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今年観たアート

最後はアート関連のイベントについての総括です。
これも30回以上見に行っていますが、あまり強烈なものはないものの、特に心に残ったものを掲げます。

アンソニー・カロ彫刻展
マチス展
ターナー、ホイッスラー、モネ展

カロの彫刻、というかオブジェは作品が提示する独自の空間がすっと私の心に入ってきてこちらの詩的イメージを膨らませてくれます。
マチス展は彼の絵画に対する長年の不可解さを解消してくれたきっかけになって、マチスの世界が大きく広がって見えたのに感動したものです。
最後のものは、3人の画家の関連性を知ることが出来たことと、ホイッスラーをある程度まとまって見れて彼の世界の一端を理解できたことなど評価したいと思いました。

そのほか、フェルメールのほんとのよさが発見できたり、工芸品の部類とはいえシャガールのステンドグラスを見ることが出来たことなどいろいろありますが、書き出すときりがないのでこれでやめます。フェルメールやシャガールはフンメルさんの記事に啓発されたものです。
アートに限らず音楽ジャンルでも多くのブログからいろいろなことを学ぶことが出来た1年でした。ブロガーやコメントを下さった方々に深謝すると共に、来年もよろしくお願いいたします。
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by dognorah | 2005-12-31 22:13 | 美術

今年聴いたコンサート

次はコンサートですが、いろいろなジャンルで90回以上行きましたので、ここに再掲することは控えます。主に聴いた管弦楽、ピアノ、室内楽で特に感銘を受けたコンサートを記します。

【管弦楽】
・ブルックナーの交響曲第8番
  エッシェンバッハ指揮ウイーンフィル
・マーラーの交響曲第6番
  ヤンソンス指揮コンセルトヘボー管
・マーラーの交響曲第3番
  ヴェルザー-メスト指揮クリーヴランド管

数多く聴いた管弦楽の中でもこの3つは特筆に価するすばらしいものでした。すべて指揮者が完璧にオーケストラをコントロールして密度の高い音楽を提示してくれました。これがロイヤルアルバートホールではなくバービカンホールのようなまともな会場だったらもっと感動が大きかったでしょう。
TVで放送されたのが最初のものだけなのは残念です。それはDVDに焼きましたが、何度聴き返してもエッシェンバッハの描くブルックナー世界はすばらしいものです。

【ピアノ】
内田光子リサイタル
上原彩子リサイタル
岡田博美リサイタル

すべて日本人演奏家のものになってしまいましたが、本当にすばらしかったのです。内田のハンマークラヴィア、上原の展覧会の絵、岡田のドビュッシー練習曲、なかなか聴けるレベルのものではないでしょう。

【室内楽】
メシアンの四重奏曲
ロンドンモーツアルトトリオ演奏会

メシアンの「時の終わりのための四重奏曲」は特定の名前をつけた団体ではなく名人4名が集まっての演奏でしたが、よく出来た曲への共感がすべての奏者にあったと思われます。小さな教会でこの曲だけが演奏されました。言葉に言い尽くせない感動は強烈な体験です。
ロンドンモーツアルトトリオは、シューベルトもチャイコフスキーも深遠な演奏を披露してくれました。3人の集中力が表現する音楽世界に感心しました。
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by dognorah | 2005-12-31 21:37 | コンサート

今年観たバレー

続いてバレーですが、少ないです。
・ チャイコフスキー:白鳥の湖(マシュー・ボーン振り付け)
  ホセ・ティラド、ニール・ウエストモアランド、オクサナ・パンチェンコ他
・ マスネー:マノン
  タマラ・ロホ、カルロス・アコスタ他
・ マスネー:マノン
  シルヴィー・ギエム、マッシモ・ムッル他
・ ストラヴィンスキー:春の祭典他
  タマラ・ロホ他
・ ストラヴィンスキー:兵士の物語
  アダム・クーパー、ゼナイダ・ヤノフスキー他

以上、4演目5回ですがすべてレベルが高く、一つだけ選ぶとすれば、ロホとアコスタのマノンでしょうか。この二人の息の合った美しいダンスの完成度は感涙ものでした。
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by dognorah | 2005-12-31 20:48 | バレー

今年観たオペラ

大晦日になりましたので、今年の総括です。オペラ、バレー、コンサート、アートをそれぞれ別記事にして書きます。まずは、オペラです。

行った演目は、
・ワーグナー:ラインの黄金
  ブリン・ターフェル、ロザリンデ・プロウライト他
・ワーグナー:ワルキューレ
  リサ・ガスティーン、ジョルマ・シルヴァスティ他
・ワーグナー:ジークフリート
  ジョン・トレリーヴァン、ジョン・トムリンソン他
・ヴェルディ:仮面舞踏会
  マルチェロ・アルヴァレス、トーマス・ハンプソン、カリタ・マッティラ他
・ヴェルディ:仮面舞踏会
  ジュゼッペ・ジパリ、ディミトリ・ホロストフスキ、ニーナ・シュテンメ他
・ヴェルディ:リゴレット
  アナ・ネトレプコ、パオロ・ガヴァネッリ、ピオトル・ベクザラ他
・ロッシーニ:イタリアのトルコ人
  チェチリア・バルトリ、トーマス・アレン、イルデブランド・ダンカンジェロ他
・ロッシーニ:セヴィリアの理髪師
  ゲオルゲ・ペテアン、トビー・スペンス、ジョイス・ディドナート他
・モーツァルト:ポント王ミトリダーテ
  アレクサンドラ・クルザク、ブルース・フォード他
・ドニゼッティ:ポルトガル王ドン・セバスティアン
  ヴェッセリーナ・カサロヴァ、サイモン・キーンリサイド、他
・ニールセン:マスカラーデ
  マイケル・シェイド、カティ・ヴァン・クーテン他
・プッチーニ:西部の娘
  ホセ・クーラ、アンドレア・グルーバー他
・プッチーニ:蝶々夫人
  ヘレン・ジュリー・ジョンソン他
・ブリテン:ビリー・バッド
  サイモン・キーンリサイド、ジョン・トムリンソン他
・ティペット:真夏の結婚
  ウイル・ハートマン、アマンダ・ルークロフト他
・グノー:ロメオとジュリエット
    マイケル・マックブライド、アナ・リース他

以上、15演目16回ですがベスト3は、
 アルヴァレス、ハンプソン等の仮面舞踏会
 ネトレプコ等のリゴレット
 バルトリ等のイタリアのトルコ人
を選びます。仮面舞踏会は、主役3人の歌唱が揃いも揃ってとにかくすごかったし、演出もまあまあでした。リゴレットは、ネトレプコがもう魅力的な声と歌で、共演者のレベルも高く、大きな感動が得られました。イタリアのトルコ人も同じくバルトリが好調で、共演者もみんなすばらしく、とてもよく出来た舞台でした。
最も感銘を受けた歌手は、ネトレプコですね。次はいつ聴けるやら・・・
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by dognorah | 2005-12-31 20:37 | オペラ

Tsunami Gala録画放送(BBC)

今年の春にコヴェントガーデンで開催された津波被害者救済チャリティコンサートの模様が津波1周年の日にBBCから放送されました。地上ディジタル放送か衛星放送でないと受信できないチャンネルででしたので、見れなかった方からの要望を受けて内容を報告します。
このコンサートはロイヤルオペラ管弦楽団などオペラハウスの職員による呼びかけに応じて多くのオペラおよびバレーのアーティストたちの出演を得て開催されたものです。出演者はなかなか豪華メンバーです。

まず歌手の部門ですが、
c0057725_1563845.jpg1.Thomas Hampson:コープランド作曲の民謡を2曲。
  地味な曲ですがさすがという歌唱でした。ピアノ伴奏は音楽監督のパッパーノでした。

2.Katie van Kooten、Liora Grodnikaite、Robert Murray、Matthew RoseのROH Young Artists4人によるモーツアルトのレクイエムの1節。
  Kootenのいい声が目立ちます。マッケラス指揮。

3.Peter SidhomとJeremy White:ベッリーニの「清教徒」から2重唱。
  二人ともROHつきの歌手ですが、Whiteの低音がしっかり。ダウンズ指揮。

4.スコットランド出身のソプラノMarie McLaughlinによるスコットランドの歌2曲。
  ROHでは1回しか聴いたことのない歌手ですが、うまい人です。美人でもあります。パッパーノのピアノ伴奏。

5.ROHのコーラスによるブラームスのレクイエムの1節。

6.Simon Keenlyside:「セヴィリアの理髪師」から有名なフィガロの歌。
  無精ひげに燕尾服といういでたちですが、歌はさすがにうまい。この役で舞台に出たことはあるのでしょうか。みんなこれくらいポピュラーなアリアを歌ってほしいものです。やはり一番楽しかったと思います。マッケラス指揮。

7.Marcelo Alvarez:アルゼンチンの歌
  この歌がなかなか迫力があって、オペラのアリア並で、聴衆は大喜び。うまいです。パッパーノのピアノ伴奏。

8.Karita Mattila:シュトラウスの最後の4つの歌から1曲。
  歌っている顔はあまり美しくありませんが、歌はさすがです。気品のある表現がすごい。

9.Marcelo AlvarezとThomas Hampson:ビゼーの「真珠とり」から2重唱。
  あまりポピュラーとはいえないオペラですが、二人の歌はすばらしい。

10.Ha Young LeeとStephen O’Maraそれにコーラス:ヴェルディの椿姫から乾杯の歌
  コーラスも主役たちも全員豪華な衣装を着けての登場です。韓国人ソプラノHaは昨年までYoung Artists Programmeに参加していて、かなり注目を浴びている人です。ヴィオレッタのUnderstudyもやっていました。最初の出だしはちょっと緊張していましたが、後半からいい声を響かせています。Stephen O’Maraというアメリカ人テノールは聴いたのはこれが初めてですが、ちょっと地味な人です。

写真は上から、AlvarezとHampson、Keenlyside、Mattilaです。


バレーの方は、
c0057725_1572320.jpg1.Mara Galeazzi+Viachelav Samodurov:「Voices of Spring」

2.Miyako Yoshida+Yohei Sasaki:Rhapsody by Raphmaninov

3.Philip Mosley:木靴のダンス

4.ソリストも含む多数のバレーダンサー:Finale from Symphony in C

5.Leanne Benjamin:フォーレのレクイエム

6.Darcy Bussel+Gary Avis:ジョプリンのシンコペーション
  バレリーナとして理想的な美しい体を持っているバッセルを堪能できます。振り付けも衣装もすばらしい。

7.Zenaida Yonovsky:Song without a word

8.Tamara Rojo+Rupert Pennefather:ドン・キホーテからパ・ドゥ・デュ
  迫力たっぷり。Rojoの完璧な踊りが見れます。Pennefatherもまだ若いながらなかなかしっかりしています。長身で美形なのでこれからもてるかも。

9.Silvie Guillem+Jonathan Cope:マノンから最後のパ・ドゥ・デュ
  この組み合わせを見るのは初めてですが、とてもいいコンビです。Copeの安定感はすばらしく、先日見たMurruとのコンビよりもいい。Guillemも思いっきり身を任せて死を前にした最後の燃焼を表現しきっている感じです。

バレーはすべて見ごたえがありましたが、特に上でコメントしたBusselとAvisのシンコペーション、RojoとPennefatherによるドン・キホーテ、それにGuillemとCopeのマノンはすごいものでした。ギエムが映像を流す許可を出したのは珍しいことで、貴重なビデオが取れました。バレーの方がオペラ部門よりまじめに取り組んでサーヴィスがよかったという印象です。
写真は上から、吉田都と佐々木洋平、BusselとAvis、RojoとPennefather、GuillemとCopeです。
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by dognorah | 2005-12-29 01:59 | テレビ放送

高貴な白ワイン、コンドリュ(Condrieu)

主にフランスのローヌ地方で生産されている白ブドウ品種にヴィオニエ(Viognier)がある。シャルドネやソーヴィニョン・ブランといったポピュラーな品種に比べて圧倒的に生産量が少ないので、市場に出回っているワインは少ない。上記のポピュラーな2品種にはない独特の香りが好きであるが、それをきちんと伝える製品はなかなか少ない。特にフランス以外の国々で生産されたものは印象が薄い。

その世界的に少ない生産量の中でローヌ河沿いの国道86号線をリヨンから100kmぐらい南下したところにあるコンドリュ村で作られて独自のアペラシオンを形成しているAOC Condrieuはとてもすばらしいワインである。
ローヌ地方では最大手のワイン製造会社であるギガル(Guigal)もこのワインを手がけており、一般向けと高級品の2種類を市場に出しているが過去の私の印象はとてもいい。何本か買った高級品の瓶でたった一度だけであるが、むせ返るような花と各種果実の香りに圧倒されたことがある。しかし、残念ながらこのワインは日本では量販店でもよく見るもののイギリスではほとんど見ない。

c0057725_0272643.jpg今回紹介するのは左の写真に示すように、Domaine du Monteilletという会社の製品で、珍しく通販会社が売るというので即買った。
この手のワインは若飲みを念頭に作られているので、2003年のワインはもう飲み頃である。半年前に購入したときは2週間ほどワイン庫に寝かせてから飲んだがそれほど印象はよくなかった。もちろんヴィオニエの特徴はちゃんと出ているが、コンドリュとしての格の高さが弱いと感じた。その後時々思い出したように1本また1本と開けてきたが、それほど最初の印象は変わらないもののやや向上したかという感じはしていた。

ところが昨日久しぶりに開けてみたら、かなりおいしくなっている。何よりも桃とリンゴのほのかな香りをミックスしたような魅力的な香りが好もしい。口に含むといつもの通りの酸よりも果実味が圧倒する味わいでかすかな苦味がアクセントになっている。後数本残っているので、これは楽しみだ。

ヴィオニエに関する自慢話をひとつ。7-8年前の話だが、六本木のレストランにワイン好きが100名ほど集まって忘年会をやったときのこと。幹事が赤と白の2本のワインを用意し、ブラインドで参加者に飲ませて、ブドウの品種、生産地域、生産年を当てさせるゲームをやった。正解は、赤がブルゴーニュのピノ・ノワール、白がローヌのヴィオニエだった。私は生産年を除く4項目を正解し、なんと優勝してしまった。ピノ・ノワールを当てた人はかなり居たけれどヴィオニエを当てたのは私一人だったらしい。正解を聞くとあちこちで「ああ、そういわれればそうだ」という声が上がったけれど、幹事さんたちもマイナーな品種を出してちょっと楽しんだということだろう。
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by dognorah | 2005-12-27 00:43 | ワイン

「セヴィリアの理髪師」公演(12月21日)

ロイヤルオペラの新演出、12月19日がプレミエだったのですが私は来月に予定されている最終公演の切符を買っています。ところが、プレミエを見た人のレヴューを読み、待ち遠しくて居ても立ってもいられなくなり、本日行ってしまいました。

キャスト:
Gioachino Rossini: Il Barbiere di Siviglia
Conductor: Mark Elder
Directors: Moshe Leiser & Patrice Caurier

Figaro: George Petean(下の写真の左端)
Rosina: Joyce DiDonato(下の写真の左から2番目)
Count Almaviva: Toby Spence(下の写真の左から3番目)
Dr Bartolo: Bruno Praticò(下の写真の左から4番目)
Don Basilio: Raymond Aceto(下の写真の右端)
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この舞台監督は、私が過去に見たロッシーニのオペラである「シンデレラ」「イタリアのトルコ人」も手がけた人で、大体において舞台装置は緊縮予算系で統一されています。
今日の舞台も、簡素なもので、舞台いっぱいの大きな箱が奥の壁の上下や、窓とドアの工夫でバルトロの家の外側になったり、室内になったりします。

上に挙げた歌手はほとんど私は初めて聴く人たちですが、歌も演技も総じてとてもよく、演出の面白さもあってすごく楽しめました。
ロジーナを演じたディドナートはアメリカ人のようですがスタイルのよい美人で、気持ちのいい声を聞かせてくれます。第1幕第2場の有名なアリア「Una voce poco fa」では前半ちょっと声のかすれる部分があり完璧ではなかったものの歌唱そのものはよい出来で、全幕を通じて最大の拍手と歓声でした。この後は最後まで声の調子も快調。こういう魅力的な人が出演しているとは知らなかったので、思わぬ拾い物という感じです。

フィガロのペテアンはルーマニア出身のバスバリトンですが、男性陣の中では最も感心しました。歌のうまさも声も演技もすばらしい。観客席後方から現れて近くの観客に愛想を振りまきながら舞台に上るまで余裕たっぷりの歌と演技は、このコメディにぴったし。注目したい人です。その他の低音部はバルトロもバジリオもしっかりとした演技と歌唱でこの公演をしっかりと支えていました。

アルマヴィーヴァ伯爵のスペンスは声も歌もいいのですが、女の子を追いかける若い伯爵としても、もう少し歌い方に貫禄がほしい感じです。他のシリアスなオペラでどういう演技になるか見てみたいものです。

指揮のマーク・エルダーは過度に劇的になったり軽すぎたりもせず、中庸の程よいしっかりした音楽を作ってくれます。今回の席はオケピットの横なので、彼が目と表情で細かいニュアンスを伝えている様がよく見えて舞台と交互に見ると興味深いものでした。
写真は終演後の拍手に応える主な出演者です。
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今日はブログ上でお互いに行き来している「ロンドンの椿姫」さんと「Sarudanapalus」さんも一緒で、1回しかないインターヴァルはあっという間に時間が過ぎ、マチネーで時間的余裕もあったので終演後も感想合戦で、それも楽しいことでした。
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by dognorah | 2005-12-22 10:11 | オペラ

ICレコーダー

先日日本で求めたものにICレコーダーがある。半導体メモリーに音声を録音する器械で、イギリスには売っていないものである。日本ではほとんどの大手電機メーカーが製造販売しているが、その中でも音楽をハイファイでステレオ録音できるものはソニーとサンヨーが出しているだけ。今回は、扱っているファイル形式がmp3であるサンヨーのものを買った。モデルはICR-S310RMで、512MBのフラッシュメモリーが内蔵されている(写真)。
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周波数特性:40-15000Hz
ビットレート:128kbps(44.1kHZ)
録音時間:8時間50分

コンサートに行って、胸ポケットに忍ばせておくとFMラジオ並みの音質でステレオ録音できることが実証された。いろいろなコンサートに行くと名前さえ聞いたことのない現代作曲家の作品が立て続けに演奏されることがあるが、印象が散漫になってどれがどうだったかレヴューするのも困難になる。そういうときには後から時系列で聴き直せるので演奏中に感じた印象を思い出すことが出来、非常に重宝する。帰宅してから本体のUSB端子をPCに接続するだけで簡単にファイルを取り込んで直ちに大音量で再生できるのも便利である。どんなに長いオペラだってこれだけの録音時間があれば全く問題がない。
デフォルトの設定では、ボタンを押すたびにピッと鳴ったり、音声ガイドが再生されたりとうるさいが、オプションですべて無音に出来るし、録音インジケーターランプさえ消すことが出来るのでコンサートホールでこっそり録音するのにも適している。カメラと共に手放せない小道具である。
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by dognorah | 2005-12-21 09:29 | 日用品

ラニクルズ指揮BBC交響楽団演奏会(12月18日)

イギリス人でありながら主な活躍の場がアメリカやヨーロッパのオペラ劇場で、余りロンドンでは指揮をしないラニクルズ(Donald Runnicles)が夏のPROMS以来の登場ということで聴いてきました。

【1曲目】
メシアン作曲「神の現存の三つの小典礼」(1943-4年)
Olivier Messiaen – Trois petites liturgies de la Présence Divine

Piano:Steven Osborne
Ondes martenot:Cynthia Millar
Chorus:BBC Symphony Chorus(女声のみ)

この曲は、メシアンが戦争捕虜から帰還してすぐに発表したもので、構想は捕虜時代にあったとされています。初演は1945年にパリで行われています。自由になった喜びが元気よく表現されている感じがします。ピアノの使い方が印象的で、80%ぐらいは鍵盤の右半分しか使いません。鋭い高音と合唱のハーモニーが面白い。オンド・マルテノという珍しい楽器が使われていますが、第2次大戦前に開発された電子楽器だそうで、舞台写真でピアノの右側に写っている小型の電子ピアノみたいなもので、音は複数のスピーカーから出ます。様々な音が出せるようですが、この曲では風の音、口笛の音、水面に大き目の石を投げ込んだときのような音などが出ていましたがあまり自己主張的ではなく、特にこの楽器を使わねばならなかった必然性は感じられません。オーケストラは弦のパートが6人構成の小型です。
ラニクルズの指揮は無駄のない捌き方で、完璧なコントロール、最初から最後まで息もつかせず緊張感を持続させる説得力あるものでした。
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【2曲目】
デュリュフレ作曲レクイエム、作品9(1947年)
Maurice Duruflé – Requiem, op.9

Mezzo-soprano:Sarah Connolly
Baritone:Christopher Maltman
Chorus:BBC Symphony Chorus

デュリュフレは1902年生まれで、1908年生まれのメシアンとはほぼ同世代ということもあり両者は親交があったようです。デュリュフレの方がやはり伝統的な音楽に近い傾向があったようで、このレクイエムは彼のグレゴリア聖歌好みが反映されているということです。始まって直ぐはフォーレのような感じと思いましたが、演奏が進むにつれて、確かにグレゴリア聖歌的な趣が強くなり心に染み入る曲でした。とはいっても曲は楽器の種類も多いフルオーケストレーションで、曲想はダイナミックにうねり、力強さもたっぷりです。
演奏は、ここでも合唱がすばらしく、ラニクルズの指揮は隅々まで気を配った繊細なもので気品を感じさせます。独唱陣のサラ・コノリーは声量があり陰影に富んだ表現が印象的で感心しました。しかし、この曲、40分以上の演奏時間のうち彼女が歌うのはほんの数分なのです。後はずっと座っているだけというもったいなさ。バリトンのマルトマンは昨年ROHで見たコシ・ファン・トゥッテにグリエルモ役で好演した人で、今日も朗々としっかりした歌唱を聞かせてくれました。これも2回歌ったもののトータルでは数分でした。
写真は終演後の出演者たちです。
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今日は意図的に同世代のフランスの作曲家二人を選んで時節にふさわしい曲を演奏したものと思われますが、あまりポピュラーとはいえない作品で初めて聴いたにもかかわらずとても楽しめました。得にメシアンの作曲家としての力量に再び感心させられた夜でした。また、ラニクルズは一度オペラで聴きたいと思いましたが、今のところROHの予定はないようです。

今日のコンサートはなぜかバービカンの1階席のみに聴衆を入れての演奏でした。なぜかはよくわかりませんが。このホールはストールと呼ばれる1階席、サークルと呼ばれる2階席、およびバルコニーと呼ばれる3階席で構成されています。ストール席だけだと1200人ぐらいでしょうか。人数を絞りたかったのか、あるいは地味な曲であまり観客数が期待できなかったのか。
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by dognorah | 2005-12-19 23:56 | コンサート

気に入った和菓子

先般日本に帰ったときにいろいろな和菓子を求めてきた。客に出したり家族で食べたりであっという間になくなってしまったが、その中で最も評判のよかったものに敬意を表してここに紹介してみよう。
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それは松江市の「桂月堂」という店が作っている「薄小倉」という名前の菓子である。一個の外観は写真左に示すようなもので、大きさは約2cmx2cmx5cm程度、中身は右側の写真に示すように小倉餡を砂糖で固めた寒天に密閉してある。寒天の厚さは数ミリで、齧るとその寒天と中の小倉が絶妙なハーモニーを醸し、頬がほころぶ。甘味が非常に上品で、いくつでも食べたくなってしまう。日持ちは2週間程度で、海外に持っていっても安心である。

偶々銀座のデパートで全国の銘菓を紹介するイベントがあって見つけたが普段でもそのデパートで売っているらしい。
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by dognorah | 2005-12-18 01:53 | グルメ