カテゴリ:コンサート( 447 )

NYフィル演奏会

2012年2月16日、バービカンホールにて。

Alan Gilbert
New York Philharmonic
Mahler: Symphony No.9

このオケを聴くのはいったい何年ぶりか、とにかく90年代にロンドンとニューヨークで聴いたことがあるという記憶はあるのですが、どうもその後はチャンスがなかったようです。多分今世紀に入ってからもロンドンには何度か来ていたのでしょうけれど。
90年代からの時間の経過を考えると楽団員は大幅に入れ替わっているでしょうから、初めて聴く団体と言っても過言ではないですね。指揮者も初めて体験する人です。シカゴ交響楽団と同様東洋人奏者の数が多いことに驚きます。名簿から拾うと日系人も5人ぐらいいます。大体、音楽監督のアラン・ギルバート自身お母さんが日本人ですし。

それはともかく、今日の演奏はすばらしいものでした。今まで何度も聴いたこの曲は一回も感動しなかったと言えるほど、名演奏にはお目にかかっていなかったのですが、今日は違います。オケの各パートの音は金管も木管もまろやかで、弦も魅力的な音色だし、アンサンブルもすこぶるよろしい。第1楽章最後のコンサートマスターとホルンのやりとりは本当に美しかった。
ギルバートの指揮振りは精力的で、大きな体によるジェスチャーは聴いていてもわかりやすそうで、オケを完全に掌握している様子が感じられます。第1楽章から第4楽章まで有機的につながっている印象がしっかり刻まれたのも感動を大きくしてくれました。好感度大です。

Alan Gilbert
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by dognorah | 2012-02-17 23:05 | コンサート

またまたLPOの定期演奏会

2012年1月25日、RFHにて。

Sergey Prokofiev: Chout - excerpts
Sergey Prokofiev: Piano Concerto No.4 (Left Hand)
Interval
Sergey Prokofiev: Cinderella - excerpts

London Philharmonic Orchestra
Vladimir Jurowski conductor
Leon Fleisher piano

ユーロフスキーファンの友人につきあって先週に引き続いてLPOのコンサートを聴きました。
今回もプロコフィエフづくしです。そして再び大変楽しめたコンサートでした。最初の曲はバレー音楽(邦題「道化師」、英語での発音はシュートだそうです)ですが作品名はもちろん音楽を聴くのも初めてです。彼のバレー音楽は「ロミオとジュリエット」とこの後演奏される「シンデレラ」がポピュラーな曲ですが、この作品も音楽としてはとても新鮮でなかなか楽しめる曲です。バレーとしてはさほど人気が無くても管弦楽曲はもっと演奏されてもいいのではないかと思います。

2曲目のピアノ協奏曲第4番は左手のためのもので、ピアニストは右手が不自由なレオン・フライシャーです。1928年生まれですから今年84歳になります。昔から名前を聞いていたピアニストで、その人の生演奏を聴けるのは望外の喜びです。1960年代からジストマという病気のために右手での演奏が出来なくなり、もっぱら左手用の曲を弾いていたそうです。2004年になって投薬によって右手が復活したとのことですが、現在の詳細はわかりません。
曲は派手派手しさがあまりないものですがフライシャーの演奏はしっかりしたもので美しく、とても84歳には見えません。ステージに出てくるときの歩き方もかくしゃくとしたもので、両手の演奏を聴きたかったなぁと思わせる元気さです。

最後の曲はロイヤルオペラハウスでバレーとして一度だけ見たことがあります。2年前の吉田都さんの引退公演でした。
しかし音楽単独で聴くのはこれが初めてで、バレーのシーンを思い出しながら聴きましたが、迫力ある大音量の演奏は圧巻で、例の12時の時計の音のシーンなどバレーで見たときよりも印象的で、こういう音のする時計を作ると売れるんじゃないかとか思ってしまいました。
いずれの曲もユーロフスキー並びにLPOの演奏は好調で、オケの各パートとも絶妙の音でした。

Leon Fleisher
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Vladimir Jurowski
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by dognorah | 2012-01-31 02:06 | コンサート

Bobby Chen のピアノリサイタル

2012年1月22日、Westminster Cathedral Hallにて。

プログラム
ショパン: 幻想曲ヘ短調 作品49
ショパン: 夜想曲 作品27の第1番と第2番
プロコフィエフ: ソナタ第2番ニ短調 作品14
リスト: バラード第2番ロ短調 S.171
ストラヴィンスキー: ペトルーシュカから3つの楽章
アンコール: プロコフィエフのトッカータ

昨年5月以来の彼のコンサートです。
今回はイギリスのショパン協会の主催でした。
相変わらず彼のピアノはすばらしくてすぐに想像力をかき立てるような音楽の世界に彷徨わせてくれます。プロコフィエフもよかったけれど、とりわけ今回はリストのバラードが渾身の演奏で、完璧に私の心を捉えてくれました。力強い低音が表現するデモーニッシュな一面が特に印象的です。
ストラヴィンスキーはテクニックの冴えを見せるためのものでしょうか。楽しめるもののそれほど熱心に聴こうという作品でもありません。
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by dognorah | 2012-01-30 22:13 | コンサート

LPO定期演奏会

2012年1月18日、RFHにて。

Sergey Prokofiev: Symphonic Song, Op.57
Sergey Prokofiev: Piano Concerto No.5
Interval
Sergey Prokofiev: Symphony No.6

London Philharmonic Orchestra
Vladimir Jurowski conductor
Steven Osborne piano

自分でも驚くぐらい遅いのですがやっとコンサートに行ったので今年初めての記事です。
本当は昨日ROHでLa traviataを見る予定でしたが目的のネトレプコがキャンセルしたので切符を手放したのです。代わりに行ってくれた人の情報だと代役のエルモネラ・ヤオは特に第1幕がひどい出来だったそうで、日本公演での惨状も合わせて考えると彼女は結局この役には向いていないような気がします。
年始早々ネトレプコに振られて惨めな気持ちですが、追い打ちをかけるように2月22日に行われるバービカンでの「皇帝ティートの慈悲」で出演予定だったガランチャがキャンセルとのことで私の2大歌手に振られる羽目になり、今年もいろいろお目当ての歌手に振られることになるのでしょうか。

それはともかく今日のコンサートはすべて初めて実演に接する曲ばかりでしたが、すばらしい音楽を間近に聴ける幸せをしみじみと感じることが出来ました。
すべての音楽が豊富な楽想とゴージャスな音で奏でられ、あまり好きでもなかったプロコフィエフを見直すことが出来ました。
まず最初の曲ですが短い曲にもかかわらず大編成の管弦楽が醸す音が新鮮で、調子のよい金管と弦が興味の尽きない競演を繰り広げてくれます。一緒に行った友人達の一人は退屈だといっていましたがなんのなんの私は大変楽しめました。
2曲目のピアノ協奏曲は5楽章編成という変わった構成ですがプロコフィエフらしい達者な腕が求められる部分と叙情的な部分が織りなす豊かな音楽がすばらしく、これも大いに楽しめました。独奏者は協奏曲では珍しく譜面めくりを使っていましたが演奏は美しいピアノが特に印象的で大いに楽しませてくれました。
最後の交響曲第6番はよく聴く初期の古典交響曲とは随分違う印象で、ゆったり構えた大曲という趣です。この辺はユーロフスキーの解釈にもよるのでしょう。これに限らず今日の彼は細部にわたって充実した解釈を披露してくれたと思います。バックに何となく不安感が感じられるのは晩年の健康状態のためか。第2楽章の美しさは特筆もので、LPOの弦はとてもよく表現できていました。第3楽章はスケールが大きく、心底この曲を楽しめました。
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by dognorah | 2012-01-20 08:39 | コンサート

アバド指揮ルツェルン祝祭管弦楽団演奏会

2011年10月11日、RFHにて。

過去の演奏会の記事がまだ続きます。
Claudio Abbado: conductor
Lzerne Festival Orchestra
Mozart – Symphony no.35 in D major, KV 385, ‘Haffner’
Bruckner – Symphony no.5 in B-flat major

この組み合わせの演奏会を聴くのは4年ぶりで、そのときはRAHでマーラーの3番でした。

モーツァルトの自然な響きとかつ深みのある表現はこの音楽を堪能するにふさわしい名演でした。音響はうっとりと聴き惚れるすばらしさです。このホールでもとてつもなく大きいRAHよりは遙かによい音がします。

ブルックナーの5番は実演ではあまり聴いていない気がします。最初の3楽章はさすがの演奏で大いに楽しめました。しかし第4楽章はCDなどで聴いたときの印象と同じでどうも苦手です。金管を中心にがんがん鳴っているだけと感じてしまいます。アバドの指揮を持ってしても好きになれないのはこの楽章とは相性が合わないということでしょう。

終演後のClaudio Abbado
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by dognorah | 2011-12-15 01:43 | コンサート

English Chamber Orchestraのコンサート

2011年12月1日、Cadgan Hallにて。

Paul Watkins: conductor
Igor Levit: piano

Programme:
WAGNER: Siegfried Idyll
BEETHOVEN: Piano Concerto No. 3 in C minor, Op. 37
BRITTEN: The Young Apollo (for piano and string orchestra)
BEETHOVEN: Symphony No. 2 in D, Op. 36

1曲目のヴァーグナーは特に好きな曲でもないので聞き流していましたが、ポール・ワトキンスという指揮者はなかなか頑張る人らしく、退屈にならないような配慮が随所に感じられる好演でした。テンポは頻繁に変えるし、メリハリも効いてます。それでいて叙情的なところは十分に歌わせるので好感が持てました。多分彼を聴くのはこれが3度目ぐらいですが、この時点で若手成長株という印象を持ちました。

ベートーヴェンのピアノ協奏曲は先日5番を聴いたばかりですが、今日の第3番は管弦楽もピアノも無骨とも思える男性的な表現(元々そういうタイプの曲とは思いますが)でした。ロシアの若手ピアニスト、イーゴール・レヴィットは普通に腕の立つ人で、特にめざましい印象はありませんが管弦楽と共に構成のしっかりした演奏で十分にこの曲の魅力を堪能できました。

3曲目のブリテンは弦楽器群とピアノによる演奏で、ピアノは2曲目と同じ独奏者が受け持ちました。曲自体は繰り返しが多いものの溌剌として深みのあるピアノが聴けるもので、1曲目のヴァーグナーよりは楽しめました。ピアニストは譜面を見ながら演奏したのですが、テンポが速いせいか曲の長さ(10分乃至15分程度)に比べてページ数が多く、譜めくりの人はほとんど席を温める暇がないほど忙しい思いをしていたのが笑えます。

最後の曲は1曲目と同様指揮者の特徴がよく出た演奏でした。しかしこれだけ続けて自分の持ち味を露出してしまうと聴く方はやや辟易してくるということをこの人は知るべきでしょう。隙のない密度の濃い演奏なんですが聴いていてちょっとしんどくなってきました。上記の若手成長株という印象は取り消しです(笑)。リーダーシップはいいものを持っているんですが。
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by dognorah | 2011-12-03 03:16 | コンサート

LPOのコンサート

2011年11月30日、RFHにて。

いろいろやることがあったり、風邪で寝込んだりしたため、またまた間隔が空いてしまいました。
取り敢えず最新のものから投稿していこうと思います。

Matthias Pintscher: Towards Osiris
Ludwig Van Beethoven: Piano Concerto No.5 (Emperor)
Anton Bruckner: Symphony No.1 in C minor (Linz version)

London Philharmonic Orchestra
Vladimir Jurowski: conductor
Lars Vogt: piano

1曲目のピンチャーの作品、大変魅力的なもので大いに楽しめました。作品スタイルは武満徹の音楽をかなり饒舌にしたような感じです。打楽器の音などとても心地よい。

2曲目の「皇帝」はピアノの華やかさが少し足りない気がしますがまあまあ納得できる演奏でした。全体に弱音の美しさが目立つ演奏で、反面第1楽章など敢えてダイナミズムを捨てたような印象もあり派手さが後退しました。第3楽章は一転ダイナミックな面も見せてくれましたが、全体的に音の小さいピアニストですね。
管弦楽の演奏は大変すばらしく、雄大さと美しさが十分感じられる表現で音響の良さも堪能しました。協奏曲ということでユーロフスキーの指揮も余裕が感じられ、正面から見る指揮姿も優雅でこちらも楽しめました。

3曲目のブルックナー1番は1曲目同様実演では初めて聴く曲です。第1楽章が始まってすぐに聞き慣れたブルックナーらしさがたっぷり感じられる完成度の高さです。第2楽章もまた彼の緩徐楽章特有の美しさが全編に漂うものでうっとりと聞き惚れました。第3楽章のスケルツォもまた一本調子でなく変化に富んだ楽想が感じられます。ここまで聴いてきてこれはなかなかの名曲じゃないか、どうしてもっと頻繁に演奏されないのだろうかとか思いましたが、第4楽章に入ってその思いは吹っ切れました。この楽章はそれまでの努力を台無しにするようなつまらない音楽で、がっくり来ました。惜しいですね。ブルックナーの交響曲では第5番でも同じように感じたことがあります。
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by dognorah | 2011-12-01 21:10 | コンサート

Budapest Festival Orchestra演奏会

2011年9月10日、ベラ・バルトークコンサートホールにて。

このホールは2005年に出来た比較的新しいものです。そのせいか、ブダペスト街外れの凄く不便なところにあって、初めて来た旅行者にとっては敷居の高いところです。地下鉄駅は付近にはないので自分のホテルからきちんとバス、トラムなどでのアクセスを調査していかなければ成りません。私は今回Buda側に泊まったので余計不便でした。結局2系統のバスを乗り継いでいくことになりました。Pest側だと川沿いに市内の北の方からNo.2のトラムが走っているので比較的行きやすいです。
ホールは大きな建物の一角を占めていて、残りのスペースにはLudwig Museum(ルドビク美術館)などがあります。
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中に入ってみて、ホールの形状がスイスのルツェルン祝祭劇場とそっくりなのに驚きました。すなわち、幅が狭い縦長で3層になったギャラリーが平土間席を取り囲んでいる構造です。床や壁など見える部分はすべて木で作られており音響への配慮が伺えます。事実、コンサートが始まるとすばらしい音でした。各楽器の音がクリアで全く混濁することなくフォルティッシモが聞こえます。座席数は約1700席だそうです。今回は平土間の前から6列目、真ん中よりやや左寄りに座りました。これで上から2番目の料金ランクで7700フォリント(約25ポンド)で、最高席は約40ポンドなのでほぼロンドンのコンサートホールと同じですね。物価の安いこの国にしてはかなり高い料金設定と思われます。これを考えるとオペラは割安です。
切符はインターネットで購入したのですが、無料でUKまで郵送してくれるというサーヴィスを敢えて選ばず、現地で受け取ることにしました。より確実と思ったからですが、これは失敗でした。何と切符はホールで受け取ることが出来ず、直接管弦楽団の事務所へ行かなければならなかったからです。そこがまた中心ではなくBuda側の北の方にあったので結構苦労してバスを乗り継いで行ったのでした。つまらないことに時間を取られてしまいました。大体オペラと同じ代理店が扱っているのに、オペラは自宅のプリンタで切符を印刷できるにもかかわらず、このコンサートチケットはそれが出来ないというのは納得できません。

前置きが長くなってしまいましたが当日のプログラムは以下の通りです。
George Enescu: Orchestral Suite No. 1 in C major, Op. 9-1, Preludiu la unison
Orbán György: Serenade No.4, bemutató
Wolf: Harfenspieler No.1(Denk'es, o Seele, Gesang Weylas, Herz, verzage nicht, Gebet)
Mahler: Symphony No.1 Titan

baritone: Wolfgang Holzmair
Conductor: Iván Fischer
Budapest Festival Orchestra

開始前の舞台を見るとオルガンを隠すように大きなスクリーンが下がっています。これは開始前に指揮者や作曲家のインタヴューヴィデオを上映するためでした。ハンガリー語なのでさっぱりわかりませんが指揮者のイヴァン・フィッシャーは冗談を連発して聴衆を大いに笑わせていました。終了後はスクリーンは上にしまわれ、オケ後ろの聴衆やオルガンが見えるようになります。

エネスクの曲は初めて聴きましたが弦楽が主に活躍する緊張感溢れるすばらしい曲です。演奏時間は約8分。2番目の曲は現代ハンガリー作曲家の作品で現代音楽の要素はあるものの割りと伝統的な音でコダーイのある種の作品によく見られる賑やかな調子のものです。楽しめます。
3番目はゲーテの詩に基づくヴォルフの歌曲。歌手はオーストリー人でよく通る明るい声の持ち主です。今夜は音程が盤石とは言えずちょっと気になるところがありましたが聴衆には結構受けていてヴォルフからもう一曲アンコールを歌っていました。

Wolfgang Holzmair & Iván Fischer
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最後の曲はお馴染みのマーラー第1番。私が最後にこの曲を聴いたのは6年以上前のハイティンク指揮LSOでした。それがあまりにも完璧な演奏で大いに感動したので暫く聴くのを封印していたのでした。しかし今回はオペラの前後に何かコンサートはないかという観点から選んだので聴く羽目になってしまいました。演奏は大変すばらしいもので長年のコンビによる息の合った様が伺えます。フィッシャーがテンポをかなり動かすのですがオケは全く動じる風もなく完璧にフォローしていきます。そして第4楽章のコーダの部分、これでもかこれでもかという具合にぐんぐん押していくような凄まじい演奏で、度迫力のエンディング、速いテンポにもかかわらずすべての楽器が全く破綻することなくぴたっと決めました。このホールの分離のいい音響効果とも相俟って、こんな凄い終わり方は初めて経験しました。当然ブラヴォーの嵐です。何度も何度も呼び戻される指揮者、こちとら終演後に食事をしたいので早く終わってくれないかなーと思っていましたが、コンサートマスターが意を決して帰ったのでやっと皆さんもあきらめて帰路につくことができました。このオケはロンドンでも何回か聴いていますが、やはりホームでの演奏はそれなりの発見があって面白いです。実力的にはLSOの方が上だと思いますし、今回のマーラーだって感動の大きさはやはりハイティンクに軍配が上がりますが、コンサートとしては大変楽しめました。

帰りがまた不便で、トラムNo.2で都心に行き、食事をしたいのにその電車がなかなか来ず、小さなプラットホームが人で溢れそうです。やっとの事でレストランにありつける場所まで行ってももう10時半を過ぎているので素早く食べ終わる必要があります。なぜならこの街は午後11時過ぎには200路線あるすべての公共交通が終了してしまい、たった5路線のナイトバスが運行されるだけになるからです。タクシーで散財したくないなら11時には帰路につく必要があります。事前にそれを知らなくてBuda側にホテルを取ったのは悔やまれます。これからもし来ることがあるなら何が何でもPest側の都心に泊まるつもりです。Budaというのはロンドンでいえばテームズ河の南に相当する不便なところなのです。
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by dognorah | 2011-09-14 22:55 | コンサート

ハイティンク+マリア・ジョアン・ピレシュ+LSO

2011年6月14日、バービカンホールにて。

Mozart Piano Concerto No 27, K595
Bruckner Symphony No 4 'Romantic'

Bernard Haitink conductor
Maria João Pires piano
London Symphony Orchestra

ペライアがシューマンの協奏曲を弾く予定だったのがindisposedということで降りてしまったので代わりにピレシュがモーツァルトの27番を弾いたのです。傾向は違うもののどちらもいいピアニストなので私にはどちらでもよかったのですが。
でも、このピレシュの弾くモーツァルトは極上の演奏で大変楽しめました。
小編成にしたオケによる序奏も非常に美しく、久しぶりに聴いたLSOの音はやはりいいなと思いました。ピレシュは遅めのテンポで決して強打しない丁寧な演奏ですが、まるで美の空間を紡ぎ出すような雰囲気が伝わってきて、ぴったりとそれに合わせた管弦楽と相俟って直接心に訴えかける響きです。モーツァルトのこの曲というのは本当に美しいものだなぁと感嘆しきり。カデンツァも溜息が出るくらい繊細な表現でした。第2楽章も更に美しく、もっともっとこの状態が続いて欲しいと思わせる安らかな雰囲気です。切れ目無く突入した第3楽章はほんの少しテンポは上がったものの基本的には前楽章までの弾き方を踏襲、相変わらず美しい音響空間でホールを満たしてくれます。この楽章のカデンツァは更に磨きがかかったような輝き方でした。すばらしい!
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ブルックナーの交響曲の中では第4番は第8番に次いで好きな曲です。第1楽章冒頭と最後で重要な役割を果たすホルンが好調でした。金管群は重厚で途中ややアンサンブルの乱れがあったもののスケールの大きい演奏です。第2楽章はここでも好調な弦が殊の外美しく後半では咆吼する金管も朗々と鳴って壮麗です。美しさと共にブルックナーの緩徐楽章によく見られるある種の気だるさも強く感じられ、味があります。第3楽章は弦に加えて木管も快調で重厚な響きに乗ってリズム感溢れる演奏が繰り広げられ思わず体を揺すりたくなるような快活さ。第4楽章は第1楽章で使われたホルンの響きが再現されますが何となくほっとするような感じを受けて好きです。ハイティンクは堂々とした構築で金管と弦を仕切り壮大に盛り上げてくれました。
ハイティンクを聴くのは久しぶりですが彼らしい構成のしっかりした演奏でまだまだ元気な姿に接して安心しました。オケの配置は両曲とも対抗配置でしたが、特にブルックナーでは効果的だったような気がします。
なお、本日使われた版は1877/8のノヴァーク第2版で終楽章のみ1880年版だそうです。
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by dognorah | 2011-06-16 03:03 | コンサート

植田リサさんヴァイオリンリサイタル

2011年6月7日、Duke's Hall in RAMにて。

Tomiko Kohjiba - "Rublyov's Door" for Solo Violin
Niccolò Paganini - "Canatbile", Op.17
Leoš Janáček - Sonata for Violin and Piano
Pablo de Sarasate - Zigeunerweisen, Op.20

このリサイタルは植田さんのマスターコース卒業試験です。約4年前にタルコフスキーの映画上演の時に、その映画に啓発されて作曲されたヴァイオリンソロ曲"Rublyov's Door"がUK初演された記事を書いたことがありますが、今日のリサイタルの一曲目はその作品で、初演と同じヴァイオリニストによる再演です。なお曲名についてはロシア語の英語表記なのでスペルにはVariationがあります。
あのときは映画上演の前でいまいち映画の中身との関連性についてはわからなかったのですが、すでに映画を見てしまった後では曲を聴くにつれて映画の中身が彷彿としてきました。作曲家は本当にこの映画からインスピレーションを得たんだなと理解できました。植田さんはすっかりこの曲をレパートリーにしてしまったのでしょう、実にすばらしい表現でした。
他のプログラムもしっかり楽しむことが出来ましたが、特に3曲目のヤナーチェクの作品は私の好きなタイプの曲想に満ちあふれていてわくわくしながら聴きました。
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by dognorah | 2011-06-09 21:30 | コンサート