Viv McLeanピアノリサイタル

2008年5月18日、Wigmore Hallにて。

プログラム
Johannes Brahms: Three Intermezzi, Op.117
Johannes Brahms: Two Rhapsodies, Op.79
Franz Liszt: Six Consolations, S 172
Franz Schubert: Sonata in B flat major, D 960

ヴィヴ・マクリーンは73年生まれのイギリス人である。バルセロナで開催されたMaria Canals International Piano Competitionで2002年に優勝して以来世界中でコンサートピアニストとして活躍中とのこと。日本でもリサイタルをやったことがあって、その模様はCDにもなっているらしい。今後の予定でも日本を再訪することになっている。

長身のスキンヘッドで怖そうなお兄さんだが、気はあまり強くなさそうで第1曲目の最初のインテルメッツォはちょっと上がっている感じで、慎重に弾きすぎるせいかぎこちなく、聴いている方も大丈夫かいなという気にさせられたが第2インテルメッツォからは持ち直し、感銘を与える演奏だった。ゆったりしたテンポの豊かで含蓄ある音がすばらしく、スタインウェーのポテンシャルを最大限引き出している印象で聴いている方もリッチな気分になる。次のラプソディでは更に調子を上げた演奏でこれは大物という感じだ。フォルティッシモでも音の純度が高く気持ちのいい衝撃が感じられる。
次のリストは切々と歌うような物静かな音楽が連綿と続く(題名からして当然だが)美しいものだが質の高い音がここでもよく活かされている。
インターヴァル後はシューベルトの最後のソナタ、演奏時間40分近い大曲である。ここでも急がずじっくり訥々と音を紡いでいく。聴く方も持続される緊張感に縛られながら音楽に身を委ねる。ウーン、聴き応えがある。長い第1楽章だけで満腹になりそう。第2楽章もその調子で、第3楽章はスケルツォなので速いテンポで演奏される。第4楽章はその流れをそのままにアレグロに突入、やはりかなり速めのテンポだが結構揺れる。両楽章とも高音部の美しさが印象的な演奏だ。最後は速いテンポでダイナミックに終了。ブラヴォーが飛び交う。立派な演奏だった。
アンコールは2曲だったが、恐らくシューベルトの何かと思われる。
写真は終演後挨拶するViv McLean。
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このところピアノはウイグモア・ホールで聴くことが多いがいつも感心させられる演奏が繰り広げられる。ほとんどは1階席しか使われないので聴衆が500人に満たない空間は落ち着けるし、何よりも大ホールよりも遙かに楽しめる音の良さ。1901年にドイツのピアノメーカーBechsteinによってピアノ用に造られたホールなのでいいのは当たり前である。そしてこれだけしか席がないのにコンサートがやたら多いせいかシフのような有名ピアニストでもない限り切符は余っているから当日思い立って行っても入場できるし。
日本から旅行や出張で来られた方が何か音楽を聴きたいというときにもお薦めの会場です。
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by dognorah | 2008-05-20 08:19 | コンサート
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