カテゴリ:コンサート( 447 )

東北大震災チャリティコンサート

2011年3月15日、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ大使館にて。

Chopin Piano Recital for the aid of the victims of the earthquake in Japan
at the Embassy of Bosnia & Herzegovina

Henri Barda: piano

6 Mazurkas
2 Nocturnes
Piano Sonata No. 2 in B flat minor (Opus 35)
24 Preludes (Opus 28)

このコンサートは東北大震災の前から企画されていたもので、私も以前から切符を買っていたのですが、急遽チャリティコンサートに切り替えられました。演奏者のアンリ・バルダ氏も今日と明日に予定されているコンサートの出演料をすべて寄付することを申し出られました。元々の企画はMarylebone Champagne SocietyとMarylebone Arts Associationの両者によってなされたもので私は前者の会員です。しかし今回は幹事役のMadam Wさんの努力で、多くの日本企業や地元企業に加えてフランス大使館とボスニア・ヘルツェゴヴィナ大使館の協力が得られました。いつもはこの手のコンサートでは演奏開始前のシャンペンは飲み放題なのですが、今日は2杯目以降は一杯5ポンドを徴収して寄付金を増やすように計らわれました。

ピアニストのアンリ・バルダは1941年エジプト生まれのフランス人で、現在パリの著名な音楽大学の教授を務めています。Madam Wさんとは数十年にわたるつきあいがあるとのことです。
                    Henri Barda
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なお、今回使用されたグランドピアノは1890年代に作られたスタインウエーだそうですが、この大使館にはピアノがないためMadam Wさんが自宅から持ち込んだものということです。彼女の説明では古さ故に完璧な状態とは言えないということですが、登場したピアニストは「いや、これはすばらしいピアノだよ」とコメントして座るやいなや演奏を始めました。
最初のマズルカからピアノソナタ第2番まで一気呵成に弾いてしまったため途中で拍手を入れることも出来ませんでした。そして休憩後は24の前奏曲。とても骨太の力強い音で、演奏スタイルは全くのスタンダードという印象で、さすがに教授らしいものです。ちょっと一本調子ではあったもののショパンを得意としているらしく、すべて大変楽しめました。

演奏終了後は再びシャンペンとカナッペで談笑。フランス人客も多くてピアニストは彼らに取り囲まれていました。
とても楽しめた集いではあったものの、やはり日本のことが気がかりで、ちょっと複雑な気持ちで帰途についたのでした。ロンドンではほぼ連日このようなチャリティコンサートが開催されていて多くの人にアピールしています。欧米人も精神的に応援してくれる姿勢が強く感じられて感謝の気持ちで一杯ですが、その一方福島原発への懸念から現地自国民へ退避の勧告を出すなどこちらも気持ち的には複雑ですね。
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by dognorah | 2011-03-17 19:21 | コンサート

再びヴィルヘルム弦楽四重奏団

2011年3月10日、St Peter's Church at Eaton Squareにて。
教会内部。後方には美しいパイプオルガンもあります。
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Mozart: String Quartet No. 21 in D major (K. 575, "Prussian 1")
Shostakovich: String Quartet No. 11 in F minor (Opus 122)
Mendelssohn: String Quartet No. 6 in F minor (Opus 80)

The Wilhelm Quartet

昨年10月にかなり感銘を受けた団体の演奏会に再び行きました。前回はヴィオラ奏者が男性だったけれど、今回はなぜか女性奏者になって、全員女性の四重奏団です。
演奏は相変わらずすばらしくて大変楽しめました。特に2曲目のショスタコーヴィッチ には本当に参りました。初めて聴く曲ですが、名曲だと思います。卓越した演奏が名曲を名曲として際だたせていました。4人の弾くそれぞれの楽器の音が特に融け合うでもなく自己主張しながらも全体としては深い感銘を与えてくれる演奏で、至福の時でした。
1曲目のモーツァルトも前回の22番と同様に全身で音楽に浸っている感じの愉楽を与えてくれました。彼らの解釈がぴたっと私のツボにはまる感じ。
尤も3曲目のメンデルスゾーンはいまいち理解できない曲で、他の2曲に比べて印象が薄いのですが。
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by dognorah | 2011-03-13 10:15 | コンサート

ルカ・ピサロニのリサイタル

2011年3月6日、ウイグモアホールにて。

Luca Pisaroni: baritone
Wolfram Rieger: piano

Programme
Schubert
* Il modo di prender moglie
* L’incanto degli occhi
* Il traditor deluso

Rossini
* La promessa
* L'esule
* L'orgia

Liszt
* Im Rhein, im schönen Strome
* Vergiftet sind meine Lieder
* O lieb, so lang du lieben kannst
* Die Vätergruft
* Tre sonetti di Petrarca

ルカ・ピサロニは2009年10月にマレーナ・エルンマンと共演して「ダイドーとイニーアス」を歌った人ですが、それ以来名前は覚えているもののもう一度聴く機会もないまま今日まで来てしまいました。今回は舞台から2列目という近いところで見たら、思っていたより遙かにハンサムな人だとわかりました。女性のオペラ仲間たちが来ていたのはそのせいだと気付いた次第です。ベネズエラ生まれながら幼少時にイタリアに移住したのでほぼ生粋のイタリア人なんでしょう。1975年生まれの若い人です。会場にいたオペラ仲間に教えてもらいましたが先日マーラーの「大地の歌」で聴いたばかりのトーマス・ハンプソンが聴きに来ていました。ピサロニは彼の娘婿だそうです。
このリサイタルではバリトンと記されていましたが実際に声を聴くと上記オペラの時に書いてあった通りバスバリトンですね。声は堅めの迫力あるもので声量もあり、とてもしっかりした歌唱です。
プログラムはイタリア語歌詞のシューベルトという珍しいものからロッシーニとやはりイタリア語にこだわるのかと思えば次のリストはドイツ語でした。しかしリストの歌曲というのも珍しい。最後の3曲のソネットはイタリア語ですが。アンコールはリストなのかシューベルトなのか知りませんがまたドイツ語でした。そのディクションもしっかりしているので、かなりドイツ語は得意なんでしょう。ただ歌曲の印象としては、ロッシーニを除いて暗くて重めのものを選んだせいか、イタリア語だろうとドイツ語だろうと印象的にはほぼ同じで、ちょっと一本調子なのが気になりました。
各歌とも楽しめましたが、リストのDie Vätergruftは劇的な歌い回しが特に気に入りました。
この夏に彼のレポレッロを聴く予定なので楽しみです。

Luca Pisaroni
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Luca Pisaroni & Wolfram Rieger
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by dognorah | 2011-03-07 10:31 | コンサート

アカデミー・オヴ・セントマーティン・イン・ザ・フィールズ演奏会

2011年3月4日、カドガンホールにて。

Academy of St Martin in the Fields
Joshua Bell: violin
Steven Isserlis: cello
Ian Brown: conductor

Haydn: Symphony No.13 in D major
Mendelssohn: Symphony No.4 'Italian'
Brahms: Double Concerto for violin and cello

この室内管弦楽団を聴くのはとても久しぶりですが、やはり上手いものです。とても楽しめたコンサートでした。弦の構成は6-6-6-4-2でした。
まず1曲目のハイドンは、指揮台にチェロを持ったスティーヴン・イッサーリスが座り、弾き振りをやりました。第2楽章になると彼はやおら椅子を反対向きにして聴衆の方を向いて弾きます。この楽章ではチェロが協奏曲のように活躍する場面があり、彼はこれをやりたかったから弾き振りにしたのね、と納得。第3楽章以降は元通りオケの方を向いて弾き振りです。演奏はそれはもう生き生きとしたハイドンですばらしいものでした。

2曲目のメンデルスゾーンは、今度はジョシュア・ベルが弾き振りをやりました。といっても指揮者の位置ではなく、コンサートマスターの隣に座って第1ヴァイオリンのパートを一緒に弾くのです。時折演奏をしないで弓で指揮をします。この人はひょっとして指揮者志向なのでしょうか。もう今年44歳になるので可能性はありますね。演奏はこれまたすばらしく、壇上の奏者がすべて音楽を楽しんでいるのがわかるくらい音楽をしている感じです。そしてベルは類い希な音楽性を持った人なんだなということも実感しました。彼の煽りでオケはそれはもう力強い「イタリア」を演奏したのでした。この曲でこんなに満足したのは初めてです。ブラヴォー!
彼はロンドンでの露出度が高いので調べたらRoyal Academy of Musicの教授をしているのでした。それで定期的にロンドンに来なくてはならないわけです。

最後の曲になってようやく専任の指揮者が登場します。イッサーリスのチェロはガット弦なので音が小さく、ベルのヴァイオリンの方が音量があってちょっとアンバランスと思えるところはありますが音楽する心は人一倍のイッサーリスは演奏でそれを補うかのように情熱的にチェロを響かせます。ここでもオケのアンサンブルはすばらしく、よくまとまった音楽となりました。

Joshua Bell & Steven Isserlis
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右端手前が指揮者Ian Brown
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by dognorah | 2011-03-06 03:03 | コンサート

ゲルギエフのマーラー第9

2011年3月3日、バービカンホールにて。

Mahler Symphony No 9
Mahler Symphony No 10 (Adagio)

Valery Gergiev conductor
London Symphony Orchestra

つい先日エッシェンバッハ指揮LPOで同じ曲を聴いたばかりですが、切符を買った1年ぐらい前にはそういうことに気付いていなかったので偶にこういうことが起こってしまいます。それにしても最近聴いたマーラーの交響曲は、4番、3番、9番、大地の歌に続いて今日の9番で、もうしばらくは避けたいところです(^^;
今日の演奏は特に悪くはないものの先日のエッシェンバッハの方が楽しめました。木管などゲルギエフの趣味を反映しているのでしょうけれど、もう少し柔らかく演奏してほしいです。第1楽章前半ではなかなか行ける演奏かなと思わせるもののその後あまりついて行けず。アダージョの演奏もそれほど納得できないし。
終わった後インターヴァルがあって第10番のアダージョが演奏されるプログラミングが何とも我慢できなくて聴かずに帰ってしまいました。こちらの体調にも責任があるような気がしますが今後こんなに根を詰めて聴く日程はやめようと決心しました。
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by dognorah | 2011-03-06 01:50 | コンサート

トーマス・ハンプソン+クラウス・フローリアン・フォークト+アントニオ・パッパーノ

2011年2月27日、カドガン・ホールにて。

At Gadgan Hall on 27 February 2011
Orchestra of the Royal Opera House
Antonio Pappano: Conductor/Piano
Thomas Hampson: Baritone
Klaus Florian Vogt: Tenor

Programme:
Mahler: Piano Quartet Movement in A minor
Wagner: Siegfried Idyll
Mahler: Das Lied von der Erde (chamber version, arranged Schoenberg completed Rainer Riehn)

ROHオケといってもトップ奏者だけを集めた室内楽の趣です。マーラーの「大地の歌」もシェーンベルクとリーンによってアレンジされた室内楽ヴァージョンでした。

最初の曲はヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとピアノによる短い4重奏です。マーラーの室内楽なんて珍しいと思いますが、結構楽想に富んだしっかりした音楽でした。
二曲目の「ジークフリート牧歌」も各セクション最小限の室内楽版ですが、さすがにトップ奏者だけによるアンサンブル、この編成でも十分楽しめる密度の濃い演奏でした。
最後の曲は室内楽ヴァージョンに加えてアルトの代わりにバリトンが歌う珍しいもので(テノールのパートはそのまま)私は初めて経験しました。でも、ハンプソンの歌唱は十分すばらしく、特にアルトにこだわる必要はないと感じました。何と言っても曲全体に力強さがみなぎります。またテノールのフォークトが声量たっぷりで、男声二人の声が狭いカドガンホールに充ち満ちてすばらしく質の高い音楽となりました。今まで何度かアルトで聴いてきましたが、やはりテノールも大変重要であることを確認した次第です。フォークトはつい先日バルセロナでパルシファルを聴いたばかりですが、24日の公演の後は28日までなく、その間を縫ってロンドンに飛んできたのでした。翌日に時差1時間を移動してまたパルシファルを歌うのは少々きついでしょうけれど。それにしてもリセウ劇場であの楽劇を聴いていた何人かがここロンドンでも彼を聴いているなんて本人は想像もしていないでしょう。
この曲でも前の曲と同様各パート最少人数ながらオケの演奏は密度が高く、十分納得できる演奏でした。

Thomas Hampson
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Klaus Florian Vogt
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Antonio Pappano
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中央はROHのコンサートマスター、Vasko Vassilev
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by dognorah | 2011-03-03 10:29 | コンサート

エッシェンバッハ指揮LPO演奏会

2011年2月25日、RFHにて。

Gustav Mahler: Lieder eines fahrenden Gesellen
Gustav Mahler: Symphony No.9

London Philharmonic Orchestra
Christoph Eschenbach: conductor
Christopher Maltman: baritone

今週はこれで3つ目のマーラー交響曲、記念年とはいえちょっとアップアップです。
最初の曲「さまよえる若人の歌」はつい先日も同じホールで聴いたばかり。残念ながら今回の演奏はそのときに及ばずで、モルトマンの歌唱にはいまいち乗れず。私はメゾソプラノで聴く方が好きなようです。管弦楽もユーロフスキー指揮のOAEの方が音はともかくマーラーらしさではよかった。

メインの9番はさすがにエッシェンバッハ、入念な指揮振りでオケもなかなかの演奏でした。各楽章ともこれといった欠点のないもので、第4楽章も充実した響き。しかしながら全体としての感動は2年前に聴いたガッティ指揮ロイヤルフィルに及ばずというところです。
第9番は2005年以来2年ごとに聴いていて、これで4回目の体験なので過去の分を自分のメモとして記しておきます。
2005年12月 ビエロフラーヴェク指揮BBC交響楽団
2007年1月 ハーディング指揮ドレスデンシュターツカペレ
2009年1月 ガッティ指揮ロイヤルフィル

Christoph Eschenbach & LPO
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by dognorah | 2011-03-02 01:42 | コンサート

ラトル指揮ベルリンフィル公演(その3)

2011年2月23日、RFHにて。

Johannes Brahms: Es tönt ein voller Harfenklang, Op.17 No.1
Hugo Wolf: Elfenlied (Mörike Lieder)
Gustav Mahler: Symphony No.3

Berliner Philharmoniker
Sir Simon Rattle: conductor
Anke Hermann: soprano
Nathalie Stutzmann: contralto
Ladies of the London Symphony Chorus
Ladies of the BBC Singers
Choir of Eltham College

今日は会場をロイヤル・フェスティヴァル・ホールに移して演奏です。同じオケを2種類の会場で聴けたわけですが、音はやはりバービカンの方がよろしい。バービカンは楽器のハーモニーがより自然で柔らかい。RFHは分離はいいのですがベルリンフィルの音の良さが生きてこない印象です。両方ともベルリンの本拠地に比べると格段に落ちますが。
ラトルはこの三日間、基本的に弦は両翼配置で演奏しましたが、チェロとヴィオラは曲によって場所を入れ替えたり、ベースの位置も左右とか後方とかに変えてきめ細かくいじっていましたね。なお、昨日のホルン協奏曲以外はこれまですべて暗譜だったのが今日は全曲譜面を見ていました。
コンサートマスターはイスラエル人のGuy Braunstein 氏、樫本大進氏は今日はその左隣に座っていました。これで、3人いる第1コンサートマスターは全員順番に役目を果たしたことになります(4回演奏の最初の日のことは知りませんが)。

さて、今日の演目は長いマーラーの3番に付け加えて、それと関連があるということで短い2曲が演奏されましたが、あまり意味はわからず。悪くはなかったですが。
第3番の第1楽章から第3楽章まで、さすがの音響で各セクションの名人芸を楽しみましたが、音楽的感動はあまり感じられなかったです。第4楽章は大抵感動しますが今日も例外ではありません。コントラルト独唱のシュトゥッツマンはまるでマーラーの心を伝えるようなしみじみした歌唱でした。この人は先日も大野和士指揮で聴いた人ですが、ラトルにも採用されたところを見ると玄人好みの歌手なんでしょうか。第5楽章では最初のブラームスではあまり感心しなかった女声合唱も大変すばらしく大いに楽しめました。そして第6楽章、力強く美しい演奏でこれも満足しました。こうして聴いてみると第1楽章からの有機的なつながりが弱いという感じで、それが惜しまれます。
この第3番はマーラーの曲の中では最もたくさん聴いている部類で、これで7回目です。前回はユーロフスキーの演奏でした。演奏としてはそのときの方が感動したような気がします。

これで16日から8日続いた連日のイヴェント(途中のバルセロナオペラ遠征を含む)がようやく終了しました。これだけ毎日だとやはり疲れますね。
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by dognorah | 2011-03-01 09:21 | コンサート

ラトル指揮ベルリンフィル公演(その2)

2011年2月22日、バービカンホールにて。

Haydn: Symphony No 99
Toshio Hosokawa: Concerto for horn and orchestra – Moment of Blossoming (UK premiere)
Schubert: Symphony No 9 'Great'

Berliner Philharmoniker
Sir Simon Rattle: conductor
Stefan Dohr: horn

今日のコンサートマスターはDaniel Stabrawa 氏。樫本大進さんはお休みです。

生き生きとしたハイドンで、今日も音のすばらしさを堪能しました。

2曲目の細川俊夫のホルン協奏曲は今月10日にベルリンで世界初演された最新作で、今日はそのときと全く同じメンバーによるUK初演です。一風変わった構成で、バービカンホールの2階席の四隅にトランペット、ホルン、ホルン、トロンボーンを配置した上で独奏のホルンはハープのそばで演奏されました。なお、独奏者はこの楽団のホルンセクションのプリンシパルです。曲は音が出ているのか出ていないのかわからないような静かさで始まりますが、私のすぐそばのトランペット奏者からは楽器の音というよりその前段階のフーッとかスーとかの空気の音が聞こえ始めました。音は次第に大きくなっていき、各金管の美しい音色が現代曲らしい節度で演奏されます。そして弦も加わり幽玄の世界を表現するような雰囲気になります。このあたりは雅楽の雰囲気も感じられ我々日本人にはきわめて容易に入っていける音楽ですが、西洋人にも十分理解されるであろう普遍性も感じられます。すばらしい曲です。初めて聴いたのにすぐに大好きになりました。ラトルが聴衆の方を向いて2階の4人の金管奏者を指揮する場面もあります。終わりは始まりを逆にしたように静寂に向かって消えていきます。終了後ラトルが細川氏を舞台裏から連れてきました。ずっと前に彼の音楽を取り上げたイヴェントで司会者がインタヴューする場面を聴いたことがありますが、ドイツ人の師匠からもっと日本の音楽を勉強してきなさいと言われた、というエピソードを披露してくれました。まさに言われた通りのことをして今日の音楽があるのでしょうね。

Stefan Dohr and Sir Simon Rattle
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Toshio Hosokawa and Stefan Dohr
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最後の曲、シューベルトの第9番は昔カール・ベーム指揮ベルリンフィルのLPが発売されたときに買ってさんざん聴いた好きな曲です。そして今日この曲が始まると何と当時とそっくりの音がするではありませんか。うーん、これがベルリンフィルの音なんだよなぁ、という感じ。とても懐かしくなりました。演奏もベームとあまり違わない印象で、彼の特徴である(少なくとも録音では)中庸のテンポであわてず騒がずどっしりとオケを鳴らすスタイルです。いい演奏であり、音でした。満喫しました。
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by dognorah | 2011-02-27 02:34 | コンサート

ラトル指揮ベルリンフィル公演(その1)

2011年2月21日、バービカンホールにて。

Stravinsky: Apollon Musagète (1947 version)
Mahler: Symphony No 4

Berliner Philharmoniker
Sir Simon Rattle: conductor
Christine Schäfer: soprano

ラトル指揮ベルリンフィルの公演は今回ロンドンで4回予定されていましたが、最初のもの以外の3回の公演に行きました。

今日の最初の曲は弦楽合奏曲で、ストラヴィンスキーにもこんな古典的なおとなしい作品があるのかと思わせる美しいものでした。ベルリンフィルの弦楽はすばらしい音でこれを演奏してくれて至福の時でした。

次のマーラー第4番はこの弦楽に加えてこれまた名人芸の木管や金管が極上の音で演奏され、視覚的な楽しさもあって心を奪われる一時でした。この曲は達者な木管群があるとものすごく栄えるものであることを痛感しました。第4楽章のシェーファーも繊細な歌でそれまで続いた流れにぴったり合わせる美しさです。しかし、彼女は相変わらず声が小さくてピアノ部分では後ろの方まで聞こえるのかしらと訝るほど。以前PROMSで同じ曲を彼女の独唱で聴いたことがありますが、ロイヤル・アルバート・ホールのような大きい会場で後ろの方の席だったので本当に聞こえなかったことを思い出します。今回は席も舞台に近いので細部まで十分聞こえましたが。今日のドレスは下半身がパンタロンになったもので前後から見るとつなぎ服、横から見るとロングドレスのように見えます。ネックレスがモダンな凝ったもので、この人はいつもおしゃれをする人ですね。
今日のコンサートマスターは3人いるFirst Concertmasterの一人Daishin Kashimotoという若い日本人でした(一番下の写真)。この人は2009年にベルリンフィルに入団して、早々とトップの座に昇ってしまったんですね。

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by dognorah | 2011-02-26 01:54 | コンサート