ヴェルディのオペラ「ナブッコ」公演

2008年7月14日、バイエルン州立歌劇場にて。
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Nabucco
Oper in vier Teilen
Musik Giuseppe Verdi
Libretto Temistocle Solera

Conductor: Paolo Carignani
Production, Set and Costumes: Yannis Kokkos
Lighting: Michael Bauer
Chorus Andrés Máspero
Dramaturgy: Anne Blancard-Kokkos

CAST
Nabucco: Paolo Gavanelli
Ismaele: Aleksandrs Antonenko
Zaccaria: Giacomo Prestia
Abigaille: Maria Guleghina
Fenena: Heike Grötzinger
Il Gran Sacerdote: Steven Humes
Abdallo: Kevin Conners
Anna: Lana Kos

The Bavarian State Orchestra
The Chorus of the Bavarian State Opera

席は3 Rang(日本流で4階)中央付近の1列目で音響的には不満のない場所ですが、目の前に手すりがあり、シートバックに寄りかかって座ると舞台が見えにくくなるのでちょっと前屈みの姿勢を取らざるを得ません。そのために私より後ろの席の人たちは更に見難くなることでしょう。それに夏期は暑いです。男女とも多くの人が上着を脱いでいました。トップの写真はこの席から舞台方面を見たもの。

このオペラは実演で見るのは今回が初めてです。舞台は灰色を基調にしたシンプルなもので、神殿は断面が正方形で内部を金色に塗ったホーンのようなもの。それが上下や前後に移動します。また舞台前面には三方が階段になった台座が左右にスライドし、ホーンの位置と併せて各場面を形成します。兵士達は黒っぽい現代的衣装で自動小銃を構えています。主役達はそれなりに立場が分かるようなデザインのガウンを着用しているので場面を想像するのは容易です。演出的にはかなりまともと言えるでしょう。

歌手ですが、ROHでお馴染みのパオロ・ガヴァネリがタイトルロールです。台詞的な箇所では時折気の抜けたような声を出していましたがアリア部分ではさすがに気合いを入れて歌い、特に第4部ではそれまで貯めていたスタミナを出し切って熱唱。もともと迫力のある声ではありませんが歌のうまさで充分カヴァーしている感じです。アリアもカーテンコールも大喝采でしたが、カーテンコールではかなりのブーも混じっていました。

司祭役のジャコモ・プレスティアは開演前に、喉の調子が悪いけど歌う、とアナウンスされましたが特に問題ないどころか大変立派な歌唱で存在感充分でした。

このオペラではテノールが脇役ですが、イズマエレ役のロシア人テノール、アレクサンドルス・アントネンコは結構優れた声と歌唱で、ちゃんと聴いてみたい人だと思わせました。

アビガイレ役のマリア・グレギーナ(1959年生まれのウクライナ人)は初めて体験しましたがとても魅力的な声で声量もあり、その歌唱は私的にはブラヴァーですがカーテンコ-ルでは歓声に混じってかなり強烈なブーも飛んでいました。過去にもっといいときがあってそれとの比較でこうなったのか、あるいはもともとあまり人気のない人なのかよく分かりません。アビガイレという役にはふさわしい立派な体躯で歌は上手かったと思うのですが。

「ブラヴァー!」 「ニコニコ」
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「ブー!」 「キッ!」
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フェネーナを歌ったメゾソプラノはちょっと水準の落ちる歌唱でしたがドイツ人のせいか暖かい拍手でした。

パオロ・カリニャーニの指揮するオケは音、テンポ、間の取り方などどれを取ってもすばらしく、劇的なヴェルディのオペラにふさわしい出来だったと思います。彼は以前にヴィーンで「セビリアの理髪師」を振ったのを体験していますがそのときもすばらしい指揮で、ロッシーニでもヴェルディでも自在にこなせる人なのですね。

下の写真はカーテンコールのもので、左からPaolo Gavanelli、Paolo Carignani、Maria Guleghinaです。
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by dognorah | 2008-07-18 00:12 | オペラ
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