メシアンのオペラ「アッシジの聖フランチェスコ」コンサート形式

2008年9月7日、RAHにて。
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指揮のIngo Metzmacher。写真で感じていたイメージより温かそうな人だった。

Saint François d'Assise
作曲とリブレット:Olivier Messiaen

演奏
The Netherlands Opera

Rod Gilfry: St Francis (baritone)
Heidi Grant Murphy: Angel (soprano)
Hubert Delamboye: Leper (tenor)
Henk Neven: Brother Leo (baritone)
Charles Workman: Brother Masseo (tenor)
Donald Kaasch: Brother Elias (tenor)
Armand Arapian: Brother Bernard (baritone)
Jan Willem Balijet: Brother Sylvester (baritone)
André Morsch: Brother Rufus (baritone)

Chorus of The Netherlands Opera
Martin Wright chorus master
The Hague Philharmonic
Ingo Metzmacher: conductor

13世紀のイタリアの高僧、聖フランチェスコを題材にした宗教オペラ。3幕8場で構成されていますがオペラとしてのアクションは乏しく、聖フランチェスコの説教的台詞(繰り返しが多い)が延々と歌われる趣です。にもかかわらずインターヴァルを入れて演奏時間は6時間近くに及ぶ大作です。今年の6月にアムステルダムのネーデルランド・オペラで上演されたものを出演者のほとんどをそのままにしてコンサート形式で再現されたものです。

舞台に上がったオケを見てその編成の大きさにびっくりしました。ステージに全ての楽器を置けなくて左右の2階ボックス席の一部にもオンド・マルトノーなどの楽器を置いていましたが、アムステルダム上演時の映像を見るとさすがにピットは使わずにメインステージ奥に配置されていました(因みにこの舞台は工事現場の足場みたいな感じで全く美しくありません。コンサート形式に毛が生えた程度)。

音楽は例によって多彩な打楽器群が大活躍するいかにもメシアンらしいもので、キリスト教信者でもない私には台詞はあまり興味がなくても充分音楽だけで長時間楽しめるものでした。

メッツマッハー指揮するオケはさすがに6月いっぱい演奏してきただけあって手慣れたものです。すばらしいアンサンブルで魅力的な音楽をたっぷり鳴らしてくれた感じです。いい指揮者と思います。ガラガラの会場(それでも2000人ぐらいはいたか)にもかかわらず第3幕開始時には指揮者への賛辞が賑やかで演奏する側にとってもやりがいがあったことでしょう。彼は来年1月から2月にかけてコヴェントガーデンでコルンゴルトの「死の都」を指揮するので楽しみです。

歌手ではタイトルロールのバリトンはまあまあの出来、長丁場のせいで第2幕では後半声が掠れたり音程がふらついたりしていましたが、第3幕では水を飲みながらも歌いおおせました。聴く側にとってはもう少し声量が欲しい(出演者の中では小さい方)ところですが、説教というのはそう声を張り上げるものではないのでこんなところでしょうか。声量といえばLeper役のテノールは相当なもので張りのある声をがんがん発していましたが、虐げられてきた者が鬱憤を吐き出す場面にふさわしいものでした。天使役のソプラノも天使らしい気品のある声で上手かったと思いますが、欲を言えばもう少し声の通りがよければというところです。アムステルダムの舞台ではカミラ・ティリングが歌っていますが、潤いのある声が魅力的です。

写真は終演後の歌手達。中央がタイトルロールのRod Gilfry、右はHeidi Grant Murphy。
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by dognorah | 2008-09-08 22:46 | オペラ
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