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ジャクリーヌ・デュ・プレ

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この人が生きていたら今年で60歳になっていたという。
それを記念してBBCが作った番組を先日見た。放送はBBC4であったがあるいはBBC2で既に放送されていたのかもしれない。

2時間半にわたるものだが、彼女の演奏活動のビデオが中心で、若い時のバレンボイム、パールマンとの3重奏あるいは他のメンバーを加えた5重奏、さらにバレンボイムが指揮するオーケストラとの協奏曲の様子が頻繁に出てくる。ほとんどが白黒のビデオである。

私はこれを見て、バレンボイムが若いときから指揮をしていたことを初めて知った。ピアニストとして大成してから指揮を始めたのかと思っていたのだが。

この番組では、天才チェリストの演奏活動を音楽的交友関係の視点からまとめるとともに、彼女の病気の進行とともにだんだん演奏できなくなり果ては若くして死亡に至る過程を淡々と伝え、彼女を悼む内容になっている。

本や映画で広く知られた事実である姉夫婦との関係とか夫のバレンボイムとの確執など音楽に直接関係の無いことにはあまり触れられていない。私は原作を読んでいないし映画も見ていないが、その事実は伝え聞いているのでちょっと複雑な気持ちで見ていた。
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by dognorah | 2005-03-31 04:20 | 音楽

Tomoko Takahashi展

ロンドンのハイドパークにはケンジントン側とベイズウォーター側を南北に接続する形で2斜線の道路が走っているが、その道路より西側はケンジントンガーデンズと呼ばれる。ちなみに、その更に西側には故ダイアナ妃が住んでいたケンジントンパレスがある。

ケンジントンガーデンズにサーペンタインギャラリー(Serpentine Gallery)という名の小さい美術館があり(最初の写真)、主に前衛的なアートを展示する会場として使われる。
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ここでTomoko Takahashiという人の前衛アートが展示されているというので行ってみた。次の写真は主催側のweb pageから取った彼女の作品であるが、実物は約7600点にも及ぶジャンクを組み合わせて4つぐらいの部屋に展示してあった。捨てられた電気製品で音や光の出るものは通電されてノイズを出している。
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作者は展示を作るにあたり、この美術館に篭ってずいぶん時間を使ったと書いてあるが、片付けるのも大変だなというのが私の正直な感想である。

彼女は在英20年にも及ぶらしい。2002年には優れた現代アートに贈られるターナー賞にノミネートされたこともあるという。

しかし、残念ながらこの展示は私には理解できなかった。どなたかこの類のいわゆるジャンクアートへの接し方をご教示いただけたらありがたいのだが。
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もやもやした気持ちのまま外へ出て公園の空気を大きく吸った。
春の花はほとんど盛りに近い咲き方だが木々の芽吹きはもう少し時間がかかる。
写真は美術館前から西のほうを望んだ景色。
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by dognorah | 2005-03-30 02:17 | 美術

ロイヤルオペラのBBCライブ放送

今日は私が先日見たワーグナーのオペラ「ワルキューレ」のBBC中継放送が予定されていた。

しかし放送されたのは第1幕だけ。なんと、第2幕以降に出る予定のヴォータン役Bryn Terfelが急病で出演不可能となったためだという。

私が経験した「ラインの黄金」での口パクより程度が悪い。経験した限りでは初めてのことだが、なんとも高価な病気だ。第2幕と第3幕は後日公演されるとのことだが、他の配役やスタッフ、観客、BBCがすべて影響を蒙ることになる。どういう契約になっているのかはわからないが、後始末は厄介なことだろう。

単なる肉体的な不調なら時間をかけて完治してもらえばいいが、もし重圧から来る精神的なことが原因なら、ちょっと事態は深刻。そうでないことを祈る。
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by dognorah | 2005-03-29 06:20 | オペラ

フランスドライブ旅行(その18) -シャルトル大聖堂

今日で今回のフランスのドライブ旅行も終わりだ。夕方5時のフェリーを予約してある。
帰りのルートはル・マンからシャルトル(Chartres)経由でルーアン(Rouen)に行きそこから高速で一路ブーローニュへ。

シャルトルには美しいステンドグラスで有名な大聖堂(Cathedrale de Chartres)があり、私は一度見たことがあるのだが妻が初めてだというので本日唯一の観光コースに選んだ。

この大聖堂はその名の通り大きいので、車で近づくとかなり遠くからでもその姿を認めることが出来る。地平線上にかすかに浮かぶ姿は好奇心を掻き立てる。

しかし町に入ってしまうと建物に邪魔されてかなり近くに行かないと見えない。したがって道路標識でCathedraleを探して運転していくことになるが、まあ中心にあるので迷うことはなかった。どうせ駐車が難しいだろうと思ったのでまっすぐ地下の有料駐車場に入れる。

写真は建物だが大きすぎて一部しかファインダーに入らない。
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ステンドグラスは、たぶん正面の円形のものが一番見所なのであろう(次の写真)。
見るのは2回目のせいかあまり感動はなかった。ここより劣るのかもしれないが美しいステンドグラスはあちこちで見ているし、壮大なゴシック建築の教会も数え切れないくらい見てきたことも原因かもしれない。私としてはこの旅行記の最初のほうで書いたル・アーブルの新しい教会のほうが新鮮味があっていい。
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このあとルーアンという大きな町に入ったらまた道に迷って、同じところをぐるぐる回る羽目になった。なぜか港町のディエップだとかカレーといったところへ行く標識がメインの通りに無いのだ。実はこの町は初めてフランスドライブ旅行をした1994年にも迷った記憶がある。太い道路がいくつも走っているものの街の真ん中を流れている蛇行したセーヌ川に架かる限られた数の橋のせいで道路システムがより複雑になっているのだ。しかも交通量はものすごくある。道路幅も片側5車線ぐらいのところも珍しくないが、曲がりたいからといって一番右側の斜線を走っていたら強制的に右折させられたりする。

ともかく何とかディエップ方面へ行く道が見つかり、しばらく走っているとカレー方面の標識も出てきて高速道路に乗れて、ほっとする。後はただひたすら走るだけである。かなりの余裕を持ってフェリー乗り場にたどり着き、旅程も終了した。


最後にフランスをドライブするに当たって気付いて点をいくつか記しておこう。

まず道路事情であるが、基本的にイギリスよりインフラはいい。ただし道路標識はイギリスのほうがはるかに整備されている。また、高速道路で道を間違えたとき、イギリスでは道路を降りてすぐ逆方向に簡単に行けるシステムになっているが、フランスではそういうドジをする人には不親切で、いったん高速を降りたら一般道をくねくねと勘を頼りに行って逆方向に行く道を探し出さなければならない。更に、イギリスと大きく違う点は、高速道路が日本のように有料であるという点である。通行料も結構高い。日本と違う点は短い距離なら無料であることか。

ラウンドアバウト(日本ではロータリーというようだ)の数はイギリスと同じくらい多い。昔は右側から来る車が絶対優先だったのでラウンドアバウトの中の車は入ってくる車に注意しなければならなかったが、今は入ってくる車のほうが一時停止しなければならないというイギリスと同じシステムになっている。当初はイギリス式にするということはイギリスのほうが合理的だと認めることになるので反発もあったようだが、車の数が増加してどうしょうもなくなったらしい。

制限速度は一般道路ではほぼイギリスと同じで、郊外では100km、村の中では80km、市街地では50km程度である。かなり高速で移動できる。

高速道路の最高速度はイギリスの114kmより早い130kmである。数年前まではそこを150kmで走っていてもビュンビュン追い越されたものだが、最近は取締りが厳しくなってみなさん全体に速度は抑え気味である。

広い国土にイギリス以上に高速道路網が発達しているが交通量は多くなく、前後に車影が全く無いことも珍しくない。これは一般道路でもよくある。

次に、ボルドーのワイナリー訪問に関してであるが、どこも快く見学者を迎えてくれるものの予約は絶対に必要である。

予約は現地の宿がリーゾナブルな手数料でアレンジしてくれる場合が多い。自分でするという手ももちろんあるが遠隔地から行きたいシャトーに電話やFAXで連絡を取るというのも面倒なので、私は宿に依頼することをお勧めする。宿を予約するときにそういうアレンジをしてくれるところを選べばよい。

私が今回使ったところは、アレンジの代金はシャトー1箇所に付き6ユーロであった。宿の経営者は地元の人なのでいろいろ融通も利くと思う。現に、私が訪問したシャトーの人はフィリップのことはみんな知っていた。

以上で今回の旅行記を終わります。ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。
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by dognorah | 2005-03-29 05:55 | 旅行

クラシックのフリーコンサート

先日サウスケンジントンのインペリアルカレッジ前を歩いていて写真のようなポスターを見つけたので時間を作って行ってみた。エラートピアノ3重奏団である。お昼時のフリーコンサートと銘打っているが場所が教会のチャペルなので飲食はなし。
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Erato Piano Trioは今年の1月に結成されたばかりで、メンバーも二十歳そこそこの若い演奏家たちである。彼らはRoyal College of Musicの研修生という仲。男性ピアニストと女性ヴァイオリニストがイギリス人で女性チェリストがドイツ人である(右側の写真,終演後に撮ったもの)。

3人ともオーケストラと一緒に共演したりあるいは独奏者としていくつかのステージ経験があり、しっかりした技量の持ち主である。

本日演奏された曲目は、
(1) ベートーベン作曲ピアノ3重奏曲変ホ長調 作品1のNo.1
(2) シュニトゥケ作曲ピアノ3重奏曲

両方とも私は初めて聞く曲である。

最初の曲はベートーベンの第1号作品であるが既にハイドンやモーツァルトとは形式的にも内容的にも一線を画す作品となっている。親しみやすいメロディがちりばめられた聴きやすい曲である。

美しい音で構成のしっかりした演奏を聞かせてくれた。時折二人の弦楽器奏者の導入タイミングが合わないこともあったが作品を鑑賞するのに気になるほどのことはない。

2曲目の現代音楽はModeratoとAdagioの2楽章からなる作品であるが楽章の名前から想像するよりもはるかに激しくスケールの大きい曲であった。

現代音楽らしく不協和音が満載されているが、なかなかの名作と思う。あるいは、そう思わせるだけの入魂の力演だったと思う。目の前2メートルぐらいのところでの演奏は迫力があった。生演奏ならではの緊張感がたまらない。

この曲をもし自宅でCDで聴いていたならば、同居人がヒステリーを起こしてドアをばたんと閉めることだろう。不協和音はあまりスピーカーから聞くものではない。

しかし実演は違う。フォルテで演奏されるそれでも作品には必要なんだということが理解でき、作曲家のメッセージはしっかり伝わる。

初めて聴いた曲でこんなに楽しませてくれたこのトリオの実力恐るべし。今後の発展を心から祈りたい。

それにしてもこのすばらしいコンサート、聴衆はたったの10数名。平日の昼間でしかも教会のチャペルという普段人が集まらない場所だから仕方がないのかもしれないが、もったいない話だ。
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by dognorah | 2005-03-28 01:10 | コンサート

ロンドンのナショナルギャラリーにあるフェルメール

イギリスには全部で5枚のフェルメールがある。1枚はエディンバラにあるが、あとの4枚はロンドンにある。そのうち2枚はナショナルギャラリー、1枚はバッキンガムパレス絵画館、もう一枚はケンウッド美術館である。

過去にこれら5枚の絵はすべて見ているのだけれど、もう印象を書けるほどの記憶が残っていない。

ナショナルギャラリーにあるのは次の小型の油絵2枚(写真参照)で、最近改めて見に行ったので感想を述べてみたい。ちなみに、ナショナルギャラリーではメインの通路からちょっと外れた小部屋にこの2枚は飾ってあり、あまりわさわさした雰囲気ではないのが好もしい。
ヴァージナルズの前に立つ婦人 52x45cm
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ヴァージナルズの前に座る婦人 52x45cm
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この2枚は大きさが同じで、テーマも似ている、制作年代(1673-1675)も同じということで、もとからペアにして描かれた作品ということになっているらしい。最晩年の作品でもある。

ともに貴婦人の晴れやかな心の状態が顔の表情と壁にかかる絵画による寓意で表現されている。

立つ婦人の絵は窓から差し込む光による室内の具合がすばらしく、暖かくてしっとり落ち着いた様子がなんとも魅力的である。特に壁が名人芸で、近代の画家のユトリロの描く壁に相通ずるものがある。そういう状況は写真ではとても表せない点で、これは実物を見るしかない。そういう全体の構成から見て、絵としての完成度からは壁にかかるキューピッドの絵など無い方がいいと思うのだが。ドレスデンにある「窓際で手紙を読む少女」ではそのような寓意的意味を持つ装飾画は画家の手によって抹消された、ということだがこの絵でも抹消して欲しかった。

一方、座っている婦人が描かれているものは、光の来る方向が手前からというのはわかるが窓のように明示的ではない。その分、光の扱いがフェルメールのものにしてはおとなしい。しかし人物の存在がより必然性を感じさせる構成になっている。2枚の絵のどちらかを選べといわれたら絵画としてのバランスの点から私はこちらを選ぶ。人物と部屋の相互関係がしっくりしていて、より落ち着きがある、というかより味わいがある。ヴァージナルズの側面の装飾の仕上げなども精緻そのものだ。

去年か一昨年かもう忘れてしまったが、日本で開催されたフェルメール展がロンドンに流れてきてかなりの作品を見たのだが(悔しいことに真珠のイアリングの少女だけ省かれていた)、混んでいてじっくり見る雰囲気ではなかった。

この人に限らないが、絵画というものは一点をじっくり見ると相当印象が異なるものだ。

これからはそういう観点で見ていくことも真剣に考えようと思っている。とりあえずはロンドンにある残り2点を再訪するつもりである。
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by dognorah | 2005-03-27 01:49 | 美術

フランスドライブ旅行(その17) -ボルドーからロワールへ

9時ごろB&Bを出発する。フィリップとモニカが荷物の積み込みを手伝ってくれる。そして、フィリップがかつて自分が働いていたシャトー・ラ・トゥール・カルネ(Ch. La Tour Carnet、4級)のボトルを一本プレゼントしてくれた。さらにもう一本自家製のアペリティフも付け加えてくれる。これはワインとコニャックを混ぜたアルコール度20%ぐらいの甘口だ。ちゃんとラベルも自分で印刷したものを貼り付けて、まるで商品のよう。写真はそれらを並べて撮ったもの。
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その後昨日下見した道を一路フェリー乗り場へ行く。小型のフェリーだがダンプカーのような大型も混ぜて20-30台ぐらいが乗り込む(次の写真)。
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次の写真は船がメドックを離れたところ。
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ローカルなフェリー用桟橋という風情だ。乗ってから船内で切符を買う。二人と車で18.2ユーロだった。結構高い。船は中ノ島を避けながらジグザグに進み、20分ぐらいで対岸に着いた。

航行中に私の車のセキュリティアラームが頻繁に鳴った。しかたないからドアロックを解除したままにしたが困ったものだ。ひょっとしたらドーバーからブーローニュまでの船内でもずっと鳴っていたかもしれない。あのフェリーは航行中は車置き場に入れないから確かめようがないが。

対岸のブライ(Blaye)という町は商店がいっぱいでかなり賑やかな町だ。突っ切ってそのまま一路高速道路A10に向かう。高速道路に乗ればあとはそのままトゥール(Tours)まで一本道だ。

今日の予定はトゥールとル・マン(Le Mans)の間の小さな村にあるB&Bである。例によって前日に電話を入れて予約したもの。本当はその近くにある評判のシェフが営業しているB&Bに泊まってうまい夕食を食べたかったのだが満室でだめだったのだ。

フェリーを使用したおかげで今日の旅程はちょっと余裕があるので、トゥールの手前で高速を降りた。ヴィエンヌ川沿いにシノン(Chinon)を経由して走り、その川がロワール川に合流するソーミュール(Saumur)で川を渡って北上することにしたのだ。

ロワール川は水量もあり、いつ見ても心の和む美しい川だ。古城が点在しているのもいい。それで、天気もいいし久しぶりにシノン城とソーミュール城を訪問することにした。

まずシノン城であるが、かのジャンヌ・ダルクがシャルル7世と会見して軍勢を与えられたことで有名なこの城も今は廃墟だ(次の写真)。もともと英国領だったこの地に城を建設したのはヘンリー2世である。
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城は丘の上に立っているので入り口から反対側を見ると眼下にヴィエンヌ川が見える(次の写真)。
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丘を登る道からは次の写真のようにブドウ畑が見える。ここはシノンワインの産地でもある。ロワールワインはサンセールやプイイ・フュメなど白ワインがポピュラーであるが、これはカベルネ・フラン種だけで作る特長ある赤ワインだ。
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ここから20kmほど下流に行くとやや大きい町ソーミュールだ。やはり丘の上に立っているのがソーミュール城(次の写真)。この城は14世紀に建てられて以来ずっと使われてきたせいか傷みは少なく今は博物館になっている。それでも今回は一部修復中で博物館は閉じていた。
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次の写真は丘からの眺め。ここにもブドウ畑がある。シノンと同じくカベルネ・フランで作る赤が主なものだがソーミュール・シャンピニーという名前のものはシノンよりも上等である。
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B&Bは広い敷地にある大きな3階建ての館で、あてがわれた部屋は寝室もバスルームもゆったり過ぎるほど広い。天井の高さも4メートルぐらいありそう。しかし上階に住む家族が階段を上り下りしたり部屋を動き回るとかなり音が響く。内部はすべて木造なのだろう。食堂もだだっ広く、しかも家族はそこを使わないで済んでいる。

泊り客は我々以外は長期滞在者が一人居るだけであった。彼はル・マンのレース場でレーシングの練習に明け暮れている若者で、さすがにル・マンの近くという感じだ。レースをやるのはいいがスポンサーを見つけるのが大変なんだよ、とぼやいていた。

ここはオプションで夕食も取れるのでお願いしたが、おかみさんの素人料理で、まあおいしいけど特筆するほどではない。鷹揚な人で、翌朝の朝は所要でいないから宿泊費はテーブルの上にでも置いていってくれ、という。間違いがあるといやだから事前に支払ったが。(続く)
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by dognorah | 2005-03-26 01:28 | 旅行

日系コミュニティ誌廃刊

ロンドンで発行されている日本語のコミュニティ誌には「英国ニューズダイジェスト」と「ジャーニー」の2誌があったが(ともに週刊)、3月22日付で英国ニューズダイジェストが倒産してしまった。先週木曜日の分が発刊されなかったので、もしやと思ったのだが。

内容的にはこの方が好みであっただけに非常に残念である。最近、ジャーニーに比べて広告が少なくなっているので大丈夫かなと思っていたが、その危惧が現実のものとなってしまった。

いろいろハイブローな記事があったが、その著者の方々も原稿料未払いで困っているらしい。従業員ももちろんであろう。ロンドンは欧州で最大の日系コミュニティがあるとはいえ2誌が併存するほどの人口ではなかったということか。
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by dognorah | 2005-03-25 09:46 | 悲しい出来事

内田光子ピアノリサイタル

ロイヤルフェスティヴァルホールで開催されたピアノリサイタルに行った。

内田さんは私の大好きなピアニストだが、リサイタルを聴くのは久しぶりである。

実は、同じ日時にバービカンホールではチャイコフスキーコンクールで優勝という女性では前代未聞の快挙を成し遂げた上原彩子さんとロンドン交響楽団による協奏曲の演奏会があり、どちらに行くか迷った。上原さんはまだ見ていないからぜひこの機会にと思ったし、ほんとに決めかねて最後は鉛筆を倒して、というのは冗談だがえいやーで内田さんを選んだ。ロンドン在住の方なのでこれからも頻繁に聞くチャンスはあるのだが、今回はベートーベンのハンマークラヴィアを聴いてみたかったことが大きかった。彼女はモーツアルトを極め、シューベルトも完了したあと、今はベートーベンに没頭しているという自身のコメントをどこかで読んだからだ。

今日の曲目は、
1.ブーレーズ作曲: 12 Notations
2.シューベルト作曲: Sonata in C D840
3.ベートーベン作曲: Sonata in B flat Op.106(ハンマークラヴィア)

最初の曲は、10分程度の短い曲であるが、ドビュッシーの曲を髣髴とさせる音使いでまあ楽しめた。3月26日がこの作曲家(兼指揮者)の80歳の誕生日で、それを祝福するために内田さんが選んだ曲目。よい祝福だったと思う。

2曲目は、独自の世界を形作るシューベルトのピアノ音楽の特徴がここでもよく現れているが、シューベルトでは恐らく地味な作品と思う。比較的やわらかいタッチの演奏で、心地よい音が響く。同じ作曲家の作品でももっと聞き応えのするものがあるが、恐らくプログラム全体のバランスを考えての選曲と思われる(後述の内田さんのコメント参照)。

休憩を挟んで今日のメインプロが演奏される。この曲を何度聴衆の前で演奏されたのかは知らないが、内田さんはちょっと緊張気味というか張り詰めた精神状態で舞台に出てこられた。挨拶もそこそこに椅子に座るやいなや激しいタッチで演奏を開始。聴衆も固唾を呑んで緊張を共有する。

私はホールの右サイドに座っていたので彼女の表情もよく見えたが、シューベルトのときよりも豊かな表情の変化が見て取れた。完全に曲にのめりこんで我を忘れての熱演だ。ダイナミックレンジの広い第1楽章、一音一音が大事に奏でられる第2楽章、曲に秘められたエネルギーを保持したような第3楽章、聴くほうにもすばらしい緊張を持続させてくれる佳演だった。堪能した。終わるとブラボーの声とともに大きな拍手が持続する。

来てよかった。上原彩子さんのほうもきっとよかっただろうけど、それは仕方がない。

参考までに、プログラムにこのコンサートに関する内田さんのコメントが載っているので転載しよう。

「私たちの時代の最も重要な音楽家の一人、ピエール・ブーレーズが2005年に80歳の誕生日を迎えます。私の個人的なお祝いとして今夜のプログラムに彼の初期の作品であるDouze Notationsを加えました。

これによりプログラムが刺激的で挑戦的になります。現代作曲家ブーレーズを聴いたあとでは、死後長い時間の経ったベートーベンがそれよりさらに先鋭的であるかもしれないと考えうるでしょう。

ハンマークラヴィアソナタは彼の32曲のソナタのうちでもっとも壮大で、恐らくもっとも野心的なものです。そのフーガはスケールの点でも表現の点でも巨大で、技術的に難しいことは言うまでもありません。その作品の構成は聴衆に畏怖の念に満ちさせます。しかし緩除楽章にこそこの曲の本質があるのです。ベートーベン以外の誰もそのような深みのある曲を作らなかったのです。

これと対照的にシューベルトは簡素に思われるでしょう。それでも彼の奇妙なスピリットはひとつの違った世界に連れて行ってくれます。

3人の偉大な作曲家。

誕生日おめでとう、ブーレーズさん」
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by dognorah | 2005-03-24 20:15 | コンサート

ランチタイムジャズ

ロンドンでは頻繁に無料コンサートが開かれる。

ジャンルもクラシックの室内楽、ジャズなどいろいろ。

12時から2時までのランチタイムにロビーなど一般の人が出入りしやすい場所で開催されることが多く、ロイヤルオペラハウス、バービカンホール、ロイヤルフェスティヴァルホール、教会など競ってやっている感じである。

恐らく音楽の裾野を広げようということで演奏者や音楽ホールなどが協力し合っているのだろう。気軽にビールを飲んだりサンドイッチを食べながら生の演奏が聞けるのだから暇があれば行くようにしている。

今日の昼はロイヤルフェスティヴァルホールで開催されたジャズを聞いた。写真がそれ。
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PeteLetanka Trioというピアニスト主導のトリオで、バスはAndy Hamill、ドラムはWinston Cliffordである。休憩を挟んで1時間30分の演奏、楽しかった。

その間、バーがオープンしているので売り上げに少しは貢献したはず。

また私のように今夜のコンサートの切符を買う者もいるのでホール側のメリットもあると思う。買ったのは、内田光子さんのピアノリサイタルである。
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by dognorah | 2005-03-24 08:46 | コンサート