カテゴリ:音楽( 13 )

Westminster Abbeyでの礼拝

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私はキリスト教徒ではないけれどVIP席の入場券をもらったのでWestminster AbbeyのSpecial Serviceなるものに出席してみた。 音楽が聴けるからとのふれこみだったが、オルガンと聖歌のみであった。 席は祭壇とChoirの間で偉い人たちの行進もよく見えるし、説教壇もすぐそば。 The Lord of Mayor of Londonも出席していたらしいけど顔は見えなかった。
Serviceの名前はFestival of Saint Ceciliaというもので、主目的は「音楽家のための共催基金」集めだった。 St Ceciliaは音楽に関係ある聖人とのこと。 道理で音楽愛好家の私にも券が回ってきたわけだ。 また、この基金の役員をしていて最近亡くなった人へのメモリアルサーヴィスも兼ねていた。 3人の名前が印刷されていたが、その中には先般亡くなったサー・チャールズ・マッケラスも含まれている。
面白いのはWestminster Abbey(英国教会)のイヴェントながらSt Paul Cathedral(英国教会)とWestminster Cathedral(カソリック)の関係者も参加してそれぞれ代表者が聖書の一節を朗読していることで、聖歌隊は3者の集合体であった。 同行した英国人友人によるとメソジスト協会関係者も出席していたとのこと。 音楽がテーマだから宗派は関係ないということだろう。 
パイプオルガンの伴奏で少年達の歌う聖歌は非常に美しいものであった。 普段から練習に練習を重ねているのだろう。
礼拝は予定通り11時きっかりに始まり、12時ちょうどに終わった。 久しぶりにきちんとした時間管理を経験したがイギリス人もやろうと思えばば出来るんだ。
写真は当日もらったパンフレットをスキャンしたもので、本日の模様はほぼこの写真通り。 私の席は右側の祭壇に近い部分の前から4列目ぐらい。
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by dognorah | 2010-11-26 02:52 | 音楽

カラヤン指揮ヴィーンフィルのブラームス第3番

最近、コンサートに行っていなくて、代わりに見たいくつかの美術展もいまいちで記事にする気にもなれないので今日はCDの感想です。
題に挙げた曲は1961年にデッカによって録音されたもので、日本ではロンドンレコードから発売されたLPを愛聴していました。とても好きな演奏だったのです。それはイギリスに赴任するときに処分してしまいましたが、その後の彼のベルリンフィルによる新録音をいくつか聴いてもあまりしっくり来ず、もう一度あれを聴いてみたいと思っていたのでした。CDで再発されているはずと思い、折に触れ探していましたが、あまり熱心に探さなかったためか見つからずそのままにしていました。
c0057725_9424988.jpgそれを今日やっと聴くチャンスに恵まれたのです。当時のデッカ録音をまとめて9枚組のセットにしたもの(左の写真)に含まれていました。アナログ録音特有のノイズはあるものの音は想像以上に瑞々しい。柔らかい弦が醸しだすロマンティックな美しさの陰に潜むメランコリーが強調された演奏で、特に第3楽章は胸が締め付けられるような気分になります。全く昔感じたのと同じ、やはり名演だと思います。
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by dognorah | 2006-11-29 09:44 | 音楽

Classical Brit Awards

イギリスにこういう題名の賞があります。National Savings and Investmentsという会社が主スポンサーになって開催され、この1年間のクラシック界の活躍者が表彰されるというものです。2006年の授与式が5月4日にロイヤル・アルバート・ホールであり、私は行かなかったのですがTV放送が7日にありましたので結果とイヴェントの報告をします。

表彰式だけじゃつまらないので毎年ゲストを呼んで歌や演奏を披露するのですが、今年はプラシド・ドミンゴ、キリ・テ・カナワ、ロランド・ビヤソンなど有名どころが出演しました。
ドミンゴは丁度ロイヤルオペラの「シラノ・ド・ベルジュラック」に出演するのでいいタイミングであったわけです。翌日の金曜にドレスリハーサルがあり、初日が8日(月)です。最近体調を崩してMETの同じ演目では全部キャンセルしたそうですが、ロンドンは大丈夫そうです。12kgも痩せたそうですが、映像で見ると確かに痩せているし、とても年をとったなぁというやつれた顔でした。公称年齢65歳ですが年齢詐称しているという噂があり本当は70歳超えているとも言われていますが、まあしかしまだ歌えるというのはすごいことです。今回も最初に独唱で幕開けをし、最後はビヤソンとデュエットで締めくくって元気なところをアピールしていました(写真)。
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なお、今回はパッパーノの指揮で録音した「トリスタンとイゾルデ」がCritic’s Awardを取ったほかに、彼のこれまでのクラシック音楽界への貢献に対してLifetime Achievement Awardを授与されました。この賞はよほどうれしかったらしく、涙ぐんで挨拶も声を詰まらせる状態だったのが、金も名誉もほしいままにしてきたマエストロと思っていただけに、意外でした。下の写真はロイヤルバレーのプリンシパルダンサー、ダーシー・バッセルから祝福のキスを受けてご機嫌なドミンゴです。
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ビヤソンは特にオペラ出演予定がないのでこれだけのためにロンドンに来たのかどうか不明ですが、彼もデュエット以外に一曲独唱しました。

なお、各賞の受賞者は次の通りです。
・Contemporary Composer
   James MacMillan
・Singer
   Andreas Scholl
・Original Film or Musical Theatre Soundtrack Composer
   Dario Marianelli (Pride and Prejudice)
・Ensemble/Orchestral Album
   Takacs Quartet(ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲集)
・Critic’s Award
   パッパーノ指揮「トリスタンとイゾルデ」CD
・Instrumentalist
   Leif Ove Andsnes(ピアノ)
・Young British Classical Performer
   Alison Balsom(トランペット)
・National Savings and Investments Album
   Katherine Jenkins (Living A Dream)
・Lifetime Achievement Award
   Plácido Domingo
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by dognorah | 2006-05-10 18:35 | 音楽

プラシド・ドミンゴ国際オペラ声楽コンクール

オペラの出演者をネットで調べていると、よく上記題名のコンクールで入賞したなんて経歴に出くわすので、過去にどんな人が入賞しているのか調べてみました。
このコンクールは1993年にパリで初めて開催され、そのときはドミンゴ本人が4人の入賞者に賞金総額20万フランを提供したそうです。その後、彼の熱心な働きかけでスポンサーも付いたのでしょう、翌年から毎年異なった場所で開催されてきました。東京でも1997年に開催されていますね。応募資格は30歳未満であることと書いてあります。

1993年から2005年までの入賞者は次の通り。
出所はこちら
1993:(Paris)
Ainhoa Arteta, soprano (Spain)
Inva Mula, soprano (Albania)
Nina Stemme, soprano (Sweden)
Kwangchul Youn, bass (Korea)

1994:(Mexico City)
Simone Alberghini, bass (Italy)
Brian Asawa, countertenor (USA)
José Cura, tenor (Argentina)
Maria Cecilia Diaz, mezzo-soprano (Argentina)
Bruce Fowler, tenor (USA)
Masako Teshima, mezzo-soprano (Japan)

1995:(Madrid)
1) Sung Eun Kim, soprano (Korea);
Miguel Angel Zapater, bass (Spain)
2) Elisabeth Futral, soprano (USA);
Dimitra Theodossiou, soprano (Greece)
3) Carmen Oprisanu, mezzo-soprano (Romania)

1996:(Bordeaux)
1) Lynette Tapia, soprano (USA);
John Osborn, tenor (USA)
2) Phyllis Pancella, mezzo-soprano (USA);
Eric Owens, bass (USA)
3) Carlos Moreno, tenor (Spain);
Vittorio Vitelli, baritone (Italy)

1997:(Tokyo)
1) Carla-Maria Izzo, soprano (Italy);
Liao Chang Yong, baritone (China)
2) Jung Hack Seo, baritone (Korea);
Aquiles Machado, tenor (Venezuela)
3) Xiu Wei Sun, soprano (China)

1998:(Hamburg)
1) Erwin Schrott, bass (Uruguay)
2) Joyce DiDonato, mezzo-soprano (USA);
Ludovic Tezier, baritone (France)
3) Maki Mori, soprano (Japan)

1999:(San Juan)
1) Orlin Anastassov, bass (Bulgaria)
2) Rolando Villazón, tenor (Mexico);
Giuseppe Filianoti, tenor (Italy)
3) Yali Marie Williams, soprano (Puerto Rico)

2000:(Los Angeles)
1) Isabel Bayrakdarian, soprano (Canada)
2) Daniil Shtoda, tenor (Russia);
He Hui, soprano (China)
3) Robert Pomakov, bass (Canada);
Konstyantyn Andreyev, tenor (Ukraine)

2001:(Washington DC)
1) Guang Yang, mezzo-soprano (China)
2) Alessandra Rezza, soprano (Italy);
Hyoung-Kyoo Kang, baritone (Korea)
3) Maya Dashuk, soprano (Russia)

2002:(Paris)
1) Elena Manistina, mezzo-soprano (Russia),
Carmen Giannattasio, soprano (Italy)
2) John Matz, tenor (USA),
Stephane Degout, baritone (France)
3) Maria Fontosh, soprano (Russia)

2003:(Lake Constance)
1) Adriana Damato, soprano (Italy)
2) Giuseppe Gipali, tenor (Albania)
3) Israel Lozano, tenor (Spain),
Jesus Garcia, tenor (USA)

2004:(Los Angeles)
1) Woo Kyung Kim, tenor (South Korea)
2) Nataliya Kovalova, soprano (Ukraine)
3) Dmitry Voropaev, tenor (Russia)

2005:(Madrid)
1) Vasily Ladyuk, baritone (Russia),
Susanna Phillips, soprano (USA)
2) Joseph Kaiser, tenor (Canada),
Diogenes Randes, bass (Brazil)
3) Joshua Langston Hopkins, baritone (Canada),
David Menendez Diaz, baritone (Spain)

この中で私の乏しい知識でも知っている人は、93年のNiena Stemme、94年のJose Cura、98年のJoyce DiDonato、99年のRolando Villazónぐらいか。でも結構大物が出ているので、意義のあるコンクールなのでしょう。どんな分野でもコンクールで入賞してもなかなか芽が出なかったりぽしゃったりする場合が多いでしょうから、ここで入賞している人が舞台に立つにまで至った場合はかなり将来有望といえるわけで、聴いておいたほうがいいだろうと思う次第です。

で、なぜこういうものを調べようという気になったかといえば、来シーズンのロイヤルオペラの演目でダブルキャストが設定されているものがあり、さてどっちの方に行ったらいいものか判断に迷っていて、出演者をwebで検索したらこのコンクールで入賞という情報が得られたためです。その人の名前はGiuseppe Gipaliという2003年に入賞したアルバニア出身のテノールで、「仮面舞踏会」のリッカルド役を歌うことになっています。ダブルキャストのもう一方はRichard Margisonという50代のベテランで写真で見るとパヴァロッティみたいな風貌で、あまり好みの顔ではないので今回はGipaliにしようと思います。

ところで、入賞者の国籍を見てみると、韓国と中国がかなり多いです。将来はこういう人たちが世界のオペラ劇場を席巻するかもしれませんね。ロイヤルオペラでは既に中国人が活躍していますし。
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by dognorah | 2005-08-03 22:09 | 音楽

セルゲイ・ハチャトリアンのヴァイオリン演奏

BBC PROMSでショスタコーヴィッチのヴァイオリン協奏曲第1番を演奏したときのTV中継放送(7月29日)を見ての感想を。

演奏曲目:Shostakovich Violin Concerto No.1 in A minor
ヴァイオリン:Sergei Khachatryan
指揮:Vassily Sinaisky
管弦楽:BBCPhilharmonic

c0057725_195926.jpg今年のQueen Elisabeth音楽コンクールでダントツのパフォーマンスで優勝した二十歳のヴァイオリニストである(コンクールの様子についてはここが詳しい)。アルメニア生まれだが、同国の有名な作曲家と血のつながりがあるのかどうかは知らない。左の写真は演奏中のハチャトリアン。

まだあどけなさが認められる若さだが、演奏中は深い思索の顔になり、曲の表現に没頭しているさまが伺われる。ゆっくりしたテンポで思いっきり美しい音色を響かせるが、音色だけでなく洞察に満ちた深淵な表現でショスタコーヴィッチはこれ以外の解釈はありえない、と断言するがごとくの確固とした演奏である。非常に印象的で、この曲がショスタコーヴィッチの代表作の一つであることを強く納得させてくれる。先般、木嶋真優さんによる同曲のリハーサルを聴いたが、リハーサルであることを割り引いてもセルゲイの方が一枚上かなと思わずにはいられない。なお、管弦楽もヴァイオリンにぴったりと合わせた格調の高い演奏で、曲想をより盛り上げていた。

上記コンクールで優勝したおかげで、褒美として日本音楽財団所有のストラディヴァリウスを4年間貸与されているそうだ(参照)。
アンコールに無伴奏を一曲弾いてくれたが、それも哲学的な表現ですばらしかった。

ヴァイオリンをこの大ホールで聴くのは無謀と思って実演には行かなかったが、小さめのホールでやるときにはぜひ聴いてみたい。
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by dognorah | 2005-07-30 20:03 | 音楽

ストラヴィンスキーのオペラ「ナイチンゲール」

ロンドンで7月15日から9月10日まで開催中の音楽祭BBC PROMSでは期間中毎日少なくとも一回のコンサートが公演されるが、普段あまり聴けないイギリス初演や世界初演を含む珍しい曲もいっぱい演奏されるので目が離せない。また、大規模な合唱団を含む曲なども積極的に取り上げられる。23日までの9日間に開催された12回の公演の中だけでも、
 Tippett: A Child of Our Time
 Gilbert & Sullivan: HMS Pinafore
 Purcell: The Fairy Queen
 Vaughan Williams: A London Symphony (original version)
 Vaughan Williams: A Sea Symphony
 Stravinsky: The Nightingale
といった大曲が演奏された。

今日はこの中で、ストラヴィンスキーのオペラ「ナイチンゲール」のコンサート形式の公演をTVを通して聴いた感想を述べることにする。

これは1908年から13年ごろに書かれた上演時間50分程度の短い3幕形式のオペラで、アンデルセンの物語を基にロシア語で書いたものである。舞台は中国である。短かすぎて普通のオペラ劇場では上演しにくい演目だろう。DVDでも本編50分に対してBehind the Sceneなどのフィーチャーが50数分付いて、苦労している様子だ。

1908年に第1幕を完成した後、ニジンスキーの急な依頼で「火の鳥」「ペトルーシュカ」「春の祭典」の3大バレーの作曲に没頭せざるを得ず、オペラの完成は5年後にずれ込むのである。この5年間に、リムスキーコルサコフの忠実な生徒から大作曲家に変身したために後半部はストラヴィンスキーの特長が良く出た作品となっているようだ。春の祭典に使われたメロディなども出てくるし。

オペラのあらすじ
漁師がナイチンゲールの美しい歌声を聞いて心の平安を感じているとき、皇帝からその鳥を捕まえて来いと命令を受けた宮廷の人たちが現れ、ナイチンゲールを連れ帰る。皇帝はその声を聞いて魅了されるが、そのとき日本の天皇からの使節が到着し、贈り物として機械仕掛けのナイチンゲールを進呈する。人々がその精巧な出来に目を奪われている様を見てナイチンゲールは宮廷を去る。しばらくして、皇帝が重い病に倒れ、人造ナイチンゲールの声では癒されない気持ちでいるときに再び本物のナイチンゲールが現れ、その声により死の床から脱する。皇帝はお礼に何でもするので宮廷に留まってほしいと懇願するが、ナイチンゲールは自由を選んで元の場所に戻り、漁師は再び心の平安を取り戻す。

演奏は、
 Nightingale: Olga Trifonova
 Cook: Ailish Tynan
 Fisherman: Evgeny Akimov
 Emperor: Sergei Leiferkus
 Chamberlain: Darren Jeffery
 Bonze: Daniel Borowski
 Death: Irina Tchistyakova
 合唱:BBC Singers
 管弦楽:BBC Philharmonic
 指揮:Gianandrea Noseda

c0057725_2314527.jpg今回初めて聴いた曲だが、ほとんどロシア系と思われる歌手達が充実しているし、管弦楽もすばらしい演奏でとても楽しめた。特にナイチンゲールを歌ったソプラノのOlga Trifonova(左の写真のトップ)に深い感銘を受けた。高音まで楽々と出る美しい声でニュアンス豊かな表現だ。既にこの役でCDを出しているので第一人者なのだろう。イタリアオペラなども聴いてみたいものだ。
同じくソプラノのAilish Tynan(左の写真の上から2番目)は、以前ロイヤルオペラの「魔笛」でパパゲーナをやっていた人で、舞台で小さい人だなぁと思っていたけど、今回ほかの歌手と並ぶとほんとに小さい人であることがわかる。とても愛らしい声を出す人だ。
テノールのEvgeny Akimov(写真上から3番目)も印象的な声だ。このオペラの冒頭はこのテノールによる漁師の歌なのだが、美声でぐっと引き込まれた。
皇帝役のバリトンSergei Leiferkus(写真上から4番目)もあまり印象はないがロイヤルオペラの「ボリス・ゴドゥノフ」で聴いたことがある。本日、陰影に富んだうまい歌だけどもう少し声量がほしいと思った。もう若くなさそうなのでこれ以上無理かな。
マンチェスターを本拠地とするこの管弦楽団の常任指揮者Gianandrea Noseda(写真一番下)はイタリア人らしいが、セント・ペテルスブルグのマリンスキー劇場の主席客演指揮者も勤めていて、オペラのレパートリーも広いらしい。しっかり音楽を作る今日の指揮振りを見て私の好感度はとても高くなった。いい指揮者だ。
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by dognorah | 2005-07-24 23:24 | 音楽

ロンドン交響楽団リハーサル – 7月5日

c0057725_945539.jpg今回は、左の写真に示しましたが、ウクライナ生まれの現代作曲家Efrem Podgaits(1949-)の交響曲第2番のリハーサルを公開してくれました。
指揮は先月と同じロストロポーヴィッチです。これは6日の定期公演で演奏されるものですが、それが世界初演だそうです。私はこの作曲家のことは今回初めて知りましたが、オペラや管弦楽に室内楽も含めて沢山作品があるようです。リハーサルには作曲家自身も来ていました。我々聴衆と同じ階上のレベルで指揮者の真後ろに譜面を広げて座っています。

オケはかなりの大編成で、通常の弦以外にハープ2挺、グランドピアノ、チェレスタ、木管15人、金管13人、打楽器5人です。

最初に指揮者が解釈についていろいろ説明して、楽員がそれを該当するページに書き込んでいきます。午前中の続きらしく、まず第4楽章から演奏を始めました。
途中、時々指揮者と作曲家が会話します。
 指揮者「おーい、作曲家!ここはこういう解釈でいいか?」
 作曲家「ハラショー!」
てな感じです。
でも時々、ロシア語でちょっと長いやり取りをして、結果をロストロポーヴィッチが楽員に説明し、作曲家が直接楽員に指示することもありました。この人の英語はロストロポーヴィッチよりちょっとましですが、やはり下手。

c0057725_961729.jpg第1楽章から第3楽章までも同様に進め、休憩。休憩中は作曲家が下りて楽譜を前に指揮者、時にはコンマスも含めて打ち合わせをしていました。左の写真がそのスナップです。真ん中の人が指揮者で、手前の人が作曲家です。再開後は、作曲家は指揮者のすぐ後ろに座って、言いたいことがあるとロストロポーヴィッチのところに近づいてごにょごにょ言っていました。もう一度第4楽章を最後まで仕上げたところで本日は終わり。

この曲は全体を聴いてみると、かなりショスタコーヴィッチ的な作品です。ところどころにチャイコフスキーを思わせるようなスラブ的要素がちりばめられています。演奏時間は推定ですが40分ぐらいで、結構聴き応えがありました。

定期演奏ではベートーベンのヴァイオリン協奏曲をヴェンゲロフの独奏でやることになっているので、それのリハーサルもやってくれるのかと思ったけれど残念ながらそれはなかったです。午前中に済ませたか、あるいは翌日のゲネプロだけで済ませるつもりなのかもしれません。何しろポピュラーな曲ですから。ヴェンゲロフが登場しないと知るとさっさと帰ってしまった人もいました。

これで今シーズンの公開リハーサルは終了です。
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by dognorah | 2005-07-06 09:14 | 音楽

木嶋真優さんの演奏評

先日このブログで紹介した「ロンドン交響楽団リハーサル」の本番演奏会は6月2日に行われました。私は別のイベントがあったため聴けませんでしたが、イギリスの高級紙Guardianにその演奏批評が掲載されましたので木嶋真優さんの分を翻訳してご紹介します。

「Mayu Kishimaはショスタコーヴィッチの最初のヴァイオリン協奏曲の独奏者として見事な演奏を披露した。輪郭のくっきりした輝かしい音色は最終楽章を奔放なヴィルトゥオーゾのショーケースと化しただけでなく、スローな第3楽章においてもより暗い内面の世界と光り輝く変奏曲を描いて見せた。Kishimaはまだ10代後半であるが、最も印象的であったのは、特に最後の二つの楽章を繋ぐ巨大なカデンツァにおいて、すすり泣くようなグリッサンドから荒れ狂うヴィルトゥオーゾ的エネルギーにまで発展させることの出来る演奏の幅の広さである。」

この評の著者は、そのあとに演奏されたチャイコフスキーの交響曲第4番に関しては手厳しい批評を載せていますが、木嶋さんに対してはこのようにかなり好意的な評でした。
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by dognorah | 2005-06-06 06:18 | 音楽

ロンドン交響楽団のリハーサル

c0057725_440252.jpg現在ロンドンで実力一番といわれているロンドン交響楽団が毎月一度だけリハーサルを公開していることを知り、練習場であるSt Luke’sというBarbican Hallの近くにある元教会に駆けつけた。参考のために外見と内部の写真を掲げる。
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感心したのは、ロンドン交響楽団がかなりのお金持ちであること。練習場としての目的でこの建物を買い取り、コンサートも開催できる程度にまで内部を改装したのだ。元教会だけに窓が多いので、内側から丈夫な金属フレームに嵌められたガラスをすべての窓に取り付けるなど防音処置を施し、天井と床は板張り、太い鉄の柱を4隅に立てて天井を支えると共に照明装置なども設置してある。さらに観客席(300席程度)を1階の一部と2階のギャラリーに設けてある。音もいいのだ。この改装費だけでも何億円とかかるだろう。

c0057725_4465491.jpgさて、本日のリハーサルは、ロストロポーヴィッチの指揮でチャイコフスキーの交響曲第4番と、ショスタコーヴィッチのヴァイオリン協奏曲第1番である。ヴァイオリン独奏は、木嶋真優という19歳の才媛(左の写真)。

チャイコフスキーは、いきなり演奏開始、金管が終わって弦が鳴り出すとすぐにストップさせて注文をつける。この有名なチェリスト兼指揮者、国際的キャリアーが長いものの、いかにも外国人という感じの下手な英語にまずびっくり。あまり細かいところは指示が100%は伝わらず、コンマスとチェロのトップがしょっちゅう指揮台の譜面のところにやってきて確認している。遠くの楽団員からは質問も発せられる。自分の譜面を指揮者に見せて違うんじゃない?なんて感じの場面もある。ということでこれは時間がかかるぞと思っていたらポイントを数箇所やっただけですぐに第2楽章へ。ここはトランペットとトロンボーンは演奏場面がないので、彼らはさっさと練習場を出る。コーヒーでも飲んでいるのかしら。第2楽章も結構やり直し場面があった。気に食わないフレーズをロストロポーヴィッチが、腰に手を当てて体をふにゃふにゃくねらせて、お前らの奏でるメロディはこんなだよー、とやって笑わせる。そろそろ第3楽章が始まろうかというときにはちゃんと金管連中も席に戻る。こういう調子で各楽章のポイントポイントだけをみっちり練習。曲は冒頭部分と終曲の部分はなぜかきっちりと演奏されたが通しての演奏はなし。リハーサル時間は50分で終わり。思うに、午前中にもリハーサルをやっていたのだろう。ここでずいぶん沢山の楽員が帰った。逆に新登場の楽員もいる。

しばし休憩の後、ソリストの木嶋さんと一緒に指揮者が登場。初顔合わせらしく、指揮者が木嶋さんをみんなに紹介していた。彼女全く物怖じしないで、いきなり冒頭部分を引き始め、オケも追随する。そのまま第1楽章を中断なしで終える。全く問題がないということですぐに第2楽章へ。
ところが第2楽章は問題だらけらしく、オケに対して何度も何度もやり直し。第3楽章も第4楽章もそうだった。第4楽章など通して2回も演奏した。そのたびに終了後楽員が彼女へ拍手を贈る。この曲、第2楽章は不協和音の単調な繰り返しがあってちょっと退屈だが、第3楽章は美しく、第4楽章は楽想もちりばめられ、強弱の変化も富んでいてとてもすばらしい。とにかく、初リハーサルのせいかこの曲だけで80分ぐらいの時間を使った。翌日がバービカンホールでの本番なので、きっと後はいわゆるゲネプロを本番直前にやるだけなのだろう。リハーサルというのは意外に短いんだなーと思った次第。指揮者にもよるだろうけれど。

リハーサル中、ロストロポーヴィッチ氏はオケに注文をつけるだけで木嶋さんにはあまり指示はしない。これから察するに、指揮者はソリストと既に綿密な打ち合わせを済ませているみたいであった。あとでWebで調べると、ロストロポーヴィッチ氏はモスクワで彼女のブラームスの協奏曲を聴いて以来、世界最高の若手ヴァイオリニストと評価し、自分の指揮するあちこちのオケと共演させている。したがってこの曲もどこかで弾いているはずである。

木嶋さんは13歳のときにポーランドのヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクール・ジュニア部門で最高賞(1位なしの2位)を獲得したのを手始めに世界各地で賞を取っているらしい。今年始めから世界中のオケと協奏曲の予定が沢山入っているようだ。

ロストロポーヴィッチ氏、昔チェロも指揮も見たことがあるはずで、割と背の高い人だった印象がある。しかし今日間近で見ると意外にずんぐりむっくりだった。あれーという感じ。太ったせいかしら。リハーサルは精力的で、時には指揮棒で譜面台をたたきながら拍子をとったり、指示をがんがん飛ばしながらコントロールしたり。オケのリハーサルというものをビデオ以外で見るのは初めてだけれど、すごく面白かった。来月も行こうと思う。

ショスタコーヴィッチでは、ハープを2本使うがそれが第1楽章だけなのだ。で、第2楽章に入ると、二人のハーピスト、さっさとハープをケースに入れて台車に乗っけてごろごろさせながら帰っちゃった。とにかく自分の出番がなくなると即退出するというのが面白い。
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by dognorah | 2005-06-03 04:50 | 音楽

ウエストミンスター寺院の夕べの祈り

c0057725_18523164.jpgWestminster Abbey(写真)でChoral Evensongという催物があり、ウエストミンスター合唱団とセント・ジェームズ・バロックというアンサンブルが出演するというので行ってみた。この中で音楽を聴くという機会はそれほど頻繁じゃないと思ったからだ。

出演者は、男声合唱団と少年合唱団、それに上記アンサンブルとオルガニストである。入場無料ですべての人に解放されていたが、用意された席の半分ぐらいしか埋まらなかった。赤いガウンのようなものを着た修道士たちが大勢取り仕切っていた。クラシック音楽を放送するBBCのRadio 3で生中継されるというので音楽イヴェントだと思っていたが、音楽の合間には聖書の一節を読むなど完全に宗教的儀式であった。聖書を読むときは起立させられたり、一緒に唱和させられたりで、聴衆も結構忙しい。

UKで最も格式の高いこの寺院、天井も思いっきり高く、さすがに音はよく響いて美しいアンサンブルであった。取り上げられた作曲家は、Bertani、Tomkins、Shutz、Monteverdi、Philips、Castello。

こういう場では男声合唱と少年合唱だけでなぜか女声合唱がない。大体教会付属の合唱団で、女声合唱団なんて聞いたことがない。少年合唱隊がその代わりをするものと見える。そういう環境だから昔から教会関係者には少年を性的対象者にするpedophileが多いんだろうなと思った次第。
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by dognorah | 2005-05-27 18:55 | 音楽