プッチーニ「西部の娘」公演

2008年9月19日、ROHにて。

La fanciulla del West
Opera in three acts
Music: Giacomo Puccini
Libretto: Guelfo Civinini and Carlo Zangarini after David Belasco's The Girl of the Golden West

Conductor: Antonio Pappano
Director: Piero Faggioni
Set designs: Kenneth Adam
Costume designs and lighting design: Piero Faggioni
The Royal Opera Chorus
The Orchestra of the Royal Opera House

CAST
Minnie:Eva-Maria Westbroek
Dick Johnson (Ramirez) a bandit:José Cura
Jack Rance a sheriff:Silvano Carroli
Nick a waiter:Bonaventura Bottone
Ashby agent for the Wells Fargo Transport Company:Eric Halfvarson
Jake Wallace a roving minstrel:Vuyani Mlinde
Sonora:Daniel Sutin
Trin:Hubert Francis
Bello:Kostas Smoriginas
Happy:Quentin Hayes
Joe:Harry Nicoll
Larkens:Andrew Foster-Williams
Harry:Robert Murray
Sid:Adrian Clarke
Billy Jackrabbit a Red Indian:Graeme Danby
Wowkle Minnie's Indian servant:Clare Shearer
José Castro a member of Ramirez's band:Jeremy White
Pony Express Rider:Lee Hickenbottom

このプロダクションが再演されるのは2005年10月以来3年振りです。あらすじはそのときの記事に書きました。ラミレス役は前回もホセ・クーラでした。そして、クーラの歌唱は前回を上回る出来でこんな好調なクーラを聴いたのは久し振りのことです。文句なしの出来で大満足です。こんなに好調なら今回はパスしようと思ったトゥーランドットも行こうかしら。
そして今回の相手役ミニーを演じたエファ=マリア・ウェストブルックもすばらしいとしか言いようがありません。この人を聴くのは2年前のムツェンスク郡のマクベス夫人昨年のROHのジークリンデ先月のバイロイトのジークリンデに次いで4回目ですが、全てレヴェルの高い出来だったので、いつも安定して優れた歌唱を聴かせてくれる人ですね。
しかしもう一人重要な役のシェリフ、ジャック・ランスを歌ったシルヴァーノ・カロリがいけません。声量がない上に声も歌唱も魅力に乏しく、おまけに演技も上手ではありません。唯一この人にだけ終演後はブーが出ていました。他の脇役陣もよかっただけにただ一人凹んでいるのは目立ちました。イタリアの歌手ですね。3年前はアメリカ人バリトンのマーク・デラヴァンが歌いましたがずっとよかったと思います。

今回は2回目なので音楽はより楽しめました。台本があまりよくできていなくて退屈なオペラですが、プッチーニらしい美しいメロディはあちこちに散りばめてあり、主役3人のアリアも聴き応えがあるものです。パッパーノの指揮も前回よりかなり叙情性を強調していたように思います。今回プッチーニの音楽で特に印象的だったのは第2幕でミニーとシェリフがラミレスの身柄と彼女自身を賭けてポーカーの勝負をするところで、バックに流れる音楽は単にバスのピチカートだけという場面。演じる人たちと聴衆の心臓の鼓動のようにも聞こえるもので緊迫感が満ち満ちていました。実は指揮者はこのときお休みしてバス奏者に任せていました。私の席はオケの真横だったので全て見えるのです。余談ですが、この演出は3幕とも暗闇から幕が上がっていきなり音楽が始まるもので、パッパーノはあらかじめ指揮台の横で待機していました。さすがに第3幕だけはいつものように登場してオケを立たせて拍手を受けていましたが。

さて今回は大いにステージについて不満があります。何と舞台前面にネットが張ってあって、最初から最後までそのままなのです。まるで鳥かごの中を見るみたいに舞台を見なければならず、見難いことこの上なしという状況でした。私のようにサイドに座っている者だけでなく平土間最前列に座っている人もものすごく見難いとこぼしていました。何のためにこうしたのかは全く不明で、ただでさえ暗い照明の舞台がますます暗くなるし、第一、鬱陶しくて仕方がないです。3年前はAmphitheatreから見たのでネットに気付かなかったのかあるいは今回だけなのか。恐らく今回だけなのでしょうけれど、やめて欲しいものです。おまけにカーテンコールも全く照明がそのままなのでクーラとウェストブルックの写真も次のようにひどいことになりました。時にはカメラの焦点がネットに合ってしまったりでさんざんです。
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ウェストブルックの右の方にいるのはボナヴェンチュラ・ボットーネです。

今日はロンドンの椿姫さん、日本からいらしたSardanapalusさんとりょーさん、それにNYからいらしたMさんといっしょになり、35分ずつ2回もあったインターヴァルは全く退屈せずに済みました。楽しい会話に感謝です。
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by dognorah | 2008-09-21 04:38 | オペラ
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