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カテゴリ:オペラ( 364 )

グルックのオペラ「Il trionfo di Clelia(クレリアの勝利)」

2012年6月24日、Linbury Studio Theatreにて。

Il trionfo di Clelia (UK prerniere): Opera Seria in three acts (1763)
Music: Christoph Willibald von Gluck (1714-1787)
Libretto: Pietro Metastasio

Clelia: Hélène Le Corre soprano
Orazio:Mary-Ellen Nesi mezzo-soprano
Taquinio: Irini Karaiannì mezzo-soprano
Larissa: Lito Messini soprano (Burçu Uyarの代役)
Porsenna: Vassilis Kavayas tenor
Mannio: Artemis Bogri mezzo-soprano
City of London Sinfonia
conductor : Giuseppe Sigismondi de Risio
director/set design: Nigel Lowery
costume: Paris Mexis
lighting: George Tellos

このオペラは初演は大成功だったそうですが、まともに作ると舞台装置が大変だという理由で長く上演機会に恵まれず埋もれてしまったという作品です。今回は多分City of London Sinfonia主導でEUやROHなどスポンサーがお金を出して上演にこぎ着けたようです。
ストーリーはローマとEtruscansという王国の戦いをベースにいくつかの恋愛を絡ませたもので、ややこしいながらも面白く展開していきます。Cleliaはローマの高貴な生まれで若い女性、それがローマとの和平のためにPorsennaが治める王国Estrucansの人質となっていてしかもローマ大使であるOrazioとは婚約している身。その彼女を見初めて横恋慕しているのがEstrucansの貴族Tarquinio、しかし彼はPorsennaの娘Larissaと婚約しており、将来は王国を継ぐことになっている。ところがLarissaはEstrucansと同盟関係にあるVejenti国の王子Mannnioを愛している。こういう状況の下、ローマとEstrucansの間の戦闘も交えてCleliaの運命が翻弄されていくのですが、最後はTaquinoの悪行がばれて処刑されると好きなもの同士が結ばれてめでたしめでたしとなります。
演出は段ボールの箱とヴィデオを多用したチープな舞台装置ながらなかなかよくできていて感心しました。かなり才能のある人ですね。
歌手は男声が一人だけで、メゾソプラノはすべてズボン役です。各歌手とも立派な歌唱でした。特に題名役のフランス人ソプラノ、エレーヌ・ル・コルは大変すばらしい声が高音から低音まで淀みなく出て印象的でした。もう一人のソプラノ、リト・メッシーニは第1幕がやや乾き気味の声でぱっとしませんが第2幕以降は調子が上がり楽しませてくれました。3人のメゾの中ではマリー=エレン・ネシが最も好みの声でしたが、他の二人も悪くないです。テノールも艶のある声がよく出て水準の高い歌唱です。
これとほぼ同じ出演者でCDが出ていますが、あるいはどこかですでに公演があったのかも知れません。

出演者達
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Hélène Le Corre
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Mary-Ellen Nesi
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Vassilis Kavayas
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Giuseppe Sigismondi de Risio
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by dognorah | 2012-06-27 01:51 | オペラ

南アフリカのオペラカンパニーIsango Ensembleによる「ラ・ボエーム」

2012年5月19日、Hackney Empireにて。

Puccini: La bohème

Adapted and directed by Mark Dornford-May
Conductor: Mandisi Dyantyis
Mimi: Pauline Malefane
Rodolfo: Mhlekazi 'Whawha' Mosiea
Musetta: Nobulumko Mngxekeza
Marcello: Simphiwe Mayeki
Colline: Luvo Rasemeni
Schaunard: Katlego Mmusi

友人のWさんに誘われてちょっと変わったオペラを見てきました。Isango Ensembleはケープタウンをベースにした演奏団体です。音楽は管弦楽ではなくザイロフォンとスティールドラムを組み合わせて演奏されます。オリジナル音楽はかなりカットしていて、休憩を合わせて演奏時間は2時間程度です。歌詞は英語です。舞台中央が演技空間で、両脇にオーケストラが配置され、指揮者は左側のオケの前で指揮します。
各歌手の出来はまあまあでプッチーニの音楽はそれなりに楽しめます。ソプラノではムゼッタの声がいいです。南半球でのストーリーに読み替えてあるので、物語は6月から始まります。舞台装置は無きに等しく、ガラクタを並べただけのものです。
Wさんも仰っていたけれど、アフリカの要素をふんだんに取り入れて、オペラ自体を自分たちのものにして生き生きとして上演していることに感心しました。幕間にはコーラスやオケの連中も含めて舞台上でアフリカンダンスを披露するのです。時にはカルメンの音楽をちょっと演奏して観客の笑いを誘ったり・・・エネルギーに満ちあふれているという印象ですね。日本のオペラだって日本の伝統を取り入れてユニークなものにして世界中で上演することを考えてもいいじゃないかというWさんの言葉には大変共感しました。
南アフリカのオペラは以前にも見たことがありますが、あのときの演奏形態は西洋のそれに近いものでしたが、今回のようなヴァリエーションも含めて結構音楽活動は盛んなんですね。

やはりWさん情報ですが、ちょっとネガティヴな事実が。舞台上の出演者はすべて黒人ですが、このカンパニーを牛耳っているお偉方はすべて白人らしい。そして、このロンドン公演はこのオペラのほかに演劇が2演目あるのですが、週末はこれら3つがすべて一日に上演されるという過密スケジュールです。出演者はその3つでほぼ共通ということで、歌手もオペラに全力投球できないという状況。それにしても舞台上の皆さんは明るいですね。

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左から、ムゼッタ、ロドルフォ、指揮者、ミミです。
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by dognorah | 2012-05-23 00:07 | オペラ

ヴェルディのオペラ「ファルスタッフ」新演出初日

2012年5月15日、ROHにて。

Falstaff: Commedia lirica in three acts
Music: Giuseppe Verdi
Libretto: Arrigo Boito after William Shakespeare's plays "The Merry Wives of Windsor" and "Henry I and II"

Director: Robert Carsen
Conductor: Daniele Gatti

Sir John Falstaff: Ambrogio Maestri
Alice Ford: Ana María Martínez
Ford: Dalibor Jenis
Meg Page: Kai Rüütel
Mistress Quickly: Marie-Nicole Lemieux
Nannetta: Amanda Forsythe
Fenton: Joel Prieto
Dr Caius: Carlo Bosi
Bardolph:Alasdair Elliott
Pistol: Lukas Jakobski
Royal Opera Chorus
Orchestra of the Royal Opera House

4年前にヴィーンで初めて見て以来の経験です。ROHは10年ぐらい前にやったらしいですが私はそのときはパスしているのでROHとしてはこれが初めてです。10年前のプロダクションはそれっきりでお蔵入りし、今回はカーセンによる新演出です。2回しか見ていなくてこういうのも何ですが、このオペラは第2幕まではよく書けているものの第3幕の出来が悪く、全体としては魅力の薄いオペラになっている印象です。ヴィーンのプロダクションもカーセンの新演出も第2幕までは共によくできていると思うのですがやはり第3幕は救いようがない感じです。再演されても見に行くかどうか微妙ですね。

さてカーセンの演出ですが完全に現代に読み替えたもので、各シーンとも部屋の出来や家具調度も立派なもの。第2幕ではモダンで広々としたキチンが設営されますが、このシーン後半のドタバタから第3幕にかけての群衆処理はあまり感心しません。特に第2幕でフォードが手下を大勢連れてきてファルスタッフを探し回る部分で、戸棚の中のものをすべて床の上に投げ出すシーンなど不愉快でちっとも面白くありません。カーテンコールで結構彼に対するブーが出ていたのはそういうところに原因があるのではないかと思いました。

音楽の方は、とにかくガッティの指揮がすばらしく、これだけ饒舌に質の高い音楽をこのオケから引っ張り出すのを目の当たりに見ると、最近とてもすばらしい音楽を作るようになったといつも私がほめているパッパーノも色あせて見えてしまいます。これは経験とかじゃなくて持って生まれた資質なんでしょうね。この人がオペラを指揮するのを見るのは4年前のバイロイトでの「パルジファル」以来2回目で、もちろんROHでは初めてですが、もっともっとオペラを指揮して欲しい人です。

歌手の方は全員それぞれの実力を出し切っている印象で、なかなかよかったです。主役のマエストリは4年前のヴィーンでも歌った人ですが今日はそのときより遙かにだみ声が少なく、迫力ある歌唱でした。演技もなかなか堂に入ったもので、大いに笑わせてくれました。このオペラではアリーチェ役が女声陣の筆頭でしょうけれど、歌唱的には前回と同様ナンネッタとフェントンが楽しめます。今回の二人もかなり楽しませてくれました。フォード役もとてもよい出来で、文句なし。

Robert Carsen & Daniele Gatti
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Ambrogio Maestri
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Ana María Martínez
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Joel Prieto & Kai Rüütel
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Marie-Nicole Lemieux & Amanda Forsythe
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Dalibor Jenis & Ana María Martínez
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by dognorah | 2012-05-17 06:33 | オペラ

ROH公演「ラ・ボエーム」

2012年5月5日。

Puccini: La bohème
Conductor: Semyon Bychkov
Director: John Copley

Marcello: Fabio Capitanucci
Rodolfo: Joseph Calleja
Colline: Matthew Rose (Yuri Vorobievの代役)
Schaunard: Thomas Oliemans
Benoit: Jeremy White
Mimi: Carmen Giannattasio (Anja Harterosの代役)
Parpignol: Luke Price
Musetta: Nuccia Focile
Alcindoro: Donald Maxwell
Customs Officer: Christopher Lackner
Seargeant: Bryan Secombe

ラ・ボエームを見るのは久しぶりながらお目当てのアンヤ・ハーテロスが降板してしまってかなり興味が薄れた公演となってしまったけれど、代役のカルメン・ジアンナッタシオはまあまあの歌唱だったし、ロドルフォを歌ったジョセフ・カレジャはすばらしいの一語に尽きる満足すべき出来だったので良しとしなければならないでしょう。
ジアンナッタッシオは2002年にパリで開催された「プラシド・ドミンゴ国際オペラ声楽コンクール」で優勝したソプラノで、私は過去にドニゼッティのオペラ「パリシーナ」の題名役とロッシーニのオペラ「エルミオーネ」のやはり題名役で聴いていますが、パリシーナはすばらしくエルミオーネはまあまあの歌唱だったので今日はどうかなと思って聴いていました。しかし第1幕はあまり調子が上がらず、「私の名はミミ」は全く感動のない歌唱でがっかり。テンポも遅すぎです。その直前のカレジャがブラヴォー飛び交う大拍手だったのに彼女の場合が拍手もぱらぱらという状態。ところが第3幕と第4幕は俄然よくなり、大いに歌唱を楽しめました。こうなると彼女の舞台上での容姿の可憐さと連動してますます引込まれることになりました。
カレジャは今まで何度も聴いている人ですがいつも安定してすばらしい歌唱をする人という印象があり、今回も例外ではありませんでした。
ムゼッタを歌ったヌッチア・フォチレはそれほど印象的な歌唱ではなく、まあまあというところ。
マルチェッロを歌ったファビオ・カピタヌッチは大変立派な歌唱で聴き応えがありました。
最近はコンサートでよく聴いているビチコフがオペラを振るのは1年半ぶりに見ましたが、こういう演目も振るのはちょっと意外でした。しかし文句なしの指揮でレパートリーの広い人です。

Nuccia Focile, Carmen Giannattasio & Joseph Calleja
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Fabio Capitanucci
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Joseph Calleja
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Carmen Giannattasio
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Semyon Bychkov
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Carmen Giannattasio
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ところで今日はちょっと変わった趣向がBBCとの共催で催され、そのために第2幕を2回見ることになりました。催しとは素人の指揮者(しかし名前はTVなどで比較的知られている人たち)にオペラを振らせて誰が一番出来がよかったかを競わせるもので、その中で優勝した人が実際にROHのピットに立って実舞台を振るというものです。ということでこの余興は主要歌手と指揮者を変えて(他の出演者とオケはそのまま)第2幕だけ上演したのでした。
指揮に挑戦したのはMr. Trever Nelson(Broadcaster and presenter), Miss Josie Lawrence(Actress), Professor Marcus du Sautoy(Mathematician, author and presenter) and Mr. Craig Revel Horwood(Director and choreographer)の4人で、優勝したのはHorwood氏です。

出演者は、Susana Gaspar(Mimi), Pablo Bemsch(Rodolfo), Madeleine Pierard(Musetta), Daniel Grice(Schaunard), Jihoon Kim(Colline), Zhengzhong Zhou(Marcello)で全員ROHのJet Parker Young Artists Programmeに属している人たちです。この中ではムゼッタ役のニュージーランド人ソプラノが歌も上手く長身の舞台映えする美人で印象に残りました。
指揮者は素人とはいえ、なかなか上手く指揮をしていましたが、やはりこの人の職業を考えると音楽に接することが多そうで有利なんでしょう。なお、この様子は5月18日にBBC Twoで9時から放映されます。

中央の燕尾服がCraig Revel Horwood、左側はムゼッタを歌ったMadeleine Pierard
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by dognorah | 2012-05-09 02:26 | オペラ

ヴェーバーのオペラ「魔弾の射手」コンサート形式

2012年4月19日、バービカンホールにて。

Weber: Der Freischütz (concert performance)

Sir Colin Davis conductor
Stephan Loges: Ottokar/Zamiel
Martin Snel:l Kuno
Christine Brewer: Agathe
Sally Matthews: Ännchen
Lars Woldt: Kaspar (Falk Struckmannの代役)
Simon O’Neil:l Max
Gidon Saks: A Hermit
Marcus Farnsworth: Kilian
Lucy Hall: Four Bridesmaids
Malcolm Sinclair: narrator
London Symphony Chorus
London Symphony Orchestra

初めて体験するオペラです。実は昨年ベルリオーズが作り替えたこれのフランス語版を聴くチャンスがPromsであったのですがブダペストに行く用事のため行けなかったのです。
本日の公演はオリジナルのドイツ語版です。しかしドイツ語による地の台詞が多いのでその部分は英語によるナレーターによってストーリーが補足される形式でした。ザミエルは姿を現さず、スピーカーを使って暗い感じを表現していました。歌手はボヘミアの公爵オットカーとの二役担当なのでオットカーの時は舞台で歌っていましたが。
コリン・デイヴィスの指揮する音楽の何とすばらしいことでしょう。序曲からわくわくしながら聴いていました。このところLSOの音は本当にすばらしいし、歌手達もまあまあなので全体として十分楽しめました。マックス役のサイモン・オニールはいつも通りの美声。ファルク・シュトルックマンの代役ラーズ・ヴォルトも文句なし。クリスティン・ブリューワーも水準の歌唱。しかしこの人はますます太った印象を受けました。協演したサリー・マシューズの3倍ぐらい太い。そのサリー・マシューズは前半ちょっと声が引っかかるような感じでしたが後半は俄然よくなって第3幕のロマンスとアリアはすばらしい歌唱でした。
しかしそれにしてもこの作品はオペラとしてはあまり魅力を感じません。ストーリーが単純でばかばかしいところもありますし。あまり舞台で見たいとは思いませんでした。

Lars Woldt & Simon O’Neil
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Sir Colin Davis talking to Christine Brewer
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by dognorah | 2012-04-24 21:18 | オペラ

オペラ「リゴレット」

2012年4月7日、ROHにて。

Giuseppe Verdi: Rigoletto

Director: David McVicar
Conductor: John Eliot Gardiner

Rigoletto: Dimitri Platanias
Gilda: Lucy Crowe
Duke of Mantua: Vittorio Grigolo
Count Monterone: Gianfranco Montresor
Maddalena: Christine Rice
Sparafucile: Matthew Rose
Giovanna: Elizabeth Sikora
Marullo: ZhengZhong Zhou
Matteo Borsa: Pablo Bemsch
Count Ceprano: Jihoon Kim
Countess Ceprano: Susana Gaspar
Usher: Nigel Cliffe
Page: Andrea Hazell
Royal Opera Chorus
Orchestra of the Royal Opera House

このマクヴィカーのプロダクションは2001年プレミエだったのでもう11年前のものになります。随分再演されていますが過去に私が見たのは3回だけでこれが4回目です。今回のお目当てはヴィットリオ・グリゴーロですが、期待通りのすばらしい歌唱で大満足です。ピアノからフォルテまですべての音域で惚れ惚れする声は相変わらずで、今まで何度か舞台で聴いたものよりも一段と歌のうまさが感じられました。
タイトルロールの初めて聴くギリシャ人バリトン、ディミートリ・プラタニアスもいい声をしていて迫力もあり、これはまた注目すべきバリトンです。外見はハンサムとは言えないので女性支持者は少ないかも知れませんが。
ジルダを歌ったルーシー・クロウは個人的事情で降板したEkaterina Siurinaの代役で、この日がこの役のデビューでした。そのせいでやはり緊張していたのでしょう、第1幕で登場したときは高音部が乾いた音色で伸びもなくおやおやという印象でした。暫くすると高音も潤いが出てきて全体としてはまあまあの歌唱でしたが、最高音部は終始苦しく、ちょっと聴きづらくなります。
殺し屋役初登場のマシュー・ローズは上手い歌唱でしたが低音部はもう少しドスのきいた声が欲しいところです。
マッダレーナ役のクリスティーン・ライスは演技も含めてかなり上手く、第2幕の有名な4重奏もしっかり。
指揮のジョン・エリオット・ガーディナーのヴェルディはROHで聴くのは「シモン・ボッカネグラ」に次いで2回目ですが前回と同じくさすがと言える音楽を聴かせてくれました。ROHのオケがこんなに美しい音を出すのか!と驚く場面もしばしばでしたし、劇的表現も凄いものがあります。狭いオケピットの中にコントラバスが8本ちゃんと入っていましたが普通のことなんでしょうか。なんか低音を増強している風に思えたのですが。

Dimitri Platanias
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Lucy Crowe, Vittorio Grigolo and Christine Rice
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Vittorio Grigolo
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John Eliot Gardiner
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by dognorah | 2012-04-09 09:02 | オペラ

ゲルギエフの「パルジファル」コンサート形式

2012年4月3日、バービカンホールにて。

Wagner: Parsifal

Mariinsky Theatre Orchestra & Chorus
Valery Gergiev conductor
Parsifal Avgust Amonov
Kundry Larisa Gogolevskaya
Gurnemanz Yury Vorobiev
Amfortas Evgeny Nikitin
Klingsor Nikolay Putilin
Titurel Alexey Tanovitsky
1st Flowermaiden Viktoria Yastrebova
2nd Flowermaiden Oksana Shilova
3rd Flowermaiden Liudmila Dudinova
4th Flowermaiden Anastasia Kalagina
5th Flowermaiden Zhanna Dombrovskaya
6th Flowermaiden Anna Kiknadze
Tiffin Boys Choir

パルジファルの舞台は過去に4回見ていますがコンサート形式を聴くのは初めてです。今日のゲルギエフはなかなかすばらしく、前奏曲から最後までずっと聴き惚れました。マリインスキー劇場管弦楽団の音も柔らかい弦に音程のしっかりした管共にとても満足すべき出来でこのオペラにふさわしい響きでした。ゲルギエフは両翼配置したオケを舞台上にコンパクトに詰め込み、指揮台も指揮棒も使わずに指揮していました。歌手は主要役を左側第1ヴァイオリンとコントラバスの間に座らせ、右側の弦セクションの後ろに他の歌手陣を配置、そのままの位置で歌わせていました。またティトレルと少年合唱は2階席後方に配置してそこで歌わせていました。

歌手はグルネマンツ、アンフォルタス、ティトレル、クリングゾルがすばらしくて文句なしの出来。特にニキティンのアンフォルタスは立派の一語です。パルジファルは第2幕でもう少し声量が欲しいところですが第3幕はかなりよかった。クンドリは声量はあるものの私の好みの声ではなく、時々聴き続けるのが苦痛だったことも。他の歌手達はすべてよかった。合唱は男声が格段によく女声はまあまあというところ。

ということで全体としては大変楽しめました。ゲルギエフに対するブラヴォーも盛んで、特に第2幕開始で登場したときには盛大なブラヴォーが飛んでいましたが納得できます。

Evgeny Nikitin as Amfortas
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Avgust Amonov as Parsifal
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Avgust Amonov and Larisa Gogolevskaya as Kundry
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Yury Vorobiev as Gurnemanz
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Nikolay Putilin as Klingsor
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Valery Gergiev
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by dognorah | 2012-04-08 01:43 | オペラ

新作オペラ「Miss Fortune」

2012年3月16日、ROHにて。

Miss Fortune
Music and Libretto: Judith Weir

Director: Chen Shi-Zheng
Set design: Tom Pye
Costume design: Han Feng
Video design: Leigh Sachwitz
Conductor: Paul Daniel

Tina (Miss Fortune): Emma Bell
Lord Fortune: Alan Ewing
Lady Fortune: Kathryn Harries
Fate: Andrew Watts
Hassan: Noah Stewart
Donna: Anne-Marie Owens
Simon: Jacques Imbrailo
Royal Opera Chorus
Orchestra of the Royal Opera House

Bregenz Festivalとの共同制作で、ブレゲンツではすでに昨年上演されました。作曲家ジュディス・ウイアは1954年生まれのイギリス人です。

オペラのあらすじ
世の中の経済状況の悪化に伴って富豪だったフォーチュン家は財産を失い、娘のティナは両親と別れて放浪するも不運続きで生活は好転しない。路傍でケバブの屋台を経営するハッサンに頼まれて留守番をするもある晩ヨブ達に襲われて屋台は炎上し、ハッサンは全財産を失う。彼女はクリーニング屋でアルバイトするもアイロンがけなどの仕事がきつくてへとへとになる。そういう状況に「Fate(運命)」に文句を言ったら、宝くじに当たるようにしてくれる。しかし同時にクリーニング屋の顧客で若くて金持ちの青年に見初められ、宝くじは放棄して彼との生活を選択する。

オペラにしては何とも変てこなストーリーですが、作者は現在の政治状況の下で人々の生活がどんどん厳しいものになっていく課程をテーマにしたかったのでしょう。それはそれで納得できるものの、音楽が何とも魅力のないもので歌手やオケは頑張っているもののオペラとしては失敗作と言えるでしょう。

歌手は全員特に不満のない出来で、カウンターテノールのアンドリュー・ウォッツは「ロンドンの椿姫」さんによると初日はあまり声が出ていなかったようですが今日は十分まともでした。若い金持ち実業家のジャック・インブライロはROHのヤング・アーティスト出身ですがなかなか印象的な歌唱でした。

指揮者は恐らく初めて見た人ですが、悪くはないでしょう。

舞台は演出も美術も中国人と思われる方々の仕事ですが、美しい出来でよい印象を持ちました。となるとやはり音楽が大変見劣りしますね。

Emma Bell
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Jacques Imbrailo
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Noah Stewart
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Andrew Watts
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Paul Daniel
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by dognorah | 2012-03-20 02:09 | オペラ

ドヴォルザークのオペラ「ルサルカ」

2012年2月27日、ROHにて。

Antonin Dvorák: Rusalka

Directors: Jossi Wieler & Sergio Morabito
Conductor: Yannick Nézet-Séguin

Rusalka: Camilla Nylund
Foreign Princess: Petra Lang
Prince: Bryan Hymel
Ježibaba: Agnes Zwierko
Vodník: Alan Held
Huntsman: Daniel Grice§
Gamekeeper: Gyula Orendt
Kitchen Boy: Ilse Eerens
Wood Nymphs: Anna Devin, Justina Gringyte & Madeleine Pierard
Royal Opera Chorus
Orchestra of the Royal Opera House

ROHでこの演目をやるのは久しぶりらしいです。過去に2回上演した記録が残されていますが、いつなのかは知りません。今回のはザルツブルグの2008年の新作を貰ってきたもので、今日が初日です。私の方はと言えば、このオペラを体験するのはこれが2回目で、前回はグラインドボーンでした。演出は随分違うのは当然としても、今回のは室内楽的な舞台で、グラインドボーンのスペクタクルなグランドオペラを思わせるスケール感は全くありません。演出全体を比べてもどうも納得できないところがままあり、グラインドボーンの方が遙かにいい演出です。大体ルサルカがナイフを腹に突き立てて自殺するというのは原作とも違うし、黒猫のぬいぐるみ姿が出てきたりするのもなんだかねぇ。魔女と黒猫の組み合わせという陳腐な発想が大体いけない。案の定カーテンコールで出てきた演出家には盛大なブーが飛んでいました。猫ついでにいえば、魔女が座っているソファーに本物の黒猫が出演していて驚きました。まるで訓練をしっかり受けたように逃げたり嫌がったりせずに、魔女のちょっかいに反応していたし、最後は猫の脇腹あたりを魔女が何かすると、さっと舞台袖に引っ込みましたし。

歌手の方ですが、ROHデビューのフィンランド人ソプラノ、カミーラ・ニュールントは第1幕ではきれいな声ながらもやや線が細く、「月に寄せる歌」もあまり印象的ではありません。しかし第3幕では声が力強くなり、大満足の歌唱でした。第1幕はセーヴしていたのか、デビューで緊張していたのか。
王子役のアメリカ人テノール、ブライアン・ハイメルは、過去に聴いた「トロイ人」ではよい印象でしたが「カルメン」ではどうもねぇという半々の経験をしていますが、この人も第1幕では声が上滑り的でカルメンに近く、第3幕では力強い歌唱で合格。
外国の王女役、ドイツ人メゾ、ペトラ・ラングはよく声が出ていて、演技も得意の憎まれ役が堂に入っていました。ヴォドニク役のアメリカ人バスバリトン、アラン・ヘルドも立派な歌唱で、気持ちよく聴けました。魔女役のポーランド人メゾ、アグネス・ツヴィールコもなかなかすばらしい。3人の妖精達はすべてROH若手歌手養成コースの人たちですが、皆さんスタイルがいいし上手かった。しかし主要役には一人もチェコ人がいませんね。

指揮者ですが、もう最高!ドヴォルザークの美しく劇的な音楽を余すところ無く伝えてくれた感じです。この人のオペラ指揮を聴くのはは昨年のバーデンバーデンの「ドン・ジョヴァンニ」に次いで2回目ですが両方ともとてもいい印象で、これからの登場も待ち遠しいです。なお、音楽監督のパッパーノは今日は客席にいました。

Camilla Nylund、終演直後の独りカーテンコール
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Bryan Hymel
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Agnes Zwierko
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Alan Held
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Petra Lang
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Anna Devin, Madeleine Pierard & Justina Gringyte
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Yannick Nézet-Séguin
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by dognorah | 2012-02-29 02:13 | オペラ

モーツァルト「皇帝ティートの慈悲」コンサート形式

2012年2月22日、バービカンホールにて。

Mozart La Clemenza di Tito

Deutsche Kammerphilharmonie Bremen
Louis Langrée conductor
Michael Schade Titus
Alice Coote Sextus(エリーナ・ガランチャの代役)
Rosa Feola Servilia
Malin Hartelius Vitellia
Christina Daletska Annius
Brindley Sheratt Publius

このオペラのコンサート形式は3年半前に同じバービカンホールで聴きましたが、セスト役はそのときもアリス・クートでした。今回はガランチャが出産直後でツアーは無理ということでキャンセルとなったのですが代役のクートは前回の出来を凌ぐ絶好調の歌唱でした。音程はしっかり、声は深みがあり各アリアの表現も納得のいくものでした。まるで「ガランチャでなくてもいいでしょうがー」と言わんばかり。でも容姿がちょっと違うんですけどー。
ティート役のミヒャエル・シャーデもそれに劣らないすばらしい出来で大変楽しめました。コンサート形式とはいえ、演技のうまさがもろ感じられる迫力もありました。
ヴィテリア役のマーリン・ハルテリウスも悪くはありませんが声は全面的に好きだというわけではないです。
セルヴィリア役のローザ・フェオラは美しい声の持ち主で、こちらは私の好み。この役はアリアが少ないのが恨めしい。
アンニオ役のクリスティーナ・ダレツカはまあまあの出来。
プブリス役のブリンドリー・シェラットはROHでお馴染みのバスですがよく声が出ていて歌も上手かった。
ルイ・ラングレー指揮のDeutsche Kammerphilharmonie Bremenは音がよくて切れのいい演奏、序曲を聴いて今日は来てよかったと思ったものでした。実はガランチャがキャンセルしたとき切符を返そうかどうしようかと迷ったのです。ラングレーは過去に何度か聴いていますがいつも印象はいいです。特に昨年4月の「ペレアスとメリザンド」には私は最上級の賛辞を送っています。
特筆に値するのは管弦楽で、ドイツの小編成オケの実力を余すところ無く伝えてくれました。木管も弦もアンサンブルがすばらしく隣にいた友人は普段聴くLPOとは何という違いと感嘆していました。

Michael Schade as Titus
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Alice Coote as Sextus
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Malin Hartelius as Vitellia
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Brindley Sheratt as Publius & Rosa Feola as Servilia
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Christina Daletska as Annius
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Louis Langrée & concert master
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by dognorah | 2012-02-24 22:42 | オペラ