2005年 06月 23日 ( 2 )

ウインブルドンテニストーナメント

6月20日から今年のウインブルドンテニストーナメントが始まったので雑感を少し述べてみよう。

今のところ例年になく上天気で、少なくとも今週は日程の消化が捗りそうだ。ちょっと暑すぎる嫌いがあるくらい。これが開催されるテニスコートはなだらかな起伏の中とはいえ谷底にあり、盆地効果でウインブルドンの他地域よりより暑い。私はそこから徒歩10分程度の高台に住んでいるが、体感的に温度は2-3度違う。

さて、この大会、なぜか年々人気が上昇しているようで、なかなか入場が難しい。個人の場合は前売り入場券は前年の12月末までに郵便で申し込んで、ゲットする。売り出す切符の枚数に比べて希望者が多いので切符の割り当てはテニスクラブ側が何らかの方法でやる。抽選とは書いていない。すべてクラブにお任せなのだ。当たったとしても、どの日のどのコートになるか、希望など一切聞いてもらえない。完全なあてがいぶちで、1回戦のこともあれば決勝戦のこともあるようだ。気に食わなければお金の払い込みをしなければいい、というシステムである。

TVで、センターコートのサイドで真ん中辺のいい席がずらっと空席、というのをご覧になったことはないだろうか。実はあれ、企業が接待用に買い占めたものなのだ。接待相手に切符を贈ったけれど、来なかったというやつ。私が企業に勤めていた頃、こういう席を斡旋する会社から顧客用にひとついかがですか?と売り込みをかけられたことがある。数年前だが相場は一席あたり£700(約14万円)。確かクラブ内での食事とワインつき。このテニスクラブ、なかなかの商売熱心なのだ。

私の場合は今年の割り当ては外れた。そういう場合は当日券を求めて行列すればよいのだが、これがまた大変な行列で、午前中に行くと炎天下を延々と1キロ以上並ぶことになるだろう。センターコートなど希望者が多いので切符売り場に到達しても買えないことが多く、大抵は第3コート以下のマイナーコートを自由に見れる切符で我慢することになる。
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午後5時を過ぎると切符の値段は下がるので、それを目当てに行列の数は減らない。写真は大会が始まってまだ3日目の22日午後6時ごろ撮ったものである。撮った地点は切符売り場から200メートルくらい離れたところである。丘の上の先は見えないが、確かめたところさらに300メートルは続いていた。

昨年は、前半は雨が多く、試合の消化が捗らず、やむを得ず中日の日曜も急遽試合を決行することになった。その決定は前日だったので、すべての席を先着順で売り出すことになり、大勢の人がセンターコートに入れた。私も地の利を生かし、早朝から行列して簡単にセンターコートに入ることが出来た。フェデラー、ヘンマン、セリーナ・ウイリアムスなどを目の前で見た。フェデラーのテニスを見て感じたことだが、昔東京で見たプロ選手のテニスよりさらに技術的に発展している。スピードと玉のコントロールの度合いが違う。だからローンコートとはいえ最近は昔ほどサーブアンドボレーが通用しない。とにかくそれで彼に魅せられて、今でも応援している。

今年は天気がよすぎる。日曜は通常のごとくゲームはお休みだろうから私に見るチャンスはない。こういうときはTVで我慢だ。BBCはこのイベントには並々ならぬ力を注ぐ。従来のTV放送でも二つのチャンネルを使って同時に二つの試合を中継することもある。しかし、地上波デジタル放送ではもっとサービスがよくて、全時間帯で3つの試合を同時に中継する。テレテキストと連動させて特殊なメニューを表示し、対戦する選手名でその試合を選択できるのだ。これはBBCにとっても便利だ。メジャーな試合二つと、イギリス人選手が登場するマイナーな試合ひとつを組み合わせて、幅広く視聴者の要望に応えることができるというものだ。

女子は私の好きなジュスティーヌ・エナン・アーデンが1回戦で負けてしまってがっかりだ。日本選手も全滅してしまったし。昨年はシャラポアが杉山に勝ってからは彼女を応援していたけれど、今年はもう鼻持ちならないので応援はやめた。あの若さで金を稼ぎすぎてちょっと精神が異常だ。昨日か今日か忘れたが、BBCのインタヴューに出て、インタヴュアーが話している最中に携帯に入ったテキストを見てげらげら笑っている。インタヴュアーも頭にきて「She is a crazy girl!」と毒づいていた。

ウインブルドンでは、ひとつ何とかしてほしいものがある。審判の誤審だ。フレンチオープンはコートの性質上すべての人が納得する判定が可能で、事実疑わしいときは審判がボールの跡を見に行ってから判定している。その大会の後にローンコートの試合だ。余計誤審が目立つ。人間の目での判定など100%正確にはできないことは誰でも知っている。テニスクラブ側が開発したフォールト判定のピーッと鳴るシステムも鳴ったり鳴らなかったりで信頼性は今一だ。ところがBBCの開発したボールの正確な軌跡の映像化でビデオ判定が可能になっているのである。TVでそれを視聴者に披露して誤審の多さを印象付けている。にもかかわらず、主催側はかたくなにそのような技術の採用を拒否している。保守的な日本の大相撲でさえ物言いがつくとビデオでの判定結果が参考にされているのに。ひとつの誤審で一生懸命プレーしていた選手がプッツンしてそれ以降の試合が面白くなくなる例があって、金を出して見ている方はたまらない。
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by dognorah | 2005-06-23 18:37 | テニス

「Music of Today」コンサート – 6月21日

恒例のフィルハーモニア管弦楽団による現代音楽普及のためのイベントである。会場はロイヤルフェスティヴァルホール。この催しは1年を通じて開催されるが、今日が今シーズンの最後で、特別にイギリスの各音楽学校に在籍している若い作曲家たちの作品を取り上げた。これは半年ぐらい前から準備されていたもので、各作曲家にアンデルセンの童話のどれかからイメージして作曲すること、というルールを与えて芸術監督のJulian Andersonと今日の指揮者Alexander Brigerと共に綿密な打ち合わせの結果開催にこぎつけたものである。4人の作曲家が選ばれたが、すべてヴァイオリン2、ヴィオラ1、チェロ1、フルート1、クラリネット1、ハープ1という楽器構成だったのでそれもルールであったのだろう。

作曲家は次の通り。
(1) Jean-Baptiste Robin (1976- )
パリのコンセルヴァロワールで学んだ後、現在はロンドンのKing’s Collegeに在学中。選んだテーマは「Reflected Faces」
(2) Llwelyn ap Myrddin (1980- )
最初物理学を専攻していたが後に作曲家になることを決意、現在はロンドンのGuildhall School of Music and Dramaに在学中。テーマは「The Nightingale」
(3) Dobrinka Tabakova (1980- )
ブルガリア生まれ。Guildhall School of Music and Dramaを卒業後、King’s Collegeに在学中。テーマは同じく「The Nightingale」
(4) John Douglas Templeton (1982- )
スコットランド生まれ。現在はRoyal Academy of Musicに在学中。テーマは「On Myths of Travel & Broken Snow」

各曲とも5-10分程度の短い作品である。まとめて感想を述べると、現代の音であるのはもちろんだけれど現代音楽の範疇では特に異端的なものはなく、すべてあるイメージを湧かせてくれる作品に仕上がっている。その分非常に個性的な作品というのはなかった気がする。選ぶ側の趣味も出ているとは思うが。
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by dognorah | 2005-06-23 01:29 | コンサート