カテゴリ:オペラ( 364 )

モーツァルトのオペラ「イドメネオ」コンサート形式

2011年6月11日、バービカンホールにて。

Mozart: Idomeneo
Combined with Munich (1781) and Vienna (1786) versions.

Balthasar Neumann Ensemble
Thomas Hengelbrock: conductor
Steve Davislim: Idomeneo
Tamar Iveri: Elettra
Camilla Tilling: Ilia
Christina Daletska: Idamante
Virgil hartinger: Arbace
Dominik Wortig: High priest
Marek Rzepka: A Voice

このオペラを聴くのは4回目です。最初はコンサート形式で聴き、次いでパリブリュッセルで舞台を見ました。
今日は序曲が始まるとまず管弦楽がすばらしいのに感嘆しました。古楽器演奏では以前フライブルク・バロック管に大いに感心したことがありますが、ドイツ系はやはりひと味違うなぁと思います。ただ、フォルテピアノは指揮者より後ろに置いていましたがそれでも聴衆にとって音量が小さすぎると思ったのか、スピーカーを使っていたのがちょっと違和感がありました。スピーカーは楽器の下に置いてありました。ヘンゲルブロックの指揮はこれぞモーツァルト、これぞオペラと思わせるすばらしいものでこのオペラの演奏では過去最高のものです。この人は昨年9月に「Niobe」というレアーオペラをROHで振りましたので古楽器オーケストラでバロック音楽を振る人かという印象でしたが、バイオを見ると現代音楽までカヴァーしているレパートリーの広い人ですね。今年の夏はバイロイトデビューでタンホイザーを振るそうです。
歌手はといえば、高いレヴェルで揃っているという点でやはり過去最高というべきでしょう。全員暗譜で歌っていました。
題名役のスティーヴ・ダヴィスリムはオーストラリア人テノールで最初はホルン奏者だったそうです。太めの声で声量もあり、迫力満点、歌も上手いし演技もなかなかの様。
イリア役のカミーラ・ティリングは何度もROHで見ている人ですが、久しぶりに聴いて相変わらずの健在振りを確認し、改めていい声だと認識しました。今日は完璧です。
エレットラ役のタマル・イヴェリは昨年2月に同役をパリの舞台で聴いて感心した人ですが、今日もほぼ同様の出来でやはり私の好きな声だなぁと思いました。今日は実はアンナ・カテリーナ・アントナッチの代役でした。
イダマンテ役のクリスティーナ・ダレツカは主要役の中ではちょっと弱いかなという印象を受けました。声はきれいですが細めで深みがありません。美しい人です。
脇役男声陣も全く問題なしです。第2幕のアルバーチェのアリアはやはりカットされていました。

ということで音楽的には最高の「イドメネオ」でした。

Steve Davislim as Idomeneo & Camilla Tilling as Ilia
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Tamar Iveri as Elettra
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Thomas Hengelbrock & Christina Daletska as Idamante
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by dognorah | 2011-06-13 01:59 | オペラ

プッチーニのオペラ「マノン・レスコー」コンサート形式

2011年6月5日、QEHにて。

Giacomo Puccini: Manon Lescaut - opera in 4 acts
(concert performance in Italian with English surtitles)

Chelsea Opera Group Orchestra
Gianluca Marcianò conductor
Claire Rutter Manon Lescaut
Francesco Anile Des Grieux
Jacques Imbrailo Lescaut
Jeremy White Geronte
Deborah Miles-Johnson A Singer
Andrew Mackenzie-Wicks Dancing Master
Andrew Bain Edmondo
James Oldfield Innkeeper
Chelsea Opera Group Chorus

このオペラの舞台は昨年ヴィーンで見たばかりだし、主役陣は知らない歌手ばっかりだったのであまり期待しないで聴きに行きましたが、いやー、何とすばらしいコンサートだったことでしょうか。
タイトルロールのクレア・ラターはGSMD卒業のイギリス人ソプラノで、ENOでは何回か主役を歌っている人です。細すぎず太すぎずの中庸の声が美しくて声量もあるし見事な歌唱に感嘆しました。
デ・グリューを歌ったフランチェスコ・アニーレも初めて聴くイタリア人テノールですが、舞台に出てきたときは「この役にこのおっさん?」なんて思ってしまいました。しかし歌を聴いてびっくりしました。ちょっと太めの声ですが十分美しく大きな声量の持ち主で、迫力ある歌唱が感動的です。特に第3幕のロマンツァ”Pazzo son! ”は凄くて、こういう歌唱をされたら船長も彼の乗船を許すのは納得と思われるものです。1962年生まれなので今年59歳ですね。弱音部で声が汚れることがままありますがこれだけの歌唱に対しては小さな疵です。出演者の中ではただ一人すべて暗譜で歌っていました。
レスコー役のジャック・インブライロはROHの若手育成プログラム出身のバリトンで、ROHでは端役しか聴いたことがありませんが、こうしてまともな役を歌わせるとなかなかたいした歌唱でこれも感心しました。
ジェロンテ役のジェレミー・ホワイトもROHの端役専門バスですが何の不足もない歌唱でした。
第1幕の初っ端に歌うエドモンド役のアンドリュー・ベインは素敵な声で感心しましたが、この人はロンドンで働く現役の歯医者で、趣味が高じて歌手としても活躍している人だとのこと。面白い人材ですが、これだけの歌唱が出来るというのはかなり才能に恵まれた人だと思いました。ソニーBMGと100万ポンドで契約して話題にもなったそうです。
他の歌手たちやコーラスも水準の高い歌唱で文句なし。
イタリア人指揮者ジアンルーカ・マルチアーノも初めて見る人ですが、すばらしい音楽を演奏してくれる人で、歌手と一体となったプッチーニの音楽の醍醐味を十二分に聴かせてくれました。ブラヴォーです。

Claire Rutter
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Francesco Anile
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Gianluca Marcianò
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Andrew Bain
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Jacques Imbrailo, Francesco Anile & Claire Rutter
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by dognorah | 2011-06-06 22:08 | オペラ

トスカ、ドレスリハーサル

2011年6月3日、ROHにて。

Tosca: Melodramma in three acts (General Rehearsal on 3 June 2011)
Music: Giacomo Puccini

Conductor: Antonio Pappano
Director: Jonathan Kent
Royal Opera Chorus
Orchestra of the Royal Opera House

Floria Tosca: Martina Serafin
Mario Cavaradossi: Marcello Giordani
Baron Scarpia: Juha Uusitalo

タイトルロールを歌ったマルティナ・セラフィンは以前ここで歌ったことがあるらしいけれど私は初めて聴く人です。第1幕はあまりいい歌唱とは思いませんでしたが、第2幕以降は調子が出てきたようでまあまあ楽しめる声でした。第2幕の「歌に生き、愛に生き」はかなりよかったと思います。顔はそこそこきれいだけど体型的にはかなり下半身デブですね。
カヴァラドッシ役のマルチェロ・ジョルダーニは以前ミリチョーと共演して同役で聴いたときは結構よかったという印象がありましたが、、今日は手を抜いたのかあまりいいとは思いませんでした。声が魅力的じゃなかった。
スカルピアを歌ったユハ・ウーシタロは以前コンサート形式のドン・ピツァロ役で聴いたことがありますが実舞台で聴くのは今回が初めてです。スカルピアとしてなかなかかっこいい舞台姿で、歌唱も魅力的です。
この舞台の本番ではゲオルギュー、カウフマン、ターフェルのコンビでやる日があってそれを見る予定ですので、今日の歌手たちを聴くのは今回限りです。

最近のパッパーノは本当に好調で、今日の演奏も今まで以上にトスカという音楽の魅力を感じることが出来、大変満足しました。

Martina Serafin
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Marcello Giordani & Martina Serafin
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Juha Uusitalo
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by dognorah | 2011-06-05 01:28 | オペラ

ヘンデルのオペラ「アリオダンテ」コンサート形式

2011年5月25日、バービカンホールにて。

Handel: Ariodante (An opera in three acts)

Il Complesso Barocco
Alan Curtis: conductor

Joyce DiDonato: Ariodante
Karina Gauvin: Ginevra
Nicholas Phan: Lurcanio
Sabina Puértolas: Dalinda
Matthew Brook: King of Scotland
Marie-Nicole Lemieux: Polinesso
Sam Furness: Odoardo

他愛もない恋愛沙汰が邪な心を持った男に掻き回されることによってドラマティックな様相を見せるというよくあるストーリーで、最後はめでたしめでたしとなります。
タイトルロールのジョイス・ディドナートは光り輝くような存在感で絶好調の歌唱を聴かせてくれました。ズボン役としてヴェストにネクタイという出で立ちでボーイッシュな姿も魅力的です。
もう一人のズボン役マリー=ニコル・レミューは単なるパンツ姿ですが、歌唱の方は相変わらずのうまさでした。しかしこの人はよくロンドンに来ますね。3月の「狂気のオルランド」と4月の「ペレアスとメリザンド」でも歌っていましたので今年はすでにこれで3回目です。
ソプラノ歌手二人もすばらしい出来でした。カリーナ・ゴヴァンがこのオペラで最初にアリアを歌いますが清澄な声が瑞々しく響いて極上の声でした。拍手するタイミングを計っていたら誰も拍手せず。これは完全に拍手しそびれたもの。次の次ぐらいにレミューが歌ったらやっと拍手が起きたのですが、カーティスはそれが不満だったのか、観客の方を振り向いて「おまえらいったいどうしたんだ?最初のすばらしいアリアに拍手しないで!」と言わんばかりでした。
アリアが少ないもののダリンダ役のスペイン人、サビーナ・プエルトラスも魅力的な声で魅了してくれました。
そしてテノールのニコラス・ファン! 中国系だとおもいますがアメリカ人でとてもいい声です。惚れ惚れしました。
スコットランド王を歌ったマシュー・ブルックは水準の声ですが歌唱は上手い。
たった一人アリアのないテノール、サム・ファーネスは端役で代役ということもあって、まあ普通の声です。

管弦楽のアラン・カーティス指揮イル・コンプレッソ・バロッコを聴くのは5年ぶりで、前回は「ロデリンダ」でした。今回もそのとき同様上手いなあと思いました。全く文句なしのヘンデルです。

美しいアリアが一杯でオペラ好きには大変楽しめる作品ですがオペラとしてはしかしやや退屈な作品かもと思いました。

Joyce DiDonato & Karina Gauvin
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Alan Curtis
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Matthew Brook, Nicholas Phan, Joyce DiDonato, Marie-Nicole Lemieux, Karina Gauvin & Sabina Puértolas
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by dognorah | 2011-05-29 00:35 | オペラ

ヴェルディのオペラ「マクベス」ドレスリハーサル

2011年5月21日、ROHにて。

Giuseppe Verdi: Macbeth (Opera in four acts)

Director: Phyllida Lloyd
Conductor: Antonio Pappano

Macbeth: Simon Keenlyside
Lady Macbeth: Liudmyla Monastyrska
Macduff: Dimitri Pittas
Banquo: Raymond Aceto
Malcolm: Steven Ebel
Lady-in-waiting: Elisabeth Meister
Doctor: Lukas Jakobski

私がこのオペラを前回見たのは2006年2月3月ですが、ROHでの上演はその後もあったのかどうか定かではありません。あまり好きでもないので今回はこのドレスリハーサルを見るだけです。
タイトルロールのキーンリーサイドは好調でした。この前の「ペレアスとメリザンド」では怪我をした左腕を固定したまま動かせない状態でしたが、今日はまだギブスは一部残っているものの、普通に動かせる状態にまで回復していました。
マクベス夫人を歌ったリュドミラ・モナスティルスカは今回がROHデビューのキエフのソプラノですが太めの大柄な人で、とてもパワーのある歌唱で、この役にはぴったりという感じです。たくさんあるアリアはすべて大絶賛でした。
マクダフ役のアメリカ人テノール、ディミートリ・ピタスも印象的な歌唱で、素直に伸びる魅力的な声の持ち主です。
バンクォ役のアメリカ人バス、レイモンド・アセトも迫力ある歌唱でした。ということで歌手はすべて満足すべき出来です。
また管弦楽も過不足ない演奏で、今回字幕をあまり見ないで音楽に集中していたこともあってヴェルディの音楽を十分楽しめました。最近のパッパーノは結構いい水準を行っています。
演出もこうして数年ぶりに見てみると、なかなかよくまとまったものだということがわかりました。魔女たちのダンスや合唱も内容にふさわしいものです。
といいながらも、オペラ自体の魅力のなさは救いようが無く、これからもあまり見に行くことはないかな。

Simon Keenlyside
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Liudmyla Monastyrska
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by dognorah | 2011-05-23 00:53 | オペラ

スメタナのオペラ「売られた花嫁」コンサート形式

2011年5月20日、バービカンホールにて。

Bedřich Smetana: Prodaná nevěsta( The Bartered Bride)

Jiří Belohlávek: conductor
Kenneth Richardson: director
Dana Burešová: Marenka
Tomáš Juhás: Jeník
Jozef Benci: Kecal
Aleš Voráček: Vašek
Kateřina Kněžíková: Esmeralda
Lucie Hilscherová: Hata
Gustav Belacek: Micha
Svatopluk Sem: Krusina
Stanislava Jirků: Ludmilla
Jaroslav Březina: Ringmaster
BBC Singers
BBC Symphony Orchestra

いつもお国ものを振るとさすがという演奏をするビエロフラーヴェク、今日も例外ではなく序曲の最初からこれぞスメタナという音楽で、大いに楽しめました。それに加えて、チェコから連れてきた歌手たちも世界的一流というわけではないにしても十分上手い歌唱でこのオペラを鑑賞するには全く問題のない水準でした。テノールは主役のイェニーク役よりもヴァシェク役の方がいい声でした。タイトルロールのマジェンカ役ソプラノは全面的には好きな声ではないですが全音域で不足のない歌唱で声量もありました。今回はコンサート形式ながらある程度の演技もついていましたが、10年ぐらい前にグラインドボーンで実舞台を見たことがあります。指揮者や歌手が誰であったかは全く覚えていませんが、サーカスの登場するところでは結構曲芸や訓練された犬の演技などがあったことだけ覚えています。全曲を聴くのはそのとき以来ですがまあ楽しめるオペラですね。

Dana Burešová as Marenka
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Tomáš Juhás as Jeník
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Jozef Benci as Kecal
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Aleš Voráček as Vašek
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Stanislava Jirků as Ludmilla and Svatopluk Sem as Krusina
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Gustav Belacek as Micha and Lucie Hilscherová as Hata
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Kateřina Kněžíková as Esmeralda and Jaroslav Březina as Ringmaster
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Jiří Belohlávek
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by dognorah | 2011-05-22 09:15 | オペラ

ビリャソン復活、マスネーのオペラ「ヴェルテル」

2011年5月5日、ROHにて。

Werther
Music: Jules Massenet
Libretto: Édouard Blau, Paul Millet and Georges Hartmann after Jahann Wolfgang von Goethe's novel "Die Leiden des jungen Werthers"

Director: Benoît Jacquot
Conductor: Antonio Pappano

Charlotte: Sophie Koch
Werther: Rolando Villazón
Albert: Audun Iversen
Sophie: Eri Nakamura
Le Bailli: Alain Vernhes
Johann: Darren Jeffrey
Schmidt: Stuart Patterson

「ヴェルテル」は2007年9月にヴィーンで見たことがあるだけで、ROHの舞台は前回パスしていたので今回が初めてです。

全般的にマスネーの音楽は好きですが、今日のオケがえらくフランス的な音でパッパーノの指揮も叙情的なところと劇的なところのツボをしっかり押さえた類い希な美しいもので大いに感激しました。

そして歌手では何といっても久しぶりのビリャソンが結構好調で安心しました。声帯の手術はうまく行ったようですね。全盛期ほどの迫力はないのはきっとまだ少しセーヴしながら歌っているせいだと思いますが、それでも時折かなり声を張り上げていましたし、何といっても声質が昔通りの美声なのがいいです。
シャルロッテ役のコッシュは絶好調でした。美しくて張りと輝きのある声はすばらしいものでした。フランス人ということでこの役には最適役でしょうね。ヴェルテルでなくても惚れてしまう魅力的な舞台姿でしたし。
ソフィー役の中村恵理さんはロンドンを去ってから初めて聴きましたので大変久しぶりですが、美声と歌のうまさは健在でした。あまりロンドンに来ることはないでしょうがミュンヘンでこれからもしっかり活躍していただきたいと思います。
アルベルト役のバリトン、オーデュン・イヴェルセンはまあまあの歌唱。
お父さん役のアラン・ヴェルネはつい先日「ペレアスとメリザンド」のArkel役で聴いたばかりですが今日もそのときと同様しっかりとした声が大声量で響くものでした。

ブノワ・ジャコの演出は特に変わった点もなくリブレットに忠実なような気がします。舞台はなぜか傾斜した地面(床)になっていますが、家の壁の鶴など結構リアルに作り込まれています。第4幕では舞台奥の限定的なスペースに雪を降らせて、奥からヴェルテルのシャレーがせり出してくる仕掛けになっています。全体としては割とよくできた舞台だと思います。

ということで大変満足できた公演でした。

終了直後のビリャソンとコッシュ
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Rolando Villazón
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うまく行ったのでで雄叫びを上げるビリャソン
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Sophie Koch
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Sophie Koch & Eri Nakamura
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Eri Nakamura, Darren Jeffrey & Stuart Patterson
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パッパーノも上機嫌
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by dognorah | 2011-05-07 07:29 | オペラ

ドビュッシーの「ペレアスとメリザンド」コンサート形式

2011年4月18日、バービカンホールにて。

Debussy: Pelléas et Mélisande

Orchestre de Paris
Louis Langrée: conductor
Natalie Dessay: Mélisande
Simon Keenlyside: Pelléas
Marie-Nicole Lemieux: Geneviève
Laurent Naouri: Golaud
Alain Vernhes: Arkel
Khatouna Gadelia: Yniold
Nahuel Di Pierro: Doctor

すばらしい公演でした。
まず、ルイ・ラングレー指揮するパリ管弦楽団の演奏にブラヴォーです。2007年に見たROHの舞台でもサイモン・ラトルの演奏は大変よかったのですが、今回はパリ管の音が格段によく、指揮もよりドビュッシーの本質を突いている印象で劇的緊張も背中がぞくぞくする状態が続き、大いに感銘しました。
歌手ではゴロー役のロラン・ナウリが声、表現とも完璧な印象で大変感心しました。
メリザンド役のナタリー・ドゥセは元々そういう傾向のあるやや乾いた声が今回は強く感じられ、更に中音域でしわがれることもたびたびあって好調ではなかったです。
サイモン・キンリーサイドは大略いつも通り明るいバリトンがよく響き、好調でした。左腕を骨折したのか腕にサポーター様のものを巻き付け、更に右肩からバンドで手首を吊っていました。
他の歌手も申し分なく、レヴェルの高い公演でした。こういう格調の高い演奏に対して終演直後にブーを発した男声がいて私も周りもびっくりしました。直ちに私や他の大勢の客がブラヴォーで返しましたが、いろいろな人がいるものです。
なお、今日はナタリーの誕生日だったらしく、2回目に全員が舞台に呼び戻されて拍手を受けているときに、突然夫君のロラン・ナウリが大きな花束を用意して彼女の前に跪き、それを手渡しました。管弦楽は当然例の誕生祝いの音楽を奏でます。本人は満面に笑みを浮かべて大喜び。

Louis Langrée & Orchestre de Paris
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Simon Keenlyside & Natalie Dessay
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Alain Vernhes & Marie-Nicole Lemieux
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Laurent Naouriから花束を受け取って大喜びのNatalie Dessay
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by dognorah | 2011-04-28 08:01 | オペラ

リムスキーコルサコフのオペラ「皇帝の花嫁」

リムスキーコルサコフのオペラ「皇帝の花嫁」
2011年4月18日、ROHにて。

The Tsar's Bride (Царская невеста): Opera in Four Acts
Music: Nikolay Rimsky-Korsakov
Libretto: Il'ya Fyodorovich Tyumenev based on a scenario by the composer, after the drama by Lev Alexandrovich Mey

Director: Paul Curran
Conductor: Mark Elder

Marfa Sobakina: Marina Poplavskaya
Grigory Gryaznoy: Johan Reuter
Lyubasha: Ekaterina Gubanova
Ivan Sergeyevich Lïkov: Dmytro Popov
Yelisey Bomelius: Vasily Gorshkov
Vasily Sobakin: Paata Burchuladze
Dunyasha Saburova: Jurgita Adamonyte
Domna Saburova: Elizabeth Woollett
Malyuta-Skuratov: Alexander Vinogradov
Petrovna: Anne-Marie Owens

ROHでは初めて上演するオペラです。音楽はまあ楽しめるものの正直言ってあまり面白くないオペラです。

大方の歌手はよい出来で歌唱は楽しめました。特に、ヨハン・ロイター、アレクサンダー・ヴィノグラードフ、エカテリーナ・グバノワ、ユルギータ・アダモニテは印象的です。マーク・エルダーの指揮も序曲は退屈な出来だったものの、幕が上がった後は躍動感溢れるものでさすがでした。

演出は現代的で、それに徹しているのは大変よく、舞台装置はなかなかのもので、特に第3幕のプールのある屋上のシーンは観客がどよめいたぐらいよくできたものでした。ただ、登場人物の処理でいえば秘密警察の面々の扱いがいまいち理解不能で、劇進行上特に必要とは思えないものでした。リブレットもよくないのでしょうが。

左からEkaterina Gubanova, Mark Elder, Marina Poplavskaya, Johan Reuter, Dmytro Popov & Vasily Gorshkov
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Paata Burchuladze & Ekaterina Gubanova
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Jurgita Adamonyte & Alexander Vinogradov
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by dognorah | 2011-04-27 07:51 | オペラ

ヴィヴァルディのオペラ「狂気のオルランド」 - コンサート形式

2011年3月26日、バービカンホールにて。

Vivaldi: Orlando Furioso

Ensemble Matheus
Jean-Christophe Spinosi: conductor
Marie-Nicole Lemieux: Orlando
Veronica Cangemi: Angelica
Franziska Gottwald(Jennifer Larmoreの代役): Alcina
Philippe Jaroussky: Ruggiero
Daniela Pini(Romina Bassoの代役): Medoro 
Christian Senn: Astolfo
Kristina Hammarström(Christianne Stotijnの代役): Bradamante 

ヴィヴァルディのオペラを聴くのは「Tito Manlio」「Ottone in Villa」に次いで3度目です。そのほかにも昨年のPromsで今日と同じ管弦楽に、レミューとジャルスキーの出演で何曲かのアリアを聴いていますが、この人たちは仲がいいのか結構共演しているんですね。物語は今回のが過去に聴いたものよりやや複雑で、実際の舞台上演に適したものと思います。

歌手は代役も含めてすべて好調でした。特にマリー=ニコル・レミューは相変わらず元気いっぱいでコンサート形式にもかかわらず舞台を動き回って演技をしながら熱唱。しかし長いオペラでは歌も演技もやや一本調子で、最後の方は少し飽きたかも。

フィリップ・ジャルスキーもいつもの調子で快調に歌いました。第1幕のSol da te, mio dolce amoreはPromsでも聴いた美しい曲ですが、何度聴いてもフルートソロをバックに歌う繊細な表現はすばらしい。

お馴染みになったヴェロニカ・カンジェミも好調で楽しませてもらいましたが、ドレス姿も美しくて一際目立っていましたね。
他の歌手ではバスバリトンのクリスチャン・センの迫力ある歌唱に特に感心しました。

スピノジ指揮のアンサンブル・マテウスを聴くのはこれで3回目ですが、過去2回は短い曲を何曲もやるコンサートでしたので問題なく楽しめたものの、今回のようにオペラ全幕ではちょっと全体の音楽作りが弱い感じで、過去のヴィヴァルディ体験に比べると退屈感は否めませんでした。

Jean-Christophe Spinosi, Marie-Nicole Lemieux & Veronica Cangemi
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Philippe Jaroussky, Veronica Cangemi, Franziska Gottwald & Kristina Hammarström
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Daniela Pini, Philippe Jaroussky & Veronica Cangemi
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Christian Senn & Marie-Nicole Lemieux
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by dognorah | 2011-03-29 23:59 | オペラ