ヴェルディのオペラ「運命の力」

2008年3月19日、ヴィーン国立歌劇場にて。
最終公演を終えて成功を喜び合うメータとシュテンメ
c0057725_1013356.jpg

La forza del destino
Oper in vier Akten
Text von Francesco Maria Piave und Antonio Ghislanzoni
Musik von Giuseppe Verdi

Dirigent: Zubin Mehta
Inszenierung: David Pountney
Ausstattung: Richard Hudson
Chorleitung: Thomas Lang
Choreographie: Beate Vollack
Licht: Fabrice Kebour
Video: fettFilm

Marchese di Calatrava: Alastair Miles
Padre Guardiano: Alastair Miles
Leonora: Nina Stemme
Don Carlo: Carlos Álvarez
Alvaro: Salvatore Licitra
Fra Melitone: Tiziano Bracci
Preziosilla: Nadia Krasteva
Mastro Trabuco: Michael Roider
Ein Alkalde: Dan Paul Dumitrescu
Chirurgus: Clemens Unterreiner
Curra: Elisabeta Marin

Orchester der Wiener Staatsoper
Chor der Wiener Staatsoper

今回の公演は新演出(3月1日プレミエ)で、今日がその最終日でした。その演出はヴィデオを多用したもので、車輪の回転、ピストルの回転、弾丸の偶然を強調する軌跡、爆撃機による戦争の場面などですが割と単純で分かりやすいものです。舞台は非常に現代的と言うほどではないもののシンプルな作りで、場面によっては紗幕を頻繁に使って(何が目的なのかはよく分かりません)いました。常に傾いたL字型の舞台が置かれていて(写真参照)それが場面転換と共に回転して、別の場面ですよと言わんばかり。想像力で補える範囲ではあります。出演者はほとんどの時間この傾いた舞台上で演技しなければならず、ちょっと苦痛かもしれません。
c0057725_1014175.jpg

舞台の割に衣装は一部凝っていて、第2幕のダンスシーンは人海戦術的に多数のダンサーが西部劇もどきの格好で踊るものの演技面では特に新味は感じられませんでした。オペラそのものはまともに演じられるので現代の演出としてはまあまあというところでしょうか。

歌手ですがなんと言ってもニーナ・シュテンメが絶好調と思える出来ですばらしい。始まってすぐにレオノーラのアリアがありますが惚れ惚れする出来だったのに、すぐさまメードが声をかけるタイミングだったので拍手は入らず。メータの作戦か。
アルバレスとリチートラも立派な歌唱で問題なし。アルバレスは「シモン・ボッカネグラ」で聴いて以来ですがバスバリトン的な声で迫力のないアラステア・マイルズより低音でドスが利いていました。リチートラは2004年にROHでやったこのオペラで同じ役で聴いて以来です。前回は記憶が定かじゃないのですが今回は声がよく出ているものの私はそれほど好きな声質ではありません。先日聴いた「エフゲニー・オネーギン」でのベチャラの方が好みです。アラステア・マイルズはロンドンではお馴染みのイギリス人歌手ですが、主役3人の声量にかなわずといったところです。プレチオジラを歌ったナディア・クラステワは水準といったところです。

演奏ですが、メータはコンサートではこれまで堅実ではあるもののあまり感動することのない指揮者という印象でしたが、初めて接したオペラ指揮ではなかなかできる人であることが分かりました。序曲はごく普通といった出来で特に感心しませんでしたが舞台が始まると歌手とよく噛み合った演奏で聴衆の心を捉え、この劇的なオペラを豪華な音で堪能させてくれました。
下の写真は左からCarlos Álvarez、Nadia Krasteva 、Zubin Mehta、Nina Stemme、Salvatore Licitra、Alastair Miles、Tiziano Bracciです。
c0057725_10144735.jpg

[PR]
by dognorah | 2008-03-23 10:16 | オペラ
<< ティーレマン指揮の「パルジファル」 モロッコ旅行2、 マラケシュの印象 >>