカルロに話しかけられて正気を取り戻し、ハッピーエンドとなる。
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by dognorah | 2009-09-16 09:51 | オペラ

ヴィーンフィル演奏会(Prom73)

2009年9月10日、RAHにて。

* Haydn: Symphony No.98 in B-flat major (27 mins)
* Schubert: Symphony No.9 in C major 'Great' (60 mins)

* Vienna Philharmonic Orchestra
* Franz Welser-Möst: conductor

ヴィーンフィルは今月5,7,8日とルツェルンでの公演を終えてロンドン入りです。
今まで聴いたことのないアーノンクールの指揮ということで楽しみにしていたのですが、病気でキャンセル、代わりはヴェルザーメストでした。この人の指揮はプロムスでは2005年にクリーヴランド管弦楽団を指揮したのを聴いていたく感激したことを憶えています。

今日もメストらしいとても自然体の演奏で特にハイドンはそのスタイルが合っているようで格調高い演奏でした。しかしシューベルトは立派な演奏でとても正統的ではありますがもう少し感情の起伏があってもいいじゃないかという不満が残りました。あまりにも優等生的です。これは多分に私のこの曲に対する思い入れだとは思いますが。
ヴィーンフィルの音は3月のヴィーン国立歌劇場以来ですがいつも通り柔らかく質の高いもので大変満足しました。コンサートマスターは結構若い人で、多分初めて見る人です(下の写真左端の人)。
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次の写真はブログでお馴染みの第1ヴァイオリン奏者Kさん。
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by dognorah | 2009-09-12 08:17 | コンサート

ロッシーニのオペラ「絹のはしご」公演

2009年9月8日、Peacock Theatreにて。

インターヴァルの後はこのオペラが上演されました。2作とも上演時間は1時間半ぐらいです。指揮と演出は同じ人です。

La Scala di Seta:1幕もの喜劇
Music by Gioachino Rossini
Libretto by Giuseppe Maria Foppa

出演
Giulia: Natalya Romaniw (soprano)
Lucilla: Hanna Hipp (mezzo-soprano)
Dorvil: Carlos Nogueira (tenor)
Dormont: Eliot Alderman (tenor)
Germano: Peter Brathwaite (bass)
Blansac: Aaron Alphonsus McAuley (bass)

これも同じ傾向の音楽で、実に楽しいものです。前のと同様アリアも沢山ありますし。演出は最初のオペラでお金を使いすぎたのか舞台には家具は一切無く、観客の想像任せ。絹のはしごも赤い大きな布を2枚使って象徴的な動作で理解して貰おうというもの。召使いのジェルマーノが隠れるテーブルも二人の黒子が四角に持つ大きなレースの布で表現。ワードローブに隠れるシーンでは出演者が額縁を持ってそういう状況であることを表現しています。あらすじを知っていれば容易に理解できますが、そうでないとちょっとストーリーの進行がわかりにくいかも。
しかしロッシーニのオペラというのは後見人に束縛されている若い女性という設定が多いですね。「セビリアの理髪師」もそうですし。当時は実際にそういう状況が沢山あったのでしょうか。

歌手ではジュリアを歌ったソプラノがピカ一です。このNatalya Romaniwという人はウェールズ人です。声の抜けがよく潤いがあり全音域で美しい。
これに対して恋人ドルヴィル役のCarlos Nogueiraは魅力のない声でがっかり。こういう人しか選べなかったというのはやはりテノール人材不足なのでしょうか。
後の歌手はまあまあ。ジェルマーノを歌った代役バスも頑張っていましたが低音はあまり出ず。

あらすじ
ジュリアは秘密裏にドルヴィルと結婚していて、逢い引きのため夜ごと窓から絹のはしごを下ろして彼を寝室に迎え入れている。結婚の事実を後見人のドルモンに言い出せないうちに彼は彼女の婿としてブランザックを指名し、家に連れてくる。いとこのルチルラとの会話でそれを知ったジュリアはあわててドルヴィルを窓から退出させる。家の前まで来たブランザックは親友であるドルヴィルとばったり会い、ジュリアと結婚するつもりなので証人として一緒に来て欲しいと依頼する。家の中でお互いを紹介するがジュリアはブランザックを冷たくあしらう。そんな中でブランザックはルチルラに興味を持ち、ジュリアはそれを発展させるべくジェルマーノに協力するよう要請する。夜になって今日もはしごを下ろさねばと独りごちたジュリアをジェルマーノが小耳に挟み、ブランザックが逢い引きに来るものと勘違いしたジェルマーノが彼をからかうとブランザックもそれを信じて、結局二人の男が部屋にやってきてしまう。そこへはしごがかかっているのを不審に思ったドルモンもやってきて全てばれてしまう。ブランザックがルチルラと結婚したいと言ったことから、このままジュリアの結婚を認めるしか無くなったドルモンが折れ、めでたしめでたし。
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by dognorah | 2009-09-11 00:05 | オペラ

ロッシーニのオペラ「ブルスキーノ氏」公演

2009年9月8日、Peakock Theatreにて。

毎年この時期に行われるBYO(British Youth Opera)の公演です。名前の通りこれからオペラで活躍しようという若手歌手達が演じますが、競争の激しいこの世界、結構良い歌手達が選抜されています。今年はロッシーニのダブルビルとストラヴィンスキーのThe Rake’s Progressが上演されています。私はロッシーニを選び、この「ブルスキーノ氏」と「絹のはしご」の2本立てのうちまず「ブルスキーノ氏」のレポートです。

Il Signor Bruschino:一幕ものコメディ
Music by Gioachino Rossini
Libretto by Giuseppe Maria Foppa

Conductor: Robert Dean
Director: Jamie Hayes

出演
Sofia: Elena Sancho (soprano)
Marianna: Adriana Festeu (mezzo-soprano)
Florville: Thomas Herford (tenor)
Commissario: Eliot Alderman (baritone)
Bruschino figlio: Adam Kowalczyk (tenor)
Gaudenzio: Michel de Souza (baritone)
Bruschino padre: Thomas Kennedy (baritone)
Filiberto: Benjamin Cahn (bass)

すっきりした美しい舞台
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いつものロッシーニの音楽で大変楽しいオペラです。管弦楽も上手いし、演出もなかなかのものでおおいに舞台を楽しむことが出来ました。序曲では弦楽器の弓の背で硬いものを叩いてコンコンコンと音を出す場面が何回かありますが、舞台上では朝食中の後見人がその音に合わせてナイフでゆで卵を割る仕草をしたりするなど音楽に合わせた動作を効果的に使っています。白を基調にすっきりした舞台や家具に時代を感じさせる衣装も好感が持てます。多くの下僕達が黒子的存在で舞台進行を手際よく助けるのもよろしい。感心したのは全ての登場人物の演技が上手く、結構笑いを取っていました。多くの歌手がGSMD(Guildhall School of Music and Drama)に在学中か出身なのでしっかり演技力を身につけているようです。

歌手では後見人を歌ったブラジル人バス、Michel de Souzaが非常に上手く、次いでフロルヴィッレのThomas Herfordが印象的。ソフィアを歌ったスペイン人Elena Sanchoは細身の美人ですが声にちょっとムラのあるのが惜しい。高音を張り上げるところではいいのですが中音のどこかで腑抜けた音になってしまいます。他の歌手は概ね普通の出来です。
写真はカーテンコールで。
左からマリアンナ、ブルスキーノ氏、フロルヴィッレ、ソフィア、ガウデンチオ、フィリベルト。
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あらすじ
ソフィアとフロルヴィッレは恋仲であるが、ソフィアの後見人ガウデンチオとフロルヴィッレの父親は政敵で犬猿の仲のため結ばれるには大きな困難がある。ところがフロルヴィッレの父親が亡くなってしまい、望みが出てきた彼はソフィアを訪問する。しかしそこで聞いたことは、後見人が彼女の婿としてブルスキーノ氏の息子を選んだこと。何とかせねばと考えを巡らせた彼は、ブルスキーノ氏の息子が放蕩の挙げ句飲食代を払えなくて宿屋に拘束されている事実を掴み、息子と偽って後見人に近づく。後見人はこれ幸いと結婚式の段取りを進めるが、何とそこへブルスキーノ氏が訪問してくる。当然彼はフロルヴィッレを息子とは認めない。すったもんだしている過程でブルスキーノ氏はフロルヴィッレの意図を知り、特にソフィアを嫁として欲しくない彼は後見人を騙して恋仲の二人を結婚させてしまう。そこへ借金を払って貰って釈放された本物の息子が登場し、後見人は激怒するがみんなに取りなされて矛を収める。
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by dognorah | 2009-09-10 03:05 | オペラ