ナキソス島のアリアドネ

2008年6月19日、ROHにて。

Ariadne auf Naxos
Opera in a prologue and one act
Music: Richard Strauss
Libretto: Hugo von Hofmannsthal

Conductor: Mark Elder
Director: Christof Loy
Revival Director: Andrew Sinclair
Designs: Herbert Murauer
Lighting design: Jennifer Tipton
Choreographer: Beate Vollack
The Orchestra of the Royal Opera House

CAST
・Prologue
A Music Master: Thomas Allen
The Major Domo: Alexander Pereira
A Lackey: Dean Robinson
An Officer: Nikola Matišić
The Composer: Kristine Jepson
The Tenor: Robert Dean Smith
A Wigmaker: Jacques Imbrailo
Zerbinetta: Gillian Keith
The Prima Donna: Deborah Voigt
A Dancing Master: Alan Oke
Three Singers: Anita Watson, Anna Leese, Sarah Castle
Four Comedians: Markus Werba, Ji-Min Park, Haoyin Xue, Jeremy White

・Opera
Naiad: Anita Watson
Dryad: Sarah Castle
Echo: Anna Leese
Ariadne: Deborah Voigt
Zetbinetta: Gillian Keith
Harlequin: Markus Werba
Truffaldino: Jeremy White
Scaramuccio: Ji-Min Park
Brighella: Haoyin Xuet
Bacchus: Robert Dean Smith

4年ぶりに再演されたこのプロダクション、そのときのことはプロローグの舞台装置の凝った作りと劇としての面白くなさしか印象にありませんが、今日は劇の筋のことは放棄して音楽に集中した結果すばらしい出来に感嘆しました。

まず歌手ですがすべてとてもよい出来でした。4年前に肥満のためタイトルロールを首になって世界中の話題になったデボラ・ヴォイトはそのときのギャラで外科手術をして“やや痩せて”今回やっと歌わせて貰ったわけですが、評判の高さを確認できる歌唱でした。よく伸びる高音と高貴な歌声、歌唱のうまさなどさすがでした。高音はやや金属的な印象もあって声質そのものは非常に好きというわけではありませんが初の体験はインパクト充分でした。バッカス役のロバート・ディーン・スミスも非常に優れた歌手とは思いませんし好みの歌手というわけではありませんが今日の歌唱はかなり調子がよく、終盤のヴォイトとの二重唱は圧倒的な感銘を与えてくれました。ツェルネビッタ役のジリアン・キースは多分ROH初登場のカナダ人ソプラノですがこれがまたすばらしいコロラチューラでアリア終了時にブラヴォーを進呈しました。2000年にキャサリン・フェリアコンクールで優勝した人ですがヴォイトの半分以下と思える華奢な体つきも大変好ましい。
プロローグにしか登場しない作曲家役のクリスティン・ジェプソンはアメリカ人メゾ・ソプラノで過去にROHでドラベラ役を聴いたことがあります(特に印象はなし)が、今日の歌唱はすばらしく大満足です。ガランチャがこの役をレパートリーにしないということで降りた代役として起用された人ですが、これだけの優れた歌唱でしたら文句なしです。因みにガランチャの言い分は本当で、ヴィーンでも同じ理由で降りています。
こういう歌手達に後一人付け加えたい特筆ものの歌手はハーレクィン役のオーストリア人バリトン、マルクス・ヴェルバです。魅力的な声にスムーズな歌唱は大いに印象的でした。この人も今回がROH初登場でしょう。なお代役で出演したThe Major Domo役のアレクサンダー・ペライラはヴィーン・コンツェルトハウスやチューリッヒ・オペラのディレクターをやっていた異色の人ですが演技は特段上手かった印象がありました。会場で会った知り合いの連れがドイツ人で、彼に言わせるとものすごくオーストリア訛りのドイツ語だと言うことですが。彼のコメントによるとROHの英語字幕はひどくて、台詞のニュアンスをほとんど伝えていないとのこと。さもありなん。
マーク・エルダー指揮の管弦楽ですが職人的とも思えるスムーズなメロディ運びと美しいアンサンブルでこれも文句なし。
演出はプロローグ、オペラ共にいろいろ演技を持ち込みすぎてやや散漫という印象です。舞台装置はプロローグのリフト(エレベーター)とそれに連動して上下する床の作りが凝っていて楽しいですが、それにお金を使いすぎたのか後半のオペラ部分はごく普通といったところです。
次の写真はプロローグ終了時のもので、左からGillian Keith、Thomas Allen、Kristine Jepson、Alan Okeです。
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次は全幕終演時のもので左からDeborah Voigt、Mark Elder、Gillian Keith、Robert Dean Smith、Markus Werbaです。
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by dognorah | 2008-06-20 22:50 | オペラ
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