カテゴリ:コンサート( 447 )

ハイドパークチャペルのコンサート

イースターの休みを挟んで2週間ぶりに午後のクラシック無料コンサートが開催された。

このコンサートの趣旨については案内が無いが、2回分を聴いた限りではこれから伸びていくであろう若い音楽家に演奏発表の機会を与えてなるべく多くの人に知ってもらうということだろうか。それにしては海外のオーケストラと共演するというようなインターナショナルな経験を既に持っている人も含まれているのであるが。

今日の主役は、クレシダ・ウイスロッキ(Cressida Wislocki)という女性ヴィオラ奏者である。子供時代はヴァイオリンを習っていたが北欧で勉強中にヴィオラに転向したらしい。演奏活動的には弦楽四重奏しかない。現在も先生についてロンドンにて研鑽中である。

伴奏でサポートするピアニストは、ジョン・ギュン・パーク(Jong-Gyun Park)という韓国生まれの女性。この人はロンドンをベースに既に世界中で活躍中とのこと。

曲目は
バッハ: チェロ組曲第1番
ウォルトン:ヴィオラ協奏曲 (第1楽章のみ)
マルティヌー:ラプソディ-協奏曲 (第1楽章のみ)
シューマン:アダージョとアレグロ 作品70
 
すべてとてもすがすがしい演奏でしっかりした音を聞かせてくれた。もちろんバッハのチェロ組曲では低音は出ないが。聴いていて若いエネルギーをもらう感じである。
今日は友人など関係者が多かったのか50人以上の聴衆がいた。
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by dognorah | 2005-04-08 02:41 | コンサート

ロンドンフィル演奏会

ロイヤルフェスティヴァルホールで4月6日に行われた演奏会に行った。
指揮:エマニュエル・クリヴィーヌ(Emmanuel Krivine)
ヴァイオリン:ヴァディム・レーピン(Vadim Repin)

曲目はスラブ系で統一されていた。
 リムスキーコルサコフ:ロシアイースター祭序曲
 チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
 ドボルザーク:交響曲第8番

1曲目は親しみやすいメロディと共にリムスキーコルサコフの巧みなオーケストレーションが華やかに演奏される。アンサンブルもよく非常に楽しめた。本日一番の出来か。

レーピンは初めて聴くヴァイオリニストである。大柄なロシア人だが、かなりインターナショナルな雰囲気で、チャイコフスキーでよくあるロシア的土臭さというものは無く全体に洗練されている。世の中の評判もあまり知らないが、美しい音を奏でるものの、スケールの小さい演奏だった。カデンツァでは充実した音だったので、オケと合わせなくてはいけない協奏曲よりも独奏を聞いてみたいと思ったらアンコールでバッハか誰かの無伴奏ソナタを弾いてくれた。それはなかなか深みのある演奏で、もっと聞きたいと思わせる佳演。

ドボルザークはあまり楽しめなかった。私はクリヴィーヌ指揮フィルハーモニアでモーツアルトの交響曲のCDを持っているが、歯切れよく流麗な演奏である。今日もアレグロやプレストなどは歯切れよくまとまりのあるアンサンブルであったが全体のバランスがちぐはぐであまり流れがスムーズではなく私は乗れなかった。オケがちょっと荒いのも気になる。

ロンドンのオケはバービカンホールで聴くロンドン交響楽団が一枚上という感じだ。
ロイヤルフェスティヴァルホールも今年後半から2年間かけて改装する予定であるが、バービカン並みによい音が響くようになるかな。
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by dognorah | 2005-04-07 08:32 | コンサート

Music of Today

と題する無料コンサートがロイヤルフェスティヴァルホールで開催された。
毎月一回フィルハーモニアオーケストラが主催する。

今夜は、ドイツの作曲家マティアス・ピンチャー(Matthias Pintscher、1971年生まれ)の作品を彼自身の指揮で演奏するもの。といっても3曲のうち最初の2曲は器楽奏者だけで演奏するものであったが。

1. Janusgesicht(2001)for viola and cello
あまり音響を大きくせずにそれぞれの楽器がほとんど合奏することなくヴィオラとも思えないあるいはチェロとは思えない音を散発的に出す。演奏時間約5分。両演奏者に一人ずつ譜面めくりの人が付く。
音楽としてはほとんど理解できない。お手上げ。

2. On a Clear Day (2003) for solo piano
現代音楽的な音ながら何かの情景を描いているような音楽。これはかなり共感できる。映像が無機的に進行するようなシーンでバックに流れる音楽として使うと効果的な場合があるだろう。
後で作曲者の解説を読むと、アメリカのアーティストであるAgnes Martinという人の創作したプリント30組からインスピレーションを得て作曲したとのこと。演奏時間約10分。
これの初演は昨年内田光子さんがフランクフルトで行ったそうだ。

3. A twilight’s song (1997) for soprano and ensemble
ソプラノ、ピアノ、ハープ、バスフルート、バスクラリネット、ヴィオラ、チェロ、パーカッションの8人で演奏されるが、弦楽器以外の奏者は2種類以上の楽器を掛け持ちする。パーカッションは6種類ぐらいを受け持つので大忙し。
ソプラノの発声は悲鳴のようなフォルテの高音からいきなり低音になったりで、あまり居心地のいいものではない。もちろん楽器はタップリ不協和音を奏でる。まあしかし、新しい表現法であることは確か。演奏時間約10分。

現代音楽は一般にあまり評判がいいとはいえない。それがゆえに演奏される機会もそう多くない。フィルハーモニア管弦楽団という一オーケストラがその理解を広げるためにこういう企画を継続していることには敬意を表したい。その意向を汲んでこれからも聴きに行こうと思う。続けて聴いていれば何らかの収穫はあるだろう。
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by dognorah | 2005-04-06 08:26 | コンサート

日曜の無料イベント - ジャズ

ロンドンは昨日も今日も好天気で温度も20度近くまで上がった。
あまりに気持ちがいいので半袖姿でテームズ川沿いの遊歩道を散歩。

そしてロイヤルフェスティヴァルホールへ。
ロビーでは日曜日には珍しく、先日紹介した無料ジャズコンサートが開催されていた。日曜とあってバンドも豪華になり観客も大勢で、多くのカップルが演奏にあわせてジャイヴを楽しんでいた。写真はそのスナップ。
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バンドは、Sugar Ray Ford Orchestraという名前で、ボーカルも入れて10人という編成。スタンダードナンバーを快いリズムと音で楽しませてくれた。ボーカルもとても魅力的な声で、ダンスにはもってこいだったろう。ミニスカートをはいた女性が一人で踊っていたがよく見るととっくに60歳を超えていると思われる人だったのでびっくり。欧米人は人の目は気にしないものだ。

この後は昨日も行ったTate Modernに行って、メンバーズルームにあるテラスで日向ぼっこ。陽光とそよ風がとても気持ちよく、久しぶりにのんびりした日曜を楽しんだ。
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by dognorah | 2005-04-04 02:29 | コンサート

クラシックのフリーコンサート

先日サウスケンジントンのインペリアルカレッジ前を歩いていて写真のようなポスターを見つけたので時間を作って行ってみた。エラートピアノ3重奏団である。お昼時のフリーコンサートと銘打っているが場所が教会のチャペルなので飲食はなし。
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Erato Piano Trioは今年の1月に結成されたばかりで、メンバーも二十歳そこそこの若い演奏家たちである。彼らはRoyal College of Musicの研修生という仲。男性ピアニストと女性ヴァイオリニストがイギリス人で女性チェリストがドイツ人である(右側の写真,終演後に撮ったもの)。

3人ともオーケストラと一緒に共演したりあるいは独奏者としていくつかのステージ経験があり、しっかりした技量の持ち主である。

本日演奏された曲目は、
(1) ベートーベン作曲ピアノ3重奏曲変ホ長調 作品1のNo.1
(2) シュニトゥケ作曲ピアノ3重奏曲

両方とも私は初めて聞く曲である。

最初の曲はベートーベンの第1号作品であるが既にハイドンやモーツァルトとは形式的にも内容的にも一線を画す作品となっている。親しみやすいメロディがちりばめられた聴きやすい曲である。

美しい音で構成のしっかりした演奏を聞かせてくれた。時折二人の弦楽器奏者の導入タイミングが合わないこともあったが作品を鑑賞するのに気になるほどのことはない。

2曲目の現代音楽はModeratoとAdagioの2楽章からなる作品であるが楽章の名前から想像するよりもはるかに激しくスケールの大きい曲であった。

現代音楽らしく不協和音が満載されているが、なかなかの名作と思う。あるいは、そう思わせるだけの入魂の力演だったと思う。目の前2メートルぐらいのところでの演奏は迫力があった。生演奏ならではの緊張感がたまらない。

この曲をもし自宅でCDで聴いていたならば、同居人がヒステリーを起こしてドアをばたんと閉めることだろう。不協和音はあまりスピーカーから聞くものではない。

しかし実演は違う。フォルテで演奏されるそれでも作品には必要なんだということが理解でき、作曲家のメッセージはしっかり伝わる。

初めて聴いた曲でこんなに楽しませてくれたこのトリオの実力恐るべし。今後の発展を心から祈りたい。

それにしてもこのすばらしいコンサート、聴衆はたったの10数名。平日の昼間でしかも教会のチャペルという普段人が集まらない場所だから仕方がないのかもしれないが、もったいない話だ。
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by dognorah | 2005-03-28 01:10 | コンサート

内田光子ピアノリサイタル

ロイヤルフェスティヴァルホールで開催されたピアノリサイタルに行った。

内田さんは私の大好きなピアニストだが、リサイタルを聴くのは久しぶりである。

実は、同じ日時にバービカンホールではチャイコフスキーコンクールで優勝という女性では前代未聞の快挙を成し遂げた上原彩子さんとロンドン交響楽団による協奏曲の演奏会があり、どちらに行くか迷った。上原さんはまだ見ていないからぜひこの機会にと思ったし、ほんとに決めかねて最後は鉛筆を倒して、というのは冗談だがえいやーで内田さんを選んだ。ロンドン在住の方なのでこれからも頻繁に聞くチャンスはあるのだが、今回はベートーベンのハンマークラヴィアを聴いてみたかったことが大きかった。彼女はモーツアルトを極め、シューベルトも完了したあと、今はベートーベンに没頭しているという自身のコメントをどこかで読んだからだ。

今日の曲目は、
1.ブーレーズ作曲: 12 Notations
2.シューベルト作曲: Sonata in C D840
3.ベートーベン作曲: Sonata in B flat Op.106(ハンマークラヴィア)

最初の曲は、10分程度の短い曲であるが、ドビュッシーの曲を髣髴とさせる音使いでまあ楽しめた。3月26日がこの作曲家(兼指揮者)の80歳の誕生日で、それを祝福するために内田さんが選んだ曲目。よい祝福だったと思う。

2曲目は、独自の世界を形作るシューベルトのピアノ音楽の特徴がここでもよく現れているが、シューベルトでは恐らく地味な作品と思う。比較的やわらかいタッチの演奏で、心地よい音が響く。同じ作曲家の作品でももっと聞き応えのするものがあるが、恐らくプログラム全体のバランスを考えての選曲と思われる(後述の内田さんのコメント参照)。

休憩を挟んで今日のメインプロが演奏される。この曲を何度聴衆の前で演奏されたのかは知らないが、内田さんはちょっと緊張気味というか張り詰めた精神状態で舞台に出てこられた。挨拶もそこそこに椅子に座るやいなや激しいタッチで演奏を開始。聴衆も固唾を呑んで緊張を共有する。

私はホールの右サイドに座っていたので彼女の表情もよく見えたが、シューベルトのときよりも豊かな表情の変化が見て取れた。完全に曲にのめりこんで我を忘れての熱演だ。ダイナミックレンジの広い第1楽章、一音一音が大事に奏でられる第2楽章、曲に秘められたエネルギーを保持したような第3楽章、聴くほうにもすばらしい緊張を持続させてくれる佳演だった。堪能した。終わるとブラボーの声とともに大きな拍手が持続する。

来てよかった。上原彩子さんのほうもきっとよかっただろうけど、それは仕方がない。

参考までに、プログラムにこのコンサートに関する内田さんのコメントが載っているので転載しよう。

「私たちの時代の最も重要な音楽家の一人、ピエール・ブーレーズが2005年に80歳の誕生日を迎えます。私の個人的なお祝いとして今夜のプログラムに彼の初期の作品であるDouze Notationsを加えました。

これによりプログラムが刺激的で挑戦的になります。現代作曲家ブーレーズを聴いたあとでは、死後長い時間の経ったベートーベンがそれよりさらに先鋭的であるかもしれないと考えうるでしょう。

ハンマークラヴィアソナタは彼の32曲のソナタのうちでもっとも壮大で、恐らくもっとも野心的なものです。そのフーガはスケールの点でも表現の点でも巨大で、技術的に難しいことは言うまでもありません。その作品の構成は聴衆に畏怖の念に満ちさせます。しかし緩除楽章にこそこの曲の本質があるのです。ベートーベン以外の誰もそのような深みのある曲を作らなかったのです。

これと対照的にシューベルトは簡素に思われるでしょう。それでも彼の奇妙なスピリットはひとつの違った世界に連れて行ってくれます。

3人の偉大な作曲家。

誕生日おめでとう、ブーレーズさん」
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by dognorah | 2005-03-24 20:15 | コンサート

ランチタイムジャズ

ロンドンでは頻繁に無料コンサートが開かれる。

ジャンルもクラシックの室内楽、ジャズなどいろいろ。

12時から2時までのランチタイムにロビーなど一般の人が出入りしやすい場所で開催されることが多く、ロイヤルオペラハウス、バービカンホール、ロイヤルフェスティヴァルホール、教会など競ってやっている感じである。

恐らく音楽の裾野を広げようということで演奏者や音楽ホールなどが協力し合っているのだろう。気軽にビールを飲んだりサンドイッチを食べながら生の演奏が聞けるのだから暇があれば行くようにしている。

今日の昼はロイヤルフェスティヴァルホールで開催されたジャズを聞いた。写真がそれ。
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PeteLetanka Trioというピアニスト主導のトリオで、バスはAndy Hamill、ドラムはWinston Cliffordである。休憩を挟んで1時間30分の演奏、楽しかった。

その間、バーがオープンしているので売り上げに少しは貢献したはず。

また私のように今夜のコンサートの切符を買う者もいるのでホール側のメリットもあると思う。買ったのは、内田光子さんのピアノリサイタルである。
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by dognorah | 2005-03-24 08:46 | コンサート