Sara Laimonピアノリサイタル

2008年6月16日、ウイグモアホールにて。

プログラム
・Harold Melzner (b.1966)
Toccata IV
Toccata II
Piano Sonata

・Laura Kaminsky (b.1956)
Fantasy Suite
Triftmusik
Boulevard
Musica Stellato
Toccata Piccola

・Ezra Laderman (b.1924)
Sonata No.3 (The Circus of My Mind)
I.Fantasia
II.Ten Piano Pieces
Mercurial
Driven & impetuous
Andante
Andantino
Gently
Forceful, Brusque
Pesante
Con amore, sempre legato
Allegro
Tenderly

III.Variations

カナダ人ピアニストSara Laimonは見たところ40代半ばでこれがウイグモアデビューである。プログラムを見ると全く知らないアメリカの現代作曲家3人の作品ばかり。その勇敢さに敬意を表したい。知らないピアニストが知らない曲を弾く。案の定会場は100人に満たない聴衆しかいない。こんな不入りなウイグモアホールは初めて見た。何を隠そう私だって只券が配られなければ行かなかった。無料ですよーとアナウンスしてもこれだけしか集まらなかった。しかも最初の二人の作曲家は演奏者から招待されて会場にいた。彼等もびっくりしたことだろう。

最初の曲は2005年に作曲された5曲のトッカータから2曲を選び、それに2008年に作曲された単楽章のピアノソナタをくっつけた形である。曲想的には関連があるらしく、作曲家と打ち合わせて決定したプログラムらしい。現代作曲家ながらかなり古典的な音と形式の作品で、同じテーマがわずかに変奏して続けられ、ちょっとミニマリズムの影響が感じられた。悪くない。演奏時間は約20分。

次の曲も作曲家と打ち合わせて彼女のピアノ作品の中から自由に取捨選択して演奏者のイメージでFantasy Suiteと名付けられたもの。4曲とも気品のある音で構成され、神秘的であったり、静かだと思ったらいきなりダイナミックになったりとなかなか楽しめる曲であり演奏だった。最初の曲より好感が持てる。演奏時間は約15分。

最後の曲は誰かの依頼ではなく作曲家が自分の妻のために書いたもので個人的な思いがいろいろ詰まったものらしい。演奏時間約50分の大作である。何かの情景を描写しているらしく、時たまムソルグスキーの「展覧会の絵」を思い出させてしまうようなフレーズがある。これも前2者と同様古典的な手法で書かれた曲である。結構いろいろな曲想が出てくるので退屈することはないが余りよく解釈できない曲ではある。譜面が見える位置の席だったので、まだまだ続くなぁと思いながら聴いていた。
アンコールは1曲のみ、バッハあたりか。
さすがにアンコール以外はすべて譜面を見ながらの演奏で、継ぎ接ぎして自分でめくれるように準備したものだが、達者な腕前のピアニストという印象だった。聴き始めると結構楽しめたコンサートで、食わず嫌いはやはりよくないなぁという印象。
写真はアンコールを弾こうと腰を下ろす瞬間のSara Laimon。ところで今日のピアノはスタインウエーだったがいつも見慣れたものではなく横の聴衆から見える位置に銘がないやつ。ひょっとしてピアノまで持ち込み?カナダからわざわざとはちょっと考えにくいけど。
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by dognorah | 2008-06-18 06:47 | コンサート
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