ロンドンで京劇「滑油山」を見る

Slippery Mountain
by Not So Loud Theatre Company

Director: Paddy Cunneen
Di Zhang Wang: Ghaffar Pourazar
Mulian: Eriko Shimada
Liu Qing Ti: Ming Lu
Attendants: Emilia Brodie, Peter Savizon, Charlie Tighe, Chie
Musisians: Joanna Qiu, Joe Townsend

c0057725_1284090.jpg先日ウイグモアホールでセルビア人ピアニストDorian Grinerのリサイタル(大変すばらしかった)を聴きに行ったときにインターヴァルで、ある日本人女性から現在ロンドンで京劇をやっているので見に来ないかと誘われた。彼女も出演しているとのこと。
それで4月9日に見に行ったが結構楽しめた。

場所は中華街にあるNew World Restaurantの2階。客はテーブルで食事しながら観劇できる。
俳優とスタッフはNot So Loud Theatre Companyというイギリス人中心の劇団の人たちで、それに中国人一人、日本人二人、イラン人一人が加わって公演された。楽団には胡弓を弾く中国人も一人いる。俳優の中国人、日本人一人、イラン人は京劇に入れ込んでいてしょっちゅう北京に勉強に行っているらしい。中国語をしゃべるのは中国人とイラン人だけで後の出演者は英語でフォローして観客に筋が分かるように工夫している。

話の筋は、仏教の教えに背いて罪を犯した女 Li Qing Ti が滑油山で一生修行することになっているのを僧侶として修行中の息子 Mulian が連れ戻しに行くというもので、下界から来たものを追い払う悪魔達を蹴散らしたものの師匠のDi Zhang Wangから許されずあきらめる。

悪魔達との戦いシーンは剣を両手で振りかざす日本人女性Chieさんと棒を一本扱うイラン人Ghaffar Pourazarによって舞われたが、さすがに北京で習ってきただけのことはある迫力あるもので全編の白眉だった。このシーンがあってこそ京劇というものだ(私は京劇は見たことがないが、南京で似たようなものである越劇というのを見たことがある)。。日本人女性の両手による剣捌きが特に見事である。二人の呼吸もぴったりと合っていて京劇の様式美を垣間見ることができた。バックの音楽もすばらしかった。公演は3月18日から始まっており、この週末の4月13日で終わる。

終演後、日本人出演者の方々と話したが、Chieさんが京劇に入れ込んでいる方で、Shimadaさんは西洋オペラをやるソプラノである。またイラン人はもともとIT技術者だったのが京劇に取り憑かれて頻繁に中国に行くようになったとのこと。
ロンドンで公演することになった経緯は聞き損なったが、日本の能と同じように誰か熱心にぜひロンドンで紹介したいとプロモートした方がいたのとNot So Loudのように地元で協力してくれる人たちが見つかったことで実現したのだろうが、関係者の努力に賛辞を贈りたい。
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by dognorah | 2008-04-11 01:35 | 観劇
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