2007年 12月 06日 ( 1 )

円熟期のティチアーノ展

ちょうど1年振りにヴィーン美術史美術館を訪問し、開催中の“der späte tizian” という特別展を駆け足で見て回りましたが見応えのあるものでした。昨年はBellini, Giorgione, Tizianoの展示でしたがその続きと位置づけたのが今回のものということです。今回は特にX線で各絵画の下塗りを調査した結果が解説として掲げてありました。多くの画家が一旦仕上げた作品が気に食わなくて別の絵をその上に重ねて描く性癖を踏まえてのことです。そのために同じ主題の、または似ている絵画を世界各地から借用して並列展示していますが大変興味深いものでした。中でも、アッと思ったのは昨年の記事で助六さんからコメントいただいた毛皮をまとった婦人像と関連の絵が3枚並べて展示してあったことです。
c0057725_124575.jpg

左がエルミタージュ美術館、中がヴィーン美術史美術館、右がフィレンツェのピッティ宮所蔵です。パリのリュクサンブールで見損なったのをやっとここで回復というところで、考えてみるとこれらの絵は世界中に要請されてあちこち旅ばかりしていることになりますね。それはともかく3枚並べて見れるというのはなんという贅沢!X線照射による調査結果がまた面白く、真ん中の毛皮をまとった婦人像の下絵に右側の“La Bella”と同じものがあるのです。X線写真も展示されていました。恐らくティチアーノは最初に描いたLa Bellaが気に食わなくて新しいカンヴァスに描き直したのでしょう。こうして改めて3枚の魅力的な肖像を眺めると、私は右のフィレンツェ所蔵のものが一番気に入っていることが分かりました。
その他何点かの「ルクレチアの陵辱」とルーベンスの模写とか、ラファエロの影響を受けたものがラファエロと共に並べてあったり、見ものが多数あります。お勧め。


der späte tizian und die Sinnlichkeit der Malerei
18.10.2007 – 6.1.2008
kunst historisches museum, Maria Theresien-Platz, Wien
[PR]
by dognorah | 2007-12-06 01:05 | 美術